みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

チェンジの年、2009年を振り返る/新聞各紙の社説

2009-12-31 19:18:41 | ほん/新聞/ニュース
2009年、大晦日です。

28日,29日に北陸に行ってきました。
  
奮発して、タグつきの越前ガニを一匹ずつ。
    
蟹より魚が好きな人は船盛り。




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今年は「市民と政治をつなぐ P-WAN」を開設し
毎日ニュースをアップしてきました。

ということで、今年最後にアップした、新聞各社の社説です。

 社説:チェンジの09年―明日に向け変革の持続を
2009年12月31日(木)付 朝日新聞
 
大みそかの話。心を入れかえた男は家業の魚屋に精を出した。飲んだくれていた3年前とは大変わり。満ち足りたいまがある。その時、女房が汚い財布を持ち出してきた。ああ、夢だと思った42両が入ったあの財布。ああ、良かった、あの時お前が隠してくれたおかげでおれは変われたんだから。
 亡くなった円楽さんも得意にした落語「芝浜」の山場の情景である。
 変わるのは大変なことだ。これまでの習慣や生活を変えて、新たな暮らしを始める。変えようと継続する意志の強さ。生半可ではできない。

 ■やりきれない閉塞感
 人ひとりでもそうなのだ。まして社会や世界の話となると難儀である。
 2009年は大変革の年だった。世界、日本で変化、変革が実現した。しかし、いま「変わることとは何だろうか」と皆が考え込んでもいる。
 米国では「チェンジ」を唱えるオバマ氏が大統領に就任した。
 時あたかも歴史的な危機の中だった。軍事力と並び覇権国の力の源泉だった金融力が、まさに内部から溶解現象を起こしていた。原因は自業自得とも言える強欲だ。
 世界大恐慌の二の舞いとなる寸前のうねりを押しとどめ、米国を立て直す期待を担って登場したのは、伝統的なエリート層やウォール街の出身者ではない。ケニア人留学生の息子にして初の黒人大統領。主役の交代を象徴する出来事だった。
 日本では自民党が権力の座から転がり落ちた。ばらまきを支えた好況は過去のものとなり、残っているのは巨額の国家債務だ。国民に豊かさの実感はなく、格差は広がり、若者が希望を持てない社会だと誰もが言う。
 やり切れないほどの閉塞(へいそく)感を何とかしたい。国民の期待を託され、戦後初の選挙による政権交代で民主党の鳩山由紀夫氏が首相に就任した。

 ■報われる社会へ
 変化、変革の風を受けて政権についた2人は、その言葉の重さを十二分にも意識していたろう。「世界が変わったのだから、それに伴って私たちも変わらなければならない」。1月の就任演説でオバマ氏は米国民、そして世界に呼びかけた。
 鳩山氏も10月の所信表明演説で「現在、内閣が取り組んでいるのは『無血の平成維新』だ。国のかたちの変革の試みだ」と述べた。
 そもそも、変化や変革とは一体何だろ 中国文学者の白川静氏によると「変」は神への誓いの言葉を入れた器を打つことを表す文字で、改めるの意味になる。「革」は頭から手足までの全体の皮をひらいてなめした形で、生の皮とすっかり異なる姿を示す。従来の約束を破り、様変わりすることだ。
 20年前、冷戦が終わって世界は様変わりした。しかし社会主義に勝ったはずの資本主義はいま、袋小路に入り込んでしまった。時代は、ひどくあいまいで、立ちすくんでいる。
 「ここから私たちはどこにいくのか。そして何をすべきか」。もうひとごとではない、と感じ取った人びとが、その答えを「チェンジ」と、その先に求めたのではないか。
 私たちの前には、変えるべきものが山のようにある。地球規模の問題としてはオバマ氏が提唱し、共感の輪を広げた「核なき世界」。先のデンマーク会合で先進国と途上国の対立があらわになった「地球温暖化対策」……
 日常生活を見れば、急速に進む少子高齢化がある。衰退の危機が声高に語られ、そこに変革の課題もある。土建国家から、弱者も安心して住める福祉社会への転換。格差から、働く意欲のある人が等しく報われる社会へ。
 そして、戦後の安全保障の負の部分を、沖縄という一つの県と住民に担わせてきた現実をどうするのか。
 核なき世界とは圧倒的な抑止力を自ら放棄することだ。その代役を何に求めるのか。通常兵器の軍拡、通常戦争の蔓延(まんえん)になっては元も子もない。

