普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

定年後どう過ごしますか

2009-05-16 15:32:04 | 少子高齢化

[アルコール依存症の怖さ]
 昨夜のNHKの地域の特別番組で団塊の世代の退職者の増加で、アルコール依存症に罹っている人が急増していることが報道されていました。
 その典型的な例として、猛烈な会社人間の人が、退職後悠々自適の生活を送る積もりでしたが、事実は、
 しばらくして身の置き所に困るようになる→何の生き甲斐もなく一日ぼんやり外を眺めている自分に耐えられなくなる→その苦痛から逃れるために酒に手を出す→これを止めようとする妻に暴力を振るうようになる→家庭崩壊の危機に陥る
といった姿が描かれていました。
 そのようにアルコール依存症になり、家庭崩壊寸前まで行った、一番大きな原因は、人のお役に立てない自分が、何故この世にいるのかと言う存在感への呵責から酒に逃げることだそうです。
 詰まり日本人の大多数の人がそうであるように、真面目人ほど罹り安い厄介な病気だそうです。(*注1)

[私の意見]
・生き甲斐のある老後の生活のあり方
 退職後の20~30年の余生を、悠々自適して平和に過ごせるのは理想ですが、私の周辺の同世代から70歳近くの人達を見ると次のような問題点もあるようです。
 NHKが指摘したような問題を避けるためには、
・男性の場合、一番手近な解決策は家事の手伝いですが、それにも限度があり、そうかと言って、奥さんに遠慮しすぎると (今は死語になりかけていますが) 、粗大ゴミとか濡れ落ち葉と言われるなど家庭内の居場所が無くなる傾向が有りました。
・次に手近な暇つぶしはテレビを見ることですが、茂木健一郎さんの解説によると、テレビを見ている時の脳は全く活動していないそうで、認知症発生に繋がる恐れがあるそうです。
・そうかと言って何か趣味など初めても、自分の性に合わぬとか、グループ内の人間関係で長続きしなことも多い様です。

 逆にうまく老後の生活を上手く解決した例としては
・一つの趣味の世界にのめり込んでいる人達
・女性の場合は子育ての終わって空いた家事の合間に多くの趣味のグループに入り、新しい友達を開拓している人達
・各種の趣味のグループで、何らかの役についたり、ボランティアの社会活動で人の役に立つことを生き甲斐にしている人
もいます。
 全般的に見て、やはり男性の方が何をやっても永続きせずに身を身を持て余している人が多いようです。

・私の場合
 そう言う私は、人の先頭に立つことが苦手なので、趣味の川柳では機関紙へ投稿する原稿のパソコンでの清書やグループの会計をしたり、クラシック・ギターでは専ら伴奏役に廻ったり、英字新聞の輪読会ではアドバイザー的な役割 (と自分で勝手に思っている) をするなど専ら裏方の役ですが、何とか人のお役に立っていることに、生き甲斐までとは行きませんが小さな自己満足を感じています。
 そしてその裏方の役割を果たすことに対する自分勝手に感じる責任感から、時にサボリたいのを我慢して出席することで、気がつけばどのクラブにも約15~25年も続いて参加しています。
 
(ただ残念なのは、これ程長くやっていてもどの趣味にも殆ど進歩が見えないことです。)

・老後の生活設計
 この様に、 (自分勝手に感じている)小さな貢献が出来ているのは、若いころの約20年近い電車通勤の間に英語のミステリー小説を読んで得た英語の読解力 (会話はさっぱりですが)と、仕事の関係で何度かブランクがありますが何とか続けてきたクラシック・ギターの独学と、退職後直ぐに (行きがかり上で) 始めた川柳のお蔭です。

 私の場合は若い時の「古き良き時代」にやってきたことが偶然に退職後に役立っただけの話ですが、私の小さい経験から、今のような厳しい時代ですから、なおのこと意識的かつ計画的に老後の設計をして置いてはどうでしょうか。
・現役の方達へ
 仕事も大変でしょうが、何とかして仕事以外の趣味を始めること
 定年後は仕事がなくなれば、後には生き甲斐とするものが何も無くなるのですから。
 現役時代から継続して始めた趣味では、退職後は私と違って指導者クラスになれる位の力となり、社会に貢献できと思います。

退職直後や間近の人達で何をして良いか判らない方達へ
・積極的にコミュニティー活動に参加すること
 町内会などコミュニティーや趣味のクラブでは、まだ案外にパソコンが出来ない人が多いこと、会計などの事務処理など企業では常識的なことが、原始的なやり方で行われていることが多いので、何も出来ないなど言わずに、積極的に参加されていどうでしょうか。 きっと皆から喜ばれると思います。(*注2)
・自分に適した趣味を早く見つけて、それを継続すること
 勿論最初は指導者や先輩のお世話になるでしょうが、退職後20~30年のスパンで考えると10~15年頃からは、優秀な人は指導者、普通の人でも初心者の入門指導くらいはできるようになる筈です。

 勿論、人それぞれの考えもあるのは当然ですが、NHKに出た人たちのように漠然と悠々自適など思わずに、自分自身の考え方なりの老後の生活設計をされてはどうでしょうか。
 NHKが指摘したように、生き甲斐をもって過ごすべき人生後半の約25年近くを、無為に過ごすどころか、アルコール依存症などで悩まされるなど余りにも可哀相だと思います。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。

政治ブログランキングへ

政治ブログへ

*注1:アルコール依存症
 アルコール依存症は何方も知っておられると思いますが、Wikipedia
によるとその特徴として、進行性(自分が気がつかぬ内に病状が悪化)で、回復困難な慢性で(番組では糖尿病に例えていました)、人格変化を引き起こす、不治の、死に至る疾患であり、機能不全家族の形成要因となっていることを挙げていました。

*注2:趣味のグループの運営の合理化
 川柳の大会では、普通約320の入選句が発表され、入選、佳作、特選句、最優秀句(クラブにより呼び名は違いますが)に就いて出席者が各句に得点を集計し、事務局に提出、事務局がその確認と全体の順番を決めて優秀者を決めて表彰しています。
  その間の15~20分の間に、表彰される見込みのない人達は勝手に退席し、表彰式は会場は殆ど半数の人しかいない中で行われて、出席者のモラルが問題になっているのが現状です。
 然し私の属するグループの上位機関は、「エキセル」のソフトを使って、入選句の発表毎にパソコンに入力し、全体の発表が終わるとわずか5分程度で総合順位を決めて、皆が帰る前に表彰式を行っています。
 表計算をやった人なら、この様なことは常識ですが、中高年者が率いる殆どの川柳、俳句、短歌などのグループで依然として昔ながらの手による計算をしているところが多い様です。