発症して入院2週間余り、退院してから2週間、発症から1ヶ月が経過した。恥が多かったン10年の社会人生活で積もった垢を落としてゆくような日々が続いている。リラックスが合言葉だから無為な時間を過ごすのが日課のようなものだ。おかげさまで今日も至適血圧(上≦120 下≦80)をマークした。
もともとが貧乏性なので無為徒食に弱い。ところが、悪い虫がもっとストレスを抱きこめと煽ってみても、体も心も反応しない。浄土とやらに近づいているのかもしれない、極楽とやらから遠ざかっているのかもしれない。見渡すと、時間だけが通り過ぎてゆくようだ。
「ゲーテとの対話」(エッカーマン著)にこんなシーンが出てくる。ある美しい婦人の死期がせまり、ベッドの周りの人がなげき悲しんでいた。目をさました婦人が言った
「何を嘆いていらっしゃるの。皆さんより、ほんの少し先に行ってしまうだけですのに」
*ゲーテはこの言葉が気にいったのか、2回もこのことについて話している。