みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

姫こぶしが咲いたょ

2005-03-31 10:18:01 | 花/美しいもの
 わが家の庭には、さまざまな花木がある。
 この土地に住んで20年。昔からあった木もあるが、花の咲く木は自分で植えたものも多い。百姓をしていたころ、大事に育てていたヤギや犬や鶏が死ぬと、庭に埋めて、子どもたちといっしょに墓標として小さな花木を植えた。そんな苗木がいまでは、見上げるほどの大木になっている

 姫こぶしの花は、モクレンの仲間では、いちばんさいしょに咲く。その後、ハクもくれん、紫モクレン、カラスもくれん、黄金モクレンと、連休まで次々に開化する。平行して、源平花モモ、金メタル、どうだんつつじなどが咲き、道ゆく人の目を楽しませてくれる。

毎年、モクレンの開化が始まると、寒さに弱い花に霜が降りて黒くならないように、と祈るような思いだ。

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欲望の当事者に「なる」ということ

2005-03-30 15:39:01 | ジェンダー/上野千鶴子
 先週のブログへのアクセス状況。
 閲覧数1910pv、アクセスIP数510で、1月に開設してからの最高だった。じょじょに読者は増えているようだけど、桑名の条例の関心が高かったのかな?

 楽しみにしていた「講演会&温泉合宿」もおわったし、あとは、延び延びになっている『む・しの音通信』46号の編集が待っている。とはいえ、まだ、原稿もあつまっていないけど・・・・。3月発行は見送りになりそう。
 今度の通信の目玉は、やっぱり桑名市の「男女平等をすすめる条例のゆくえ」と、「上野さん講演会」になりそうだ。原稿依頼しているみなさん、ご協力よろしくおねがいしまーす。

 ところで、温泉合宿の片道1時間半のマイクロバス。
 帰りはもっぱら上野さんと「セクシュアリティ」について話していた。話しが弾んで上野さんから、「講演会では触れなかったけど、当事者には3種類ある。そのなかで、いちばんむずかしいのは、欲望の当事者に「なる」ということ」「みどりさんも欲望の当事者ね」ってほめられた(ウレシイ・笑)。
 上野さんからはよく「みどりさんとは似てるね」って言われるんだけど・・・。そのたびにわたしは「ゥン!」って答えに詰まってしまい、「えっ、知性も教養もぜんぜん似てないけどォ、、、手抜きをしないとことか、怖そうだけどホントはやさしいとことか、けっこう面倒見がいいし、お友だち多いけど独りが好きだし、料理上手いし・・・似てるかも」と考えてたんだけど、「欲望の当事者」って言葉はストンと落ちて、気に入った。
 「欲望の当事者」って、セクシュアルな意味はモチロンだけど、わかりやすい言葉で言えば、「我がまま」「エゴイスト」ってこと。ほしいものを欲しいと言い、やりたいことをやりたいと言い、やりたくないことや納得できないことにNO!って言う。これってほんと、あちこちで波風立てて、ひとのひんしゅく買って、まわりに迷惑かけて、生きることになるんだけどね。で結果、波らん万丈の人生、ってわけ。
 
 ほめられついでに、北原みのりさんの「LOVE PIECE CLUB」と「性の本棚」をブックマークにリンクした。興味のある方は、のぞいてね(これでまたアクセス増えるかも)。

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『不登校、選んだわけじゃないんだぜ!』

2005-03-29 09:52:50 | ほん/新聞/ニュース
 体調もイマイチで、講演会の残務整理に追われたが、上野さんに借りた『不登校、選んだわけじゃないんだぜ!』(貴戸理恵・常野雄次郎著/理論社/2005)を読んだ。
 わたしの身近に、かつて不登校だったひとがいる。
 「この本おもしろいよ」と言ったら、「いいよ、理由はひとそれぞれ。そのときはそうするしかなかった。しょせん結果論でしょ」とさめている。
 何も選ぶことができなかったわたしの子ども時代。当事者と家族のキョリは遠い。わたしは、あなたを、理解できない。

