旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

哲学

2010年09月18日 08時56分59秒 | Weblog
『岩波講座「哲学」全18巻+総索引1冊』を買い求めた。こんなに片っ端から哲学書を買い求めて、果たして死ぬまでに読み切れるのだろうか。それにしても、なぜここまで哲学(書)に渇きを覚えるのか、買った本人にも見当がつかない。

木田元著「哲学は人生に役に立つのか」を読んだ。文中に「私と同じように、どうしても哲学が気になって仕方がないという人間がいるものです。そういう人たちは、どう止めても哲学の本を読みたがる。ところが、読んでもなかなか分からない。私もそれで苦労しました。」とある。

どうやら私は『そういう人たちの内のひとり』のようだ。「そこに山があるから登りたくなる。」の類で「そこに哲学の本があるから読みたくなる。」のだ。だから木田元さんは、「せめてそういう人たちを少しでも楽に哲学に導き入れてあげたいと思って、哲学への入門書や入門書のたぐいを書いてきました。」

木田元さんといえば、30有余年前に2・3度、「哲学入門」の講義に出たことがある。岩波新書「現象学」も読んだ。今思えば、確かに初心者にも解り易く書いてあった。ところが、当時の私は読書に目覚めたばかりの身だった。浅薄な知識が災いして読んでも殆どその意味内容を理解できなかった。

哲学書の翻訳全般に言えることだが、翻訳のまずさに煩わされて頭が混乱することが多い。たまに、カントやサルトル、ニーチェを英文で読む。和訳よりも分りやすい。これで新旧の「岩波講座 哲学」の全巻が揃った。旧から新へ移行する約18年の間に日本語による哲学語表現がどうのように変遷したかに最も興味を抱いている。