妙心寺を出て徒歩15分ばかり。仁和寺の前の通りまで来ました。このあたり、かなりの交通量です。仁和寺から出る人、入る人で横断歩道はあふれんばかりの、人、人。観光バスは行きかい、車もかなり渋滞しています。桜の咲く今の季節、観光都市京都は一年でも一番賑わう季節かもしれませんね。さて御室仁和寺というと、どうしてもオムロンを連想してしまいます。オムロン株式会社が立石電気株式会社時代に本社を置いていた、こちら京都市右京区花園の通称が御室でしたね。
大きな山門(二王門)を潜ると境内には、とてもたくさんの観光客の姿がありました。左側に受付があったので、並ぶとどうもそちらは、書院(建物と庭園)の拝観のもののようで、「境内の桜をご覧になるのでしたら、もう少し先に受付がありますよ」、とのこと。云われたとおり先に進むと特設の受付がありました。桜の時季だけ、こうして別途、拝観料をとるのでしょうか。受付を過ぎると中門があり、これを潜ると別世界です。ソメイヨシノは散り始めでしたが、枝垂れ(数はそう多くない)が数本あり、五重の塔前は、多くのカメラマンが撮影をしていました。
ツツジの下でお弁当を広げる観光客
しかし一番印象に残るのが、独特の紫がかった濃いピンクの、コバノミツバツツジ、境内には、相当数植えられており、その下にシートを敷いて、くつろぐグループもいくつかありました。何とこちらでは、境内のお弁当も「個人の少数グループでしたら、他の参拝客に迷惑のかからない場所でどうぞ」とあります。これだけ有名なお寺でこのように寛大な措置をとっているのは仁和寺だけでしょう。しかも世界遺産ですから、驚きます。
京都でもっとも開花が遅いと云われる御室桜はまだまだ一部咲き程度でした。御室桜と五重塔の組み合わせは、最高の被写体ですが、今日はあきらめるしかありません。しばらく境内を堪能したあと、折角なので書院も見ていくことにしました。拝観料、この仁和寺だけで、合計1,000円、先の2寺院を加えると拝観料がすでに合計で、2,000円となりました。なかなか馬鹿になりません。
さて、次に向かったのが石庭で有名な龍安寺です。通称・きぬかけの道と呼ばれる観光道路、歩道は狭く、距離も随分あったように思いますが、やっと到着です。途中、学生らしき若者の話す声が耳に入りました。
「龍安寺というと石庭だけだと思うやろけど、境内には大きな池もあって、とても広いんやで!」、龍安寺、個人的には、たぶん3回目の訪問だと思います。参道を進むと、左手に大きな池(鏡容池)が見えてきました。ソメイヨシノがほぼ終わって、少し赤っぽい葉が出始め、他の木々の緑や、ユキナナギの白い花、それら全体が一つの見事な景観を作り出しています。
さらに進むと、大きな枝垂れ桜が数本、目に飛び込んできました。そして庫裏にあがる石段の手前には、早くもピンクのシャクナゲが咲いていました。そしていよいよ石庭へ。
土塀にかかる枝垂れ桜
多くの観光客でポジション取りが難しい
石庭、正式には方丈庭園といい、枯山水となっています。この季節の一番の見どころは、菜種油が練り込まれた重厚感のある土塀にかかる、枝垂れ桜です。この桜、ほぼ土塀の中ほどに掛かっているので、どうせなら左右にぶれるとバランスが取れるのに、と思いながらも、方丈の板の廊下を行ったり来たり。それにしても、すごい人の数です。青い目の外国人観光客も目立ちます。少しの隙間を見つけて割り込み、カメラを構えます。ずっと待っていれば、徐々に前も空いてくるのでしょうが、そうもいかず無理な体勢となります。同じような写真を何枚も撮って、石庭をあとにしました。龍安寺の境内は池泉回遊式となっているので、来た道とは違う道を通って帰ります。
うっそうとした木立の中の遊歩道、両側にはびっしりと苔が生え凛とした清涼感を感じます。もう少し進むと、桜苑がありました。背丈の高いやさしい感じの枝垂れです。撮影は空を仰ぐ感じになってしまうので、逆光ぎみ、なかなか難しいですね。桜苑を過ぎると、粋な暖簾のかかった湯豆腐のお店がありました。中を覗くと、これまた立派に手入れされたお庭があるではありませんか。
出てくる人に、待ちの状態を尋ねると、「5人ぐらい待っていらっしゃったけど、すぐに空くと思いますよ」とのこと。それではと、折角なので湯豆腐を食べて帰ることにしました。広い畳の間に、いくつも小さな丸テーブルが置かれ、壮観です。こちらの湯豆腐は、禅豆腐といって、しっかりして食べごたえが、あるものでした。素敵なお庭を眺めながらいただく湯豆腐は最高、少し贅沢気分が味わえます。
お庭の景色を愛でながらの湯どうふは最高
こうしてお腹を満たして帰路につくことに。まっすぐ南下し、妙心寺経由で花園駅を目指します。最終地点の花園駅で万歩計を見ると、17,000歩。我ながら実によく歩いたものです。
毎年のように桜の花見に京都を訪ねていますが、今回のようにすべてが見頃で、はずれがないというのは実にめずらしいことです。少し遅めの頃には、おすすめコースです。是非、訪ねられてはいかがでしょうか。
