旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

制度

2010年10月16日 08時15分22秒 | Weblog
「行政といえば制度の最たるものだ。」というと妙に説得力を持つ。ところが、「制度」の意味を自問すると言葉がでてこないので辞書に当たってみた。

平凡社の哲学辞典によると、制度という言葉の意味について、『制度的現実は人間によってつくり出されたものであるが、それが人間の意思あるいは能動性の「自己客体化」されたものであることによって、人間から独立した客観的実在、いわば第2の自然として、その固有の法則としての法則と論理をもつようになる。それは人間によってつくられ役立たされている限り、人間の統御と支配のもとにあるが、そのもつ固有の法則と論理が自己展開して人間の統御と支配がそれにおよびえなくなるとき、それは人間に対して単に客観的な外在的な存在としてだけでなく、疎遠な、拘束的な力として、つまり疎外態として働くようになる。』という部分が最も明快で解りやすい。

公共職業安定に従事する者として、この制度が果たして人間の統御と支配のもとにあるのか、それとも疎外態として働いているのかもしれないという種類の判断がつくほどの年季があるわけではない。しかし、この行政が制度疲労を起こしていることだけは確かなようだ。一相談員からみれば、求職者に対してじっくり職業相談に応じるには時間的な制約が大きいし、統計からみても求職者に対して就業の機会を十分に与えていないことからも明らかだ。