goo blog サービス終了のお知らせ 

未熟なカメラマン さてものひとりごと

ようこそ、おいでくださいました。

鞆の浦 ディープな午後の町並みを歩く! 広島県福山市鞆町

2020-07-23 23:22:47 | 古い町並み
令和2年7月13日(日)
福山市内に用事があって出かけましたが、時間に余裕ができたので、久しぶりに鞆の浦(鞆町)を訪ねてみようと思いました。(福山市中心部から車で約30分、日本遺産、重要伝統的建造物群保存地区選定)
時刻は、すでに午後3時過ぎ、おまけに曇天で被写体としては、期待もできませんでしたが、なにか、ディープな鞆の浦に出会えるかもと、ほんの少しだけ期待もありました。


(圓福寺付近)

仙酔島への市営渡船場横の駐車場はこの時間でも、ほとんど埋まっていました。まずは圓福寺方面に歩いてみることにしました。石段を登ると、正面に猫が1匹、寝そべっていて動く気配もありません。仕方ないので、脇を抜けると、今度は別の猫がやってきて、足にまとわりつき、体を寄せてすりすり。この辺りは鞆の浦一の猫に会える場所となっているようです。


千鳥食堂 レトロな雰囲気の漂う外観が「何とも素敵。昔この辺りは有磯(ありそ)地区と呼ばれた遊郭街。隣のわずかなスペースに建つ3階建ての木造の建物は100年前は遊郭だった。


汀邸 遠音近音(をちこち) 江戸時代創業の旅籠・「籠藤(かごとう)十返舎一九や井伏鱒二、シーボルトなど数多くの文人に愛されてきた旅籠」が、新しく生まれ変わった温泉旅館。


急な石段を上る


お昼寝中のネコちゃんに遭遇。


さらにもう一匹、この辺りは鞆の浦一猫に会えるところ


振り返ってみたところ


圓福寺 いろは丸事件の紀州藩の宿舎として利用されたり、かつて朝鮮通信使の上官の常宿となっていた。


鞆港が見える


路地は、どこか懐かしい

(波止場・茶房船番所)

円福寺の石段を下ったところで、道端にハイヒールが脱ぎ捨てられていました。何だろうと、その先を見ると、何でもないところでカメラマンがモデルの撮影を行っていました。
このあたりは、港のはずれの波止場に近いところ、漁船や定期船が目の前を行き交います。
ちょうど、左手の山道を少し登ったところに新しいカフェでしょうか。ガラス戸に人の気配がありました。寄ってみたい気もしましたがあまり時間に余裕がないので、あきらめ常夜灯方面に歩いてみることにしました。



茶房・船番所 右側の急な石段を上がると、古民家を利用したカフェがある。お店からの眺めは特に素晴らしいとか


もう少し回り込むと小さな神社がある


ここからの眺めもなかなかのもの。仙酔島が見える。


波止場から見る鞆港

(常夜灯付近

ここは鞆の浦のランドマーク、若い人が多く、雁木(がんぎ)に腰を下ろして港を見つめるカップルや、店先の外でテーブルを囲み雑談をする人の姿もありました。
このあと、重要文化財の旧太田家住宅の裏側に回り、外壁の腰板に使用されている船板を撮影した後、医王寺に向かいました。ちょっときつめの坂道、境内に人の姿はありません。



常夜灯付近の様子。波止場から望遠にて撮影


多くの観光客で賑わっているようです。


雁木は、潮の干満に関らず船着けできる石階段。満潮時には最上段が岸壁となり、干潮時には最下段が荷揚げ場となる。
近年大規模な改修が行われた。(色の白い部分)


右側の建物は、朝宗亭。藩主の滞在にも使われた町家で、太田家(旧保命酒屋)の格式ある別邸


路地、右の建物は民芸茶処「深津屋」腰板に使われている船板に情緒を感じる


太田家住宅前の通り 重伝建にふさわしいきれいな町並み


常夜灯前の広場。鞆の浦のランドマーク


港の風景


太田家住宅の裏側、腰板に船板が使われている


友光軒 1917年(大正6年)ごろに散髪屋兼銭湯として建てられた、鞆町で初の洋館。
ハヤシライスやオムライス、カフェの店として経営者は変わったが現在は営業していない。私も何度か利用させてもらった。