印象に残った、フレーズ。

 「不登校は語り尽くされたんだろうか? そうではない、とわたしは思っている。これまで不登校を語ってきた人びとは、実際に不登校を経験した本人でない人びとがほとんどだった。そこでは、不登校者本人が見、聞き、生きた不登校はまったくもれ落ちてしまっていたんじゃないだろうか。」

 「だってこれだけははっきりしているけれど、わたしは学校へ行かないことを自ら『選んだ』わけじゃない。」

 「ここで語られる『知』をほんとうに欲している人は、決して一生ここに来ることのない人たちなんだ、とあらためて思った。」

著者の貴戸理恵さんは、いま、上野ゼミで学んでいる。

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先週読んだ本

2005-03-28 23:53:49 | ほん/新聞/ニュース
 上野さんの講演会の準備で、バッタバタしていて本もろくに読めなかった。図書館で借りた最新刊は、流し読みしたのが多いけど、とりあえず読んだことにしておこう(笑)。

『理性の使用 ひとはいかにして市民となるのか』
 (富永茂樹/みすず書房/2005)
『決め方の科学 事例ベース意思決定理論』(イツァーク・ギルボア デビッド・シュマイドラー著/けい草書房/2005)~タイトルにひかれて借りたけど、これメッチャむずかしかったぁ。

『植民地と戦争責任(戦争・暴力と女性3)』
 (早川紀代編/吉川弘文館/2005)
『メディアが市民の敵になる さようなら読売新聞』
 (山口正紀著/現代人文社/2004)

『統合失調症を生きる-当事者・家族・医療の現場から』
 (NHK「無理解をなくそう統合失調症」制作班/NHK出版/2005)
『実例「免疫革命」の名医たち 「自律神経免疫療法」実践の記録』
 (福田稔編著/講談社/2005)
『「免疫を高める」と病気は必ず治る』
 (安保徹・福田稔監修/マキノ出版ムック/2004)

『16歳だった 私の援助交際記』(中山美里/幻冬舎/2005)

再読。
『当事者主権』(中西正司・上野千鶴子著/2003/岩波書店)
『老いる準備 介護することされること』(上野千鶴子著/学陽書房/2005)

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至福のとき

2005-03-27 23:59:26 | ジェンダー/上野千鶴子
26~27日は、上野千鶴子さんの講演会&温泉合宿。

講演会後、マイクロバスで走ること約1時間半、秘湯の宿に到着。メンバー8人と上野さんで「女あそびの会」温泉合宿。濃密で至福のときだった。
昼過ぎに岐阜に帰り、山本屋のみそ煮込みうどん(上野さんの好物)を食べて解散。疲れたけれど、たのしかった。

上野さんが講演会で紹介された、『不登校、選んだわけじゃないんだぜ!』(貴戸理恵・常野雄次郎著/理論社/2005)と、『べてるの家の「当事者研究」』(浦河べてるの家/医学書院/2005)を貸してもらった。
今日はもう早く寝て、あした読むことにしよう。

