普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

紛糾する消費税増税論議

2009-01-18 12:28:20 | 麻生内閣

 最近のニュース、社説から消費税増税に関するものを拾ってみました。

読売の社説:実に社会保障税の準備を、超党派で取り組む時だ
・経済の立て直しと景気回復とともに社会保障制度への取り組みも重要
 将来の安心がなければ、消費は拡大せず、景気も力強さを取り戻せない
・団塊世代が社会保障を頼りとする高齢期に入り、人口ピラミッドの上部は急速に膨らむ
・埋蔵金はすぐ尽きる
・基礎年金の国庫負担割合を2分の1まで引き上げる措置が09年度から実施されるというのに、いまだに恒久的な財源を欠いたままだ。
・年金改革、社会保障、医療・介護を検討してきた各界も皆2ケタの税率が必要になるとの認識でおおむね一致している
・これをどのように集約し、実行するかが今年、政治に問われることになろう

(私は読売の意見に大賛成です。)

朝日新聞社説:消費税の扱い―付則に明記し決意示せ
読売社説と同意見の部分
 基礎年金の国庫負担を引き上げ、社会保障、高齢化な伴う医療・介護の費用「埋蔵金」での埋蔵金では財源不足で消費税増税は必要
・「中期プログラム」には、消費税以外にも、高所得者を中心とした所得税の強化、相続税などの強化や、法人税の課税ベースを広げる代わりに税率を下げる、といった改革の方向が幅広く盛り込まれた(と肯定的な表現?)。
・今年は必ず総選挙がある。法制化により、増税は自動的に与党の選挙公約になる。選挙で増税を主張したら負けると懸念して、与党はこれまでずっと増税論から逃げてきた。そこへあえて踏み込むというのならば、政治の決断として高く評価したい。 ・他方、自民党内の反対論には「総選挙を戦えない」というのは論外
・歳出削減や行政改革の手をゆるめることがあってはならない。
・定額給付金はネックになる
・増税は福祉のために行うものだが、福祉をどのように整備し維持するのかの全体像が示されてはいない。
(朝日としては珍しく麻生さんの意見を支持しているようです、朝日の言う歳出削減や行政改革、定額給金問題に提案も賛成です。)

毎日新聞社説:財政健全化 国民と共有できる目標を 
 消費税増税の前に、歳出の全面的な洗い直し 財政がその機能を取り戻す方策を示す、定額給付金の廃止などやることがある
(他の4紙に比べて突っ込み不足のような気がします。)

産経の社説:税財政改革 選挙の具にする愚かさ 増税逃げては将来像結べぬ
読売社説の同意見の部分:少子化・高齢化社会対策、社会保障費、基礎年金の国庫負担割合引き上げで消費税増税は必要
・小泉首相以来の構造改革で歳出・歳入一体改革の歳入、つまり消費税論議を封じ込めるために恣意(しい)的ともいえる成長シナリオを描いた
・EUは20年近くも改革を持続し、GDP比財政赤字3%、債務残高60%という財政安定化基準を達成した今も、改革努力の手を緩めない。大連立で昨年、付加価値税を19%に上げたドイツの例を見ろ
・日本は国債残高だけでGDPを上回り、地方を含めた長期債務残高はその147%に達する
・来年度予算で赤字が拡大したうえ、一昨年の骨太が想定した成長の下方修正で税収が伸び悩む
・歳出(受益)を緩めて歳入(増税)を考えないなら、破綻は時間との競争になる。
 子供でも分かる理屈だが、与野党は動こうとしない。
・選挙は永遠に続く。いい加減に政治が消費税のトラウマから脱しないと、日本は将来像を結べない。
(私は産経の意見にも賛成です。特に日本は米国追随一本槍でやって来ましたが、EUにも目を向けて日本流のやり方を追うべきだったと言う意見に賛成します。)

読売新聞:
首相批判に「愛党精神ない」…自民の都道府県連幹事長が気炎
麻生首相に批判的な一部国会議員について、「理解に苦しむし、目に余る。愛党精神のかけらもみられない国会議員に、党本部が処分を含めて対応することを強く要望する」との決議を採択した。

[所謂反麻生グループと言われる人達へ]
 私は中川秀直さんを中心とする反麻生と思われるグループの動きについて、もっと地方の反応について留意すべきだと書いて来ましたが、正に私が思った通りのことが起こりました。
 消費税問題については、反麻生の急先鋒の朝日新聞すら賛成の意見を書いています。
 私は麻生さんの政策で一番思い切った日本として考えねばならない政策だと思います。
 政治家は選挙のことばかり考えてやらねばならぬこを先送りして来ました。
 ここでは次の衆院選で負けてもともとの考えで消費税増税論議をを前向きに進め、構造改革推進もその方針で組み込むことで決着をつけてはどうでしょうか。
 これくらいのことはやれないことなないと思いますが。

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*注記:テレビ朝日の「スーパーモーニング」
 たしか金曜日だったと思いますが、テレビ朝日の「スーパーモーニング」で参議院議員の世耕弘成さんを呼んで、自民党内の消費税増税問題の紛糾を取り上げていました。
 例によってコメンテーターの人達の「自民党の方針に消費税アップ明記」を指示した麻生さんの攻撃と、それに異議を唱えている世耕さんを支持と言うかお煽るようなお決まりの発言の中で印象に残ったのは、
世耕さん:税制改正大綱の中でいつのまにか行革の必要性は雲散霧消していることに文句言っているので、選挙が怖いからではない、私は参議院議員だから、今度は選挙はない、そんなことを言えば何らかの形で選挙は毎年のようう行われている。
(外野から見れば自民党内のごたごたの最大の原因は今年中にある衆院選挙のとき消費税値上げの影響を恐れているとしか考えられません。私は不人気な消費税値上げを言うことが党の本気度を示すもので必ずしも大きな悪影響はないと思いますが。)
赤江珠緒さん(キャスター):私たちは今後の社会福祉の費用の増加を考えると消費税の問題は避けて通れないような気がする。
(明らかに偏向的な発言が目立つ番組ですが、赤江さんが時々筋の通った発言をするのが救いです。)