うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

Frankel圧勝

2012-08-23 20:40:04 | 競馬日記
強かった。初めて10Fのレースに出たFrankelですが、ラストだけ軽く仕掛けて7馬身差でした。距離が伸びた分、力の差がはっきりと出たような感じです。2着にはGodolphinのFarhhが頑張り、BallydoyleのSt Nicholas Abbeyはハナ差3着でした。

この勝利を受けて、凱旋門賞の前売りの圧倒的1番人気になりました(記事)。楽々と7馬身差。性能が違いすぎます。あと2Fでこれを逆転できるのかと言えば、ここに出てきた馬レベルでは不可能かもしれません。12FのGIを3勝しているSt Nicholas Abbeyとも12Fでの順位付けが終了した感じです。St Nicholas Abbeyもそこそこ強い馬だったはずなのですが、本職の12Fでの対決を見る前に順位付けが終了してしまいました。

後は3冠を目指しているCamelot、連覇を目指すDanedream、インターナショナルSを回避したNathaniel、そして日本から遠征するオルフェーヴルくらいしか、可能性は残されていないように思います。例えばDanedreamは昨年の凱旋門賞でSt Nicholas Abbeyに5馬身半以上差を付けました。単純にSt Nicholas Abbeyを物差しにすればそこそこいい勝負になります。NathanielはそのDanedreamとKジョージでいい勝負をしました。Camelot、オルフェーヴルは未知の魅力があります。

問題はロンシャンの雰囲気でしょう。Authorizedが呑まれた独特の雰囲気(記事)を受け流すことができれば死角はほぼなくなるように思います。
そもそも凱旋門賞に出ると決まったわけではないのですが、出てくると大いに盛り上がるでしょう。

Bodemeister引退

2012-08-22 19:59:50 | 競馬日記
ケンタッキーダービー、プリークネスSで2着に入ったBodemeisterが引退することになりました(記事1記事2)。GIはアーカンソーダービーの1勝。

今年の米クラシック路線で活躍した馬はどんどんいなくなります(ブログ)。2冠のアイルハヴアナザーはビッグレッドファームへ。ベルモントSのUnion RagsはLane's Endへ。BodemeisterはWinStar Farmに行くそうです。
母はStorm Cat×A.P.Indyの豪華な配合で、母も祖母も重賞勝ち馬で、日本に放出してしまったエンパイアメーカー産駒という希少性がありますから、GI1勝だけでもそれなりに期待してもらえるのではないでしょうか。

米クラシックの2着までで現役なのはベルモントS2着のPaynterだけになりました。ベルモントSにはケンタッキーダービー、プリークネスSの1、2着が出ていませんでしたし、2歳時から期待されていたUnion Ragsが勝ったとは言ってもレベルはどれくらいだったのだろうと心配していましたが、Paynterはその後、ハスケル招待で初GI勝利を飾っています。この馬がこの世代を引っ張っていってくれることになるのでしょうか。
母は年度代表馬Tiznow、重賞5勝Budroyale、重賞勝ち馬Tizdubaiの全きょうだい。魅力的ですね。

海外競馬

2012-08-21 21:49:16 | 競馬日記
海外競馬ネタをいくつか。

Snow Fairyがジャンロマネ賞を勝ちました。昨秋のエリザベス女王杯以来のレースでした。
今年もエリザベス女王杯に来るのでしょうか。同一GI3連覇ってことになれば大したものです。
牡馬相手に札幌記念を快勝したフミノイマージンが日本勢の暫定一番手になるでしょう。母父Dixieland Bandで、Alibhaiの分厚いスタミナに見どころがあります。

先日取り上げたPoint of Entryブログ)がスウォードダンサー招待Sを勝ちました。GI連勝でアメリカにおける芝路線の最有力馬に浮上したかもしれません。
ジョーハーシュターフクラシック招待からBCターフへ向かう見込み(記事)。

ヘイリー・ターナーがI'm A Dreamerに騎乗し、ビヴァリーDSを勝ちました。昨年、GI2勝で、今年はGI初勝利。通算3勝目になりました。昨年の2勝は6FのジュライCと5FのナンソープSでどちらもスプリント戦でしたが、初めての中距離GIの勝利をアメリカ遠征で成し遂げました。馬ごみから抜け出してきたDream AheadのジュライCは見事でした。いい騎手ですね。

