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未熟なカメラマン さてものひとりごと

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滋賀・湖東を巡る 平成25年11月9日(土)

2013-11-19 22:22:37 | 観光名所

いと重菓舗の銘菓「埋れ木」 

(前回のつづき)
彦根城・天守を見て、急ぎ向かったのが玄宮園です。時間はちょうど午後4時ごろでした。受付で、「お茶席はまだ大丈夫ですか?」と尋ねると、難しいかなという表情で係の人が電話してみてくれましたが、つながらず、ひょっとしたら終わっているかもしれない、とのことでした。庭園に入ると陽は少し西に傾きかけ逆光気味に天守が高い位置に見えます。後楽園ほどの広さはありませんが、こちらも日本を代表する大名庭園のひとつでしょう。池泉回遊式の庭園を散策、丸木橋を渡り、お茶席を覗くと、着物姿の女性が木戸を閉めて片付けの最中でした。
悪いと思いながら「もう終わりでしょうか?」と聞くと、
「お湯が残っていれば、大丈夫ですが、ちょっと見てきましょう」と、期待の持てる返事でした。
「大丈夫ですよ!」と返事をいただいているところに、ちょうど、続けてご夫婦が来られ、本日最後の4名となりました。
記憶に間違いなければ、ここはNHKの大河ドラマの「江姫」の最初のシーンで3姉妹がお茶を飲みながら語らう場面が撮影されたところではないでしょうか。
お菓子はいつもの、いと重菓舗の「埋れ木」、上品なお菓子です。建物が少し高い位置にあるので、お庭の景色を眺めながらいただく薄茶は、お殿様気分も味わえて格別です。

せっかく一緒になったのも何かの縁と
「どちらからお出でになったのですか?」と尋ねると
「新潟から観光ツアーに参加して来ました。今日は、このあと長浜のホテルに泊まります」とのことでした。
逆に、「お宅はどちらからですか?」と尋ねられたので、「岡山からです!」と答えると、「それは遠くから、来られましたね」「ここからだと、どちらが遠いのですかね」という話になりました。
奥さんの実家は、京都の中京区なので、そちらからだと近い、との話でした。
しかし、次の奥さんのことばには、びっくりしました。
「岡山というと、私の母の出身が、笠岡というところです」といわれるので
「笠岡ですか!私たちはすぐ北の井原なんです」というと、さらなるびっくり、その奥さん「でも母が生まれたのは、井原市の木之子(きのこ)というところです」「母がよく言っていました。木之子は、井原のはずれにあり、さとうきび畑が広がる何もないところだけど、井原(町)は随分町だと」
まさに絶句、という感じでした。この奥さんの母親が井原の木之子で生まれ、笠岡に嫁ぎ、京都に移ったということでしょう。
たまたま一緒になった2組の夫婦にも縁があったという不思議な話、こういうこともあるのですね。

抹茶をいただいたあと、城の周辺を散策しました。高校が近くにあるのでしょうか、男女の高校生がランニングをしていました。夢京橋キャッスルロードあたりを少しばかり散策して、本日の宿泊先、長浜に向かいました。

(2日目)
2日目は、伊吹山ドライブウエイを走り、観光駐車場から頂上までハイキングし、帰りに近江八幡で昼食をとったあと、クラブハリエでバームクーヘンを買って帰る旅程です。

とにかく、前日のテレビでも伊吹山の紅葉を紹介していましたし、この時季、特に混雑すると聞いていたので、ホテル(長浜ロイヤルホテル)を早めの7時半に出発しました。ドライブウエイには、8時過ぎに着きましたが、意外にも、混雑はありませんでした。それにしても有料道路の料金=3,000円は高いですね。ドライブウエイに入ると、ヘアピンカーブ連続の山道が続きますが、高度が高くなるにつれて、山々の美しい紅葉が目に飛び込んできます。道路脇の駐車スペースを見つけては停車し、何枚写真を撮ったかわかりません。
過去に経験したことのないような見事な紅葉、大山や蒜山のどちらかというと単調な色合いと違い、黄色、オレンジ、赤など雑多の色が交じり合う見事な紅葉です。