(医王寺、さらすわてい)


坂の途中にあった明圓寺は、浄土真宗大谷派の寺院


医王寺に到着。最後の石段。


ここは、鞆の浦一のビュースポット。晴れていないのが残念


常夜灯付近をアップで見る


鐘楼前は一番の特等席

鐘楼付近から、港を数枚撮影したあと、冷たいアイスコーヒーで喉を潤そうと坂道の途中にあるギャラリー喫茶「さらすわてい」に立ち寄ることにしました。
こちらは、2度目ですが、静かで落ち着いた雰囲気が気に入っています。古民家を再生した建物で、玄関を入ると入り口に蚊取り線香(お香兼用?)が炊かれていました。ここからの眺望は抜群で、港が眼下に見えます。

店では、ご主人が1人で店番のようです。中ほどの民家調のテーブルでアイスコーヒーをいただきましたが、お庭側はすだれがかかるだけの開けっ放し。エアコンは入っていませんが、時おりそのすだれが揺れ、涼しい自然の風が入ってきて何ともいい感じです。
どこからか、猫が一匹静かに入ってきたと思ったら「にゃーん」と一声鳴いてすぐに姿を消してしまいました。
人の声は一切入らず、静かな時が流れます。時間の制約がなければ、あと1時間でも好きな本を読んでゆっくりしたいところですが、そうもいきません。
あっという間に予定の時間がやってきたので、急ぎ、駐車場に向かいました。



医王寺を少し下ったところにある「さらすわてい」


玄関口を上から見たところ。左の窓から鞆港が見える


エアコンは効かしていなかったが、時折心地よい風が通り、すだれが揺れる


静かな空間を独り占め


すだれの外はこんな感じ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

城下町・津山を訪ねて その2 城東の町並みと安国寺・石林園

2020-01-23 23:35:18 | 古い町並み
城東の町並み 国指定重要伝統的建造物群保存地区

前回:その1 名園・聚楽園 につづく

次に向かったのが、旧出雲街道沿いの国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている、城東町並み保存地区です。
駐車場がわからず、町並みのはずれ作州城東屋敷駐車場に車を置かせてもらいました。
建物は一見古そうですが、昔の城東の町屋を再現するため、見本として建てられたもので、まだ25年ぐらいしか経っていないとのことでした。


(作州城東屋敷)


作州城東屋敷 観光誘致や町並み保存を目的として江戸時代の商家を1993年に新築

駐車場の北側に、大きな建物があり、覗いてみると、だんじりの格納庫でした。町全体では20基あるそうですが、こちらには4基が展示を兼ね、収納されています。
その木製の骨組みは見事で、下には、丈夫なタイヤが付いており、運行はさして難しくなさそうです



だんじり展示館


市内にある県指定文化財のだんじり20台の内、4台が展示されている

(町並み)


軒先に吊るされたくくり猿 京都・八坂庚申堂のものが有名ですが、欲を捨てると願いが叶うといわれ、その欲を捨てるために使われるのがこのくくり猿です。地域によっては、守り猿、願い猿ともいわれます。



大曲り 城下の街道は城の防備のため、わざとかぎ状に作られ、幾度も曲がっています。


国の重伝建に選定された旧出雲街道・城東の町並み 道路はきれいに舗装され電線は地下に格納され、とてもすっきりしています。

(箕 阮甫旧宅)


洋学者であり、藩医であった箕作 阮甫(みつくり げんぽ)旧宅 


内部はこのようになっています。


こちらは天井

(津山洋学資料館)


