14日から書いている自民党の抱える問題点のシリーズの続きです。
[古賀さんの公明党との「選挙協力見直し」発言]
最近のマスコミで公明党に関する報道が二つあった。
その一つは古賀さんの公明党との「選挙協力見直し」発言だ。
その内容は既知の事なので省略するが読売新聞はその裏側の事情を次のように報じている。
・03年の衆院選から07年の参院選4回の選挙で小泉さんの郵政選挙を除いて全て比例区では民主党が勝っていること
・古賀さんが「自民党の政策で戦わなければ党組織が弱体化する」と指摘
・公明党が定額給付金の支給や自動車重量税の軽減など、政策要求を強めていることに自民党の不満が高まっている
・選対委員の会食では、委員から「定額給付金をやめたらどうか」「支持者から『公明党と手を切って出直せ』と言われた」などの声が出た
[公明党提案の裁判員制度実施延期への動き]
もう一つの動きは社民党と国民新党が裁判員制度実施延期への動きだ。
それに付いて朝日新聞は概略次の様に報じている。
社民党と国民新党が来年5月に始まる裁判員制度について、「制度そのものには反対しないが、国民の理解は深まっておらず、不安も解消されていない」などとして、問題点が解決されなければ実施を延期するよう求めていくことで合意した。今後、民主党や共産党にも働きかけていくという。
両党の説明によると、市民が短期間でいきなり死刑判決を迫られる▽短期間で裁判を終わらせることが優先されると、被告の権利が守られない可能性がある▽守秘義務など市民の負担が重すぎる――といった点を問題視している。
最高裁が今年4月に公表した意識調査では、積極的に参加意欲を示した市民の割合は15.5%にとどまっていた。
良くやった社民党と福島さん
私は社民党の言動については余り評価しないことが多いが、裁判員制度に批判的に私としては今回の動きは称賛に値すると思う。
褒めついでに言うと、
社民党の福島党首は17日の記者会見で、自民党議員から麻生首相批判の声が上がっていることに対し、「総理も問題だが、自分の所属政党が危急存亡の時に、トップの足を引っ張る自民党の国会議員は麻生さん以下ではないか。自民党は政権末期だ。党が大変な時こそ党を支えるべきだ」と批判した (朝日新聞より)そうだ。
確かに福島さんの言う事は筋が通っている。
然し自民党の立場で言うと福島さんからこんなことを言われる様では、自民党も墜ちるだけ落ちたと言われても仕方がない。
民主党の安住さんも似たようなことを言っていたが、自民党員は猛反省をすべきだ。
特に小泉改革を支え、外国人労働者100万人の導入を唱えてきた中川秀直さんのグループは改革の負の部分の如何に修正するか具体案を提案すべきで反麻生どころではないと思う。
[腐れ縁の自民党と公明党]
近頃の公明党は自民党にとっては疫病神的な存在だ。
自民党の比例区の国会議員の数が減っても公明党を推薦しなければならない事、国民に人気が悪い定額給付金、麻生さんの三年後の消費税増税反対、そして先々問題になるかも知れない公明党提案の裁判員制度。
然し同党(正確に言えば創価学会)の集票力に頼らなければならない、自民党に取っては俗に言えば「腐れ縁」で切ろうにも切れない。
公明党提案の定額給付金への野党の追求を恐れて、最大の金融・経済危機に第2次補正予算案を来年廻しにしたことが、麻生内閣支持率急落の最大原因だと言われている、それが党内からの猛反発を招きまたそれがまたさらに支持率を低下させた。
[本音を隠した裁判員制度]
死刑制度廃止を主張して来た公明党とそれと組んだ弁護士会の提案の目的ははっきりしている。
・公明党は死刑制度廃止を考えているが、国民の70~80%は同制度を支持している。
・素人が判決に参加すれば、たとえ極悪人でも死刑宣告に二の足を踏むだろう、それが死刑賛成の国民の世論に関わらず実質的の死刑廃止に繋がる
だろうと言う事だ。
参照:これで良いのか裁判員制度
その理由が裁判員制度の対象が、それが批判が多い民事裁判でなくて、殆ど批判のない刑事事件それも死刑か無期に相当する凶悪事件となっている理由だ。
私は裁判員制度の実施間近になれば、後期高齢者医療制度の二の舞になり、それが政権与党の自民党の足元を揺るがすかもしれないと書いてきたが、今回の国民新党と社民党の動きはその前兆かも知れない。
[自民党が今やらねばならぬこと]
私は自民党はその抱える当面の問題の定額給付金ついて真っ正面から取り組むべきだと思う。
いまやマスコミで出る経済の専門家によれば、各家庭に金を配ってもその効果は知れている、むしろその資金があればそれを一纏めにして、雇用問題の解決に当てるか、学校の耐震度を上げることかの公共工事に当てるべきだと言うのが定説のようだ。
麻生さんも自民党もここで、いざとなれは公明党の間がぎくしゃくしても良いくらいに、腹を決めて定額給付金に要する資金を他に回すことを協議したらどうだろうか。
そうなれば民主党も第2次補正案に反対する理由が薄れ、自民党にとっても勿論日本にとっても当面の課題の一部でもクリアすることになると思う。
ただでさえ自民党員がかなりの幅のある政策を持っているので、国民に取ってその方向が判り難いこと、その為に基盤の弱い麻生さんの発言の振れがその支持率の低下に繋がっている。
ここで政策の違う公明党との関係を整理し、国民に判りやすい政治を目指すべきではないだろうか。
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