※ これが本当の ‘アンネのバラ’ です。
名札には ‘アンネ・フランクの思い出’ と書いてあります。
クリック♪
午前中、再び荒牧バラ園へ行くことになった。
出がけにNがトイレへ入ったのだが、何気なく覗くとタオルかけにひじを乗せたまま用を足している。
「ちょっとー! またタオルかけに腕を乗せてるっ!!」
「あ・・・」
Nがあわてて肘をのけると、壁に取り付けたタオルかけの細いポールがギシッと音を立てた。
「あじゃないよっ! なんで何度言ってもわかんないの?」
ルンルンに叱られながらニヤニヤ照れ笑いを浮かべるN。
こうなったらもう毎回抜きうち検査じゃ
そんなこんなでバラ園へは10時過ぎに到着、お日様はすでに高くのぼっており、またもや汗をかきかき歩く。
きょうは中高年の夫婦連れや女性同士のグループに、幼稚園の遠足、写真教室のグループなども混じって、きのうとはまたちょっと違う趣きだった。
まずは、きのうの写真で5五の竜さんが質問されておられたバラの名前を確認 (イントゥリーグという米国産のバラだった)
そのままグルッと外周をめぐる。
そばの幼稚園からタイコとシンバルの音が聞こえてくる。
ドンチャッ ドンチャッ・・・・・
先生の笛に合わせて単調なリズムが続く。 子ども達の真剣な表情が目に浮かぶようだ。
‘スパニッシュ・ビューティ’ というバラの前で立ち止まっていると、大声のおばさん2人連れがやってきた。
「まあ、キレイやねぇ」
「派手なのもいいけど、こういう淡い色のが好きやわ」
「スパニッシュって何だっけ?」
「ああ、スパニッシュねえ。 何やったかなぁ」
「う~んと・・・・えっと・・」
「あ、そうだ! ドイツやわ」
「ああ、ドイツね。 うん、そう言われてみればそんな感じやね、このバラ」
それだけ言うと満足そうな顔で通り過ぎていった。
60代ぐらいの男女が、三脚を立てて熱心に写真を撮っている。
何気なく見ていると、先生らしき人が寄ってきて色々アドバイスをされていた。
「ああ、絵のような風景ですね」
「あの雲がイヤなんですわ」
「じゃあもうちょっとこっちに位置をずらしてナンタラカンタラ」
「ワタシのどうでしょう」
「うーん・・もうちょっと黄色を効かしてナンタラカンタラ」
楽しそうだなあ
車イスの団体さんも通る。
「ヨシダさん、匂いします? (車イスを押している職員さん) 」
「ああ、ええニオイがするよ」
「え~! ワタシ全然匂わへんよ。 もしかして蓄膿ちゃうかなぁ」
「きっと匂うニオイと匂わへんニオイがあるんよ」
「はぁ、そーですかぁ」
オレンジ色のボウシをかぶった幼稚園の一団が記念写真を撮ってもらっている。
みんなお揃いの白い半そでの体操服で、プニプニした小さな手足が可愛らしい。
満開のバラと子ども達のちょっと照れたような笑顔が溶け合って、なんだか胸がいっぱいになってしまった。
出口近くになり、私の大好きな薄むらさきのバラ ‘ブルーバユー’ が咲く一角に出る。
きのうよりも一段と美しく咲いていて思わず見とれてしまう。
赤やピンクやオレンジもいいけれど、わずかに青味がかった淡い藤色のブルーバユーは見ているだけでも涼しげで疲れない。
うっとりしていると急に背後から大声が響いた。
「ブルーバイユー?」
「ちゃうちゃう、ブルーバユーやで」
「ブルーバイユー?」
「ちゃうって! ブルーバユー。 ばーゆーうっ!!」
「ああ、バユーか。 ブルーバユー」
「そうやでバユーバユー。 あっはっは」
気を取り直してなおも観察していると又もや背後から大声がする。
おじいさん 「あそこのバラ、なんていう名前か知ってるか?」
おばあさん 「さあ、私見んかったから」
おじいさん 「 ‘ピース’ やて、ピース。 ハハ、おもろいやろ、ピースやで」
おばあさんは完全に無視してスタスタ先を行ってしまった。
