普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

オバマさんの演説と日本

2009-01-21 11:32:26 | 経済・財政

 オバマさんが第44代米国大統領に就任した後、多くの人達がその内容に関心を持っていた就任演説を行いました。
 私はその日本の情勢にも大いに関係する前半部分をを取り上げて考えてみました。
青字は演説の内容、黒字は私の意見)。

 米国は依然として地球上で最も繁栄し、力強い国だ。しかし同じ手を用いるだけで、狭い利益にこだわり、面倒な決定を先送りする、そんな時代は確実に終わった。今日から我々は立ち上がり、ほこりを払って、米国を作り直す仕事に取りかかろう。
  日本の例を上げれば今問題になっている消費税増税論議です。
 麻生さん消費税増税明記に反対する最大の理由は選挙に対して不利と言う国民には関係のない国家議員の選挙に影響すると言う「狭い利益にこだわって」いるだけのように見えます。
 不景気の今何故このことを持ち出すのかと言う意見もありますが、消費税増税に不利な状況は景気だけでなく、いつでもあるのでそれを取り上げて居たら何時まで経っても出来ません。
 増して今後の日本の成長は停滞または低成長に留まることは必至なので、「面倒な決定を先送り」していたら永久にできないと思います。
 消費税増税明記に付いては
経団連さえ提案し、読売・産経・毎日の他にも反政府の傾向が強い朝日でさえ麻生さんの方針を支持しているように正論だと思います。
 麻生さんが折角問題を提起し大きな論議を呼んでいる今こそ前向きに取り組むべきだとそ思います。
  参照:紛糾する消費税論議
 そうでないと各新聞が指摘するように少子高齢化に伴う内需の減少、社会福祉関連費用の増大対策の障害となっている膨大な国債費の圧迫などいつまで終わらないと思います。
 反対派の人達の言う様に消費税増税で財政収入が減るか増えるか、選挙で与党が不利になるか否かの確率は五分五分かどちらかと言えば四分六となるような気がします。

 陳腐な政治議論はもはや通用しない。
 昨夜の予算委員会の審議では麻生さんへの漢字テストまでやっていました。今のような大切な時期にこの様な事で国会審議の時間を費やしているなど、何の批判もなく朝のテレビで放送していました。
 我々が今日問うべきなのは、政府の大小ではなく、政府が機能するか否かだ。
 今、構造改革が問題になっていますが、その一方では離職者の支援(大きな政府)が言われています。構造改革の基本は単なる縮小と言うより合理化です。
 家族が人並みの給与の仕事を見つけたり、負担できる(医療)保険や、立派な退職資金を手に入れることの助けに、政府がなるかどうかだ。
 日本企業は派遣派遣制度を利用した正規社員より人並みの給与以下の賃金でコストの削減を図ってきました。
 日本は健康保険では米国より先進国です。
 公的資金を管理する者は適切に支出し、悪弊を改め、誰からも見えるように業務を行う。それによって初めて、国民と政府の間に不可欠な信頼を回復できる。
 その最適の例が大問題になっている社会保険庁の年金に関する職員の怠業です。

 今回の(経済)危機は、監視がなければ、市場は統制を失い豊かな者ばかりを優遇する国の繁栄が長続きしないことを我々に気づかせた。我々の経済の成功はいつも、我々の繁栄が広がる範囲や、機会を求めるすべての人に広げる能力によるものだった。慈善としてではなく、公共の利益に通じる最も確実な道としてだ。
 日本は米国のやり方一辺倒で、その出す年次改革要望書に基づいて構造改革や規制緩和をやってきました。
 企業は昔からの従業員を人的資源として大切にする経営から、米国流の人を設備と同じに物としか扱わない方向、企業は従業員と社会のもの、企業の社会責任を重んじる言う考え方から、企業は株主のもの、金儲けが全てと言う考え方に変わって来ました。
 オバマさんはブレーキの掛かって経済の方に大きく舵を切ろうとしています。
 経済活動の基本的な活動の精神も昔の日本企業の持っていた考え方に似た方向にシフトしようとしているように見えます。

 然し、オバマさんの理想は高いですが、厳しい経済情勢と、ここでは省略しましたかイラク・アフガン・イスラエル問題で、米国の現実に即した方針の変更も避けられないような気がします。
 例えばビッグ・スリー救済のための保護主義の復活、ユダヤ勢力の圧力による昔ながらの一方的なイスラエル支援と安保理における拒否権の行使→中東の紛争の拡大などなど。
 日本はそれでも今までのように方針の変わった米国追随一本槍の政策を続けるのでしょうか。
 私は日本政府も日本企業も、もっと自信とプライドを持って欲しいと思うのですが。


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