山頂駐車場に着くと、早速、山歩きの準備です。登山口から頂上に向かって緩やかな遊歩道が見えます。ちょうど、作業の人が何人か出て遊歩道の保全をされていました。夏にはきれいなお花畑を見ることができますが、当然この季節には何もありません。頂上からの眺望を楽しむだけです。歩き始めて30分ほどで頂上に到着しました。眼下にドライブウエイと山々の紅葉が見えます。そしてもう少し遠くに目をやると、琵琶湖、昨日停まったホテルも見えました。素晴らしい絶景です。大勢のハイカーが、ベンチに座り昼食を摂っていました。次の予定もあるので10分少々で頂上をあとにしました。

帰りは東遊歩道コース(下り専用)で帰ることにしました。ところどころに、「これより先危険個所あり」と書かれた看板が立っています。ということであれだけ山頂に人がいたのに後にも先にも歩いているのは私だけでした。たしかに、岩場が多い歩きにくいコースでしたが、登山靴だけ履いていれば特に問題ない感じでした。おこがましいですが、一応、これで百名山の「伊吹山」を歩いたということにしたいと思います。先週の大台ケ原に続いて、2週連続の日本百名山です。今度は花の咲き乱れる夏に、是非訪ねてみたいと思いました。(つづく)



伊吹山頂上で眺望を楽しむ人々
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滋賀・湖東を巡る旅 平成25年11月8日(金)~9日(土)

2013-11-15 23:02:22 | 観光名所

東近江市 あいとうマーガレットステーション コスモスとヒマワリの花畑(11月8日)

先週末、一泊二日で滋賀・湖東を訪ねました。初日に湖東三山の百済寺(ひゃくさいじ)、西明寺を訪ねたあと、彦根城玄宮園のお茶席で抹茶をいただき、長浜でホテル泊。二日目は、伊吹山ドライブウエイを走り紅葉を堪能したあと、観光駐車場から頂上までトレッキングを楽しみ、そのあと近江八幡で町並みを散策し、クラブハリエでバームクーヘンを買って、帰途に着くという盛りだくさんな行程です。

【道の駅】
井原を8時に出発し、途中、2か所SAで休憩を摂りひたすら走ること4時間。最初の目的地・湖東三山・百済寺にナビをセットしていると、八日市IC下車と表示がでました。先月、新たに「ETC専用湖東三山スマートIC」が出来ましたが、百済寺に行くには八日市ICが近いようでした。ICを降りて少し走るとおしゃれな道の駅がありました。折角なのでこちらでお昼にすることにしました。ここは東近江市の「あいとうマーガレットステーション」といい複数のおしゃれな洋風の建物からなっています。レストランは人気のお店なのでしょうか、平日なのに満席、次々と客がやってきます。メニューから「近江牛焼肉とトロロご飯御膳」を注文しお腹を満たした後、展望台に上がって、上からの景色を楽しみました。
道の駅、横の田んぼには、コスモスと、何とこの季節にヒマワリが一面に咲いていました。

【百済寺】
道の駅を出ると10分少々で百済寺に到着しました。紅葉の見ごろは、11月の中旬から下旬と聞いていたので、紅葉見物には少し早いとは思っていましたが、カエデ類はまだ、ほとんどが緑葉でした。日本の紅葉百選にも選定されている百済寺。少しは楽しめると思っていたのですが、これには少々がっかりでした。当然ながら観光客もまばらでした。それにしても百済寺、広い境内です。経年により丸くなった石畳、手入れの行き届いた日本庭園からの眺めも絵になります。

