未熟なカメラマン さてものひとりごと

ようこそ、おいでくださいました。

薄茶席もまた素晴らしいものでした。

2011-12-08 23:43:36 | 茶道

MyroseGarden 冬のこの時季にも健気に咲いている愛らしいつるばらです。12月4日撮影 本文とは関係ありません。

尾道遠鐘クラブの口切り茶会 その2 薄茶席

薄茶席は、先ほどの濃茶席とは打って変わって、障子が空け離れた解放感漂うお部屋で、外の庭もよく見え、とても落ち着いた雰囲気でした。今日は、口切り茶会という、いつもとは違った厳かな茶事が行われるということもあって、写真を撮るのは失礼かなと、カメラはあえて持参しませんでした。誠に残念です。
まず、亭主のごあいさつ。
「先ほどの濃茶席では、緊張感あふれるお席だったと思いますが、我々は緊張感をもってやりますが、お客様はどうぞ気楽に楽しんでいただけたらと思います」
まず、床の説明からと、
亭主「掛物は、14代宗翁の書です。」
「説明するために辞書で調べてまいりました」一同(笑)
「花は、照葉に白い小菊」
正客「紅白になって、なんだかおめでたいですね」
亭主「私も知らなかったんですが、赤い照葉は、アジサイなんだそうです」一同(感心)
正客「普通は枯れて落ちてしまいますけれども、丹精されたのでしょうね」
亭主「なぜか、残っていたそうです」一同(爆笑)
といった感じで、いっぺんに座が明るく、和やかになってきました。

花入れは、当代宗冏作の竹一重切、銘の方は、今朝、家元がお見えになりましたがその話は出てこず、わからないそうです。
「どうぞ、お菓子をお取り回しください」「遠慮せずに6個とか7個とってください」
「この漆塗りの菓子器は、はたなかりゅうじ先生と小林和作先生の合作で、特に大振りのものです」とのこと。
富士山の秋の景色が描かれていて、雲がかかっているようにお菓子がたくさん置いてあるそうで、お菓子をとっていくと雲が晴れ、すそ野が見えてくるという趣向です。
お菓子は干菓子の吹寄せでした。吹寄せとは、赤に黄色に緑色、色とりどりの落ち葉が風に吹かれて一所に寄せ集まった、そんな姿を お菓子で表現したものです。

点て出しになって、正客の方から、「このお茶碗は?」と照会がありました。すると、「この方が作られました。」と、タイミングよくお運びをされていた“かのうつよし”さんが、紹介されました。
「西山様がお持ちの楽14代覚入作織部茶碗を、今日の日のため写させていただきました」とのことでした。尾道遠鐘クラブには、陶芸作家、画家、お茶屋、お菓子司などがメンバーにいらっしゃるとのことで、クラブ内でなにやかにやと結構、調達が可能のようです。
待合に掛かっていた、洋画も実は、本日、この薄茶席の亭主をされている方の作だそうで、大山・鏡ヶ成付近の秋の景色だそうです。

正客「蓋置がとてもしゃれていますね。エッグスタンドのような。」
亭主「先に云われてしまいました」一同(笑)
  「西洋の卵立てを蓋置に見立てたものです」

正客「先ほど、お点前をされた眼光がするどい方はどなたですか?」
亭主「それは、見る目があります」一同(笑)
正客「すごい気迫を感じましたが!」
亭主「はい、ただ者ではありません」一同(爆笑)
  「西国寺の住職です。醍醐寺大僧正です」
正客「ありがたいお茶をいただきました」

濃茶の席では、「一期一会」という、今回限りを大切にしようとことですが、こちらでは「一会一生」ということで、一つの出会いが一生続くように、豊かな気持ちで楽しんでいただきたいとのことでした。
このように、和やかな雰囲気の中で、薄茶席も終了し、今日の席をご用意いただいた尾道遠鐘クラブの方がたに感謝しながら、西山別館をあとにしました。

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