熱中症にかかって救急治療室に搬入されたのは、昨年の7月の中旬、ちょうどこの時節のことだ。突然めまいに襲われて、歩こうとしてもまっすぐに歩けない。自分の体が自分の意志でコントロールできない不自由さ、というよりも恐怖が1週間ばかり続いた。ひたすら回復を願った。
あの事件以来、生来の餓鬼が、暴飲、暴食をひかえて水分の補給に努めるようになった。結果、めまいの症状はすっかり消えた。しかし、たまに、ごくごく軽いめまい「もどき」にびくつく。たぶん、あの世に召される際には、自分の意志で心身をコントロールできなくなって、あの時のように、体ごと奈落まで転げ落ちてゆくのだろうと思う。