普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

今こそ消費税増税論議を

2010-06-19 11:38:04 | 経済・財政

 参院選の各党の公約を見ていて今までと違った点は民主・自民党とも消費税値上げを挙げていることです。
 これに対して国民新党の亀井さんは「消費税アップなら連立離脱」
をと言い、連立与党のなかでも「消費税上げ発言に閣僚が評価の声、一部で異論も」も出ているようです
 消費税値上げの反対の根拠は大きく言って
・消費税値上げなどデフレ傾向を益々加速させるだけだ
・消費税値上げの前に無駄の排除が先だ
・法人税減税による減収を消費税増税で補う大企業優先の政策だ
の三つが上げられています。
 消費税増税に就いては専門家の間でも議論が別れている大きな問題で、素人の私がこれだと言う能力もありませんが問題点だけ並べてみました。

[消費税値上げがデフレ傾向を加速]
・値上げするなら景気回復の時期に行うべきだ
・亀井さんの言う増税より国債増発による積極投資で景気回復→税収の増加を図るべきだ
 新興国とくに日本の場合の隣の中国の台頭で、経済環境は大きく変わっています。
 いつも書く事ですが日韓の関係のように、日本・韓国の平均所得がある程度のところでバランスすれば、日本の競争力も頑張り次第で保つことが出来まいが、膨大な人口ときわめて低所得の中国と日本の間で、日韓と似た状況になるまでは大きな経済的なショックと長い年月が掛かると思います。 (そう言えば今日の読売テレビの「ウェークアップ!ぷらす」で中国進出の日本企業を巻き込んだ賃上げストライキの話がでていたように、どの国でも景気がよくなれば賃上げ圧力が高まるのは当然の成り行きです。)
 だから景気回復と言ますが、一億相中流意識が生れたような、今までのような大きな景気回復は(少なくともここ約十年の間は)余程のことの無い限り回復は望めないと思います。
 それと菅さんが心配するように、亀井さん流の国債の増発はギリシャの二の舞になるかもしれません。
 これまでは「消費税値上げがデフレ傾向を加速」の反対の理由の批判ですが、この問題の基本的な考え方に就いては後で書きます。

[消費税値上げの前に無駄の排除が先決]
 これに就いては総務相の原口さんや渡辺喜美さん達が行政改革や公務員制度改革の方が先決だと言っていますが、 (先に書いた読売テレビの中でも竹中さんが同じことをいっていました。)これを極端に進めると日本のデフレ傾向を加速させることになります。
 何故なら改革により民主党が目の敵にしている割合に少数の天下り官僚は別として、多くの政府関係機関に勤める人達の失職を招くことになります。
 そのために政府も彼らのための配慮をしなければならならず、公務員制度改革のために、経費削減どころか経費増の政府試算が出るあり様です。
 仕方なく政府は新規採用人員を減少させて就職難を加速させ、省内の頭でっかち化を推進しています。
 一般企業の場合は、戦後以来50年の間に合理化→新規採用減少と経済界にも社会にも大きな影響を与えずに少しづつ人員の削減を進めて来ました。
 それを可能にしたのは世界的な経済の成長期にあったからです。 (その企業でさえ新興国との競争力確保のために非正規従業員増加→格差社会の出現の道を辿っています。)
 詰まり公務員制度の合理化は一般企業のように他国との競争力など考えずに済みますが、それでも唯でさえ沈滞気味の景気の足を引っ張らないためには、企業が合理化→人員削減で費やした長い年月をかけねばならないと思いますし、それ迄に何らかの増税無しで日本の財政が持つかどうかも考える必要があると思います。

[法人税減税による減収を消費税増税で補う大企業優先の政策]
 これに就いては菅内閣は中小企業の法人税減税も言っていますので、共産・社民の言う上記のような批評は的外れで、 (多分仕方なく)国民の消費税増税の負担で消費税増税はおかしいといっているようです。
 然し日本の経済の大半を支えているのは大企業始め中小企業です。
 これに対する法人税を外国並みに下げて、その競争力を高め、それからの税収を増やことは、結局は日本と国民のためになることです。
 菅さんは、消費税増税で増えた分を福祉関係の施設などに投入すれば、日本の経済力強化に繋がると言っています。
 福祉関係の施設への公共投資は私の持論なので賛成ですが、それが日本全体のの経済環境の改善に繋がるかどうかは判りません。

[今こそ消費税論議を]
 消費税率が低いのは先進国では日本だけです。
 余所の国が高い消費税率で何とかやっていのに、日本が何故できないか?
  その理由は? (消費税増税反対論者はこの件に限って米国の例を持ち出しますが、自由主義経済のためには社会格差も辞さないと言う国と日本は違います。)
 そして先進国で途上国並みの国債残高を持つのも日本だけです。
 しかし楽観的な菅さんと違って、消費税増税の経済に対するマイナス効果も否定できないと思います。
 消費税増税に当たっては、それに伴う所得の低い人達への所得税減税、それに必要な国民の背番号問題、対象費目毎の消費税率決定、売り上げ1000万以下の免税業者のとり扱い、などなどややこしい問題が控えていると思います。
 この問題が小泉さんや鳩山さんのように先することがあると言っていては、いつまでもこの開発途上国なみ国債が放置され、何時かは日本の財政破綻になるかも知れません。
 民主・自民の二大政党の意見の一致、世論調査で国民の66%が賛成をしている今こそ、消費税増税の方向で検討しベストでなくてもベターで良いから実施したほうが良いと思います。

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