うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

凱旋門賞の前走はいつがいいか

2012-09-04 20:46:17 | 競馬日記
過去20年の凱旋門賞1、2着とその前走を昨日書き出しましたが、これらのべ40頭が走ったレースが凱旋門賞の何日前だったのかをグラフにしました。



21日前が突出しています。これはロンシャンで行われるニエル賞、フォワ賞、ヴェルメイユ賞の3前哨戦の合計です。この21日よりも短い間隔で連対した馬はいません。この21日前を除くと、特にピークらしいものは見えないですね。負けた馬たちがどんなプレップレースを選んでいたのかも気になるのですが、調べなければならない量が膨大なので諦めました。
バーデン大賞典は凱旋門賞の35日前だったのですが(マリエンバードが勝った2002年まで)、スケジュールが変わって28日前になりました(Westernerが2着に入った2005年以降)。以前のスケジュールではロンシャンの3前哨戦より2週間、今のスケジュールでも1週間余裕があります。

ロンシャンの3前哨戦は、日本で言えば天皇賞秋の3週前に行われる毎日王冠、京都大賞典のようなものでしょうか。同じコースで行われ、距離の差が少ないことを考えれば、毎日王冠の方が更に近いと思います。
この2つはレースの格、ローテーションのパターン的に天皇賞秋のプレップレースとして重要なのは確かで、確かに毎日王冠は実績のあるプレップレースですが、常に毎日王冠組が勝つわけではありません。シンボリクリスエスメイショウサムソンブエナビスタのような宝塚記念からの直行、エアグルーヴヘヴンリーロマンストーセンジョーダンのように札幌記念を叩いて向かうようなのも目に付きます。
凱旋門賞のプレップレースも、もう少し柔軟に考えていいように思います。例えば宝塚記念から凱旋門賞に直行というのはレースの期間が空きすぎるから問題だという風に言われることもありますが、宝塚記念から天皇賞秋の方が離れており、これで勝てるなら凱旋門賞も宝塚記念から向かって問題ないのではないかと言うこともできます。また、札幌記念は凱旋門賞の49日前で、輸送があることを考えれば丁度いいんじゃないかと考えることもできます。

ロンシャンの3前哨戦が相性がいい要因はもちろん同コース、同距離で行われるということがあるでしょうが、ここを叩いて向かうというローテーションが確立されており、凱旋門賞勝利に近い馬が出てくるというのがあるでしょう。
例えばエリシオパントレセレブルSinndarDalakhaniZarkavaなどといった馬はニエル賞、ヴェルメイユ賞ならではのプラスがあったおかげで勝てた、というレベルではなく、おかしなレースでなければどこから向かっても勝てたでしょう。もちろん、愛チャンピオンSから向かったSea the Starsもどこから向かっても間違いなく勝てました。ただし、愛チャンピオンSもスケジュールの変更があり、22日前だったときのFreedom Cryピルサドスキーは2着、29日前になってからのDylan Thomas、Sea The Starsは1着です。1週間の余裕は実は小さくて大きい差なんじゃないかという気もします。
同コース、同距離のメリットがないレースをステップにするのであれば、更に1、2週余裕がある方が実はいいのかもしれません。バーデン大賞典はコースは違いますが、距離は同じ。レースのレベルは低くはないですが高すぎるわけではなく、ステップとして丁度いいくらいであるように思います。

日本の馬にとって、勝ったことがないレースなのに、このようにしなければ勝てない、と思い込む風潮には疑問を感じます。そもそも航空機での長距離輸送があるのにヨーロッパにいる馬のローテーションに倣わなければならないというのはおかしな話だと思います。もちろん、向こうのやり方に倣ってみるというのは一つの方法ですが、これで問題ないんじゃないかと思うことがあるなら外野の雑音は無視して試して欲しいと思います。


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