旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

米国株式会社

2010年09月23日 10時33分23秒 | Weblog
プルデンシャル生命という米国資本の生命保険会社がある。外電が、このグループの持ち株会社が元「日本の保険会社」であった2社(東邦生命・千代田生命)を買収することに決まったと報じた。破綻に瀕した2社は10年ほど前にAIGに買収されその傘下に入った。リーマンショック後の昨年、2社の売却話が持ち上がってプルデンシャル・ファイナンシャルが買収する直前までいったが価額が折り合わなかったので破談になった。

今回の買収はその復縁ということになる。価額が折り合う可能性が出てきたにちがいない。AIGはメディアが報道したようにかっては世界最大の金融グループだった。リーマン破綻をきっかけに経営危機に陥って米国政府から資金注入を受けざるを得なった。現在に至るも米国政府の管理下にある。

政府から莫大な資金の注入を受けたAIGグループ傘下の2社が、米国以外の金融機関やファイナンシャルグループに売却されるとは考えにくかった。それでも当初は、アリコジャパンの売却先も含めて高く売れればどこの国の資本でも良いとされた。結局、アリコジャパンが米国のメットライフに、AIGエジソン生命(東邦生命)とAIGスター生命(千代田生命)が米国のプルデンシャル・ファイナンシャル・グループに売却されることになりそうだ。

米政府が体を張って破綻を防いだAIG傘下のアリコを含む3社は、破綻に瀕したAIGからの悪しき影響さえ排除すればそう悪い財務内容ではない。米国政府にとってはどうにか「トンビに油揚げ」状態を防ぐことができたということなのだ。エジソン生命、スター生命の2社について、私は在職中の一昨年前からプルデンシャル・ファイナンシャル・グループが買収するとみていた。

窮した米国はかっての日本株式会社に習って米国株式会社に向けて舵を切らざるをえなくなったようだ。