人力車と和装の人たち 有隣荘前で
天気の悪い朝でしたが、午後から回復するというので、久しぶりに倉敷の町並みを訪ねることにしました。一番の目的は、ハートランド倉敷のメインイベント「瀬戸の花嫁・川舟流し」の撮影でした。倉敷中央病院の駐車場(有料)に停めて、町並みの散策開始です。
途中、道に迷い細い路地に入ってしまいましたが、美しいバラが見事に咲いているお宅に遭遇するなど、うれしい発見もありました。そうこうしているうちに倉敷の町並みに到着です。倉敷の町並みが国の重要伝統的建造物群保存地区(以下、重伝建)に指定されたのは、昭和54年5月のことでした。岡山県では、昭和52年5月に高梁市吹屋が、鉱山町として指定されて以来のことです。
また、美観地区で倉敷市が進めていた電線類の地中化事業が約7年にわたる整備で昨年3月にすべて終了、電線や電柱が町並みから消え、景観にあわせた照明灯や舗装も施され、古い町屋や商家が軒を連ねる通りがいっそう趣を増しています。
いつも思うことですが、倉敷の重伝建としての町並みは、他の地区と比較しそのスケールは群を抜いているように思います。東町から本町へ進み、倉敷考古館から倉敷民芸館に向かいます。石の中橋を渡り、休憩所となっている倉敷館観光案内所でしばし休憩です。川舟流しは、1回目が午後1時半となっていたので、ここで少し時間待ちをしました。花嫁はここから出発するのも例年のことなのでわかっていました。GWウイーク中の川舟流しの人出は相当なものだったでしょうが、この日は比較的少なく撮影はそれほど難しくないと思われました。この川舟流しも今日、明日で終了となります。やがて、時間となり、目鼻立ちのはっきりしたきれいな花嫁が登場し出発です。
長持唄と尺八に合わせてゆっくり進む川舟
司会者の説明によると、通常、川舟流しの花嫁は白むくに綿帽子なのですが、本日は花嫁の顔がよく見えるように、角隠しとなっているとの説明がありました。川舟は、ゆっくりと倉敷川を往復します。当日は外国人観光客の姿も多く目にしましたが、いずれもカメラを構え、日本の優雅な催しに感じ入っているようでした。舟を追いかけて何箇所かで撮影しました。最後に花嫁は、舟の上に立ち、ぐるりと1回転して観客に応えます。
この地方のいわれによりますと、その昔、花嫁が舟に乗り川を下ってお嫁に行ったということはあったようですが、倉敷川でのこの「瀬戸の花嫁川舟流し」はイベントのひとつとして演出されているだけのようです。それにしても長持唄と尺八の見事な生演奏にはいつも感心します。こうして、花嫁の撮影を終えたあと、本町のそばの有名店で、ざるそばをいただき、倉敷をあとにしました。
大役、おつかれさまでした。