普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

泥沼の雇用問題

2008-12-19 17:25:41 | 麻生内閣

 皆さん、日本中で問題となっている雇用問題の動きは可笑しいと思いませんか?

政府・地方自治体
・麻生さんは経済・雇用対策として総額40兆円支出を表明
・地方自治体でも離職者対策を独自に始めた私の周辺で言えば、福岡県では離職者に対して3~40人の臨時雇用を発表、職業訓練対象人員を今までの3倍の2400人に拡げる、北九州市では雇用促進住宅を手配し安い家賃で離職者がホームレスにならない様に手配

自民党
 労働者派遣法制定や労働基準法の緩和などを推進した小泉グループはその責任に対して口を噤んだままで、反麻生とも取られる動きをしているなど何を考えているのだろうか。

野党
 雇用問題に関する法案を提出して、即日の採決を行い国会を混乱させている
 これに対して与党は採決を棄権したこと当然だが、共産党も採決を棄権してかっこよさを見せた。
 この野党の動きは反自民の旗印を揚げているテレビ朝日でも、麻生さんを追い込むためと批判するくらいだから論外だと思う。

大企業
・法違反かも知れない所謂「派遣切り」や内定取り消し
・契約した請負会社、人材派遣会社との契約を取り止めただけて、解雇しろと言ってはいないと言う
・離職者へ貸与したアパートの即時退去要求
・今解雇しなければ企業倒産によりさらに大量の解雇が出ると居直り発言?
・政府や地方自治体の雇用継続要請に対して、日本の景気回復が先決だと逆に要請
労働者派遣法制定や労働基準法の緩和を政府に要請した責任については口を噤んだまま
  政府や地方自治体の離職者の雇用や援助の動きに対して、他人事のような顔をした大企業は首を切る以外に社会や今まで使っていた非正規従業員に何もすることは無いのだろうか

請負会社
 従業員のクレームに対して受注した大企業に対して弱い立場にあるので、大企業に直接言ってくれというが、大企業はそれは請負会社の問題だからと受け付けない
 幾ら中小企業と言ってこんなことで済まされるのだろうか?
 これでいざ景気が回復したとき、そのような従業員を粗末に扱う会社に今までと同じように人材が集まるだろうか

人材派遣会社
 登録した人達にはただ仕事が切れただけだと済まされる。
 これで済むならこんな気楽な商売はない。
 これでは一昔厳重に取り締まられていた労働者のピンハネだ。
 
このような自分たちのしたことに責任が取れないか、何もない会社に存在価値は或るのだろうか

フリーター・パートタイマー
 ひと頃はパートは女性中心で、いざなれば家庭に戻れましたし、自分の理想の実現まではフリーターを続けるというカッコ良いと思っていた人もいたようだが、現在は自分で生計を立ている人、家族を養っている人、又将来は結婚して家族を持ちたい人達ががその主流、一旦正規従業員のラインから外れて、再び這い上がれない人達が主流になっているようだ。
 
 政府の動きは離職者の増加、ホームレスの増加の可能性、非正規従業員のと正規従業員の格差の拡大などに伴う社会不安の危険性を防止するにためだと思うが、大企業の動きはまるで日本の社会と隔絶した世界にいるようだ。

 一昔の企業の倫理観とか、企業活動を通じての社会貢献などの考え方はどこに言ったのだろう。
 大量解雇するときは、配当はゼロ、企業幹部は自主的な減給くらいの処置をしなければ、社会から受け入れられないと思う。

 グローバル化(正確には米国化)の声に煽られて企業の理念まで変えしまった行先は、米国のビッグスリーの後を追うことになりはしないか考え直すときにきていると思う。

 労働者派遣法制定などの規制緩和は経済が成長時期には上手く作用していも(私はそれでも反対だが)、経済の停滞期や下降期には上手く行かないことが、今回の事例が示していると思う。
 そして、日本経済は成長より停滞や下降が続く可能性が高いかも知れないを考えて置くべきだ。

[企業のあり方]
 企業の姿勢について全体的に言えば、
・成果主義重点よりチームワーク重点
・ドラスティックな経営より人を大切に扱う家族主義的な経営
・モチベーションを給与、昇進で高めるより、それに加えて企業への忠誠心で高める
・短期的な利益追求より長期的な発展
・企業は株主のものより、株主・経営者・従業員のものの考え
・固定した格差社会より(企業成長時期だから出来た)誰でも乗り越えられる格差社会
などが日本企業の得意なところで、これで今まで伸びてきた、しかも日本人の感性にあったやり方と思う。

 今回の雇用危機は企業の経営方針、労働者派遣法や労働基準法を再度見直す絶好の機会だと思う。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
すごく共感します! (yuhan)
2008-12-19 18:01:03
いまの雇用問題の動き、ほんとにおかしいと思います!