津山洋学資料館 江戸時代後期から明治初期にかけて優れた洋学者を輩出


あの杉田玄白らの翻訳した解体新書などの医学書、本格的植物学書などを展示

旧出雲街道沿いに面した町並みは、軒が低く、千本格子、なまこ壁、虫籠造りや袖壁のある建物が並んでいます。前にせり出していないので、圧迫感はまったくありません。通りも比較的広めで、ゆったりとしています。
一番、有難いのは、その多くの施設が、無料開放されていることです。


城東むかし町屋(旧梶村邸)

特に見ごたえがあったのが、NHK朝のテレビ小説「あぐり」で舞台となった城東むかし町屋(旧梶村邸)です。お庭と建物の間取りが絶妙で、懐かしい板ガラスの廊下の向こうに見える中庭に真っ赤な実を付けたナンテンが、特に印象的でした。


通りから見る町屋


室内から見るナンテン


この季節、色どりを添えるナンテンの赤


奥には立派な蔵がありました。


見事な日本庭園です。


1本のヤシの木はハイカラの象徴


奥に見えるのは茶室です。


懐かしさが伝わってくるような土間


きれいな町並みです。


ところどころにこのような路地がありました。

安国寺 美しい日本庭園で有名

津山市最後に訪ねたのが、安国寺でした。岡山県の人気庭園ランキングでも度々上位に取り上げられている、こちらの日本庭園・石林園をどうしても見たかったのです。
境内に人影はなく、お寺もカーテンが引かれていて、お留守のようでした。
建物の裏手に廻ると、小さな噴水のあるお目当ての庭園がありました。

小さな池に通された二つの石橋。後ろには、山の裾野が迫っており、斜面にはいくつもの石が、絶妙に配置され、それらが一体となって、美しい庭園が形成されています。
ただ、春の若葉、秋の紅葉の時季には、趣のある景観を創りだしてくれそうなカエデは、当然ながら落葉し、どこか殺風景なイメージはぬぐえません。
機会があれば、違う季節に是非、訪ねてみたいと思いました。



安国寺 立派な門構えです。


境内の様子 


池泉回遊式庭園は石林園と呼ばれる。江戸時代初期に作庭された。


2連の石橋が美しい


美作市 安養寺と湯郷鷺温泉館

このあと、美作市の安養寺を訪ねたあと、折角なので、湯郷温泉・鷺温泉館の湯に浸かり、ほっと一息入れて、帰途に着いたのでした。


(安養寺)


広い境内です。


山側から見る墓地と建物


美作観音

湯郷温泉

(湯郷鷺温泉館)



駐車場は満車、人気の温泉施設です。


こちらは源泉です。

(町並み)

町並みはとても静かです。


少しさびれた感があります。


向かいにあるのが湯郷グランドホテル
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

正月の3日、倉敷美観地区を訪ねました。

2020-01-16 22:14:51 | 古い町並み
令和2(2020)年、お正月三が日の三日目、家にいても退屈なので、被写体を求め倉敷市美観地区を訪ねました。
車は、高いとは知っていたものの、利便性を考え、アイビースクエアの駐車場に入れました。お正月だけあって、広場では太鼓の演奏などイベントが行われ、大勢の人で賑わい、まさに新春の平和な日本がそこにありました。
駐車場から最初に向かったのが、阿智神社です。本町通りの町並みから、息を切らせ急な石段を登ると、何と正門(随身門)の手前に長い行列ができていました。
拝殿の参拝に並ぶ人たちです。
その並んだ列から後ろを振り返ると、町並みの甍がきれいな波のように見えます。

境内の能舞台では、琴とテルミンの演奏が行われていました。曲は、「宵待ち草」でした。このテルミンの演奏者は椅子に座り足を組んで、人形を眺めながら音を出していました。
何とも不思議な光景です。

このテルミン、あとで調べてみると、手を触れずに音を出せるロシア生まれの楽器で、ロシア人形「マトリョーシカ」と合体させたものは、「マトリョン」と呼ばれているそうです。乾電池で手軽に音が出せるので、多くの愛好家がいるとか。
舞台はこのあと、狂言が演じられていました。
無料で振舞われる甘酒はすでに終了しており、おみくじを引いて神社をあとにしました。



