普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

みんなの党の渡辺喜美さんと小泉改革

2010-06-01 16:17:47 | 鳩山内閣

 昨夜、テレビのスイッチを入れるとテレビ東京の「カンブリア宮殿」で丁度小泉改革の評価の話題に移っていました。
 全体の番組の流れに就いては50代オヤジの独言
さんが詳しく書いておられますのでご覧下さい。
 私もその部分に就いて勝手にコピペ(青字)させい頂きました。 (なお黒字は私の付記です。)
・小泉政権で行われた小さな政府、競争社会は結局格差を生んだとして急速にしぼんだ。小泉改革の規制改革は厳しい消耗戦を生み、リーマンショックはそれに止めを刺した。市場原理主義が見直しされることになった。
・タクシー業界では、しかし今また「小泉改革」が再燃しているという。
 タクシー激戦区神戸市、すでに12社が廃業した。その中でなんとか生き延びた会社の社長は「小泉改革」に感謝している。このタクシー6000円で2時間貸切。スイーツの店を巡るという。この苦肉の策が大ヒットし、会社の柱になっている。
・三位一体改革で削られた地方予算。しかし兵庫県小野市は行政サービスランキング全国1位。公共施設は土曜営業、児童館は年中無休。フィットネス利用料も1回300円と安い。小野市は少人数の職員で切り盛りしている。
 新規採用無しで、退職者の自然減により10年間で3割減。民間に任せるものは任せて、黒字化を果たした。
 職員は自ら行動するスタイルに変わっていった。この原動力は民間から市長になった蓬莱さん。「小泉改革を私は評価している。みんなが何ができるかを考えるきっかけになった。」と語る。

[小泉改革に対する対する出演者の評価]
・司会の村上龍さん: 「毛沢東は6:4でまあまあ良いほうが良かったと中国では評価の総括が行われたようだが、小泉改革をこのような表し方でやるとどうなるか?」
 自民党の河野太郎さん: 「7.5:2.5、小泉改革をやらなければ財政は持たなかった。」「マイナス点は後のフォローを怠ったことだ」
 みんなの党の渡辺喜美さん:「6:4、小泉さんはの構造改革の本質は郵政改革に見るように、旧田中派の後を引き継いだ派閥政治退治だった。公務員改革は財務省にストップされ中途半端に終わった。自由化をしたら事後チェックをすべきだった。」
 民主党の枝野幸男さん: 
「5:5、今までのやり方ではダメなんだといったことを知らしめたことは正しかった。行政の効率化を説いたのは良かったが、行政が変わっていないのが良くないところ。マーケットのところを考えていなかったのも拙かった。」

[私の意見]
 私の小泉改革の評価は枝野さんの言うように五分五分です。
 但しこれは全て小泉さんの責任でなく、彼の後を引き継いだ安倍さんにもあると思います。
 詰まり河野さんや、渡辺さんの言うように安倍さんは小泉改革の負の部分の修正をすべきだったと思います。
 その結果(何度も書くようにマスコミが安倍さんの足を引っ張ったこともありますが)憲法改正に必要な国民投票法、や教育基本法などの成立にも関わらず、小泉改革の負の部分を小沢さんに突かれて、参院選大敗を招いたのです。
 小泉改革に就いての評価は彼のライフワークである郵政改革の成功を除いては、渡辺さんの言う公務員制度改革、医療破綻、年金問題、教育の崩壊などなど必ずしも成功していないと思います。
 経済問題に限って言えば、小泉さんは、
・経営者、地方自治体の首長がみな経営面で優れていること、そしてやる気満々であると言う言わば性善説にたっていること
・中国など新興国の急激な発展→日本企業の競争力低下と言う大きな経済状況の変化を無視
  
して、彼の期待に添えない、大多数の普通の経営者を持つ企業や、普通の首長のを持つ地方団体の破産には目をつぶることで競争意欲を持たせるようにしました。
   だからカンブリア宮殿で取り上げた自治体やタクシー会社の成功例は例外中の例外で、多くの自治体が苦しみ、大多数の企業が苦しい経営、破産に追い込まれたりしているのです。
 普通の首長や経営者達は我々庶民より少しは優れているかも知れないが、危険を冒してトライするより安全な今までのやり方を踏襲する人が多いと思います。
 だから
・労働者派遣法が通過すると、安月給の中国に負けないために、非正規労働者の増員と言う安易な方向に走って結果的に社会格差を産み、
・米国直輸入の成果主義を取り入れ今までの企業文化をすっかり壊し、
・安易のリストラなどで折角の優秀な人材を韓国や中国に取られて、技術立国の日本の技術が他国に流れ、それがまた日本の企業を脅かすことになっているようです。
 首長の問題もそれを選ぶ人達が、本当にその地方自治体のことを思って投票しているかと言うとやはり情実や、自己の利益のために投票している人も多いと言う事実もあるようです。
  小泉さんは彼の性格から落伍するものは勝手にしろと思っていたかも知れませんが、それ以降の安倍、福田、麻生さんはこのような現実問題にどのように対応すべきかフォローをすべきだったと思います。

[渡辺さんへ」

 今みんなの党は日の出の勢いです。
 産経の世論調査でも
夏の参院選比例代表でどの政党に投票したいか
では公明党 4.7( 3.7)を抜いてみんなの党14.0(10.3)
(括弧内は前回の数字)
日本の指導者として最も期待するのは
では渡辺さんは前原、岡田、舛添さんに次いで4番目の7.7%を示しています。
 みんなの党の評価の高い理由は、渡辺さんの公務員制度改革への情熱(意地悪く言えばそれだけで渡辺さんもそのことを十分に知っていると思います)です。 (逆に自民党大敗の一因は同制度に対する腰の引けた姿勢です。)
 今後益々渡辺さんや江田さんの発言の機会が増えると思いますが、(民主党のように政権与党になってボロを出さずに済むからと言って)構造改革を推進するあまり、不用意な発言をして、小泉改革の負の部分を忘れた発言をすれば、折角の国民の期待を裏切り、みんなの党や渡辺さんの足を引っ張るかも知れぬことに留意して、今後とも慎重な発言をする必要があるような気がします。

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