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ウグイスが来た

2005-03-26 09:44:29 | 花/美しいもの
朝起きたら、うっすらと雪がつもっている。

昨日から庭にウグイスがきている。
「ホケキョ、ホケキョ」と、まただ鳴き方は下手だけど、
数日練習すれば「ホー、ホケキョ」とうまくなるだろう。

2本のモクレンのつぼみも日一日とふくらんできた。
これからは庭の花木がつぎつぎに咲くうれしい季節だ。

今日は、待ちに待った「上野千鶴子さんの講演会&温泉合宿」。
うれしいけれど、緊張する。


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いよいよ明日、上野千鶴子さん講演会

2005-03-25 17:43:41 | ジェンダー/上野千鶴子
 いよいよ明日、上野千鶴子さんの『当事者主権-私のことは私が決める』講演会。

 午前中に上野さんから、「みどりさん、あしたの資料、いまからでもまだ間に合うかしら?」と電話があった。レジュメは添付ファイルで、資料原稿はFaxで送ってもらい印刷することにした。届いたレジュメを見ておどろいた。A4で2枚に「1当事者主権とは何か? 2当事者に「なる」こと 3「自立」概念の転換・・・・9介護保険と支援費制度」までがびっしり。読んでクラクラした。Faxで届いた資料はB4で9枚。明日は、中身の濃い講演会になることまちがいなし。

 さっそく資料を印刷しようとしたら、紙が足りなかった。と、そこへ、ともちゃんから電話。なんと「ゴルフ場情報非公開取消訴訟」の高裁判決が全面勝訴! 「よかったね。おめでとう。ついでに帰りに紙を買ってきてね」と頼み、届いている本の準備のほうを先に始めた。
判決のことは「てらまち・ねっと」を見てね。

 会場で販売する予定の本は、上野さんの『当事者主権』(岩波新書)50冊、最新刊の『老いる準備 介護することされること』(学陽書房)50冊。上野さんとの共編著『市民派政治を実現するための本』と『市民派議員になるための本』各20冊。2001年12月の上野さんの「わたしが<権威>にならないために」講演録パンフ、100部。このブログでいま話題の『We』の「バックラッシュを打ち負かせ」の特集号3種も10冊ずつ並べることにした。いずれも数に限りがあるので、欲しい人は早めにお買い求めを。

 あしたの準備はだいたい済んだが、なにか忘れ物をしているような気がする。あっ、講演会後の温泉合宿での、セッションの宿題がまだだった!
 『当事者主権』、もういっかい読み直そっと。

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バックラッシュ再考

2005-03-24 08:41:14 | ジェンダー/上野千鶴子
桑名市の「男女平等をすすめる条例」に関連して。
(またまた長いんだけど、ごめん)

「バックラッシュ論争」について、「ジェンダーとメディア・ブロク」にアップされている斉藤正美さんの論文を読んだ。「バックラッシュを強調することへの疑問」、わたしも同じようなことを感じていたと思いだし、送信済みメールを探し、斉藤さんのブログにコメントを書いた。


『以下に、わたしが2003年6月の女性学会大会の「バックラッシュ」をテーマとするシンポに参加して失望した感想をお送りします。これはある方にあてたメールの一部です。
(今ごろ言わないでそのとき言えよ、といわれると困るのですが(笑)市民として参加した率直な感想です)。ちょっと長いのですが、原文のままです。

