未熟なカメラマン さてものひとりごと

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初めての大山(だいせん)日本百名山 平成25年11月17日(日)

2013-11-25 22:39:16 | 山歩き

大山寺を過ぎ大神山神社の参道を歩く

11月17日、前日の鳥取県の天気予報では‘曇りのち雨’降水確率70%になっていました。前々回の剣山、前回の大台ケ原と好天に恵まれましたので、そうそううまくは続かないと思っていました。こればかりはどうしようもありませんね。
今回もアルディ観光のあるあるツアーに申し込みをしました。
井原を早朝5時に出発でしたがここでは3名の参加がありました。このあと鴨方、新倉敷などからも参加があり計15名のツアーとなりました。バスは例によって一丸観光のものですが、行楽シーズンでいつものバスが手配できず、代替えの大型マイクロバスとなりました。今回は20代と思われる若い男女も参加していましたので、いつもより華やかな感じがしました。それでも大山経験者はほとんどいないようでした。少し心配だったのが、数日前の寒波でした。情報によると、3合目から積雪が見られるということで、あれば軽アイゼンを準備してきてもらいたいと事前の連絡があったのです。

ということで、福山市内の登山専門のお店で、4爪の軽アイゼンを購入していましたが、知り合いのIさんが、「アイゼンなら貸しますよ!」と言ってくれたので準備は万端でした。それでも12爪のアイゼンはザックに重たく感じました。「ピッケルもありますよ!」と、さすがに元登山部。一応セットで借りましたがさすがにそれは持参しませんでした。

岡山自動車道、米子自動車道とも早朝で霧に包まれていましたが、蒜山ICでトイレ休憩をするころには、信じられないことに空は快晴、雪を被った大山がくっきり見えているではありませんか。何と強運なことだろうと思ったのですが、このあと空は次第に曇天に変わっていったのでした。バスは大山寺参道入り口の「大山の森・駐車場」に到着しました。
今日のルートは、大山寺から元谷を経由する行者谷コースです。大山に登ったことのある知り合いに言わせると「大山は富士山よりきついよ」とか、添乗員のOさんも「大山は登りがずっと続くので、あまり好きじゃないです」とも言っていました。それなりに準備と覚悟はしてきたつもりですがどうなることか、期待半分、不安半分といったところでしょうか。各自で準備体操をし、登山靴やザックを準備していざ出発です。時刻は、ちょうど9時頃でした。

参道に急な石段が続く大山寺本堂で、登山の無事を祈願してさらに奥に進みます。日本最長の自然石の参道を進むと、大神山神社の社が見えてきました。ここからいよいよ山道に入ります。歩いている途中、木々の間から雪をいただいた大山の北壁が見えてくるようになります。そして、河原のような広々とした雪渓に出ました。ここが元谷です。立って休憩しましたが、それにしても大山北壁の壮大な眺めは圧巻です。毎年、鍵掛峠から大山一のビューポイントといわれる南壁を見てきましたが、このように近くで見る北壁も迫力があります。「一番右が今日登る弥山です」とT社長から説明がありましたが、あんな高いところにどの道を通って登れるのか不思議な感じがしました。まもなく急な坂道が連続するようになり、雪で滑りやすくなったので、ここでついにアイゼンを着けることになりました。

 軽アイゼンか、アイゼンか迷いましたが、ここはしっかり歩きたいとアイゼンにしました。初めての装着で少々手間取りましたが、なんとか完了。おかげでザックが軽くなりました。アイゼンは、両足の間隔を空けて歩かないと接触してあぶないとTVの番組で聞いたことがありましたが、急坂を上る際、足の位置が止む無く接触するような位置関係になることもあり、何度も引っかけて転んでしまいました。パンツの裾に傷がいっていないかとても心配でした。夏山登山道に合流して、黙々と歩くと、やっと六合目に到着しました。避難小屋の横には休憩用のベンチもあり、多くの人がここで休憩を摂っていました。東側が開けて北壁から元谷にかけての壮大な景色を真横に臨むことができます。ここで、T社長が頂上を見て、「ガスってきたな」とつぶやきました。見ると頂上付近が黒いガスでみるみるみるうちに覆われてきました。「上に行くにつれて風がきつくなります。遮るものがないので、特に注意してください!」と注意喚起がありました。



真横から見る北壁から元谷

八合目も無事通過。視界はほとんど効かなくなり、横殴りの風が荒々しく吹き付けます。いつしか道は木道となり、とにかく右方面から吹き上げる突風で、耳が痛くてたまりません。タオルで右耳を抑えながら吹き飛ばされないように低い姿勢で歩くことを余儀なくされました。思い浮かべたのが、新田次郎の「八甲田山死の彷徨」。おおげさのように感じますが、視界が効かないため前にも後にも人影は見えません。このまま真っ直ぐに進んでいいのだろうかと、ほんとに怖い思いをしました。レインウエアを着ていたのでフードを出せばいいのですが、その余裕はまったくありません。とにかく前進あるのみ、いったいどのくらい歩いたでしょうか。こっち、こっちと呼ぶ声がかすかに聞こえてきました。まったく気づかなかったのですが、何と真横に、頂上避難小屋があったのです。メンバーの一人が声を掛けてくれました。よかった、と木道を降りて小屋に入ると、何とあたたかいことか。大勢の人が休憩をしていました。

少しずつ残りのメンバーも到着し、揃ったところで、T社長がかついできた水でお湯を沸かし、ドライフーズのお味噌汁を準備してくれました。「あ~、何ておいしいのだろう」とため息がでます。ここでは、カップヌードルも500円で販売されていて、何人もおいしそうに食べていました。「頂上は何も見えないので行っても無駄よ」とメンバーの人が言っていましたが、来た印に写真を撮っておこうと、ザックを置いて一人出かけました。何とか“大山頂上”と書かれたプレートを一枚だけ写真に撮って小屋に戻ると、いよいよ下山となりました。外は相変わらずの突風です。前をメンバーの3人が歩いていましたが、一瞬、目の前の女性が消えました。何と風に押されて瞬間的に木道から落ちたのでした。高さは1mほどしかないので幸いにもどこもケガはなかったようです。木道を過ぎて大山キャラボクの林の中を通るころには、先ほどの風はうそのようになくなり、このあとは夏山登山道をひたすら下山します。午後3時が近いというのに、途中で登ってくる人に何人も会いました。雪が無くなりアイゼンをはずして降りると、こんなに登ったのかと感心するほどの下りで、膝に負担がかかるのがわかりました。

出発点に戻り、「大山の森」でお風呂に入ると、何と気持ちのよいことか「あ~幸せ」と本日二度目のため息が漏れます。登り一辺倒の今日のコースでしたが、幸いにも、息の切れるほどしんどいと思ったことは一度もなく、これも鍛錬のたまものかと思いました。今日の大山で今年の山歩きはすべて終了です。来年の5月頃から、どの山を歩こうかと今から楽しみです。もう完全にはまってしまいましたね。



紅葉はほとんど終わっていました。

その他の画像は、TOPページから「山歩き」にお進みください。アルディ観光HP→こちら
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