インターナショナルSは9頭立て

2012-08-20 22:05:10 | 競馬日記
Frankelが初めての10Fに挑むインターナショナルSは9頭立てになりました(記事)。

メンバーはFrankelの僚馬でディフェンディングチャンピオンTwice Over、ペースメーカーのBullet Train
BallydoyleのSt Nicholas Abbey、そのペースメーカーのRobin HoodWindsor Palace
GodolphinのFarhhPlanteurSri Putra

見事にJuddmonte、Ballydoyle、Godolphinの三つ巴ですね。ただしGodolphinの3頭は若干小粒で、やはりBallydoyleのSt Nicholas Abbeyがどんなレースを見せるかがポイントになりそうです。
JuddmonteがFrankelの出るレースにTwice Overを出してきたのはどのような意図があったのでしょうか。Frankelに誤算があっても、自身がスポンサーをするレースを負けるわけにはいかない、Frankelが評判通り圧勝すれば更に箔が付く、ということでしょうか。

自分に負けなければFrankelが勝つと思いますが、どうでしょうね。

Union RagsはLane's Endで種牡馬入り

2012-08-18 22:58:18 | 競馬日記
今年のベルモントS馬Union RagsLane's Endで種牡馬入りするそうです(記事)。

北米では2012年のランキングでは現在のところGiant's Causewayがリーディングサイアーで、Northern Dancer系ではStorm Birdの分枝が最大勢力です。2番目はVice Regentの分枝。Union Ragsの属するDixieland Bandの分枝はアメリカで活躍馬を出していますがそれでも少数勢力で、世界的にも希少です。

もう一つはHyperionの濃さ。現在アメリカでは日本よりはHyperionの血は流行っていないのですが、昨年の3冠馬オルフェーヴルの6.64%、今年のダービー馬ディープブリランテの4.88%を超える8.40%という血量を持ちます。今現在のサイアーランキングの上位10頭とNorthern Dancer系での上位5頭のHyperion血量を書き出せば以下のようになります。

1位Giant's Causeway:2.93%(Northern Dancer系)
2位エンパイアメーカー:3.52%
3位Speightstown:1.56%
4位Tapit:0.98%
5位City Zip:1.95%
6位Distorted Humor:3.52%
7位Malibu Moon:1.95%
8位Smart Strike:2.34%
9位Tiznow:2.34%
10位Proud Citizen:3.12%
(11位Flower Alley:6.05%)
12位Awesome Again:2.34%(Northern Dancer系)
14位Stormy Atlantic:1.95%(Northern Dancer系)
17位Lion Heart:1.76%(Northern Dancer系)
19位Scat Daddy:2.44%(Northern Dancer系)

日本の場合
1位ディープインパクト:5.47%
2位キングカメハメハ:5.66%
3位クロフネ:2.73%
4位シンボリクリスエス:3.12%
5位フジキセキ:3.12%
6位ステイゴールド:4.69%
7位ダイワメジャー:7.81%
8位アグネスタキオン:3.91%
9位マンハッタンカフェ:3.91%
10位サクラバクシンオー:10.94%

参考に挙げた11位のFlower Alleyは6.05%というかなり高めの血量を持つのですが、それでもUnion Ragsの方が上です。そしてここで挙げた他の馬の倍以上の血量を持ちます。母方にHyperionが含まれなくてもFlower Alley以外のここで挙げた馬より高い血量の馬が出来上がります。素晴らしい個性を持っていると思います。
ちなみにFlower Alley産駒の2冠馬アイルハヴアナザーはビッグレッドファームによって輸入されました。Hyperion血量は4.20%でアメリカでは上位10頭の中でこれより高い血量の馬はいませんが、日本では上位10頭の中央値に近いです。

Lane's Endという素晴らしい牧場に行くことになりますし、希少父系の個性的な配合馬らしい活躍を期待したいです。

FrankelはBrigadier Gerardになれるのか、Brigadier Gerardになってしまうのか

2012-08-15 19:54:11 | 競馬日記
距離延長に失敗した名マイラーといえばTudor Minstrel、マイラーと思われていたものの距離を克服した名馬といえばBrigadier Gerardと名前が出てくるのですが、Frankelは22日のインターナショナルSで初めて10F(正確には10F88y)に挑戦します(記事)。

