で、朝はやくから、二つ目の記事を書いている。
昨日、福井県男女参画・県民活動課から、
「ジェンダー図書排除の経緯に関する公開質問状に対する回答について」
という福井県知事名の文書がFAXで届きました。
回答は、1月31日を期限としていたのですが
「上層部の決済に時間がかかるから」と延期になっていたものです。
時間がかかったわりには、簡単なものです。
事実関係の「調整」に手間どったのでしょうか?(笑)
回答は、質問と対照表になっているのですが、
回答部分(表になっている右)だけ、アップしておきます。
「ジェンダー図書排除の経緯に関する公開質問状について」
回答:
1 153冊の図書一覧表については、18年1~2月に生活学習館の担当課長がが受け取りました。
生活学習館の担当課長への申し入れはこの1回だけですが、本庁の担当課長は複数回図書のことで申出者と話をしました。
また、4月にさらに37冊の図書一覧表が生活学習館に出されました。
2 公開した図書一覧表は、申出者が生活学習館に出したものです。
3 153冊の図書一覧表、37冊の図書一覧表は生活学習館にあります。
37冊の図書一覧表については。図書を移動しておらず情報公開請求の対象に該当していませんが、既に18年8月に公表しています。
4 申出者が移動した図書を点検したとすることについて、県は関わっておりません。
5 2月上旬に、ある議員から申出者が指摘している図書に関する県の考え方について本庁の担当課長に話しがあり、「男女共同参画に関する考え方は様々なものがあり、それらに関する情報の提供は学習するうえで必要である。」との県の考えを伝えました。その際、その議員から図書の撤去要請等はありませんでした。
その後、引き続き申出者からの図書の撤去要請があり、その図書の内容を了知しておくため読んでみることとし、3月下旬に移動しました。
また、その頃、本庁の担当課長がその議員に会う機会があり、以前に話があった図書について、移動して読んでみることを伝えました。
6 図書を撤去した事実はありません。
なお、図書の移動については、本庁の担当課長が生活学習館の担当課長に対して、申出のあった図書を移動して読んでみるように話し、生活学習館の職員が行いました。
この決定については、申出者の要請によるもので議員の介入によるものではありません。
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わたしたちが最も知りたかった議員の関与に関して、回答には、
「2月上旬に、ある議員から申出者が指摘している図書に関する
県の考え方について本庁の担当課長に話しがあり」・・・・・
「本庁の担当課長がその議員に会う機会があり、以前に話があった
図書について、移動して読んでみることを伝えました。」という記載がある。
議員の本庁の課長への関与を、公式回答で引き出したのは大収穫だ。
回答では、議員の関与を認めながら、
「決定は、申出者の要請によるもので議員の介入によるものではない」というが、
議員が公務以外で、支持者に頼まれて、職員に対し、
「○○についていかがなものか」ということ自体が、
じゅうぶんに圧力であり、政治介入である。
いくらなんでも「図書を排除せよ」などと直接的に圧力をかける
「アホな議員」は、「口利き」が問題視されている今、いないだろう。
NHK「ETV特集」の「問われる戦時性暴力」(2001年1月30日放送)
への政治家介入事件をめぐる「女性国際戦犯民衆法廷問題控訴審」は、
1月29日 、東京高裁で、原告逆転勝訴の判決があったばかり。
この判決で、南敏文裁判長は、
「NHKは国会議員などの『番組作りは公平・中立であるように』との発言を
必要以上に重く受け止め、その意図を忖度(そんたく)し、
当たり障りのないように番組を改編した」と認定し、
民間団体側の期待と信頼を侵害したとして、
NHKと制作会社2社に計200万円の賠償を命じる判決を言い渡した。
判決でも明らかになったとおり、現場の職員は
議員の言葉を「必要以上に重く受け取め」、「その意図を忖度し、
当たり障りのないように」状況をかえるものである。
福井県の場合、近藤氏は議員にリストを渡して図書の排除を頼んでおり、
その結果の「図書の排除」というべきで「議員の政治介入」である。
2,3についての、近藤氏の言い分と県の回答ついても疑問が残る。
県は「190冊のリストはどこにあるのか」という質問に答えていない。
近藤氏が提出したというリストが190冊、
生活学習館が受け取ったとするリストが153冊。
ということは、どちらかが「うそ」をついていることになる。
153冊の排除本リストと、残り37冊のリストに分割したのは、
近藤氏なのか? 福井県なのか?
