普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

政策より政局を選んだ民主党

2009-05-17 07:03:37 | 民主党

[鳩山さんと岡田さんの政策]
 15日の民主党代表選に立候補する岡田克也副代表と鳩山由紀夫幹事長の、日本記者クラブで開かれた公開討論会での質疑応答での鳩山さんと岡田さんの発言です。
・経済の建て直し策
 鳩山:子供手当て、高速道路の無料化、暫定税率の廃止などで国民の購買力を高め内需拡大、政府の無駄遣いの排除
 岡田:米国の過剰消費に依存出来ない今、アジアの需要を高めるなど経済構造を変えること。

 少子高齢化、環境意識の向上などから節約志向などで、内需拡大政策は悲観的な意見が多く、米国中心からアジアへの輸出の軸足の転換が専門家達の考え方の主流となっているようです。
・財源
 鳩山:官僚まかせでは財源が足りなくなる。仕組みを変え無駄を省くこと
 岡田:無駄の排除。但し財源なくして政策なしの基本的な考え方に立つべき、財源のめどがついた順に政策実行。

 政府の仕組みには問題もあるようですが、それなりの理由があり、一挙に変えることが出来ず、何年もの時間がかかるので、岡田さんの考え方の方がより実際的と思います。
・外交・安全保障
 鳩山:小沢氏の国連至上主義と違って、国連中心主義、国連が認めてないことを、米国に言われたからやるのに懸念。武力行使反対。
 岡田:武力行使反対。然しそれにいたらない範囲で、もう少し原則をゆるめて国際貢献すべき、国連決議を経て日本としてできることを判断すべき。
 岡田さんの考え方の方がより積極的で具体的です。
・憲法改正
 鳩山:自衛隊をどういうときに派遣すべきか、議論のうえ新しい憲法をつくるべき、改正の一番の目的は地方分権の国をつくること、然し今経済の建て直しなど、やることが多すぎるので、憲法議論の時期ではない。
 岡田:イデオロギーで論じるべきではない。時代の変化に応じて変えねばならぬことは帰るのは当たり前だ、ただ、今はもっと急いでやらないことが多くある。

 憲法改正についての両者の考え方に賛成です
 鳩山さんの考えは具体的ですが、もう少し詳しく聞かねば判らない考え方で、多分いきなりこの問題を出されて、頭に浮かんでことをそのまま話したのでしょう。

 これらの問題に就いて取り上げただけでも、岡田さんの意見の方が鳩山さんの方より優れています。
 この差は公平に見て、岡田さんは小沢さんと距離を置いた立場で、政策研究に力をいれられたのに、鳩山さんは強引な小沢さん流のやり方の支持や、小沢さんの立場防衛などで、政策の研究に余り力を入れらる暇がなかったのでしょう。

 然し、民主党は二人のそれぞれの政策の比較よりも、如何に政権を奪回するのに、鳩山さん、岡田さんのどちらが有利かという、政局中心で鳩山さんを選んだようです。
 政策でどちらかを選ぶのは割合に簡単と思いますが、政権奪回の為にどちらか選ぶかは非常に難しい選択で、投票直前までどちらに傾くか判らないといわれたのもそのため立ったのでしょう。
 その現れとして、どちらかと言えば民主党支持の毎日新聞一つをとっても
 鳩山氏に与党は歓迎ムード
 
 
「自浄作用働かず」「連携さらに強化」
 鳩山氏、厳しい船出「有権者の声届いてない」
 経団連会長ら「目指すべき国の姿示して」
の報道が並んでいます。

  読売新聞はその社説で、
 民主党は、小沢路線の見直しでなく、踏襲を選択した。問題は、その選択が国民に理解・支持されるかどうかだ。
 岡田氏はクリーンな印象が評価され、世論調査や民主党の地方県連の予備調査で、鳩山代表より高い支持を得た。衆院議員には「総選挙の顔」との期待があった。
 鳩山代表は、「小沢氏のおかげで今日の民主党がある」と言明し、小沢路線を継承、発展させる方針を前面に掲げた。
 良くも悪くも、民主党は小沢氏の強烈な個性と指導力に依存してきた。鳩山代表は新体制でも、小沢氏を要職に起用する意向で、小沢氏の影響力は維持される。
 鳩山代表は、「小沢の傀儡政権と呼ばれるつもりは一切ない」と言う。党運営や国会対策を通じて「鳩山色」を出すなど、行動で示すことが求められよう。
 鳩山代表が早急に取り組むべきは、衆院選に向けて、挙党一致体制を構築し、小沢氏の「政治とカネ」の問題で傷ついた党の立て直しを図ることだろう。ただ、それは簡単な作業ではない。
 政権公約の充実も課題だ。
 岡田氏が「財源なくして政策なし」と主張したのはもっともだ。将来の消費税率引き上げの議論さえ封印するのでは、責任政党とは言えない。子ども手当、農家の所得補償などの政策の財源を明確化する作業を避けてはなるまい。

 と言っています。

 いずれにしても鳩山さんが代表として選出されました。
 後は、鳩山さんが、ときによれば民主党のアキレス腱ともなりかねない小沢さんといかにして実質的な距離を置き岡田さんの政策の良いところをいかにして取り入れるかが、今後の民主党の行方を左右するような気がします。


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