倉敷天領太鼓ニューイヤーコンサート


倉敷アイビースクエア 人工池のコイ


倉紡記念館


児島虎次郎記念館


町並み 想像以上の賑わいでした


阿智神社 参拝の行列です。


振り返ると倉敷の日本瓦の甍


お正月飾り 枝垂れ柳の枝でしょうか


琴とテルミンの合奏 曲は、’宵待ち草’でした


拝殿


由緒ある本殿


お結び処


狂言

お参りのあと、どこかで休憩したいと思い、立ち寄ったのが、町屋喫茶三宅商店です。
江戸時代後期の荒物屋だった町屋をカフェに改装しています。カレーやパフェが人気です。
順番は5番待ちぐらいでした。20分ほどしてやって番が廻ってきて2階の畳の部屋に通されました。
テーブルの他には何もなく、シンプルそのもの。日替わり手作りケーキセット(シフォンケーキ)を注文し、しばし寛ぐことに。
喧騒を忘れさせてくれる有難い空間です。
しかし、スタッフの方は、急な階段を上がり降りし、大変そうです。

道路を挟んで向かいにある重要文化財井上家住宅、上部の囲いはすでにとれて外観を見せていますが、完了は2.3年先になるようです。待ち遠しいですね。



小さな小さな塑像


山茶花がきれいでした


本町通の風情あるお店


立派な門松のあるお店


三宅商店は元荒物屋の建物


2階のシンプルな座敷


ケーキセットを注文しました

このあと、美観地区倉敷川周辺を散策し、倉敷をあとにしました。
時刻は、夕方の5時ごろ。一般道を通って帰るつもりでしたが、途中、イオンから帰る車で大渋滞。止む無く引き返し、高速道路を利用することに。
しかし、反対車線の登り方面は、帰省する車で大渋滞。わかっていることとはいえ、ちょっと気の毒に思いました。



陽も西に傾いてきました


露店のお店もそろそろ店じまいです


静かに暮れゆく美観地区


倉敷珈琲館のレトロな外灯


こちらはジーンズのお店


絵になるモニュメント


春が待ち遠しいツタ(アイビー)


中庭には、静けさが戻っていました


こちらは、ツタの実
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北政所ゆかりの木下家の陣屋町・足守の町並みを歩く 岡山市北区足守

2019-10-24 20:44:49 | 古い町並み
2019年10月10日(木)久しぶりに足守の古い町並みを訪ねました。観光駐車場に車を入れると、朝から何も食べていないことを思い出し、急にお腹が減ってきました。
すると、ちょうど道の斜め向かい側に、‘商い中’と書かれた木札の下がる古民家のお店「お茶処ねね」を発見。時刻は8時過ぎでしたが、人通りの少ない平日のこの時間に客はあるのかと、疑問に思いながら戸を開けると、老夫婦の客がいて、なぜかほっとしました。
モーニングを注文し待っていると、すぐあとにまたしても二人の老婦人が別々に来店。
固定客で繁盛しているお店のようでした。



お茶処ねね ℡086-295-0080 ボリューム満点のモーニングがおすすめ

足守の町並み


美しい町並みです。車の通行量も多いので注意が必要です。


備中足守まちなみ館


内部の様子です。


味わいのある土塀


洪庵茶屋の店先のディスプレイ


足守プラザ前の巨木


足守の情報発信の中心。木工や陶芸などの体験もできます。


味わいのある小路


その先に大きなお屋敷がありました。


江戸時代の伝統的家屋の姿を留める


通りのはずれ、道幅は狭くなります。

藤田千年治邸


旧足守商家 藤田千年治邸


戦前まで醤油醸造が行われていました。


古い資料が並べられていました。


当時の醤油醸造の様子が再現されていました。


中庭の様子です。


風情のある暖簾

このあと、いよいよ町並みを散策です。備中足守まちなみ館、旧足守商家藤田千年治邸を訪ねた後、足守プラザへ。雰囲気のよい路地があり、その奥の右手に格子戸がありました。中を覗くと、立派なお庭がある豪邸です。すると、横から「どうぞ、中に入ってご覧いただいてもいいですよ!」と声を掛ける御仁がいました。足守プラザの関係者のようでしたが、この住宅は、中鉄バス創業者のお宅のようで、現在は岡山市に寄付され、庭の一角にある米蔵をギャラリーとして使用しているとのことでした。

