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まずは一杯!?


「はんぐおーば(a hangover)」とは、英語で、二日酔いの意味。
こんなタイトルをつけておきながら、
お酒に関する記事が、なかなかアップされない困ったブログ。
・・・というお約束の前置きをしてから、唐突ながら、ビールに関するレポートを1つ。
外出先での食事のとき、ついつい一緒に頼んでしまうと言えば、
やっぱりビール。
イタリアンでも、中華でも。
鍋でも、焼肉でも。
「まあまあ、とりあえずビール」というところ。

日本国内の大手ビール会社などでは、多くの場合、工場見学を受付けている。
工場見学の内容は、ビールの製造工程の説明と、
各社商品のセールスポイントや事業方針などといったものになる。
(関連する記事)
キリンビール横浜工場2011年
サントリー武蔵野ビール工場に関しての過去の記事



見学コースでは、まずはビールの原料からの説明で始まる。
「ビールの原料は、水と大麦の麦芽、ホップが主なものになります」
これは、ドイツのビール純粋令から継承されてきたもので、
日本以外のビールメーカーでも、おなじみなところ。
注:日本国内の地ビールメーカーには小麦のビール、
ベルギーなどの個性派ビールでは、副材料に凝ったものもある。

”水”は、酒造りにおいて、重要な要素だが、穀物を原料とするビールは、
糖化や発酵などでの影響が味わいにも出る。
ホップは、ビール独特の香りと苦味となり、
外見は、”松ぼっくり”のようだが、”実”ではなく”花”。
そして、麦芽(malt)。
ここで、一般的な見学者は、あんまり疑問にも感じないで、聞き流してしまう。
正直に言ってしまえば、NAも、そうだった・・・のですけど。
色々なメーカーの工場を、グルグルと行っているうちに、やっと疑問に感じた。
なんで、麦(barley)でなくて、麦芽(malt)なのか?
刈り取ってきた麦は、そのままでは発酵しないため、発芽させる必要がある。
このため、麦ではなく、麦芽となる。
多くのビール会社では、この製麦工程を、
業者に外注させているケースが多いため、工場見学の説明では省かれてしまう。
ちなみに自社で製麦工程を行わず、製麦業者に麦芽のオーダーを任せているのは、
ビールメーカーだけなく、ウイスキーなどでも多い。

この麦芽を、お湯と混ぜ合わせていくことで、
麦の中に含まれる”でんぷん質”を、糖へと変える酵素が働いて、
糖分を含んだ液体、”麦汁”ができあがる。



ここで、少し話が変わってしまうけど。
ファミレスのドリンクバーにあるようなステックシュガーを、
ホットコーヒーに入れていくと、きれいに溶けていく。
そのステックシュガーを、今度はアイスコーヒーで使えば、溶けきらないで、
底に残ってしまう。
もちろん、コーヒーの品種が違うからではなく、温度によるものだろう。
一般的に砂糖のような固形物を、コーヒーのような液体に溶かし込むときは、
液体の温度が高い方がスムーズにいく。
このイメージもあって、水に固形物を溶かしていくときは、
単純に温度が高ければいいのだとばかりに思いがちだったけど。
しかし、ウイスキーやビールの工程で、仕込み水に麦芽を混ぜていくときは、
そんな乱暴な考え方では通じない。
糖化酵素が、十分に働きやすい摂氏60~70度くらいの温度で調整がされる。
こうやって、糖度が高くなった麦汁は、酵母菌によって、発酵され、
アルコール分を含んだビールへとなる。
もちろん、熱湯状態の麦汁に酵母を投入すれば、酵母は死んでしまう。
一旦、冷ましてから、酵母の投入となる。
およそ、1~2週間ほどで、発酵は終了する(国内外で、色々と違う)。
その後、各ビール会社ごとに、色々な方法を用いて酵母を除去する。
(注:除去しないものもある)
熟成期間を経てから、瓶詰めや缶詰めされて、出荷される。



実は、色々なビール工場を見学し、製造工程を見てきたのに、
いまだに理解しきれていないことは多い。
例えば、ビールの泡。
ビールの泡は、うま味のあるノドごしにつながる。
これは、発酵過程で生まれる炭酸ガスによるもの・・・だが、
実は、製造工程の中、抜けていってしまうというウワサを、耳にしてしまった。
ウワサの続きでは、それを炭酸ガスを加えて、整えているということだった。
発酵過程で生まれる炭酸ガスは、瓶詰めや缶詰めなどのボトリング時に雑菌が入らないように使うビール会社も多いことから、話としては、おかしなものではない。
製造工程で生まれた”もの”を、戻すということだろう。
この”ウワサ”の真相なども、またいずれ、調べていきたいところ。



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