さらに奥深い木々の茂る参道の石段を進むと本堂が見えてきました。折角なのでお参りしましたが、素木の大変美しい仏像(如意輪観音半跏思惟像)がありました。そして昭和の名鐘と言われる鐘楼。確かに音色と余韻は相当に美しいものでした。帰路の参道には、めずらしいミツマタの並木道があり、春にはとてもいい香りがするそうです。
百済寺は、金剛輪寺、西明寺と共に天台宗の古刹で、三山の中でも歴史が最も古く謎に満ちた寺院で、他の二山とは全く異なる雰囲気を漂わせています。(HPより)

【西明寺】
百済寺を出て次の目的地、西明寺に向かいました、所要時間は20分少々です。このお寺は本堂と三重の塔が国宝に指定されている由緒あるお寺です。さぞや観光客が多いのではと思いましたが、見ごろがもう少し先ということと平日だからでしょうか、駐車場には数台の車があるのみでした。受付で入館料を払い、苔むした庭園内を進むと、境内に出ました。正面に本堂、右側に三重の塔が建っています。どこか福山市の明王院(国宝の本堂と五重塔)のものと似ていると感じました。靴を脱いで本堂に上がり、係の方から説明を受けました。撮影で一番絵になるのは、三重塔と紅葉のセットだと思いますが、見ごろは、もう少し先で、こちらも誠に残念でした。こうして湖東三山の2か寺を見たあと、次の目的地、彦根城に向かいました。

【彦根城・ひこにゃん】
西明寺から30分ほどで彦根城に到着しました。表門近くの彦根場内の有料駐車場に車を入れると、係の人から、「3時から‘ひこにゃん’が見れますよ!」と教えていただき、それならばと、急ぎ受付に向かいました。今回は、歴史資料館とのセット券を購入しました。‘ひこにゃん’は一日に3回お披露目されているようで、3時はこの日の最後でした。メガフォンで呼びかける係員の声に、大勢の人がすぐに集まってきました。平日ともあって、ゆるキャラを見るというのに子どもは1人もいません。誠に不思議な光景です。多くの人がカメラを構えて待ちかえていると、‘ひこにゃん’の登場です。ゆっくりゆっくりとした動作、誠に、ゆるきゃらという表現がぴったりの愛らしいマスコットです。築城400年を記念して造られたようですが、子どもはもとより大人からからも愛されるキャラクター、PRにこれほど成功した事例はそうないのではないでしょうか。

【彦根城・天守閣】
このあと、彦根城博物館で、井伊家伝来の品々を見たあと、向かったのが天守閣です。お茶席が終わってしまうのではと、少々あせりもありました。曲がりくねった石段を登ると、彦根城天守閣前の広場に到着しました。そこにはドイツ人観光客と思われる外国人の団体さん。同じくドイツ人と思われるガイドさんがしきりに説明をしていました。私にとっては2年ぶりの彦根城天守閣です。小振りながらとても美しい天守閣です。ちょうど陽が西に傾きかけて幻想的な雰囲気でした。彦根城は、江戸時代から現存する天守12城の一つで、松本城、姫路城、犬山城と並んで国宝に指定されています。はしごで登るような急こう配の階段を上ったり下りたり、そして最上階からの眺めや、天井の曲がりくねった木組みに感心しているともう4時前に待ってしまいました。こうして、次の目的地、玄宮園に向かいました。(つづく)



ゆっくりとした動作がとてもかわいい、ひこにゃん
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百花繚乱 世羅高原農場のダリア

2013-09-29 08:32:04 | 観光名所

ブルーサルビアの丘 高原と秋の空 さわやかです。いい季節になりました。

久しぶりに世羅高原農場のダリアを見に行こうと思いました。行きは笠岡から尾道自動車道を利用し世羅ICまで高速を走ります。あとはナビに従って一般道を進みますが、田舎道、渋滞に会うこともなく、快適に目的地に着きました。1000台収容の駐車場は、ほぼ満車の状態でした。入園券700円を購入し入園すると、まず迎えてくれるのが、ゆるやかな斜面一杯に広がるブルーサルビアです。一筋の赤のサルビアがアクセントに植えられています。濃いブルーの空に秋らしい雲との組み合わせは、どこか北海道にでも来たような錯覚を覚えます。目的のダリア園は、その丘を越えたところにあります。駐車場はあんなにいっぱいだったのに、園内にその混雑はありません。裏を返せばそれだけ広いということなのでしょう。

