うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

ゴルトブリッツ

2012-03-05 23:59:15 | 競馬日記
ウインドインハーヘアはオークス2着でアラルポカルを勝った名牝で、アラルポカルを勝ったときはアラジの仔を受胎した状態だったことで話題になりました。
日本に輸入されてからブラックタイド、そして3冠馬ディープインパクトの母となり、産駒の牝馬がこぞって輸入されましたが、初めに日本で走った産駒は○外レディブロンドでした。

レディブロンドは藤沢和師が勝ちまくっていたときの管理馬で、5歳まで待って、デビュー戦を1000万下のTVh杯にして、勝ち上がらせたときは、さすが藤沢と驚嘆したものです。そこから破竹の5連勝でスプリンターズSに出走し、そこでも4着に入りました。先着したのはデュランダルビリーヴアドマイヤマックス。全てスプリントGI馬です。間違いなく重賞級の能力を持ったスプリンターでした。

ウインドインハーヘアの子孫は日本で数多く走りましたが、孫以降の世代で重賞を勝っているのは今のところゴルトブリッツのみです(ブラックタイプ:海外では現在Irish National Studに繋養されているJeremyがいます。母はアラルポカルにときにお腹の中にいた仔ですね)。リルダヴァルダノンパッションのような能力がありそうな馬もいましたが、故障に泣きました。

ゴルトブリッツはこの牝系の上級馬には珍しく、そしてスペシャルウィーク産駒には珍しくダート馬になりました。父スペシャルウィーク×母レディブロンドで、Buckpasser 5 x 4、Northern Dancer 5 x 5のクロスがあります。父方はNorthern DancerとBuckpasserがマルゼンスキー内、母方はBuckpasserがSeeking the Gold内。ダートに向きそうな感じがあります。更に父方スペシャルウィークのスタミナ源の一つBull Leaと母方のスピード源RomanがBuckpasserにBull Dogを供給しています。上手いなあと思います。祖母のFair Trialが生かせていないのは残念ですが、あまりきめ細かく押さえすぎなかったおかげで(これなしでも既にシンプルとは言いがたい)個性がはっきりしたと思えばプラスのようにも思えます。Princequillo、Donatelloのスタミナを押さえているのは素晴らしいと思います。
ディープインパクト、リルダヴァル、ダノンパッションと比べるとちょっとあか抜けない感じはありますが、実直な良配合と言えるように感じます。
ちなみにサンデーサイレンスとの組み合わせでは芝の中長距離向きを出すウインドインハーヘアですが、Seeking the Gold産駒のレディブロンドはスプリンターでした。Seeking the Gold産駒のスプリンターと言えばシーキングザパール(モーリス・ド・ゲスト賞とNHK杯を勝ったスプリンターマイラー)とマイネルラヴを思い浮かべる方が多いでしょう。両者ともNasrullahの影響が強いです。レディブロンドの場合、母はヨーロッパ血統の比率が高く、祖母に至っては完全なるヨーロピアンです。その点で純然たるアメリカンのSeeking the Goldとはあまり血が合っていないような感じなのですが、AlzaoがRomanを持つためにこの血の影響が強いスプリンターになっています。また、Man o'WarやAlcibiadesを持っていて最低限、父の血は生きています。祖母の血は傾向が違うと言っても、FairwayやSir Gallahad - Teddy、Blenheim - Blandfordがほどよく配置されて破綻はしていません。ウインドインハーヘアってのは良い繁殖牝馬ですね。

現在のところダートGIII2勝。サンデーサイレンス系種牡馬はダボついていますし、これだけではまだまだ日本での種牡馬入りは難しいでしょう。
父はダービー、春秋天皇賞、JCを勝った名馬で、年度代表馬ブエナビスタ、アメリカンオークス招待圧勝のシーザリオの父。母はGI4着で、母父はSeeking the Gold、祖母はウインドインハーヘアで3冠馬の母。その3冠馬ディープインパクトは祖父と祖母の組み合わせであり、血統表内に再現されています。この素晴らしい血統を評価してくれる人は海外にいないのでしょうか。例えば南米なんかから欲しいと言われたら、タダであっても出してあげて欲しいです(ハットトリックの売却に成功したキャロットファームですから、アメリカ、南米になんかコネがないものでしょうか)。

現在、ドイツ土着血統が世界的に広まりつつありますが、日本のフロリースカップ系も捨てたもんじゃありません。この10年間でこの牝系からウオッカメイショウサムソンの2頭のダービー馬が出現し、フロリースカップの血を引くウオッカ、ブエナビスタは年度代表馬になっています(この2頭は牝馬の総獲得賞金額のJRAワンツー)。ちなみに同じく小岩井のアストニシメントの血を引くオルフェーヴルは昨年、3冠を達成し、年度代表馬に選ばれました。
世界に通用するポテンシャルを持っていると思うのですが。


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