 ■負担を分かち合う
 地球温暖化問題も、CO2を先食いして成長を遂げてきた先進国という既得権者と、これから豊かになろうとする途上国とが折り合う方法を編み出さねば、世界の未来は展望できない。
 「コンクリートから人へ」。日本の国造りの転換を掲げる民主党の問題意識は、国民の支持を集めた。立派な道路や建物がつくられてきたが、人間の安心、安全のための社会保障制度や、小さくても役に立つ福祉施設などは、おろそかにされてきた。国の資源配分の構造を思い切って変える時だ。
 しかし、地方経済は公共事業に依存し雇用も支えられてきた。国造りのベクトル転換で、新たな産業を生み出すようにする知恵と工夫がいる。
 弱者も安心して住める社会の実現には、富める者がこれまで以上に負担する必要がある。非正規雇用を減らすには、正規雇用者の賃下げやワークシェアリングの議論も避けられない。苦労や痛みを分かち合うことで、私たちの明日を作る力も生まれてくる。
 オバマ演説に戻る。「試練の時に、この旅が終わってしまうことを許さなかったと語られるようにしよう」。変革の決意を国民と未来の世代に伝えようとした言葉だ。
 私たちも果敢に挑むしかない。その先に希望があると信じ


社説:2009年を振り返る 変革の芽を育てたい まだコップに水はある
2009.12.31 毎日新聞

 09年は世界にとって大きな政治変動があった年と記憶されそうだ。
 米国には建国二百有余年で初の黒人大統領が誕生し、日本では憲政史上これも初めてと言っていい本格的な政権交代が行われた。冷戦が崩壊して20年の年として、欧州連合(EU)は大統領を選ぶまでに政治統合を進め、世界の運命を決める舞台は、「G8」から「G20」に移った。内外における驚くべき政治主体の入れ替わりである。これが政治力の復権につながるのか、政治に対する無力感を再生産するだけなのか、大きな岐路にも見える。

 ◇日米の政権交代の意味
 8月30日に行われた衆院選でなぜ民主党が地滑り的な大勝を収めたのか。民意を増幅する小選挙区制度も一因だろうが、何よりも国民が、戦後長期間続いた従来型政治に決別し、別の新しい政治を意識的に選択したことにあろう。
 その背景には、日本をめぐる諸環境の変化がある。止まらぬ少子高齢化とそれに対応できずきしみをあげる社会保障制度。リーマン・ショックで傷ついた日本の外需依存型経済モデルと膨張し続ける財政赤字。最大の同盟国・米国の政治、経済覇権の落ち込みと中国を軸にしたアジアパワーの興隆。これら構造的変化を伴う新事態対応や難題解決は政治にしかできないことを承知の上での投票行動だったと推察する。
 こういった国民の負託に新政権がどれだけ応えているかについては心もとないところもある。年末の予算編成を終わってみてマニフェストがどの程度実行されたのか。約束された財源をどれだけひねり出すことができたのか。持続可能な年金・医療・介護の制度改革の設計図ができたのか。何よりも説得力のある新成長戦略が見えていないし、財政規律については何の回答も出ていない。外交・安保も普天間移設問題で足踏みばかりが目立っている。
 だが、角度を変えてみると、少子高齢化対策への第一歩としての子ども手当はスタートを切ることができ、外交・安保政策は不協和音を立てつつも在日米軍基地のあり方という、安保改定50年に向けた根源的な議論に踏み込もうとしている。
 次に、米国をどう見るか。政治的には一極突出の対決型、経済的には金融至上主義的な価値観がいずれも破綻(はたん)、米国民はやむにやまれず、オバマ新大統領による多極的・協調型政治を選択した。もちろんこれもすべて成功しているわけではない。経済はとても回復軌道に乗ったとは言い難いし、アフガニスタン増派、テロ未遂とまだまだ国難が続く。ただし、こうも言えないか。米新政権は、カイロ、プラハの演説で世界に新しい目標を与え、内政面では医療保険法案をめぐる議会への粘り強い説得で米国社会を自己改造しつつある。
 欧州の動きも見逃せない。2度の大戦の反省を原動力にする政治統合の試みは、ついに加盟を27カ国に増やし、新基本条約「リスボン条約」の発効で、EU大統領(欧州理事会常任議長)を新設するところまできた。この体制下では警察・司法も段階的に統合され、移民・難民政策も共通化が推進されるという。