一番楽しみにしていたのは、花に群がるチョウなどの昆虫の撮影でした。一昨年来たときは、“渡り”をすることで知られる、「アサギマダラ」を見つけて興奮したものでした。そばによっても動じません。ゆったりと優雅に舞います。この体でとても数百キロも移動するとは信じられません。あの姿を再び期待していましたが、何とチョウはおろか昆虫のほとんどをみかけることはありませんでした。これには少々がっかりしました。

広いダリア園には、数十センチもあるような巨大輪から、新品種のコーナー、小菊のような小さい花びら持つ種類まで、まさに百花繚乱、いったい何種類あるのでしょう。農園によると、400種、2万5000株で西日本最大規模だそうです。多くの入園者が、思い思いにアップで写真に撮ったり、記念撮影をしていました。ひとつ残念だったのが、肥料の匂いでした。鶏糞のあの独特の匂いです。この農園には何度も訪ねていますが、このような経験は初めてでした。女性のグループのひとりが、「この匂いに酔いそう、早く出たい。帰りの運転ができないかも!」と言っているのが聞こえました。

ひととおり花を楽しんだあと、世羅ワイナリーに向かいました。昼食にバーベ―キューでもと思ったわけです。あのプードルの“きなこ駅長”にも会いたいと思いました。しかし世羅夢公園に入ったころから駐車場に入る車で大渋滞となっていました。仕方ないので、ここは、あっさりあきらめて帰ることにしました。

帰り道で、異常に多くの人で賑わうお店に遭遇しました。何か特別なイベントでもやっているのかと思い、せっかくなので寄ってみることにしました。何とここは梨の特売所のようでした。パレットに梨が入ったプラスティックケースが積み上げられています。何か特別なもののような気がしたので、そこにいた係の人に「これはなんですか?」と尋ねると「にこ!と笑い、これは非売品なんです」とのこと。そして、行列ができていたので、並んでいた人に何の列か訊くと「梨の試食です」とのこと。それもまもなく始まるらしいので、私も並びました。午後2時になると列が動き始めました。何とびっくり。試食というと、食品コーナーの爪楊枝が置いてある数切れのものを思い浮かべますが、何とここは太っ腹。丸々大玉を一ついただけるのです。すぐに食べることができるように皮むき専用のプラスティックナイフ(10円)も売っています。剥いた皮を入れる専用の設備や水道も用意してありました。
このお店は、世羅幸水農園の直売所でした。HPによりますと、東京ドーム13個分の果樹栽培面積を誇る日本最大の果樹農園とありました。お店で籠盛りの梨を買って帰りましたが、味はいうまでもありません。ほんとにおいしかったです。



いろんな種類のダリアが整然と植えられています。
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伏見酒造の町並み散策と東福寺庭園の探訪

2013-06-10 22:54:37 | 観光名所

伏見・月桂冠大倉記念館前の通り 

(前回のつづき)
寺田屋を出るころには、メンバーはもう誰もいませんでした。濠川の柳と酒蔵との雰囲気有る景色を撮りたかったのですが、なかなか余裕もありません。龍馬が逃げて行ったという龍馬通りを左手に見ながら進むと、板塀や漆喰の蔵屋敷が見え、以下にも酒処伏見と云われる景観です。ここは、明治時代の酒蔵を改修した月桂冠大倉記念館です。このあたりまで来ると観光客も随分目立ってきます。入館料300円を払うと、記念のお酒が付いてきました。右側には、試飲や販売コーナーがありました。展示コーナーでは、350年の酒造りの歴史・道具・工程を紹介する資料が展示されていましたが、特に興味を引いたのが、レトロなレッテルが張られた酒瓶や時代の美女が描かれたポスターでした。中庭には、酒造りに使われる井戸の水。こちらは実際に飲むことができました。伏見は古く「伏水」と書き表されていたように豊富な地下水が流れ、上質な軟水に恵まれてきました。その水と盆地特有の底冷えによって名酒が生まれ、繊細でまろやかな味わいは灘の「男酒」に対して伏見の「女酒」と呼ばれるそうです。

