「エセー」第57章「年齢について」の中で、私も30歳という年齢を過ぎると、肉体も精神も、増すよりは減ったし、前進するよりは後退したと信じている。「肉体が歳月の強い力に揺さぶられ、体力が弱り、四肢の力が抜けると、知力は跛を引き、舌はもつれ、精神は錯乱する。」(ルクシディウス)と著述したモンテーニュは、「エセー」の執筆を始めたのが39歳の時で、セネカを離れてプルタルコスに傾倒し、好んで詩を読んたのが49歳から55歳の時で、55歳から59歳までは詩を読むのが少なくなって哲学や歴史に関する読書が多くなり、「エセー」の第5版を出すために1588年版の余白に自筆で丹念な細字で次々と書き加えをして、59歳で死ぬ間際までその仕事を止めなかった。モンテーニュの「エセー」が「精神が減って、知力が跛をひき、精神を混乱させながら」書かれた著作であるとは謙遜も甚だしい。
明日が待ち焦がれた冬至で26日が終業式、28日の仕事納めが済んで本の整理をしたら、新年に向けて転がってゆくだけだ。この日曜に大根を抜きに菜園にでかけてみたら、先月肥料を施した辺りにびっしりと雑草が茂っていた。23日からの3連休で雑草を抜いて、畑の一面に腐葉土をまいてから新年を迎える。