 ◇「G20」の政治力に注目
 これら3極、つまり、日米とEUを軸とした国際協調システム「G8」体制もこの1年ですっかり「G20」に権限移行しつつある。リーマン後の世界経済立て直しは、ブラジル、ロシア、インド、中国のBRICs各国の協力を得なければとてもなしえる仕事ではなかった。
 もちろん、「G20」の政治力は未知数である。年末に行われた国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)の結果がその参考になろう。G20の意向を無視できない会議だったからだ。結果的には先進国、途上国の対立で法的拘束力のある合意には至らなかった。だが、世界の4割の温室効果ガスを排出する米中2国が最後まで議論の土俵から下りなかったことは今後のてがかりになるのではないか。
 この1年は、世界のグローバル化が一層進んだ年でもあった。リーマン・ショックの一気呵成(かせい)の波及と「G20」による財政・金融政策の協調的実施、インフルエンザのあっという間の国際的な広がりとその対応の地球的協力、エネルギー・食糧問題もしかり。自国の庭先だけを掃いていればすむような時代ではなくなった。情報の正確、迅速な受発信と、コミュニケーション能力に裏付けられたたくましい協調精神が必要だ。
 今年始動した裁判員制度にも触れたい。制度実施前のさまざまな不安、問題点の指摘はあったものの、ここまで見る限りは、司法の民主化という側面で大きな実績を上げているのではなかろうか。裁判の迅速化、透明化だけでなく、民主主義の基盤となる良識ある成熟した市民が広範に存在することがよくわかった。
 コップに半分の水がある。半分しかないのか、まだ半分もあるのか。変革の芽はある。芽しかないのか。政治をどう生かしどう自らを救うのか。その力は実は我々国民の側にあるのではないか。


【社説】日本人の見えざる変化 大晦日に考える
中日新聞 2009年12月31日

 変わらないようで変わる。政権交代は劇的な変化でしたが、見えない部分でこそ日本人の変化は起きているのではないか。今年を振り返りましょう。
 秋、千葉・幕張の東京モーターショーでのことです。日産の展示は、リーフと呼ぶ電気自動車でした。担当の男性技術者-。
 「ぼくは前はスカイラインの開発をしていました。今はこれ(と指さし)電気自動車です。空力特性もすごいんですよ」

 意気込む自動車技術者
 日産の社長兼最高経営責任者のカルロス・ゴーン氏は電気自動車に最精鋭を投入。スカイラインをつくる日本の職人たちは、ゴーン氏という黒船によっていち早くより深く世界市場を意識した…。技術者の熱い話しぶりは経営と現場一丸で走るという印象でした。車載電池はフランスのルノーと共用です。
 工場が海外へ出て行き、日本の製造業はピンチです。経営者も技術者も日本で世界を相手に競う。エンジンからモーターへのように仕事は変わる。でも日本の高度技術者、熟練の職人たちは元スカイライン開発者のように変えられるより自ら変わる方を選ぶでしょう。そういう意識の変化はどこでも始まっている。時代とともに人が変わるとはそういうことです。
 この夏、裁判員裁判が始まりました。暮れまでに五十地裁で八百三十六人が裁判員を務め、百三十八件百四十二人に判決を言い渡しました。
 ある裁判の裁判員記者会見を見ました。
 マイクを前に座る市民裁判員たちの言葉や表情は疲労と心労をはっきり示していました。人を裁くとは、振り返れば怖くなるほどの重責です。しかし責務を果たした充足感も伝わってきました。
 ひとつ、打ち明け話をすると、裁判員会見は本紙の考えとして新聞協会の会合で提案したことでした。裁判員への接触禁止など取材制限が厳しすぎて、これでは検証不能になると恐れたからです。そこで裁判員の皆さんに協力をお願いすることにしたのです。
 市民裁判員たちが、もちろん不慣れな記者会見で、それでも自分の考えや感想を一生懸命に述べられている様子を前にして、心の中で深く頭を下げました。会見に出てもらえるのか、正直に言えば心配だったからです。
 裁判員裁判にはなお反論もまた改善の余地もあるでしょう。しかし、裁判員の経験を通じ日本人は自らの元よりの力を自覚しつつあるとも思うのです。

