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旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

ゲーテの「ファウスト」

2013年07月19日 21時00分49秒 | Weblog

岩波文庫のコーナーを眺めていたらゲーテの「ファウスト」が目に留まった。ずいぶん前から友人がゲーテを持ち上げている。文学に晩生だから、ゲーテは遠い存在だった。それでも彼の影響で数10年前に「ファウスト」を読みかかったことがある。難解さに辟易として読み通すのを断念した。

今回は、いきなり本屋での立ち読みから入った。表紙の解説によれば、ゲーテはこの大作を24歳から書き始めて82歳で書き終えて、83歳で没した。完成までに殆ど全生涯を費やしたことになる。休日の前夜に飲まなかったら読書、と決めている。ファウストとメフィストーフェレスの掛け合いに魅かれて2時間ほどで第一部を読み終えた。

粗い読み方になった。読み通してみると前半の中身が濃く、後半のマルガリータとの恋物語は内容が冗長な感じがする。わたしの興味は前半部にある。頭でっかちで尻すぼみとの印象を受けた。第1部では、ファウストは味気ない学問研究の世界から、倦怠感を抱いたまま恋の遊戯世界に急降下する。

文節ごとに改行されるのでページ数の割に文字数は少ない。表現は凝縮されて無駄がない。わたし好みの文体だ。愛読書のうちの一冊になりそうな予感がする。古典的手法の典型のような戯曲だ。読み方がいまだに至らない可能性を残したまま第二部を読み始めた。 


麦と兵隊

2013年07月19日 07時28分46秒 | Weblog

麦と兵隊


昭和13年

作詩 藤田まさと  作曲 大村能章


1 「徐州徐州と人馬は進む 徐州居(い)よいか住みよいか」

   洒落(しゃれ)た文句に振り返りゃ お国訛(なまり)のおけさ節

   髯(ひげ)が微笑(ほほえ)む麦畑


2 戦友(とも)を背にして道なき道を 往けば戦野は夜の雨

   「すまぬすまぬ」を背中に聞けば 「馬鹿を言うな」とまた進む

   兵の歩みの頼もしさ


3 腕をたたいて遥かな空を 仰ぐ瞳に雲が飛ぶ

   遠く祖国を離れ来て しみじみ知った祖国愛

   戦友(とも)よ来て見よあの雲を


4 眼(まなこ)ひらけば砲煙万里 鉄の火焔(ほのお)の狂う中

   夕陽ゆらゆら身に浴びて 独り平和の色染める

   麦の静けさ逞(たくま)しさ


5 往けど進めど麦また麦の 波の深さよ夜の寒さ

   声を殺して黙々と 影を落として粛々(しゅくしゅく)と

   兵は徐州へ前線へ