何せ、原因を追究せずに、出てきた問題をもぐらたたきみたいにたたきながらパフォーマンスしてるだけ。

いつになったらこの問題が収まるかには興味があるけど、その原因の究明と、そこに対する診断と処方には興味がない、そんなのおかしいですよね
/hiyoko_thunder/}
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Unknown (Unknown)
2008-12-19 21:58:15
 可笑しい→おかしい



 読めなかったですね。そもそも骨太(基本)2006方針を否定する気はありません。経済成長と財政規律。それは、何時の時代にも通用する根幹です。さて、問題はその達成に対する責任です。通常、企業であれば倒産です。政府は、信用から国債増発、権力により増税が可能です。アメリカで言われている経営責任?誰が取るんでしょう?勿論、選挙で国民が決めるのでしょう。財政規律派の与謝野氏は、埋蔵金は無い、後、著書の消費税推進、赤字国債は駄目などの主張が、少し弱くなったような気がします。まあ、許せる範囲ですけど。赤字国債は、仕方の無い部分もありますが、もう少し財務省より、国民に嫌われる立場をとって欲しかったように思います。さて、小泉・竹中改革については、やはり弱者を切り捨てすぎ。マスコミを利用しすぎ。共に逃げて、その絶対的な推進役の中川(秀)氏の今後に注目です。著書によると、「働く場所を提供してあげたい。」本心が、よく解かります。部下も減るだろうし、上は逃げ下も減る。生き地獄を味わう事になるでしょう。社会保障番号は、賛成ですけどね。

 経済界には、内需を考えなかった責任と景気の山谷を予見した派遣制度の申し入れがあったんだろうと思います。家電メーカーは凄いですが、自動車メーカーもビッグ3に比べれば、良いんではないでしょうか。恐らく、自動車の価格が国際的に上昇するでしょう。ちなみに、正社員より派遣社員の方が、トータルとして良い給料のようです。

 結局、雇用も政争の具かよ、そう思えてなりません。共産党は、キング オブ 野党でいいですね。自民、民主、第三新党、共産党の枠組みが、日本の政治に一番良いのかも。公明党は、自民党の派閥として活動した方が良いように思う。ごちゃごちゃしすぎるより、国民を思うと良い意味での政党の役割分担が必要だろう。第三新党は、二大政党より経験、能力の有る議員で国会の調整、キーとなる事が望まれる。亀井氏は、少ししゃべりすぎに思う。一人親分等は、個性が強く実力があるが、やはり国民を思うと個性集団等を結成するべきでないのか。国会への影響力を強めるべきに思う。
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小泉改革と雇用問題 (破れ傘)
2008-12-19 22:50:58
派遣切の問題は小泉改革とは直接の関係がないかと思います。派遣法の成立の時期がたまたま小泉政権の時代であったということで、その責任の一端はあるかと思いますが、このような極端な事態になることは予想の範囲外であったと思います。

確かにこのような事態に到ってみれば、雇用創出のためとはいえ、派遣法の見直しは必要だと思います。正規社員と派遣社員の大きな違いは給与の事もありますが、もっとも大きな問題は社会保険の有無であろうと思います。この点は改正する必要を感じます。

しかしながら、それを必死に阻むのは企業主と労働組合であることを指摘したいと思います。財界と労働組合というのは、対立しているようで、この一点では見事に手をつないでいます。

非正規社員と正規社員の問題は解決しなければいけない問題であるといえます。小泉内閣でも、まだ手がつけられなかった大きな改革のテーマであり、今後の重要な政治課題の一つとしなければならないと思います。
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所感 (菱海孫)
2008-12-20 09:41:05
経済関連の政治政策を道義的な観点からだけ評価し決定することは誤りだと思います。
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たしかにおかしいです (まあ)
2008-12-20 16:11:31
ソニーですが、全世界で1万6千人のリストラ。
日本国内でも8千人切るといっています。
実は、ソニー株を持っているのですが、
12月の中間配当が倍に増えていました。
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Unknown (名無し)
2008-12-21 11:34:29
雇用対策には原因療法と対症療法があります。

原因療法には時間をかけて議論をした上で解決しなければいけない問題ですが、解雇されて野宿して餓死や凍死また自殺や一家心中をするかもしれない人たちには議論なんかしてる暇はないのです。
年末は一次補正で十分だと開き直って政策を実行しようとしない与党の責任で生命の危機に瀕している人がいる以上、民主党などの野党が雇用関係の4法案提出と迅速採決は正しい判断と考えます。
非正規労働者の自己責任論だとか生命の危機に瀕している切迫感がない能天気な意見には強い憤りを感じます。
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