未熟なカメラマン さてものひとりごと

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茶道上田流和風堂特別公開(最終章)

2011-04-16 00:16:10 | 茶道


4月3日の日曜日、今年も和風堂の特別公開に申し込みをしました。井原文化教室から、井原組3名、福山組3名の計6名で2台に分乗して現地に向かいました。笠岡ICから五日市IC経由で、所要時間は1時間40分でした。井原組の運転は私でしたが、五日市ICを降りてからさっそく道に迷いました。もう何度も行っているはずなのに、今まで一度も迷わず行けたことがありません。私たちの予約時間は12時でしたが、到着したのは11時過ぎ、しばし休憩の後、受付に向かいました。
冠木門を入ったところで、はきものを預けスリッパに履き替えます。クランク状に敷かれた石畳を進むと石段があり、上がったところが長屋門です。左側に紅枝垂れ桜がありますが、まだまだつぼみの状態でした。それではお庭の枝垂れ桜はどうだろうとそれが気になりました。なにせ、本日一の被写体ですから。受付を済ませ、時間が来るのを待ちます。この待ち時間を利用して、案内の方から和風堂についての説明がありました。素晴らしい説明で、十分に理解できたと思います。12時からのグループは、30名でした。男女の比率は半々ぐらいでしょうか。昨年は、終日雨で、露地を見ることができませんでしたが、今年はまったくその心配はありません。
外露地は、周囲が高い塀で囲まれています。しかも植えてある木も少なく、そちらかというとシンプルそのものです。これはとにもかくにも内露地へ入ったときの感動を増幅させるためのステップなのです。そしていよいよ内露地です。手前に待合や飾り雪隠があります。宗箇が、君主の移封にともない和歌山から唯一、持参したという法螺石があり、その他、立ち蹲、そして扁額隠しの松の奥には、茶室遠鐘が見え、真新しい廊橋もあります。
茶室遠鐘には貴人口から入り、若宗匠のご説明により、桃山時代の美濃焼瀬戸黒茶碗、中興名物の茶入れ、古田織部作の茶杓などを拝見します。そのあと、武家の茶の湯の象徴、鎖の間と次の間のお道具を拝見した後、敬慎斎で薄茶をいただきました。お道具類でびっくりしたのが、抽象的なデザインの水指です。はたして柄杓がまともに入るのだろうかと心配するほどです。また、ここでいただくお茶碗は、すべて人間国宝作家のものだそうです。いただくとき、お運びの方から作者名の紹介がありました。
今日の正客をされた方が、白のタートルネック姿なので驚きました。事前の注意書きには、男性はネクタイ・スーツ着用とあったはずなのに、随分カジュアルな格好でした。さて、おいしい薄茶をいただいたあと、書院に向かいます。
廊橋を渡っていると、お庭に吉川広家公ゆかりの満開の枝垂れ桜が目に飛び込んできました。まだ咲いていないのではと思っていたので特に美しく感動しました。桜の下には荷い茶屋が毛氈の上にセットされていました。ここでお茶をいただけたらどんなに気分がいいことでしょう。


書院の一之間、二之間、三乃間で格式のあるお道具を拝見。そして2階では宗箇ゆかりの品々の展示がありました。2階から見るお庭も素敵です。このあと、安閑亭で点心をいただきました。小さなお弁当箱に季節の味が凝縮されています。食べ終わった頃、若宗匠のご挨拶がありました。ユーモアを交えた語り口はさすがです。
あっという間の一日でした。この特別公開も本年で最後かと思うとちょっぴり寂しい感じがしました。

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