(追記)山陰線花園駅の電車の混みようは想像を絶するものでした。久しぶりに都会の通勤ラッシュを味わった気分でしたよ。(おわり)
大きな山門(二王門)を潜ると境内には、とてもたくさんの観光客の姿がありました。左側に受付があったので、並ぶとどうもそちらは、書院(建物と庭園)の拝観のもののようで、「境内の桜をご覧になるのでしたら、もう少し先に受付がありますよ」、とのこと。云われたとおり先に進むと特設の受付がありました。桜の時季だけ、こうして別途、拝観料をとるのでしょうか。受付を過ぎると中門があり、これを潜ると別世界です。ソメイヨシノは散り始めでしたが、枝垂れ(数はそう多くない)が数本あり、五重の塔前は、多くのカメラマンが撮影をしていました。
ツツジの下でお弁当を広げる観光客
しかし一番印象に残るのが、独特の紫がかった濃いピンクの、コバノミツバツツジ、境内には、相当数植えられており、その下にシートを敷いて、くつろぐグループもいくつかありました。何とこちらでは、境内のお弁当も「個人の少数グループでしたら、他の参拝客に迷惑のかからない場所でどうぞ」とあります。これだけ有名なお寺でこのように寛大な措置をとっているのは仁和寺だけでしょう。しかも世界遺産ですから、驚きます。
京都でもっとも開花が遅いと云われる御室桜はまだまだ一部咲き程度でした。御室桜と五重塔の組み合わせは、最高の被写体ですが、今日はあきらめるしかありません。しばらく境内を堪能したあと、折角なので書院も見ていくことにしました。拝観料、この仁和寺だけで、合計1,000円、先の2寺院を加えると拝観料がすでに合計で、2,000円となりました。なかなか馬鹿になりません。
さて、次に向かったのが石庭で有名な龍安寺です。通称・きぬかけの道と呼ばれる観光道路、歩道は狭く、距離も随分あったように思いますが、やっと到着です。途中、学生らしき若者の話す声が耳に入りました。
「龍安寺というと石庭だけだと思うやろけど、境内には大きな池もあって、とても広いんやで!」、龍安寺、個人的には、たぶん3回目の訪問だと思います。参道を進むと、左手に大きな池(鏡容池)が見えてきました。ソメイヨシノがほぼ終わって、少し赤っぽい葉が出始め、他の木々の緑や、ユキナナギの白い花、それら全体が一つの見事な景観を作り出しています。
さらに進むと、大きな枝垂れ桜が数本、目に飛び込んできました。そして庫裏にあがる石段の手前には、早くもピンクのシャクナゲが咲いていました。そしていよいよ石庭へ。
土塀にかかる枝垂れ桜
多くの観光客でポジション取りが難しい
石庭、正式には方丈庭園といい、枯山水となっています。この季節の一番の見どころは、菜種油が練り込まれた重厚感のある土塀にかかる、枝垂れ桜です。この桜、ほぼ土塀の中ほどに掛かっているので、どうせなら左右にぶれるとバランスが取れるのに、と思いながらも、方丈の板の廊下を行ったり来たり。それにしても、すごい人の数です。青い目の外国人観光客も目立ちます。少しの隙間を見つけて割り込み、カメラを構えます。ずっと待っていれば、徐々に前も空いてくるのでしょうが、そうもいかず無理な体勢となります。同じような写真を何枚も撮って、石庭をあとにしました。龍安寺の境内は池泉回遊式となっているので、来た道とは違う道を通って帰ります。
うっそうとした木立の中の遊歩道、両側にはびっしりと苔が生え凛とした清涼感を感じます。もう少し進むと、桜苑がありました。背丈の高いやさしい感じの枝垂れです。撮影は空を仰ぐ感じになってしまうので、逆光ぎみ、なかなか難しいですね。桜苑を過ぎると、粋な暖簾のかかった湯豆腐のお店がありました。中を覗くと、これまた立派に手入れされたお庭があるではありませんか。
出てくる人に、待ちの状態を尋ねると、「5人ぐらい待っていらっしゃったけど、すぐに空くと思いますよ」とのこと。それではと、折角なので湯豆腐を食べて帰ることにしました。広い畳の間に、いくつも小さな丸テーブルが置かれ、壮観です。こちらの湯豆腐は、禅豆腐といって、しっかりして食べごたえが、あるものでした。素敵なお庭を眺めながらいただく湯豆腐は最高、少し贅沢気分が味わえます。
お庭の景色を愛でながらの湯どうふは最高
こうしてお腹を満たして帰路につくことに。まっすぐ南下し、妙心寺経由で花園駅を目指します。最終地点の花園駅で万歩計を見ると、17,000歩。我ながら実によく歩いたものです。
毎年のように桜の花見に京都を訪ねていますが、今回のようにすべてが見頃で、はずれがないというのは実にめずらしいことです。少し遅めの頃には、おすすめコースです。是非、訪ねられてはいかがでしょうか。
(追記)山陰線花園駅の電車の混みようは想像を絶するものでした。久しぶりに都会の通勤ラッシュを味わった気分でしたよ。(おわり)