昭和ひとケタ樺太生まれ

70代の「じゃこしか(麝香鹿)爺さん」が日々の雑感や思い出話をマイペースで綴ります。

山わさび

2010-04-30 17:57:14 | じゃこしか爺さんの見て歩る記
 いつもの風が嘘のように納まった先日の午後のことでした。しばらくぶりにさっそく外歩きに出掛けました。
 ここしばらくは強風の日が続いていましたから、体がなまってしまうのではないかとの心配もあったからです。
 たとえぶらぶら歩きであっても、新鮮な空気を吸い込んで、さらに身体一杯にお陽さんを浴びながらの外歩きは、何と言ってもやはり最高・・・一番です。
 そんな気持ち好い午後の一時でしたが、なぜかウオーキングの人は少なくて、いつもの半分以下でした。
 何か写真の材料になるものでもないかと、ぶらぶら歩きを続けて2キロほど進んだ先の住宅の庭で、その家の主婦なのでしょうが、剣先スコップで土を掘り返しているのを目にしました。
 畑の土起しには鍬を使うのが一般的ですが、時にはスコップなどを使う人も結構見かけますから、初めは畑作りかと思ったのです。
 しかし近付いて良く見ると、土の中から何かの根っこを掘り出していたのでした。何処かで見たような気もしましたが、とっさに思い出せなかったのでたずねると、{山わさび}だと教えてくれた。

 山わさびに付いての想い出は、遠いとおい昔の子ども時代に遡ります。当時は一般に{アイヌわさび}と呼んでいました。
 それは戦中戦後の食糧難時代では、蕗やわらびなどと同じように山菜として役立っていたのでした。
 今はっきりと想い出されるのは、採り立てのアイヌわさびを擂りおろしてから、醤油などで味付けしたのを暖かいご飯にかけて食べたことです。
 またご飯だけに限らず、当時の主食の一つでもあった、ジャガイや焼魚などの味付けには最適でした。

 かなり昔のことなので、はっきりとは想い出せませんが、本わさびとは違って、ほのかに苦味がかったその独特の辛さがよみがえって来ました。
 と同時に、道々樺太時代の子どもの頃を懐かしく想い出していました。

土の中から掘り出されたばかりの{山わさび=アイヌわさび}


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