 経験主義と現実主義で
 四方を海に囲まれた日本は過去何度も時代の大波に洗われてきました。近代で言うなら黒船来航の明治維新、米国に負けた昭和の戦争の二つです。この難局をどうにか克服できたのは、日本人が古来培ってきた経験主義や現実主義という特質のお陰(かげ)だと思います。
 学者ではないが鋭い文明批評家だった長谷川如是閑は、明治維新の欧化は日本人にはごく自然なことだった、と述べています。彼自身、英米デモクラシーの支持者でフランスやドイツの急進的また思弁的な思想よりも英米の経験や現実重視の方が日本に適合すると考えていました。
 もう少し如是閑の話をすると、彼は明治八年、東京・深川の生まれ。祖父は大工の親方、父は木材問屋。自ら職人気質の江戸っ子と誇り、そのことを愛していた。
 著書の「私の常識哲学」では、ある友人は建築場で冬でもないのに、どてらに昔風の固いカンカン帽だ、なんて書いていました。建築場ではいつ上から物が降ってくるかもしれないから、というのです。冗談のようですが、そういう経験的で現実的な行動は、日本人ならだれでも、ああそうだね、と思い当たるところなのではありませんか。
 そういう日本人論が彼の本意であり、彼は英国の哲学者バートランド・ラッセルの、英国の哲学は哲学否定の哲学である、という言葉が大好きでした。

 弱肉強食をこえた生存
 政権交代がありました。国民は政治の行き詰まりを実感していました。しかしそのずっと前、地方自治は変わり始めていました。役所仕事、税の無駄遣いに対する不満が元気な知事や市長を当選させた。日本人の現実主義は身近なところから現実を変えたのです。
 今年はダーウィンの生誕二百年でした。その進化論いわく、強いものが生き残るのでなく、賢いものが生き残るのでもなく、環境に適応したものが生き残る。弱肉強食、ジャングルの掟(おきて)をこえたところに適者生存、静かなる変異の本質はあります。
 このしなやかさも見えざる変化の一つかもしれませんね。
 未来とは夢想ではなく経験と現実が築くのです。


2010年は、すぐそこまで来ています。

   よいお年を!

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読む政治~厚労相「主役」果たせず/迷走する「子ども手当」のゆくえは・・・

2009-12-30 10:34:14 | ほん/新聞/ニュース
2009年もあと二日。

昨日につづいて、毎日新聞記事が続きます。

読む政治:厚労相「主役」果たせず(その1) 診療報酬増、官邸が裁定
毎日新聞 2009年12月27日

 「うだうだ言わんと、総理の意思だから決めてほしい」
 10年度の予算編成が大詰めを迎えていた23日午前、平野博文官房長官は首相官邸に藤井裕久財務相と長妻昭厚生労働相を呼び、強い口調で迫った。
 10年度の診療報酬改定は財源難から減額を迫る財務省と、医師不足対策として増額を求める厚労省の折衝が暗礁に乗り上げていた。平野氏の前で0・31%増を主張する長妻氏に、藤井氏も0%増まで降りたものの、それ以上は譲らなかった。
 業を煮やした平野氏は「藤井さんはオレが説得する」と長妻氏を退室させた。「0・19%増で」。平野氏の提示に、藤井氏は最後、10年ぶりとなるプラス改定を受け入れた。
 「医療崩壊現場の切実な声が届いた」。晴れやかに語った長妻氏だが、マニフェストの修正に批判が集まる中、診療報酬増も撤回するなら政権が持たないと判断した、官邸側のおぜん立てに乗ったのが実情だ。また増額の裏には、来年の参院選をにらんだ民主党の政治的思惑もちらつく。
 「民主党の政策には、うなずける点も多いと思っていました」
 10月14日、国会内に民主党の輿石東参院議員会長を訪ねた日本歯科医師会の大久保満男会長と、その政治団体、日本歯科医師連盟の堤直文会長は、輿石氏にそう語りかけた。
 2人は10月7日には党本部に小沢一郎幹事長を訪れ、共ににこやかに写真に納まっている。この時期の医療団体の訪問は、たとえ表敬でも診療報酬増の陳情含みというのが暗黙の了解事項だ。
 日歯連は長年、組織代表を自民党から国会に送り出してきたが、政権交代直後、既に自民党からの参院選出馬を決めていた組織内候補の擁立をやめ、民主党支持を鮮明にした。一方、焦った日本医師会は従来の自民党支持方針を白紙に戻したものの、自民現職の組織代表を推す方針までは変えられずにいる。
 民主党の政府への重点要望18項目には診療報酬増も盛り込まれ、主導した小沢氏はわざわざ歯科増額の重要性を明記した。終わってみると、報酬の伸びは医科1・74%に対し、歯科2・09%。近年は両者同率で、差をつけるのは異例のことだ。
 「カネで日医をけん制する政治判断など、政局が不得手な長妻氏にはできない」
 民主党内には、そんな見方が広がる。
      ◇
 鳩山政権発足100日目の24日、子ども手当の財源問題が決着し、前夜には診療報酬も片づいた。いずれも厚労省の重要政策だ。それなのに、長妻氏が意思決定に深く関与した跡はうかがえない。