「・・・・女性学会の報告。初日のシンポジウムはとってもつまらなかった。パネラー3人ともバックラッシュの現状分析だけで、伊藤公雄さんは最初から「今日は行政側に近い(おかかえの)学者としての発言です」とカッコ付きで話にならないし、「バックラッシュにおびえていてはいけないと思った」「選挙が大事だと気が付いた」(亀田さん)、「これからは地域分権がキーワード」(船橋さん)、が結論だったという、えっこれが女性学会???10年遅れてるよー、それに打たれ弱いなぁ、と(失礼)。これではワークショップでの議論も期待できそうにないので「シングルマザーを考える」に出ました。
バックラッシュの有効な対抗手段にどなたも言及されなかったのは残念です。せっかく反論を「女性学会」としてまとめられたのに、それを、いつどこでだれが、どのような手法で使いこなすのか議論されなければ、「絵にかいたモチ」になってしまう。
現場の人間として言えば~条例を意思決定するのは議会なのですが~「声が大きい議員がいるとよい条例でも通らない」「議会はひどい」というコメントがあっただけで、もっぱらロビー活動のことに終始。条例に関しては、根拠法として基本法があるのだから、議会のルールのなかできっちり反論できるし、議会の手続き的にも論理的にも「声が大きい議員」のほうに問題があるので反論できるのに・・・・。
それに条例制定段階での「理念と立法趣旨をめぐる」議会の議事録は、条例の解釈と運用を巡って、あとで司法で係争になった時の、重要な(有効な)証拠となりますから、たとえ通されてしまったとしても、議論の価値はあります。そのためには、議会のルールを熟知し発言できる議員(フェミニストの)がひとり以上いることが必要ですが。
フロアから何か発言すればよかったのかも知れませんが、その気も起きないほどおもしろくなかった、というのが率直な感想です。「つまらんシンポはやるもんじゃない」とつくづく思いました(こんどは責任重大です)。」
(追伸)
「・・・・女性学会のこと。批判しすぎました。
行かないよりは、行ったほうがよかったです。現状もわかったし。
パネラーが研究者ばかりだったからか、バックラッシュに浮足立った雰囲気で腰が引けてて、一面的な議論だったからかもしれません。
メディアを使っての言論でのバックラッシュと、自治体レベルの条例制定への圧力は、根っこはつながっているかもしれませんが、同じものではないと思います。
条例へのバックラッシュは、「既得権をめぐる争い」という視点がないのが残念でした。
市民運動の現場では、バックラッシュどころか、つねに相手は国や利害関係集団の総力戦で、その中で孤立して闘うのは当然のことですから。
バックラッシュの現場も文脈もさまざまですから、仮想敵ではなく、ひとつひとつの起きる現実に確実に対抗して、経験と理論を積み重ねながら、そのノウハウを共有し、ネットワーク化していくことで、現実の状況が変わっていくのに、と思います。
力をつけた市民派議員に対するバックラッシュを予想して、先に対抗手段の答えを出してしまおう、というのが、こんどのシンポを企画しようとしたきっかけです。いっそ「条例へのバックラッシュにどう対抗するか」を分科会にいれましょうか(笑)。ではまた。」』

このときわたしが企画していたシンポとは、2003年11月の「市民派議員アクションフォーラム」のこと。メールの送信先は、上野千鶴子さん。
このフォーラムは、現場の議員と市民と研究者(上野さん)が、それぞれの視点と立場から、共有する問いに、理論的・実践的に答えようとする試みでした。フォーラムの10時間に及ぶディスカッションの記録を精選し再構成した、まさにバックラッシュに対抗する手法を書いた本が、昨年5月に刊行した、
『市民派政治を実現するための本』(上野千鶴子・寺町みどり・ごとう尚子共編著/コモンズ/2004)です。

意見のある方、コメントをどうぞ。


斉藤さんの論文と「ジェンダーフリー論争」はここ。

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最近よんだ本

2005-03-23 23:50:46 | ほん/新聞/ニュース
2日つづきで長かったのでみじかく。
最近よんだ本。

今日、講演会の最終打合せの時、岐阜・三省堂で買った、
『女性学との出会い』(水田宗子/集英社/2004)。
『はじめてのウェブログ』(山本尚子/秀和システム)。

佐賀の帰りに、岐阜で手に入らない本を、
名古屋・三省堂でまとめ買いしたんだけど、
その後、いそがしくてほとんど積ん読。

『クィア批評』(藤森かよこ編/世識書房/2004)は、
序論の「リバタリアン・クイア宣言」がおもしろくて、
その日のうちに読んだ。

仕事の合間に読んだ本。
「小説すばる新人賞受賞作」で話題の、
『となり町戦争』(三崎亜記/集英社/2005)~あんまりおもしろくなかった。
『司法のしゃべりすぎ』(井上薫/新潮社/2005)
『時間の止まった家 「要介護」の現場から』
 (関なおみ/光文社/2005)
『さおだけ屋はなぜつぶれないのか?』
 (山田真哉/光文社/2005)
『世界』(岩波書店)4月号の特集「ジェンダーフリーって何?」

図書館で借りた新刊書、10冊は手付かず。
でも読みたいときに本がないと落ち着かないので、
読む本があるのはしあわせかな。

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ゾクゾク・どっこい条例は生きている!

