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鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

『IPPO 1 : えすとえむ・著』 

2013-01-04 22:53:03 | Weblog
寒風吹きすさぶ極寒な一日。


何が極楽かっていうと、時間無制限で、DVDを観たり、好きなだけ本や漫画を読んだりする・・・コレ極楽以外のなんであろうか・・・。
極楽在住の王侯貴族も、あと数日の命・・・。
来週から、氷点下の朝、会社へ行くという難行苦行?が待っているこの身にとって、正月休みは、天より与えられし、至福の時なのだ・・・。

・・・昨日は、神の身体を持つ靴屋のおにいさんの話だったけれど、本日は、若き靴職人・一条歩(いちじょうあゆむ)が主人公の職人物語。

注文靴1足30万円から・・・。

両親の離婚により、ノンノ(おじいさん)をたよって、フィレンツェの地に降りたった歩少年12歳。
ノンノとそのお兄さんの立ち上げた注文靴のブランド・ジェルリーニの工房で、修行して、再び、日本に戻り、注文靴の工房・IPPOを立ち上げる。

IPPOを訪れる様々なお客さん。
彼らの注文に応じる若き靴職人の物語のはじまり、はじまり・・・。


作者のえすとえむさんは、欧州(特にスペイン・イタリア)、そしてトルコの物語を書かせたら、多分、当代一の漫画家さんだろう。
闘牛士と牛の解体業者とのボーイズ・ラブ系の物語、ケンタウロスと人間の儚い恋・・・男性同士の絡みも上手くて、異色の作家と言っていいかもしれない。
同性愛から、年上愛、エキゾチックな中東、南欧・・・、本邦の時代物、女性闘牛士・・・誰も書かなった世界を、美しい筆致で描いている。
たぶん、いま一番好きな作家のひとり。
この書き手には、枠(・・・というか、カテゴリー)が存在しないかのようだ。
ヒトには、それぞれ、得意な分野、不得意な分野があるのだろうけれど、人の書かない(創作できない)物語は、興味深い。

BL(同性愛)からの商業コミックでのスタートだと思うけれど、たぶん、BLは、足がかりにすぎないのではないだろうか・・・?BLという市場だけでは、勿体ないな・・・と思っていた。
エロいシーンも綺麗に描く作家だし、官能度も抜群だ。

今後が楽しみな書き手である。