この頃、やっとメンバーが揃い、折角なので、中庭のレンガの煙突が見える広場で記念撮影をすることになりました。帰りにおみやげにとワインを購入。時間までに、急ぎ濠川を散策することにしました。川岸には遊歩道が整備され、季節の花であるアジサイが花を咲かせ初めていました。川には観光用の十石舟が係留され、この先に乗り場があるようでした。何枚か写真を撮ると、もう時間となっていたので、あわててバスに戻ると、何と私が最後で少しあわてました。次に向かったのが、本日最後の目的地、東福寺です。

日本庭園を特別愛する私としては、今回のコースに東福寺を入れていただいたことに感謝したい気持ちです。小型のバスは、随分近いところまで来たはずですが、さすがに広大な敷地を持つ東福寺。ここから、通天橋のある拝観受付まで、随分歩いた気がしました。通天橋から眺める紅葉は、京都を代表する観光スポットですが、この木造の橋はよく時代劇のロケに使われます。鬼平犯科帳では、エンディングで秋のシーンに、紅葉を背景に橋を行きかう人々の様子が映し出され、まさに絵になる景色です。通天橋を渡り回廊の階段を上がると、開山堂に出ます。門を潜ると、正面に開山堂、石畳の右側には江戸時代初期に作庭されたといわれる、見事な庭園があります。小さなサツキや、庭石が見事に配置され、杉苔や、季節のアヤメやスイレンも咲き、グリーンの庭に彩りを添えています。左側は、川砂が敷かれた空間となっており、回廊の縁側からはこれらを一体的にみることができます。休みながら大勢の人が鑑賞していました。この開山堂の庭園は、私のお気に入りの一つです。

次に向かったのが方丈庭園です。別途拝観料が必要でした。考えてみれば自由行動となっている今日のコース、拝観料もばかになりません。寺田屋400円、大倉記念館300円、東福寺通天橋・開山堂400円、東福寺方丈庭園400円。ま、京都を巡るなら当たり前のことですが、桜や紅葉のシーズンは、さらに値段が上がって特別料金となり、何か所もまわると、結構な金額になります。
さて、方丈庭園といえば、我が岡山県が生んだ昭和の庭師・重森三玲が作庭した枯山水庭園が有名です。まず南庭、苔寺の枯山水庭園とは違って、石組も大きくダイナミックですが、それらが庭の隅の一部にバランスよく置かれ、まとまった雰囲気を与えています。東福寺の方丈庭園は、全国でもめずらしく、周囲がぐるりと違った異なる形式の庭園が設置されています。廊下を右に回り込むと、そこは北庭、市松模様に敷かれた四角い石の間に苔が生え、それらが一体となってとても斬新な意匠を作り上げています。

華鴒大塚美術館で、「日本文化再発見講座・日本庭園の魅力」と題して、講座が開催されており先日、第1回目の講座を私も受講したばかりでした。講師は、晩年の重森三玲に指導を受けた造園家の岩本俊男さんです。この東福寺の方丈庭園について、どのように解説されるのか、とても楽しみです。
帰りの出発前の駐車場で、万歩計を見たら一万歩を超えていました。久々によい運動になりました。(おわり)



東福寺方丈庭園の南庭 近代庭園の傑作と言われています。
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桜の名所・井原堤百年(岡山県井原市)