10Fをこなせるかですが、最近、折り合いを付けて末脚を爆発させるスタイルが板に付いてきましたから、恐らく問題ないでしょう。昔の抑えきれない感じのままでは難しかったと思いますが。また、全弟のNoble Missionが先日、12FのゴードンS(GIII)を勝ちました。レースのレベル、展開次第ではこの血統内容でも十分に12Fをこなせるということでしょう。
Frankelは10Fまでなら十分に強さを発揮できると思っています。後はSt Nicholas Abbeyのような初対決となる中長距離の強豪とのこの距離での力関係ですね。

とまあ、距離延長の観点からBrigadier Gerardのことを思い出したのですが、「Brigadier Gerardが初めて敗れた日を思い出す」という記事がありました(記事)。言っているのはBrigadier Gerardの主戦ジョー・マーサー。そう言えばBrigadier GerardがRobertoに敗れたベンソン&ヘッジズGCは今のインターナショナルSの旧名なんですね。

Brigadier Gerardのように距離延長に耐えるのか、Brigadier Gerardのようにここで初黒星を喫するのか、楽しみなレースになります。

ジャック・ル・マロワ賞、フィーニックスS

2012-08-14 19:57:14 | 競馬日記
ジャック・ル・マロワ賞はBallydoyleのExcelebrationが勝ちました。Frankelには全く歯が立たないのですが、GI2勝目です。
父はDanehill直仔でNorthern Dancer 3 x 3を持つExceed and Excelですが(Darley供用種牡馬)、母方の累代配合が渋いです。母父はIndian Ridge、祖母父ウォーニング、曾祖母父Le Levanstell、高祖母父Relko。曾祖母は愛1000ギニー、ヨークシャーオークスの勝ち馬です。
配合は5代内にクロス馬が出現しない完全異系交配で、6代目に出現するNative Dancer - Polynesian、Nearco、Bull Lea、Tom Fool、AlibhaiはPhalaris、Selene、Bull Dogなどで結合できます。魅力がある配合ですね。

2歳戦フィーニックスSもBallydoyleのPedro The Greatが勝ちました。Henrythenavigatorの初年度産駒です。
半兄は2000ギニー馬Footstepsinthesandで、母は英GIIIの勝ち馬。配合内容はかなり異なり、FootstepsinthesandはBlushing Groom 4 x 3とHerbager 6 x 4が母父Rainbow Quest内で同居していましたが、Pedro The GreatはRaise a Native 4 . 5 x 5の影響が強いです。
父はマイルGIを4勝した名マイラーですが、父Kingmambo×母父Sadler's Wellsという場合によっては距離もこなすニックスでした。マイラーになったのはRaise a Native 3 x 4の影響があったでしょう。父内にはPrincequillo、Djebel - Tourbillon、Graustarkなどのスタミナ要素が隠されていますが全て無視、母内のUmidwar、Rialtoなんかも無視で、Footstepsinthesandよりもスピード型のように感じます。

サトキマダラヒカゲ

2012-08-11 17:23:04 | 農・食・医・環境
近くの公園に行きました。クヌギで蝶が休んでいました。多分、サトキマダラヒカゲだと思います。
サトキマダラヒカゲ

上高地に行ったときは同属のヤマキマダラヒカゲがよく見られました(ブログ)。iPhotoをあさってみるともう1頭、大正池のほとりで撮っていました。前の写真に同じような地面のものがありますが、これは明神橋付近で撮ったものでした。たくさんいたのと同時に撮りやすい蝶でもあるのでしょう。識別点は後翅の3斑紋です(解説)。
ヤマキマダラヒカゲ

