旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

孤高

2008年09月01日 00時12分50秒 | Weblog
                高島野十郎 からすうり



デカルトは小貴族の出自であるから生涯お金に困ったことがない。22歳で外国に渡って軍隊に入る。行く先々でこれと思う学者たちと交流して見聞を広めた。食べるために軍隊に入ったのではなく、世間を知るために従軍した。軍隊を4年ほどでやめてイタリア旅行等で時間をつぶしたのち、1628年、32歳の時にオランダに移住する。当時のオランダは先進的な貿易国家あるから世界中の情報を手に入れることができた。

パリでは友人・との付き合いが面倒なので、自分の人生をもっと有意義に使うためにオランダに移住したと言われる。「よく隠れるものこそ、もっともよく生きる。」をモットーにしていた。この世界に自分以上の人間はいないという自信があったデカルトはメルセンヌというひとにしかオランダの住所を教えていない。オランダでも頻繁に住所を変えた。以上は「エピソードで読む西洋哲学史」を参考にしながら改竄。


今日、NHKの新日曜美術館という番組を見た。高島野十郎の特集であった。久留米の出身で東大の金時計組(首席で卒業した)であったにもかかわらず、金時計の恩賜をことわって卒業とともに写実画家を志し、養老院で死亡するまで約4000点の作品を残している。

本格的に油絵と取り組み始めてからの生活は清貧そのもので師も弟子ももたなかった。寸時を惜しんでひたすら写実的な作品を描き続けた。デカルトと同様に生涯独身を通した高野はデカルトとは違って、無名のまま昭和50年に85歳で生涯を終えた。番組の中で「雨の法隆寺塔」「からすうり」等の作品が披露されている。「お見事!」の一言に尽きる。

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