2013-04-10 22:40:32 | 観光名所

見事な桜のトンネル

今年も井原堤の桜はとても見事でした。初めて堤の端から端まで走破しました。距離は云われているように2キロはあるでしょう。この区間がほとんど桜のトンネルとなっているので、毎年見ていても、都度その素晴らしさに感動します。 
観光客はもとより通勤・通学路として、健康のための散策路として、はたまた愛犬の散歩コースとして、有難い存在です。しかし、これだけ見事なのに、どうして見物客が少ないのだろうと逆に不思議に感じてしまいます。
今年は、最初に出かけたのが、3月31日の日曜日でした。まだ8分咲きほどでしたが見ごたえ十分でした。その後、会社の帰りの3日と5日の夕方、そして6日は、低気圧から桜吹雪を期待してまたも出かけ、例年になく楽しませてもらいました。

私が小学生のころ、井原堤は岡山県を代表する春の観光地でした。現在のように大型の商業施設や遊園地もなく近隣では唯一といってもいいくらいの春の行楽地でした。小学校から遠足を兼ねて写生大会が催され、私も参加しその当時のことを今でもよく覚えています。日曜日ともなると河原には大勢の花見客が腰を降ろしてお弁当を広げ、堤では、露店が建ち並び、通行も困難なほどの賑わいでした。残念ながら、今は昔の話です。

ところで、小田川の堤を繋ぐ桜橋に、井原・桜堤百年の幟がたくさん立っていました。この井原堤の歴史ですが、郷土出版社「井原・笠岡の100年」の昭和14年ごろの、お花見の様子を紹介する写真に添えられた紹介文によりますと、井原桜堤の歴史は、大正3年(1914年=第一次世界大戦勃発の年)に井原町長原田吉平が郷社(ごうしゃ=市内にある神社)の桜を株分けして、ソメイヨシノの苗木150本を植えたことに始まるそうです。4月初旬の花盛りには、県内外から観光客があふれ、屋台も並び商店街でも大売出しをするなど、たいそうな賑わいで、当時から井原は桜の名所として有名だったようです。

ということで、来年が100年目ということになるのでしょうか。ソメイヨシノは、もともと1本の木から接ぎ木(クローン)で栽培されてきました。寿命は、放置していれば60年だそうですが、きっちり管理すれば、100年以上は十分育つそうです。青森県弘前公園のソメイヨシノのように、徹底した管理をした結果、花付も寿命も延びて樹齢120年を超えるものもあります。また、岡山県で最も開花が遅い新庄村の「がいせん桜」は、明治38年(1905年)の村議会で、戦勝を記念して137本の桜が植えられおり、今年が108年目となります。株元はアスファルトで周囲を固められるという過酷な条件下でも、延命治療により枝ぶりはよくないもののしっかり房状の花を咲かせているようです。井原堤の桜も、管理がよければ十数年は大丈夫かもしれません。

しかし、何よりの心配が、桜が持つ「忌地(いやち)現象」です。同じ土地では次代の桜が育たないのだそうです。ということで、現在、桜の名所となっているところが危機を迎えている、ということは、このことによるものです。しかし井原堤の桜は、地元の方に聞くと、それでも老木を新しい若木に植えかえるなど、並木を維持管理してきたそうです。ですので、環境によれば忌地現象はそれほどでもないということなのでしょうか。また、「護岸なので災害上の観点からも、本当は木を植えてはいけない」という問題もあったようです。

しかし、一番の問題は車の乗り入れではないでしょうか。川の反対側には民家が建ち並び、斜面の横に車庫を設け、堤から直接乗り入れるようになっている家も多く、生活道でもあるわけです。それでも、多くの観光客に来てもらうためには、替えの駐車場を準備するなど、対応を考えていただいて、桜の見ごろの1週間だけは、完全に歩行者天国にしてもらいたい、と思うのは私だけでしょうか。それから、桜の季節には、新聞、TVなどで県内外にも大々的に宣伝して集客を図ってもらうことも必要なのではないでしょうか。それだけ十分に素晴らしい価値があるに違いないのですから。



川面に映る堤の桜
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