世界をみつめる私──対象化する私
世界にみつめられる私──対象化される私
この双極性において、ふたつのまなざしは反照しあい
「私」という名の放電が現象し、固有の波形が動いていく
ふたつのまなざしのフェアでイーブンな強度
この条件において放電は安定し、波形の秩序は保たれる
しかし、いつのまにか一極の電圧が過剰に高まって
双極のパワーバランスが崩れ波形がひどく歪むことがある
この不均衡はただしく修正されなければならない
*
「たとえば、利他とか無私とか、はじめに当為を置くと個は消えていく」
「個が消える?」
「そう、個としての存在を潰すような不均衡が起こる」
「でも人間界を生きるかぎり倫理的であることは避けられない」
「倫理的であることは不可避。けれど倒錯、顚倒が起こる」
「世界が個の上位に君臨してしまう?」
「うん。世界が主語になって、命令し、個が述語化する」
「おかしい」
「つまり、パワーバランスが壊れ、世界が個を制圧していく」
「いつでも起こることかもしれない」
「いつのまにか、自分ではない主語が自分に代入されている」
「どうしたらいい」
「個の生と調和する世界とはどんな世界か。その条件を考えようか」
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