キアゲハ。アベリアを吸蜜するのに忙しく、全く静止してくれませんでしたが、それなりには撮れたので。
ナミアゲハ

重賞勝ち馬

2012-08-06 23:00:54 | 競馬日記
最近の海外の重賞勝ち馬で血統的に気になった馬たちです。

独オークスはLomitas産駒Salominaが勝ちました。母は独GIIIの勝ち馬で、オイロパ賞で2着、独オークスで3着、独ダービーで4着とGIでも健闘しました。独ダービー馬Schwarzgoldから広がり、スタイヴァザントSlip Anchorマンハッタンカフェビワハイジらが属する伝統の名牝系出身です。
Lomitas産駒で最近の活躍馬と言えば、何と言ってもドイツ調教馬としては史上最強クラスのDanedreamですね。Danedreamは母父がDanehillでしたが、SalominaはDanehill産駒Tiger Hillです。DanedreamはNiniskiとDanehillの相似性を活かして近い世代に余計なクロスを作らずスッキリとまとめた良配合です。SalominaはDanehillの世代が上がって相似性は少し崩れ気味ですが、Kaiserkrone = Kaiseradler、Ticino、Birkhahnと言ったドイツ血統が生きている点では渋さがあります。
Salominaはドイツ生まれのドイツ調教馬ですからドイツ語風の読みをする方がいいと思います。それで、Sが母音と直結した場合、濁るのがドイツ語風だと思うので、「ザロミナ」だと思っていたのですが、「サロミナ」としているのが多いですね(例えば記事)。海外の馬のカタカナ表記は難しいです。I'll Have Anotherは「アイルハヴアナザー」になったようですね(記事)。「ブ」ではなく「ヴ」です。

ホイットニーHはFort Larnedが勝ちました。父E DubaiはMr. ProspectorとLord at Warのニックスです。
Fort LarnedはNashua 4 x 5とFleet Nasrullah 5 x 5でリードする形態です。Fleet Nasrullahが3冠馬Count Fleetを内包し、そのCount FleetはGold Digger内とGood Manners内でNashuaと近い位置に配されています(Gold Digger≒Good Manners内のNasrullah、Count Fleet、Bull DogがFleet Nasrullahクロスに含まれる。参考:Good Manners × Gold DiggerFleet Nasrullah × Gold DiggerFleet Nasrullah × Good MannersFleet Nasrullah × Nashua)。Nashua内は多少マニアックなJohnstownがクロス馬になっています。
母父Broad BrushはNashuaとFleet Nasrullahを持たないのですがNasurllahはあり、祖父母4頭にまんべんなくNasrullahが行き渡ります。Broad BrushはTurn-to、Roman、Nasrullahとスピード源を持つのですが、クロスしているのはNasrullahのみでRibot、Princequillo、War AdmiralとAllegedで生きていたのと同じ血がクロスします。これらは三冠馬Rock Sandで強固に結合していて、これがAllegedの強さの源でした(Broad Brushの母父がAllegedの父Hoist the Flag)。RibotはPharos、War AdmiralはHarry of Hereford(=Swynford)でNasrullahと結合。PrincequilloはPapyrus - TraceryでRibotと連合勢力を作ります。父がマイラーQueen's Hussarであったためにダービーを自重したBrigadier Gerardですが、結果的には12Fはこなせました。Papyrus - Traceryのスタミナが効いていたからだと思われます。Brigadier GerardはLord at Warの祖父です。
祖母はアルゼンチン出身ですが、Lord at Warもアルゼンチン出身であるためにアルゼンチンの名種牡馬Congreveがクロスします。CongreveはRibot、PrincequilloとTraceryで結合します。
その他、Discovery、Man o'WarはFair Playで、TourbillonはDurbarでNashuaと結合します。いい配合だと思います。

英GIIIリリーラングトリーSはShirocco産駒Wild Cocoが勝ちました。名門レットゲン牧場の自家生産馬です。母は独GIIの勝ち馬。
Konigsstuhl 3 x 4、Authi 5 x 5というマニアックなクロスがあります。Shiroccoは母So Sedulousの部分がドイツ血統を含みません。それなら父をManduroに代えれば面白いんじゃないかと思ってしまいます。
Manduro × Wild Side
独3冠馬Konigsstuhl 3 x 4が系列ぐるみをつくり、Manduroで大きな働きをしていたHyperionをAuthi 5 x 5が内包します。ドイツ血統の比重が大きな配合になりますね。