足守藩侍屋敷


白壁の長屋門と土塀に囲まれた家老杉原家旧邸宅


中ほどに大きな柿の木があり、熟柿の落下に注意と書かれていました。


唐破風の玄関の母屋、江戸中期の建築です。


花頭窓が美しい

次に町並みを離れ、足守藩侍屋敷に向かいました。茅葺の屋根にとても風情を感じました。おもしろかったのが、玄関を入ってすぐのところにある大きな柿の木です。「熟柿の落下に注意」と札が下がっていました。
係りの人に、「この枯山水のお庭は、小堀遠州の作と以前に聞いたことがあったのですが、間違いありませんか?」と尋ねてみました。アルバイト待遇の方で、「詳しいことはわかりませんが、遠州と関わりはあったようです」との返事でした。
昨年7月の西日本豪雨の最は、大変だったそうです。現在は、岡山市教育委員会の管理下にあり、相応の予算がなかなかつかないのだそうです。


近水園


木下利玄生家


遠州流池泉回遊式庭園


数寄屋造りの吟風閣が美しい


吟風閣からみる園内、手前が亀島です。


近くで見る吟風閣

最後に、一番の目的地である、近水園(おみずえん)に向かいました。道のところどころに案内板があるので迷うことはありません、この頃、空は快晴。風も無く池の水はまるで鏡面のよう、悠々と泳ぐ池のコイに木々が映り込んでいます。数寄屋造りの吟風閣がとても絵になっています。
このときの時刻は、9時半過ぎ、一人のご老人がせっせと竹箒で庭を掃いていました。「一人なので、なかなか大したこともできません」と、麦藁帽子をかぶり、とても真面目そうな方でした。
亀島、鶴島と説明していただき、ちょうど周辺の彼岸花が咲き終わったあとで残念でしたね、と被写体のことも気にかけてくださいました。井原には立派な桜並木がありますが、こちらの土手沿いに咲く桜も、きれいですよ、とのことでした。

また、違う季節に訪れてみたい足守でした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

郷愁を誘う茅葺集落 京都府南丹市美山町北‘美山かやぶきの里’を訪ねて

2019-09-26 22:22:43 | 古い町並み
令和元年9月15日(日)念願の、美山かやぶきの里に行ってきました。自宅から、山陽道、播但連絡道、中国道、舞鶴若狭自動車道、京都縦貫自動車道を経由し、その距離、実に314km、4時間15分を要し、やっと目的地に到着することができました。
私は学生時代の4年間を京都で過ごしましたが、在学中は、その遠さに一度も訪ねることができませんでした。
さて、当日は日曜日とあって、多くの観光客で溢れており、到着した12時ごろ、駐車場はすでに満車状態でした。



駐車場から道路を挟んで山の裾野に広がる茅葺集落


逸る気持ちを抑えて道路を渡ります。


かやぶきの里、一番の撮影スポット


レトロな赤いポストが周囲に溶け込んでいます。集荷は一日に1~2回


カフェ・ギャラリー彩花


まさに日本の原風景 白とピンクのサルスベリがとてもきれいでした。


鮮烈な色のキバナコスモス


こちらはピンクのコスモス

道路と田んぼを挟んで、山の裾野に茅葺の民家が立ち並んでいます。背後には杉林、そして空は真っ青なブルー、手前の田んぼは、白い花をつけ始めたそば畑、刈り取りも近い稲穂も頭を垂れています。
それらが一体となって、とても懐かしい景観を作り出しているのです。この現代社会にあって、何ということでしょう。まるで異次元の世界。よくぞ残してくれたと、感謝の念に近いものを感じました。

