普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

大量移民の時代が来るのか?

2010-06-08 15:35:31 | 少子高齢化

 昨夜の英字新聞輪読会で大量移民の時代 のエッセイを見ました。
  著者は日本在住のJoel Assogbaさんと言う少年少女文学の著者兼挿絵画家のカナダ人です。
彼のエッセイの概要(括弧内は私の注記です。)
(前略)
 
日本は危機に直面している。
 出生率は女性一人にたいして二人以下(1.37)しかなく、それは日本の高齢化を促進している。
 国立社会保障・人口問題研究所は09年10月の時点で65才以上の人は全人口の22.7%を占める一方、14才までの子は13.3%しかない。
 もしのこの傾向が続くとしたら2050年までに人口は3分の1減少し、その半分が老人になると予測している。
 それは健康保険や年金制度維持ではあり得ない状況だ。
 この懸念により、この傾向を反転させるか、そのショックを如何に和らげるかの最善の政策に就いて激しい議論を引き起っている。 (マスコミでは殆ど報道はないようですが文章のまま)
 今までの所、議論は主に出産の奨励に焦点が当てられている。
 然し多くの若い男性は財政的な理由で結婚したがらないし、女性は一人で居るか、遅く結婚し余り多くの子どもを持たい事を選んでいる。
 この様な(出産奨励)政策は現実的ではないのではないか?
 もっと言えば、子どもを持つように奨励することで問題を解決するより、現状は多分もっと緊急を要するのだ。
 労働人口の問題解決のために出生率を上げる試みは既に遅すぎている。
 国連は日本が効果的な労働人口の大きさを維持するには、ここ50年の間に年に64万7千人の移民を認める必要があるだろう、そうでないと国民総生産は年に7%低下するだろうと予測している。
 日本人は所謂単一民族の民族文化を保つことに熱心で、大量移民により経験しなければならない、変化に対して強い疑念を抱いている。 (中略)
 この大きな人口動態変化に積極的に対応できるよう、そして21世紀に活力を維持できるよう、日本は種々の民族のグループに公平な機会を与える環境を作る努力を避けることは出来ない。
 要約すれば、これは将来日本に帰化する可能性のある外国人を受け入れる効果的な移民政策を出来るだけ早く作りあげることだ。
 より大きな文化的な多様性を達成により、日本の文化的な創造性を増し、社会の活性化と世界的に競争力を高めることになるだろう。

 ブログを書いて居てよくあることですが、昨日たまたま日米関係の在り方について研究するシンクタンク設置の必要性に就いて書きましたが、私は少子化もテーマとするシンクタンクの設置を書いて来ました。
 少子化対策の難しさは
・一番効果のあるのは関係のある若い人達の考え方を変えて貰うことですが、戦時中の国民総動員や、「産めや殖やせ」宣伝の反省から、今の時代に国がこれを主導するなどとても考えられず、後は本人達の意識が変わるのをひたすら待つしかないこと。
・昔なら貧乏ながら多くの子どもを育て、それなりに幸福な生活を送れたものですが、今の人達に暮らしの程度を下げても子どもを産めなど言うわけにいかないこと
・日本人特有の判官贔屓で、マスコミの弱い人達(この問題では若い女性)に対する批判を避ける傾向にあること。 (私自身は少なくとも庶民レベルでは、女性は弱いどころか、今では男性より強いと思っていますが。)
 その一例が一昔の所謂農村の花嫁問題では、花嫁探しに困っている若い男性の放送はしても、その男性達と同数を占める若い女性の話が全く出てこないことです。
  それは恒常化してきて最近の外国の花嫁報道でも、日本の農村の若い女性がでこずに、ワイドショー的に扱われるだけに終わっています。
 そして昨日書いたような、日米関係の見直しのほか、石油資源の枯渇、途上国並みかそれ以上の大量の国債問題など、何とか対策を打たねばならないことは分かりきっていても、面倒なこと(そして票に繋がらない事)を先のばしにしてしまう政治家たち。
  今度の著者の提案について言えば、戦後以来の割合に少ない格差に馴れて来た日本人には、欧米諸国(最近では中国なども)で容認されている社会格差に対して非常な抵抗感があることを考えると、大量の移民の受け入れより先に、少し手遅れから知れませんが、何とかして日本の出生率を上げる対策が欲しいと思うのですが。
  然し折角できた少子化省も大臣に経験の少ない女性、社民党の福島さん、今回の菅内閣での少子化大臣のたらい廻しなど、自民党政権以来少子化に対しては、軽視しているようです。
  私は少子化の問題に就いてもシンクタンクを作り、少子化の傾向が続けばどうなるのか、出生率がどの点で収斂するのかしないで限りなくゼロに近づくのか、、そのときの日本の環境はどうなるのか、著者の言うように大量の労働力が流入したときに、日本の環境はどう変わるのか、変わった時の日本人の反応とその対策などなど、基本的、大局的そして将来を見据えた研究の必要があると思うのですが。

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参照:カテゴリー→「少子高齢化」および「その場凌ぎの政治」