出口横の売店に入り、バラの柄のレースを1枚買ってバラ園を出る。
帰りがけ、新しく出来た小僧寿しに入って昼食用のおすしを買う。
Nがレジでお金を払うとき、店員の女性が 「おすしと一緒なら、こちらの商品が割引になりますよ」 とインスタント味噌汁を勧める。
インスタント味噌汁なら我が家にもあるし買わないだろうと思っていると、ウ~ンと考えた末に私のほうを見て、「どうする? いる?」 とか気の弱そうなことを言う。
内心 (はあ? いるわけないじゃん) と思ったが、がめつい奥さんと思われるのもイヤなので、「・・・・いるんだったら買ったら? 私はいい」 とだけ言った。
すると店員さんは続けて 「こちらのカップうどんは150円になりますよ、おすしとセットの時だけ○○円お安くなるんですけど、いかがですか」 と品を変えて勧める。
こうなってくると私はもうダメなのだ。
(意地でも買わんぞ!) という、亀の甲羅よりもかたいガード状態になってしまう。
背後から無言で冷たい視線を送るルンルン。
Nの背中はあきらかに、困って困って困りきっている。
さあ! 買うか、買わないか。 ここが男の正念場だ。
店員さんとルンルンのはざ間で激しく苦悩するN。
(ガンバレN、ひと言 「あ、やっぱりいいです」 と言えばいいんだ!) とテレパシーを送る。
しばしの沈黙のあと、とうとうNが口を開いた。
「じゃあ、これ1つ下さい・・・・」
別に150円が惜しかったわけではない。
その ‘プロセス’ がイヤだっただけなのだ・・・・
帰宅しておすしを食べたあとソファーで眠り込んでしまう。
ちょっと強行軍だったかも知れない。
ずいぶん経ってドスンバタンという物音で目が覚める。
Nに 「何やってるの?」 と聞くと、「虫のわいてる原因わかったで! ○○の入ってたダンボールや。 フタあけたら3千匹ぐらい小バエが飛び出してきたで」
きょうのところは、これでおあいこだ。
おわり
名札には ‘アンネ・フランクの思い出’ と書いてあります。
クリック♪
午前中、再び荒牧バラ園へ行くことになった。
出がけにNがトイレへ入ったのだが、何気なく覗くとタオルかけにひじを乗せたまま用を足している。
「ちょっとー! またタオルかけに腕を乗せてるっ!!」
「あ・・・」
Nがあわてて肘をのけると、壁に取り付けたタオルかけの細いポールがギシッと音を立てた。
「あじゃないよっ! なんで何度言ってもわかんないの?」
ルンルンに叱られながらニヤニヤ照れ笑いを浮かべるN。
こうなったらもう毎回抜きうち検査じゃ
そんなこんなでバラ園へは10時過ぎに到着、お日様はすでに高くのぼっており、またもや汗をかきかき歩く。
きょうは中高年の夫婦連れや女性同士のグループに、幼稚園の遠足、写真教室のグループなども混じって、きのうとはまたちょっと違う趣きだった。
まずは、きのうの写真で5五の竜さんが質問されておられたバラの名前を確認 (イントゥリーグという米国産のバラだった)
そのままグルッと外周をめぐる。
そばの幼稚園からタイコとシンバルの音が聞こえてくる。
ドンチャッ ドンチャッ・・・・・
先生の笛に合わせて単調なリズムが続く。 子ども達の真剣な表情が目に浮かぶようだ。
‘スパニッシュ・ビューティ’ というバラの前で立ち止まっていると、大声のおばさん2人連れがやってきた。
「まあ、キレイやねぇ」
「派手なのもいいけど、こういう淡い色のが好きやわ」
「スパニッシュって何だっけ?」
「ああ、スパニッシュねえ。 何やったかなぁ」
「う~んと・・・・えっと・・」
「あ、そうだ! ドイツやわ」
「ああ、ドイツね。 うん、そう言われてみればそんな感じやね、このバラ」
それだけ言うと満足そうな顔で通り過ぎていった。
60代ぐらいの男女が、三脚を立てて熱心に写真を撮っている。
