The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

1994 シュヴァル・ブラン サンテミリオン

2012-09-15 05:49:12 | ワイン
『オテル・・・』が終了して早1週間にもなりますが、
まだその余韻は冷めやらず、今に至っております。

それは、4本の右岸が実に美味しく飲めた!ということに尽きますが、
特にも94年物という特殊なヴィンテージの『シュヴァル・ブラン』がドウ来るのか?
これが心配の種ではあったのですが、実に見事な状態だったわけです。

『1994年』は特にも左岸においては、メルロ不作の年で、その理由は、
夏は熱波に苛まれ、秋の摘み取り直前の豪雨で、メルロの摘み取りが遅れたとのこと!

右岸のいくつかの優良シャトーは豪雨を回避し、早めの摘み取りで難を逃れた所もあったらしい。

そのシャトーの一つが『シュヴァル・ブラン』ということです。
まずはこの色合いを見てください!

他の良いヴィンテージのシャトー以上の見事な色づきで、
いかにも美味しそうな、濃密なガーネットの輝きを見せてくれました↓



で、このワインを飲んで見ますと、確かに94’的な舌に残るタンニンはある。
しかしユックリ待って、時間をかけて飲み込んでみますと、
甘みが増し、豊満な果実も感じることが出来るんですね・・・

風味はそれこそ4本の中では、飛びぬけてエキゾティック!
シガーや焙煎やミネラルを意識し、濃密なブラックカラントを楽しめ、
それらをムラサキの花のブーケが包み込むわけだ・・・

リリース直後の収斂性は影を潜め、むしろ体躯の堂々とした骨太サンテミリオンの様相です。

一番人気の『93’ロートブッフ』と比べれば、
『シュヴァル・ブラン』の真骨頂たる精緻な調和がもう一歩でしょうか?

やはり、熱波の1994年の傷跡が影響しているのでしょう。
でも誤解されないように、もう一言加えますと、コレも見事なサンテミリオンではありました!