庭の紅葉は精彩を欠いている。紅葉というよりも黄葉なのだが、立ち枯れ状態のねずみ色もしくは褐色で、ヤマボウシ、アンズ、サクランボ、モミジのいづれも、葉っぱが茎にしがみついたままで縮れたようになっている。紅葉するはずのモミジすら薄汚い褐色に色を変えつつある。その庭で、冬空に似合うピラカンサスだけが赤みを増してゆく。
ブレンターノ
世界の名著「ブレンターノ フッサール」の解説を読み終えたので著作を読みはじめた。フッサール50歳の著作である「厳密な学としての哲学」には目次がない。フッサール晩年71歳の著作「デカルト的省察」の目次は、序論と5つの省察という6つの大見出しに対応する63にのぼる節に分けられていて親しみやすい。予定を変更して「デカルト的省察」の方から始めた。
岩波文庫「デカルト的考察」は、表紙解説の一部を引用すると、「明証性の学としての現象学を叙述し、独我論とその克服としての間主観性の問題を俎上に乗せて、異文化や形而上学の問題への道を示した。フッサール晩年の主著。」(1文字を加えた)なのだ。フッサールの現象学はすでに岩波文庫的古典の仲間入りをしている。「純粋現象学及現象学的哲学考案」(何なのだ、この著作名は・・・)が1997年に復刊されたことを知った。
窓の外は秋雨に煙っている。