何気なく見ていると、先生らしき人が寄ってきて色々アドバイスをされていた。
「ああ、絵のような風景ですね」
「あの雲がイヤなんですわ」
「じゃあもうちょっとこっちに位置をずらしてナンタラカンタラ」
「ワタシのどうでしょう」
「うーん・・もうちょっと黄色を効かしてナンタラカンタラ」
楽しそうだなあ
車イスの団体さんも通る。
「ヨシダさん、匂いします? (車イスを押している職員さん) 」
「ああ、ええニオイがするよ」
「え~! ワタシ全然匂わへんよ。 もしかして蓄膿ちゃうかなぁ」
「きっと匂うニオイと匂わへんニオイがあるんよ」
「はぁ、そーですかぁ」
オレンジ色のボウシをかぶった幼稚園の一団が記念写真を撮ってもらっている。
みんなお揃いの白い半そでの体操服で、プニプニした小さな手足が可愛らしい。
満開のバラと子ども達のちょっと照れたような笑顔が溶け合って、なんだか胸がいっぱいになってしまった。
出口近くになり、私の大好きな薄むらさきのバラ ‘ブルーバユー’ が咲く一角に出る。
きのうよりも一段と美しく咲いていて思わず見とれてしまう。
赤やピンクやオレンジもいいけれど、わずかに青味がかった淡い藤色のブルーバユーは見ているだけでも涼しげで疲れない。
うっとりしていると急に背後から大声が響いた。
「ブルーバイユー?」
「ちゃうちゃう、ブルーバユーやで」
「ブルーバイユー?」
「ちゃうって! ブルーバユー。 ばーゆーうっ!!」
「ああ、バユーか。 ブルーバユー」
「そうやでバユーバユー。 あっはっは」
気を取り直してなおも観察していると又もや背後から大声がする。
おじいさん 「あそこのバラ、なんていう名前か知ってるか?」
おばあさん 「さあ、私見んかったから」
おじいさん 「 ‘ピース’ やて、ピース。 ハハ、おもろいやろ、ピースやで」
おばあさんは完全に無視してスタスタ先を行ってしまった。
出口横の売店に入り、バラの柄のレースを1枚買ってバラ園を出る。
帰りがけ、新しく出来た小僧寿しに入って昼食用のおすしを買う。
Nがレジでお金を払うとき、店員の女性が 「おすしと一緒なら、こちらの商品が割引になりますよ」 とインスタント味噌汁を勧める。
インスタント味噌汁なら我が家にもあるし買わないだろうと思っていると、ウ~ンと考えた末に私のほうを見て、「どうする? いる?」 とか気の弱そうなことを言う。
内心 (はあ? いるわけないじゃん) と思ったが、がめつい奥さんと思われるのもイヤなので、「・・・・いるんだったら買ったら? 私はいい」 とだけ言った。
すると店員さんは続けて 「こちらのカップうどんは150円になりますよ、おすしとセットの時だけ○○円お安くなるんですけど、いかがですか」 と品を変えて勧める。
こうなってくると私はもうダメなのだ。
(意地でも買わんぞ!) という、亀の甲羅よりもかたいガード状態になってしまう。
背後から無言で冷たい視線を送るルンルン。
Nの背中はあきらかに、困って困って困りきっている。
さあ! 買うか、買わないか。 ここが男の正念場だ。
店員さんとルンルンのはざ間で激しく苦悩するN。
(ガンバレN、ひと言 「あ、やっぱりいいです」 と言えばいいんだ!) とテレパシーを送る。
しばしの沈黙のあと、とうとうNが口を開いた。
「じゃあ、これ1つ下さい・・・・」
別に150円が惜しかったわけではない。
その ‘プロセス’ がイヤだっただけなのだ・・・・
帰宅しておすしを食べたあとソファーで眠り込んでしまう。
ちょっと強行軍だったかも知れない。
ずいぶん経ってドスンバタンという物音で目が覚める。
Nに 「何やってるの?」 と聞くと、「虫のわいてる原因わかったで! ○○の入ってたダンボールや。 フタあけたら3千匹ぐらい小バエが飛び出してきたで」
きょうのところは、これでおあいこだ。
おわり