十月桜(じゅうがつさくら)が咲いているのを見つけました。
春に7割ほど咲き、秋にも咲くめずらしい桜です。
とはいえ、今年はまだチラホラです。
↑春に咲いた十月桜(4月9日)
ランタナの花もまた咲いています。
応援クリック してね
本文中の写真をクリックすると拡大します。
ところで、
年金の受給に必要な加入期間を25年から10年に短縮する法案が、
28日に衆院厚生労働委員会で可決されました。
きょうの朝日新聞と毎日新聞には、
この法案に関する社説もでていますので、紹介しますね。
年金受給短縮法案 衆院厚労委で可決 10月28日 NHK 年金が受け取れない人を減らすため、受給資格が得られる加入期間を25年から10年に短縮する法案は、28日の衆議院厚生労働委員会で全会一致で可決され、衆議院を通過する見通しとなりました。 法案は、消費税率を10%に引き上げて実施する予定だった社会保障の充実策のうち、年金を受け取れない人を減らすため、消費増税に先立って来年10月の支払い分から、年金の受給資格が得られる加入期間を25年から10年に短縮するとしています。 法案は28日に開かれた衆議院厚生労働委員会で採決が行われ、全会一致で可決されました。 一方、民進党は年金が受け取れない人をより幅広く救済すべきだとして、施行日を前倒しする修正案を、また共産党は消費税の引き上げに関係なく、期間の短縮は実施すべきだとする修正案を提出しましたが、いずれも否決されました。 法案は近く衆議院本会議でも可決され、参議院に送られる見通しです。 |
社説:年金法案審議 政治の責任を果たせ 2016年10月31日(月)付 朝日新聞 10%への消費増税に先駆けて、年金の受給に必要な加入期間を25年から10年に短くし、無年金者を減らす。そのための法案が、衆院厚生労働委員会で可決された。 一方、民進党が「年金カット法案」と批判する、給付抑制の徹底や年金額の改定ルールの見直しが盛り込まれた改革法案は、審議入りすらしていない。前の国会からの宿題であるにもかかわらず、だ。 国民に受けのよい話だけを進め、厳しい改革から逃げるような姿勢は、責任ある政治の姿とは言いがたい。将来世代にも目を向け、審議を進めてほしい。 今のままでは将来の年金の水準が想定以上に下がり、とりわけ基礎年金への影響が大きい――。2年前の財政検証で厳しい見通しが示され、それに歯止めをかけるために考えられたのが、今回の改革法案だ。 日本の公的年金制度は、現役世代が負担する保険料で毎年の給付の大半をまかなっている。制度を将来にわたって安定させるには、少子高齢化が進んでも負担と給付のバランスが大きく崩れないよう、調整することが不可欠だ。 このため、04年の制度改革では、現役世代の負担が過重にならないように、保険料に上限を設ける一方、その収入の範囲内でやりくりできるよう、給付を抑える仕組みも入れた。 ただ、給付の抑制は物価の上昇を前提としたため、デフレ経済の長期化でほとんど機能してこなかった。さらに現役世代の賃金が下がった時に年金も同様に下げるルールが徹底されていなかったため、年金の水準が高止まりしているのが現状だ。 このため、今回の改革法案には、デフレ時に抑制できない分を繰り越して物価上昇時に実施することや、現役世代の賃金下落に合わせて年金額を下げるルールの徹底が盛り込まれた。 問題は、年金の多い人にも少ない人にも給付の抑制が及ぶ点だ。低所得の人たちへの配慮は当然、考えねばならない。 政府・与党は、10%への消費増税に合わせて低所得者向けの福祉的な給付金を導入すると主張する。増税を三たび延期することはないのか。給付金の新設で対策は十分かといった点も検討課題の一つだろう。 老後の生活をどう守るか。他の福祉的な制度での対応や、医療や介護での負担増を抑えて年金減の痛みを和らげる道など、年金制度にとらわれず、広く与野党で知恵を絞ってはどうか。 問題の先送りは状況をさらに厳しくするだけだ。 |
社説:年金改革法案 持続可能にする論議を 毎日新聞2016年10月31日 年金制度改革関連法案をめぐって今国会での与野党の論議が激しくなっている。焦点は年金額の改定ルールだ。 将来も年金が維持できるのかと不安に思う人は多い。年金額は複雑な数理計算によって調整されており、一般の人にはわかりにくい。それが不安を増幅させる要因にもなっている。適正なデータに基づき、丁寧でわかりやすい論議が必要だ。 年金額改定ルールの見直しの一つは、年金給付額を少子高齢化の進展に合わせて調整する「マクロ経済スライド」という仕組みをデフレ下でも適用すること。もう一つは、賃金の下げ幅が物価の下落より大きいときは、それを給付額に反映することだ。両方とも現行制度にはない。 年金は国民から保険料として集めた財源を長期間にわたって高齢者に給付していく制度であり、現在の高齢者に多く給付すれば、現役世代(将来の高齢者)の給付水準が下がる。逆に現在の給付を抑えると、将来の給付に余裕が出る。 デフレで物価や賃金が下がったとき、それを年金に反映させなければ、給付額は高水準のままとなり、将来の財源が苦しくなる。長期的に年金を持続可能にすることを考えると、改革案は必要な措置ではある。 しかし、現在の高齢者の給付が下がることを前提にしているため、民進党などは「年金カット法案」と批判する。国会でも独自の試算に基づいて、政府の想定より給付額が大幅に下がる可能性があると追及する。 ただ、過去にもさまざまな研究者や民主党(当時)議員が独自の試算やデータを用いて「年金積立金は数年以内になくなる」「年金は事実上破綻している」などの主張を繰り返してきた。政府の説明が難解で不十分な上、「消えた年金」などの不祥事のイメージも重なって、国民は疑心や不安を膨らませてきた。 実際、低年金で生活が苦しい高齢者は多く、現行制度にもさまざまな問題点はある。しかし、少なくとも積立金は現在約130兆円の水準を維持しており、年金制度自体が破綻しているわけでもない。 限られた財源を現在と将来の高齢者が分かち合うのが年金であり、世代間の信頼がなくては成り立たない制度だ。国民の不安を解消するため問題点は徹底して議論すべきだが、正確で公正なデータと論理が必要であることは言うまでもない。 年金の長期的な財政は物価や賃金だけでなく出生率や利回りにも大きく影響される。デフレを前提にした制度改革も大事だが、デフレを克服する経済政策や出生率の改善に取り組むことが制度の持続可能性を高めることも忘れてはならない。 |
最後まで読んでくださってありがとう
クリック してね
記事は毎日アップしています。
明日もまた見に来てね