個人的に茅葺民家が大好きで、岐阜県の世界遺産白川郷は別格として、岡山県内では、津山市阿波や八塔寺ふるさと村を訪ねたことがありますが、この美山の茅葺集落はほんとに素晴らしいと思います。
通りを歩くと、季節柄、色とりどりのコスモス、ピンクや白のサルスベリなど季節の花が咲いていて、それらが茅葺の民家とマッチし、まるで過去にタイムスリップしたような錯覚を覚えます。
各民家は、あえて生垣を設けず開放的な佇まい、入母屋造りの母屋はどの家も南向きで整然と並んでいます。
現在、資料館などを含め、茅葺の民家は38棟(トタン覆い3棟を含む)が残っているようです。国の重要伝統的建造物郡保存地区に指定されており、万が一の火災に備え、62基の放水銃が設置されています。



まるでタイムスリップしたよう


大切にされているお地蔵様


里から見る駐車場付近


里の一番上に鎮座する普明寺


とてもきれいに維持されている通り。なんと気持ちのよいことか。


美山民俗資料館、とても懐かしい感じがします。


屋根裏は白川郷とよく似ています。


資料館から。通りを望む


気持ちのよい日でした。


宿や民久


平飼い玉子直売店 カフェ美卵


アイスコーヒーとプリンを注文しました。

資料館は、過去に火災で焼失し、再建されたもののようです。中に入るととても涼しく感じました。
入館者の一人が入ってくるなり、「ここはエアコンが効いているのですか?」と尋ねるほどです。牛も一緒に生活する厩など当時の暮らしぶりが再現されており、なかなか見応えがありました。
町並みを歩いていて感心したのは、とてもきれいに管理されていることです。ゴミひとつ落ちていません。トイレも十分確保してありました。
ただ民家は生活をしている住宅であり、当然ながら洗濯物が干してある光景がところどころ見受けられました。そのあたりを十分にわきまえ、観光客はマナーを守って行動する必要を感じました。



獣除け用でしょうか、各家の畑は金網で取り囲んでありました。


知井八幡神社


美山米パン吉之丞


麓まで下りてきました。横切る通りは鯖街道です。

散策の合間にカフェ美卵で一休み、アイスコーヒーは本格派、プリンもなかなかの味でした。
このあと町のはずれの知井八幡神社にお参りし、美山米パン吉之丞でパンを買い求め、最後に駐車場横の蕎麦の店・お食事処きたむらで、おいしいそばをいただいて帰ることにしました。

しかし当日は大変混雑していて受付の順番は13番目。外で待って40分、席についてからさらに20分の計1時間の待ち時間でした。待ったかいがあって、美山産で打たれた細麺の手打ちそばは絶品でした。
今度は違う季節に来てみたいと思いながら美山をあとにしました。



お食事処きたむら 手打ちそばが人気です。


もりそばを注文しました。


稲刈りが済んだところもありました。


美山川(由良川)清流でアユが有名です。

日本の茅葺集落
新潟県 荻ノ島かやぶきの里 荻ノ島環状集落 40棟(その内茅葺は半数程度)
福島県 大内宿 重伝建選定(S56.4) 茅葺は50棟弱
福島県 前沢集落 重伝建選定(H23.6)茅葺は14棟 
岐阜県 白川村荻町 重伝建選定(S51.9)茅葺は150棟 世界遺産
富山県 五箇山相倉合掌集落 重伝建選定(H6.12)茅葺は23棟 世界遺産


茅葺集落の鉄則
集落を維持するために、どこにも売らない、貸さない、壊さないが3原則だそうです。
美山では、茅場(かやば)が確保されており、茅葺専門の会社も集落内にあって、維持体制がしっかりできていると感じました。
ところで、茅葺の茅ですが、屋根を葺く草の総称で、茅という植物はありません。茅の材料には、ススキの他に葦(よし)、カリヤス、カルカヤ、シマガヤ、チガヤなどのイネ科の多年草が使われます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする