「面白くなければ小説でない」とは、今は亡きある小説家の言葉ですが、なぜかこの言葉がいつも脳裡から離れません。
たかが私の読書ごときは、今さら大見得を切ってブログに載せるほどのものでないのは、充分知っているつもりですが、最近年寄り向けの読み物が少ないことから、あえて載せた次第です。
今、私の愛読雑誌としての「文学界」は、この30年来毎月読んでいることは、以前にもブログで書いたところですが、その文学界に掲載される最近の小説の様変わりようには、うまくついて行けません。
それは、田舎ジジイに過ぎない私にとって、至極当然のことかもしれません。
今の小説の傾向としてそうなのかどうかは良く分かりませんが、とにかく片かな言葉が多いうえに、オタクっぽいのやオカルトに加えてスピリチュアル的な物ばかりで、しっくり来ないし、また良く馴染めないのです。
若い人たちには受けるのでしょうが、頭の硬くなった老人には理解に苦しむことも少なくありません。ただしこれも私だけのことかも知れませんが。
またこの文学界を通して立原正秋を知り、それらの作品などから知ったのが、高井有一・田久保英夫・古井由吉・小川国夫・島尾敏雄などで、女流作家では中里恒子、園地文子、瀬戸内晴美、曽野綾子、竹西寛子などの方々です。
中でも高井有一の「北の河~芥川賞」には深い感銘を受け、また竹西寛子の王朝物に惹かれ、後に中世古典物を好んで読むきっかけとなりました。
最近では、じっくりと読み続ける根気が失せてしまい、図書館から借りてきて読む時代物が多くなりました。
主に池波正太郎、藤沢周平、佐藤雅美など、ほかに時代物ではありませんが、南木佳士の小説や随筆を良く読んでいます。
以前ある俳優が、{おじさんの歌える歌が少ない}と嘆いていましたが、今はおじさんの楽しめる小説もまた、めっきり少なくなっていると、つくづく嘆く日の多いこの頃です。
これは余談ですが、
近ごろは歳の所為か、夜遅くなっても眠気がなかなかやって来ない時など、テレビにも飽きてしまって、もうしばらく好きな読書でもと思うのだが、いったいに夜の読書には灯りが必要です。
またガソリンの価格が急落して来ましたが、それも電気代までには及びみません、やはり節約が一番なります。
今の季節となると、電灯よりもやはり暖房が優先されるのが当然ですから、夜11時過ぎての読書はいかにも勿体ないことです。
そんな訳で、たいして眠くも無いのに、早め早めに蒲団に入ってしまう{早寝に遅起き}が、わが家の習慣となりつつあります。
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