2005-03-22 20:11:11 | ジェンダー/上野千鶴子
桑名市の「男女平等をすすめる条例」について、「ジェンダーとメディア・ブログ」に書いたコメントに対し、斉藤さんからコメントがあった。

『・・・・桑名市の例で、合併と条例の扱いについて大変勉強になりました。私の地元の条例にあてはめても参考になるものでした。桑名市は合併による失効状態とみなし、早く、しっかりした上程案を議会に出すようにプッシュすることなんですね。私の地元高岡市の例でも合併のどさくさ紛れにおかしいなと思うことがあり、「条例は合併時に要注意」を広く全国に知らせたいと思い、昨年12月の東大ジェンダーコロキアムでの「ジェンダーフリー」をめぐる企画立案にもかかわりました。おそらく全国で形は違えどチェックしていないと後の祭りということが起きるんじゃないかと心配なのに、どこからも条例と合併に関する議論が出てきません。橋本さんも条例制定運動の旗振り役なんだから、それが合併でどうなるのか、どうなっているのか、条例と合併に関する議論でも積極的な役割を果たしてほしかったのですが、こんな形で反対向いてミスリードとは。条例制定の流れの現況が心配です。
みどりさん、ぜひ条例と合併に関する情報を出していきましょう。』

わたしのブログを読んだ人からも、「来年1月に合併する都城市の条例が心配」とのメールをいただいた。
メールに、こんなお返事を書いた。

『・・・・この条例と合併の問題は、現在は注目されていませんが、この「男女平等」の分野だけでなく、「市民自治」「環境」「教育」などの市民参加型の、条例の今後のゆくえにも深く関係するものです。
せっかく作った制度や条例が、水面下で消されてしまうなど、きっと法律をつくったひとたちにも想定外の(ありえない)ことです。
基本的な自治体のシステムとルールを、議員や学者(行政関係者すら)が熟知していないことと、法をつかって闘う手法を、知らないことによって起きていると考えています。

そもそも、合併によって失効するのは、この男女平等条例だけではありません。
旧市町村のすべての法人格が消滅することに伴い、条例・規則のすべて、特別職職員の全員が失職し、首長も議員も職員も身分を失い、予算(政策)も含めて、自治体システムのすべてが、〇月〇日24時0分0秒を持って、いったんなくなるのです。
それで、合併前から助走している法的合併協議会での決定事項を引継いで、新しい市が、翌日0時0分0秒に立ち上がるのです。消滅するのと誕生するのは、同時です(でなければ、無政府状態のはだかの市民だけが残ることになる)。これが合併というシステムです。

都城市の条例のことは「全国ではじめて『性的指向』という言葉を入れた条例」と聞いたことがありますが、詳しくは知りませんでした。
法的合併協議が合意済みで、「男女共同参画社会づくり条例は、都城市の例を基に新市において新たに制定するものとする」ということなので、法的に、条例は当然、新市に引継がれます。
条例が一票差で成立したということは関係ありませんし、議会勢力がきっ抗していることも、関係ありません。一たん制定・施行されている条例とはそういうものです。その意味では、制定したのは議会かも知れませんが、「条例は市民のもの」です。でもじっさいには、その条例をこころよく思わない勢力が、合併の混乱に乗じて、変則ルールで、条例を改悪したり、消したりしようとしているのです。
それが、桑名市の例です。
その勢力に対抗するには、法的ルールを熟知して、議会や行政を監視し、当事者(その条例が必要なひとたち)が、条例を守っていくことが必要です。桑名市の場合、よい条例を制定したところまでで安心して、学者も市民も、バックラッシュ派のデマや攻勢に腰がひけていたと思います。
友人の小川まみさん(市議)からは、意見を求められればアドバイスしていましたが、『正論』1月号には、名指しでひどい書かれ方をしていて、それは裏返せば、まみさんが現場で孤立無援だったということです。もう少しわたしにできることがあったのでは、と悔やんでいます。だから、これからはこの問題を情報発信し、サポートしていきたいと思っています。
ここで、「条例は政治的圧力でなくすことなどできない」と広く知らせ、「廃止」「失効」と言うデマをとばされている桑名市の条例を、法的手続きのとおりに制定・施行させることができれば、後に続く、都城市の条例にも、大きな影響があると思います。そういう意味で、桑名の条例は正念場です。

わたしは市民ですが、ずっと現場でたたかってきた人間ですので、無党派・市民派議員と政治を変えたい市民とともに、行政法や自治体システムやルールを使って、有効に闘う手法を伝える勉強会をしています。
議員向け勉強会の講師をすることが多いので、他のひとよりは、自治体システムに精通していますし、条例の立案・意思形成・意思決定・施行については、たぶんそこらの学者より詳しいです。(議員だからといって、ルールを知っている訳ではありません。「議員になる」ことと、「議会でちゃんと働く」ことは別物です)。
たまたま、上野千鶴子さんと組んで、『市民派議員になるための本』と、『市民派政治を実現するための本』を出したのですが、それまで、この業界では、無名でした(笑)。
都城市の合併は来年1月とのこと。
法的には条例は引継がれるのですから、想定しうるすべてのシミュレーションをして、対抗手段を考えておかれれば、じゅうぶんに対抗しうる、と思います。その前に、ルールを熟知しておくことが不可欠ですが。・・・・・』

夕方のテルテルさんのコメントは、「たった1行されど1行 」。

『「We」の橋本さんの一行の重大さに気がついた人がいた。私は言われても最初その意味が理解できないというお粗末さだった。寺町みどりさんの感度のよさに脱帽。合併のどさくさに紛れて、「桑名市の男女平等をすすめる条例」をなくしてはいけない。このことはわが町のことでもあるんだと痛感。私を含め、みんなもっとアンテナを研ぎ澄ませようよ!!』

橋本さんの文章を読んで、「おかしい!間違いだ」と直観ははたらいたけれど、これをちゃんと説明するには苦労した。テルテルさんにほめていただくのはうれしいが、最初からすべて知っていたわけではない。佐賀に行く前から、まずITで桑名市の議会の議事録と合併の資料を探した。つぎに法的合併協議会の議事録と合併協定を探し、その解釈のために分厚い『逐条地方自治法』、『合併特例法』の全文を読んだ。いろんなキーワードの組み合わせをITで検索し、地方自治法施行令3条を見つけ、法的&論理的に整合性がある説明ができた時はうれしかった。
ついでに分かったことは、「条例を失効せよ」と決議した旧桑名市の議員たちも、じつは合併と同時に失職(身分を失う)してるんだよね。合併特例法の原則は、「関係市町村の議会の議員全員が身分を失い、新たな議員の選挙を行う」。特例として「全市町村の議員がそのまま在任する」だけ。自分たちは、この合併協定の在任特例で首がつながっているのに、条例だけは失効させろとは、虫のいい話だと思うけど。
ついでのついでに言えば、たとえば、「A議員だけ気に食わないから、合併時の身分を失わせろ」って決議したら、ひとりだけ新市の議員になれないのかなぁ。そんなわけないでしょうに。気に食わない職員だけ失職したままにもできないのも同じ。新市長が条例を上程しないのは、抵抗勢力の政治的圧力に屈しているだけ。だから、市民の側の運動をつくって世論を盛り上げ、市長にちゃんと法的ルールを守らせないとね。

今までで、最長のブログ。
長いときらわれるから、かるーく書くことを原則にしてるんだけどね。
読んでくださって、ありがとう。
コメント、書いてくださるとうれしいです。

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