福井県の回答では、「近藤氏が嘘つき」ということになる。
他にも疑問はあるし、言いたいことは多々あるけれど、とりあえずここまで。
一期一会のクリックを
以下に、公開質問状を貼り付けましたので、参考にしてください。
「公開質問状』提出の詳細はこちら(2007.1.17)
2007年1月17日
福井県知事 西川一誠様
福井「ジェンダー図書排除」究明原告団および有志
代表・上野千鶴子
ジェンダー図書排除の経緯に関する公開質問状
2006年11月2日、「福井県男女共同参画審議会」が開催され、わたしたちが提出
した「男女共同参画にかかる県施策への申し出」と図書の排除を求めた近藤氏側が提出し
た「苦情申出」が議題となりました。その後、審議会での議論を受け、福井県知事からの
回答が届きました。回答には、「一括して図書を移動し作業を行ったことについては誤解
を与える結果となり、十分な配慮に欠けていたものと反省しているところ」とあり、わた
したちは11月21日、「『ジェンダー図書排除』苦情申出への福井県知事回答に対する
声明」を公表しました。
またこの回答には、「近藤氏」の名前が明示されていたものの、事実経過については
「その後も同様の申出が口頭で相当回数あったため、申出にかかる図書の内容を了知して
おく作業が必要であると考え、一覧表に掲載されている図書を一時的に書架から移動した
ものであり・・・・」とあるだけで、説明責任が果たされていない、きわめて不十分なも
のです。
12月になって、わたしたちが情報公開請求していた「男女共同参画審議会」資料およ
び図書選定基準に関する公文書が公開されました。そのなかの審議会資料2-3「生活学
習館の図書の移動に関する経緯について」の説明には、「H18年1~2月。近藤氏よ
り、不適切とする図書の一覧が提示される等、県に対し、数回の排除の申出がなされた。
3月下旬。生活学習館では、近藤氏の申し入れに対し図書の内容を一切知らずに対応する
ことができないことから、一覧表に記載されて約150冊の図書を情報ルームの書架から
事務室に一時的に移動し図書の内容を知るための作業を行う・・・・」(資料1)とありま
す。
この経緯説明にも、近藤氏の申出を受けて、いつ、どこで、だれが意思決定をし、じっ
さいの作業を、いつ、だれが、どのようにしたのかについての記載は一切ありません。ま
た、この審議会資料は、いままでのわたしたちへの説明や新聞報道等との矛盾点もたくさ
んあります。
さらに12月末、リストを提出した近藤氏が、審議会に提出された「生活学習館の図書
の移動に関する経緯について」の文書は虚偽であると、あらたな事実をインターネット上
で公表しています(資料2)。
リストを提出した本人である近藤氏が、県の事実経過の説明は事実とは違うと主張して
いる以上、ジェンダー図書排除をめぐる県の経過説明文書には強い疑義が生じてきまし
た。
わたしたちは、福井県知事に対し、以下の質問について、当時の関係職員の聴き取りに
もとづく真相究明をおこなったうえで、具体的かつ納得できる説明を求めます。
なお、回答は1月31日(水)を期限として、文書によるものとします。
記
1)近藤氏から図書リストが提出されたのは、いつか。
それを受け取ったのは県のどの担当部局のだれか。
また、近藤氏からのリストの提出、および働きかけは何度にわたったのか。
2)近藤氏は190冊分の図書リストを提出したと主張するが、県から情報公開によって
得られた図書リストは、その一部の153冊分しかない。
県が公開したリストは、近藤氏が提出したものと同一か。
もしそうでないとすれば、公開された153冊のリストを作成・提出したのはだれか。
そしてその選別は、どういう基準でおこなったのか。
3)近藤氏が提出したと主張する190冊の図書リストはどこにあるか。
なぜそのもともとのリストが情報公開請求にあたって公開されなかったのか。
4)近藤氏は、3月25日ごろ「議員」から図書が撤去されたことを聞き「数日後生活学
習館に行って、本当に排除されたのかを、私のお渡しした書籍一覧表に沿って、一冊ずつ
確認した」という。近藤氏の記述は、153冊のリストのうち3冊は見当たらず、実際に
排除されたのは150冊である、と詳細なものであり、当初150冊を移動したとする県
の説明とも合致する。
近藤氏は撤去された図書の現物を点検する機会を持ったのか。
そうだとすれば、それを許可したのはだれか。
5)近藤氏は、「保守系の議員さんに、1月18日、書籍一覧表(その1~その5)をお
渡しし、県へ働きかけていただけるようお願いした」としている。8月21日の新聞報道
(資料3)には、「前館長の政野さんは、異例の書籍撤去につながったのは複数方面から
の『圧力』が原因とみる」とあり、「圧力」の存在を裏付ける。もしこれが事実だとする
なら、今回の事件は、一市民単独の行為を越えた、行政機関に対する自治体議員の政治介
入という、社会的にも政治的にも許されない、重大な事件であることになる。またそのよ
うな政治介入を許した行政職員の責任も重大である。
そのような、議員からの介入はあったのか。
その「保守系の議員」とはだれか。
6)近藤氏は、「今回の図書撤去は、私の申し出というよりは、議員さんの力によるもの
だったのです。・・・・議員さんが良識にもとづき依頼したことに対して、U課長(ある
いはその上司かも知れません)が決済されたということです」としている。また、新聞報
道(資料3)には、「撤去作業は政野さんが出張中の3月、本庁の直接指示で県職員が
行ったという。事前・事後報告はなく、政野さんが知ったのは館長退任後の四月だった。
撤去を指示したのは本庁の総務部男女参画・県民活動課の前課長(女性)」とされ、いず
れも図書撤去に関して、当時の本庁の宇野課長の関与を示唆している。
図書撤去を決定し、現場の職員に指示したのはだれか。
じっさい図書を撤去したのはだれか。
とりわけその決定に、議員の介入があったかどうかについて、撤去当時の担当者である
宇野前課長および関係職員への聴き取りを実施したうえでの回答を求める。
7)以上、近藤氏本人の主張と福井県の公式見解とのあいだには、矛盾がいちじるしく、
いずれかが虚偽を主張していることになる。
県が責任ある回答をしてきたと主張するなら、近藤氏に反論できるだけの根拠にもとづ
く、具体的かつ詳細な事実関係の説明を求める。
以 上
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