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読む政治:厚労相「主役」果たせず(その2止) 悔しさにじませる長妻厚労相
 <世の中ナビ NEWS NAVIGATOR>
 <1面からつづく>

 ◇子ども手当 「首相頼み」実らず
 ◇党の言う通りにしないといけないのか、国会答弁で説明責任を果たすのは私じゃないか
 クリスマスイブの24日午後、長妻昭厚生労働相は厚労省10階の大臣室にこもり、全国市長会長の森民夫・新潟県長岡市長や全国町村会長の山本文男・福岡県添田町長らへの電話に追われていた。
 「何とかご理解いただけませんか」。中学3年生までの子どもへ一律2万6000円(10年度は半額)を支給する子ども手当には、土壇場で地方負担が残った。そのことを釈明する長妻氏に森氏らは冷淡で、全国知事会長の麻生渡・福岡県知事はこの日、電話に出なかった。
 年末の予算編成過程で、政権内は子ども手当を巡って百家争鳴となった。民主党はマニフェストで、所得制限を設けず、財源は全額国費と約束し、長妻氏もそう語ってきた。にもかかわらず、財政難から所得制限の導入と、地方にも財源を求める構想が急きょ浮上したためだ。
 17日早朝、長妻氏は厚労省幹部に「党の言う通りにしないといけないのか」と戸惑いを見せた。前夜、民主党の小沢一郎幹事長は、政府に子ども手当への所得制限を明記した要望を突きつけていた。長妻氏は省の幹部会で「内閣が決める話だ。国会答弁で説明責任を果たすのは私じゃないか」と悔しさをにじませ、昼には記者団に「所得制限を設けないのが制度の理念だ」と語った。長妻氏なりの、小沢氏への精いっぱいの反論だった。
 結局、所得制限は21日夜、すったもんだの末、鳩山由紀夫首相の判断で見送りが決まり、結論は診療報酬同様、長妻氏の主張通りとなる。それでも、長妻氏には党幹部らに意見表明する場さえ与えられなかった。首相が判断を示した直後、長妻氏は記者団に「第一報をたった今、お聞きした。どういう考えか確認しないと……」と漏らしている。
 厚労省単独ではらちがあかない地方負担の問題も、長妻氏に重くのしかかった。地方は児童手当に約5700億円を投じている。財務省からこの地方負担分を子ども手当に回す案が伝わり、原口一博総務相は「地域主権担当を返上する。やってられない」と猛反発していた。
 困り果てた長妻氏が頼ったのは、鳩山首相だった。
 長妻氏は10月、生活保護の母子加算復活を狙って首相公邸に乗り込み、直談判した首相から「年内」の約束を取り付けた。首相はその際、「何かあればいつでも来てください」と伝えていた。党内に基盤のない長妻氏には、首相が貴重な厚労行政への理解者と映った。
 ところが、長妻氏の「困った時の首相頼み」には、政府内にも「ルール違反だ」との批判がわき起こる。12月9日朝、長妻氏はインドネシア訪問直前の首相を訪ね、子ども手当の全額国庫負担を求めたが、首相は「菅(直人副総理兼国家戦略担当相)さんが担当している。そこで調整を」とつれなかった。
 その菅氏と、藤井裕久財務相、原口総務相、長妻厚労相の4大臣は23日、今の児童手当の枠組みを残し、子ども手当を上乗せする奇策に合意した。地方に引き続き負担をさせるための苦肉の策だが、11年度以降の地方負担がどうなるかはハッキリさせていない。
 原口氏はライオンの頭とヤギの胴体などを持つギリシャ神話の生物に例え、「これはキメラ案だ」と吐き捨てた。神奈川県の松沢成文知事は「子ども手当は予算化しない」と反発を強めており、年明けには波乱の第2幕が開く気配も漂う。

