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鼎子堂(Teishi-Do)

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『前巷説百物語・さきのこうせつひゃくものがたり(京極夏彦著)』

2007-08-26 15:55:15 | 本・読書
8月もあと5日間を残すばかりとなりました。

5月のゴールデン・ウィークの終り頃、『前巷説百物語(京極夏彦著)』を読み始めたんですが、途中、いろいろありまして、中断していたわけですが、夏の終わりの総決算・・・
途中まで読んだけど、また、初めから読み始めました。
(京極さんの作品は、とても面白くって、引きずり込まれるようにして、一気に読んじゃうんですけど、読み始めて、すぐ悪性の風邪に見舞われ、読書どころではなく、そのまま気になってはいたんですけど、4ヶ月も間が空いちゃいました・・・)
この『巷説百物語』は、全部で4作品出版されておりまして、京極さんの他のシリーズにも、絶妙にリンクしています
『前巷説百物語』の前に出版された(出版順です→)『巷説百物語』、『続巷説百物語』、『後巷説百物語』の順序で読んでいくのがベストだと思いますが、それぞれ、単品で読んでも、面白いと思います。

『前巷説百物語』は、まだ駆け出しの主人公・又一が、御行になるまでの物語ですが、
十代の山岡百介や、少女時代の山猫廻しのおぎんが、そして、前の3作品には、名前だけしか出てこない、靄船の林蔵、一文字狸などなど、そして、前3作品には、登場しない、鳥見の旦那(山崎寅之介)、えんま屋の元締(お甲)、長耳の仲蔵、手代の角介などなど、魅力的なキャラクターが綺羅星の如く、登場します。

京極夏彦さんの作品は、来年冬(?でしたか?)、堤真一さん主演で公開予定の映画『魍魎の匣』で、お馴染みの京極堂(中禅寺秋彦)シリーズがありますが、こちらを表の京極堂シリーズだとすると『巷説百物語(御行の又一シリーズ)』は、裏京極堂シリーズと言われていますが、まさにそのとおりですね。

『巷説百物語シリーズ』以外でも、単品の作品として、『覗き小平次』、そして、四谷怪談がベースになっていて、映画化(唐沢寿明さん、小雪さん主演)された『嗤う伊右衛門』
があります。暑い夏の夜向きでしょうかね。

ワタクシは、原作に対する自分のイメージが崩れてしまうので、映画は、見ていませんが、京極作品にとっかかりづらい向きには(本が厚い!物語が長い!など)、まず、映画をみてからは、原作を読んでみるっつーのも一つの入り方だと思っております。