普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

ガザ紛争とオバマさんと日本

2009-01-24 16:25:09 | 国際社会

 オバマさんの大統領就任に併せて、イスラエルがガザ地区から撤退し、一方的に停戦宣言、ハマスも独自に停戦宣言し、それぞれとも勝利を宣言したそうです。

[ハマスの人達]
 ガザ地区を支配するハマスがイスラエルの死者に比して圧倒的な数の一般人民の1,300人もの犠牲者を出しながら、勝利を宣言したと言う思考回路はどなっているのでしょう。
 しかもその犠牲者の中には多くのハマス支持者でない人達も含んでいるそうです。
 ハマスはこれらの人達に何と言うのでしょうか。
 多くの犠牲者を出しても、ガザ地区が瓦礫と化しても、イスラエル側は殆ど被害を受けず、しかもそのハマスの攻撃意欲が喪失の徴候もなくても、世界の国の人達の関心や同情を引くことが勝利と言うのでしょうか。

[宗教の問題]
 ハマス側の徹底的な抗戦の根底にはイスラム原理主義があるそうです。
 日本でもそうですが、世界も宗教に余りにも寛容すぎるような気がします。
 それにも大きな理由もあると思いますが、報道の自由には関係者の自省が基本となっているように、宗教の自由には宗教関係者の自省と相互啓発が必要な気がしますがそのような動きは殆どみられないようです。

[イスラエルの人達]
 一方のイスラエル側も今回の紛争処理で大きな損失をしました。
 米流時評
さんの記事によれば
 1. 空爆によるインフラの徹底破壊(空港・道路・橋脚・電気水道網など)>封鎖
 2. 対抗勢力拠点とモスク・学校など公共施設の破壊、一般市民への爆撃 >虐殺
 3. 赤十字・国連施設・メディアなど、国際的救援組織・報道陣への攻撃 >隠蔽
 4. 戦争犯罪と見られるガザ住民密集地区への白燐弾使用

でイスラエルは大きく世界からの信用を失ってしまいました。
 唯一の戦果はハマスの攻撃への徹底的な反撃の意志を見せただけです。
 然し今回の大量破壊でハマス側の戦意は益々強くなっています。
 これでイスラエル側の勝利と言えるでしょうか。
 第3者からみれば「勝者なき戦い」です。

 それでイスラエルの唯一の頼りは大国の米国だけです。
 オバマさんの次期大統領に就任を考慮して今回の停戦となったと言われています。
 然し米国も変わりつつあります。
 安全保障理事会で、パレスチナ自治区ガザ紛争で「即時かつ永続的な停戦」を求め、イスラエル軍のガザ全面撤退にも言及した決議案に対して米国が今までは拒否権を行使するところを棄権に廻ったように、米国の世界的地位は低下し始めています。
 それでもイスラエルは米国を頼りに世界の非難を浴びながら、今までのやり方を続けて行くつもりでしょうか。

[オバマさんの姿勢]
 米国は今までイスラエル対アラブ問題でいつもイスラエル側に立って来ました。
 その最大の理由は米国民のの約3%しかないユダヤ人が、その財力にもの言わせて政界を左右するほどの大きな影響力を持っていることだと言われています。
 報道によれば、オバマさんは従来のようにイスラエル支持を明言したそうです。
 外交担当の国務長官のクリントンさんの出身地のニューヨークは米国で一番ユダヤ人の影響力が強い所だそうです。
  またオバマさんの就任に当たってネット上で調べて見ましたが、オバマさんにもユダヤ人の支持団体があるそうです。

 これから先は私の希望的な観測ですが、オバマさんは1,300万人の登録したサポーターがおり、選挙の際はネットを通じて膨大な選挙資金を得たそうですので、オバマさんがユダヤ勢力の意向を無視しても中立的な立場をとれば、アラブやイスラム圏の人達の米国に対する反応も変わって来るかも知れません。
 然し事実はオバマさんは国務省の演説でイスラエル支持を述べるとともに、中東特使にジョージ・ミッチェル元民主党上院院内総務の任命を発表したそうです。
 読売の解説によるとレバノン出身の母を持つミッチェルさんはどちらかと言えば、イスラエルに対して厳しい意見を持つ人のようです。
 
[日本の立場]
 然し問題はこれからです。
 オバマさんがイスラエル・パレスティナ問題で公平・中立な立場を取るか、大きくは白人とアラブ・イスラム圏の人達とも話し合い路線を進めるかは、実際の成り行きを見なければならないのでしょう。
 問題は日本がどうするかです
 今まではブッシュさんの強硬路線に乗って、憲法の解釈を変更してまで、イラクに派兵しました。
(私は自衛隊機による米国の軍需物資の輸送は明らかに戦争行為だと思っています。)
 私はオバマさんが(テロリストを除く)アラブ・イスラムの人達と仲良くやって貰えれば日本にとってこんなやりやすいことはないと思うのですが、そうでないときも、やはり今までのようにオバマさんについて行くのでしょうか
 自民・民主のいずれが政権を取っても、日本は自国の利益を優先して、独自外交、安倍さんの言う「主張する外交」を貫いて貰いたいと思うのですが。
 それにしても未曽有の金融危機だけでなく、世界全体の変革の可能性があるときに、今の日本の政界は「コップの中の争い」とか超低次元の争いをしているように見えて仕方がないのですが。

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