普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

政治を歪めるマスコミ?

2009-01-13 14:58:20 | 情報、マスコミ

 マスコミには次のような傾向があるようです。
・弱者の言う事は正しい、悪いのは権力者だ
・空気に流され安い
・大きな流れを読んだり物事の本質に迫るのが苦手?または避けたがる
・目の前の責任は追求するだけで、その基本的な責任の所在は明らかにしない
・特定の団体、宗教団体の問題点の追求について避けたがる
 その例を最近の事柄をいくつか上げてで考えて見たいと思います。

教育格差
・労働者派遣法の改悪→給与格差の発生→教育格差の増大→社会格差の定着化の議論が盛んですが、進学への能力、意欲ともある生徒に応えられない公立の小・中学校の責任を無視しています。
 公立学校の教師たちが頑張れば、平均的な収入の子供でも金のかかる塾など行かずに進学でき、奨学金やアルバイトなどで少なくとも金のかかる医学部などを除けば国公立大学に行けると思います。
 その問題の背景には長年の文部省と日教組の闘争で、管理強化のためレポート提出などによる教師の事務量の増加、生徒の能力向上より教師の待遇改善を優先し、社会主義的思想を持ち込もうとす日教組の問題、衰えたりとはいえその影響が残っている公立学校の問題(もう常識になっているようですが、金のある家庭では金のかかる私立を選択するのです)については論議は殆どありません。

政治家や官僚の責任追求
公明党の責任追求

・マスコミは定額給付金について政府や与党の自民党の攻撃に躍起になっていますが、同じ政権与党でありその提案者の公明党について口をつぐんでいますが何故でしょう?

責任の追求目の前のことだけ
・責任と言えばマスコミは政府が数々のリゾート施設を作り最後はただ動揺で叩き売ったのに、その責任を取ろうとしない官僚を批判していますがそれだけに終わっているようです。
 マスコミはその調査能力を活かせば、それに関係した政治家、官僚が誰で今どの立場にいるか迄調べて公表することで責任を追求できるのにしないのは何故でしょうか?
 もしそうすれば政治家も官僚も、もっと緊張感をもってことに当たると思うのですが。
 瀬戸内海に3本もの橋を掛けるなど考えられない筈と思うのですが。

構造改革
・マスコミは渡辺喜美さんが造反を取り上げて小さい政府へ改革が進まないことを攻撃する一方、今回の大量解雇では政府の支援の強化(つまり大きな政府)をせよと言っています。
 特にその雇用対策実施の最前線の立場にあり、しかも廃止・統合が決まっている雇用能力開発機構を今の時点でどうするかなどについて全く触れていません。

田母神さんの論文
・田母神さんの論文での論議で明らかになった、いかに自衛隊の人達が国を護るために生命を賭して戦って貰うかという彼の提言の無視、日本として定番となる歴史の不在など、一部の識者が全ては政治の責任だと言っていますが、これに対する政治家の動きもないしそれに対するマスコミの批判もないのは何故でしょう?

金融・経済危機への対応
・今回の金融・経済危機の対策を打つ上で大きな障害となっている膨大な国債について、そうなった原因や今後如何にすべきかの論議がありません。
 麻生さんの言う3年後の消費税増税も膨大な景気対策費などの費用捻出に加えて、このことも意識したものだと思いますが、マスコミは定額給付金の効果を損なうと麻生さんを批判するだけです。

・相変わらずの経済成長を前提とした国の経済運営が今後も上手く続けられるかについての論議が殆どありませんし、今回の金融・経済危機への効果的と思われる処方箋が殆ど出していません。
 今回の問題の労働者派遣法もこの前提で無ければ、上手く機能しないことは今回の経済危機であきらかです。
 マスコミはこれについて政府の無策を攻撃するだけです。
 その一方で次の政権を担うかもしれない民主党の無策については何も言いません。
 膨大な情報能力を持つマスコミなら今回の金融・経済危機への処方箋を出すのか、それがないのなら、国民はその危機を脱するまでじって耐えるべきだと訴えるのが筋だと思うのですが。

裁判員制度
 同制度実施間近になった今頃、マスコミはやっと素人に死刑か無期かの判決と言う大きなストレスを与えかねない事実を報道し始めました。
 昨夜の地方のテレビでは例の袴田事件の判決で、裁判官の合議で無罪を主張したが多数決で負けた裁判官が、死刑判決の重みを述べていました。
 これについて何度か書いてきましたが、同じ国民の参加なら問題判決が多く、一般国民の常識が通用する民事裁判に参加させないのかという基本的な議論がマスコミではされていません。
 裁判所は国民の注目を引くために、死刑・無期を問われる重要犯罪を対象にしたと言っていますが、諫早湾訴訟、数々のダム訴訟、原発訴訟など国民の大きな関心を引いていることは多くあります。
 私はこのうさん臭い裁判員制度は、死刑廃止を主張する公明党と弁護士の一部の運動が実ったもので、素人に死刑判決と言う裁判員本人の人生を左右しかねない大きなストレスを与えることで、事実上の死刑廃止をしようとしていると言う説に賛成ですが、このことにはどのマスコミも触れようとはしません。

 思いついたことを並べただけでも、マスコミのオピニオン・リーダーとしての役割について首を捻るばかりです。
 (正確に言えばマスコミに登場する識者のコメントで傾聴に値するものもありますが、マスコミ全体としての私の見方です。)
 国民の人気の取れそうな表面上の事ばかり報道して、物事の本質を伝えなかったら、一大権力機構となっているマスコミが、私の心配するように日本の政治を曲げてしまうだけです。
 マスコミはもっとプライドをもって日本のためにどうあるべきかを考え直す必要があるのではないでしょうか。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。

政治ブログランキング
政治ブログへ