二日酔いを意味する英語の「はんぐおーば(a hangover)」
まあ“酔っ払い”の言うこと。by.NA-094
はんぐおーば
愚酷醜齢(中編)
(前編からの続き)
前職では、職務経験も長く、ルーチンワーク以外のことは、
何もできなくても、それなりの給料をもらってきた。
しかし、定年を迎え、別の会社に中途採用され、新入社員となった。
はた目には、簡単な仕事にも見え、甘く考えていたもの。
慣れない仕事を、実務能力もない人間がこなせる訳もなく。
大勢いる同僚たちに紛れ、電話の鳴らないデスクで、
やり過ごそうとしているのがミエミエとなる。
このように、職場で求められるレベルを満たしていないのは、
年寄りで、物覚えが悪いからなのではなく。
ハッキリと言えば、バカなのに、やる気もないからであって、
これでは、仕事が出来るハズもない。
大体、年金受給するまでの“つなぎ”としか思っていなかった(らしく?)。
面倒なことは覚えようともせず、業務を説明しても生返事ばかり。
自尊心はあるけども…。
それを刺激しても、向上心が出るタイプでもなく。
自分よりも、年下の人間から注意されたのが面白くなかったのか?
露骨に態度が悪くなった。
書類の記述や電話応対などで失敗し、他人から注意、指摘されても…。
「いや!こう教わった。俺は間違っていない」としか言わない。
単なる負け惜しみなのか?
「なんか、声が大きいなぁ(うるせぇなぁ!)」
「顔色が悪いんじゃない」と、
わざわざ軋轢を生むようなことを、口にするようになり。
そんな人間を注意し、指導する同僚は減り。
やがて、誰も相手しないまま放置されていった。
この人物は、職場のモラルやマナーと言うもの蝕んでいた。
しかも、反省の態度もない。
ガマンできることにも限度があった。
追記:
年齢を経て、より豊かで深みのある人生を送りたいと思っていた。
それは幻想でしかないのかも知れない。
齢(よわい)を経ても、愚かで、あさましく、
そして、醜い。
“眉目秀麗”ならぬ“愚酷醜齢”という表題は、すぐに思いついたけど。
ちょっと抵抗があった。
それから、数年が過ぎ…。
より良くなるどころか、悪くなるだけの状況を前にして、
より深く、暗いものが根を張っていくような気分に陥った。
その気分からの回復には、かなりの時間を取られている。
(2021年3月加筆訂正:続く⇒)
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