 ◇年金改革 得意分野も試行錯誤
 不慣れな政策に頭を痛める長妻氏にとり、閉塞(へいそく)感を打ち破れるのは得意の年金だ。
 長妻氏は低年金・無年金の人への対策として、国民年金改革の検討を始めた。今の制度は未納分の保険料を2年しかさかのぼって払えないが、これを10年に延長しようとしている。国民年金は25年間納めなければ受給権が生じない。10年間の事後納付を認めることで「25年」に満たない人を救済できるなどのメリットがある。とはいえ、年金分野も多くは試行錯誤が続く。
 長妻氏は年金記録を消された人の救済策として、納付の証拠がなくとも本人の申し立てで記録を回復させる法律の必要性を唱えてきた。厚労相に就任するや法案化に着手し、原案を作り上げた。
 だが、社会保険労務士から誤裁定(不正受給)を懸念する声が寄せられ、長妻氏も「誤裁定はイヤだな」と、断念に傾いた。
 旧式の手書き記録とオンライン記録の照合も、10、11年度で集中的に進めるとした構想はずれ込みそうだ。長妻氏が職員を怒鳴り上げて概算要求に計上させた照合費用は、財務省の手で要求の半額に近い427億円に圧縮された。
 民主党は12年度から年金制度を一元化し、税による最低保障年金を設ける制度改正に着手すると公約している。しかし、増税を封印する政権の下、財源問題一つとっても容易ではない。
 政権交代後、厚労省の栄畑潤年金局長は長妻氏に「年金制度改正に向け、有識者会議を発足させましょうか」と打診した。しかし、長妻氏は「イヤ、君らが水面下で勉強しておいてくれ」と答えるにとどめたという。
     ◇
 佐藤丈一、塙和也が担当しました。
(毎日新聞 2009年12月27日)



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子ども手当:11市「地方負担応じぬ」 8割が反対--東海70市毎日新聞調査
毎日新聞 2009年12月26日 中部朝刊

 10年度から実施される子ども手当の一部を地方自治体が負担することについて、毎日新聞は24、25両日、東海3県の70市にアンケートを実施した。回答した67市のうち8割近い53市が反対し、うち11市は「負担に応じない」と答えた。「負担に応じる」とした27市も「住民が不利益を被るから」などの理由からで、「二枚舌政策だ」と政権を厳しく批判する自治体もあった。【まとめ・山田一晶】

 ◇事前協議なく怒り
 回収率は95・7%。地方負担に「やむを得ない」と理解を示したのは愛知県東海市、岐阜市、津市など8市。「厳しい財政下での暫定措置だから」(愛知県安城市)などの理由からだった。
 一方、「反対」と答えた自治体が指摘したのは(1)民主党のマニフェスト(政権公約)に反する(2)政権が掲げる地方主権の理念に反する(3)子ども手当と児童手当の併存で自治体の事務がさらに煩雑になる--などの理由。全額国庫負担を前提に来年度の予算編成に入っていた自治体も少なくなく、地方との事前協議がないままの決着に怒りをあらわにする回答もあった。
 中でも、「市民に渡る手当の額が減っても負担には応じない」と宣言していた三重県松阪市の山中光茂市長は25日、記者会見し「全国の首長と連携して闘う」などと強調。同市はアンケートへの回答でも「財源が足りないからと地方に押し付けるのは詐欺だ」と強い不満を示した。
 ただ、地方負担に反対であっても「具体的な対応策がない」(愛知県西尾市)、「法律で決められれば応じざるを得ない」(同県愛西市)などと打つ手がないのが実情。「負担に応じない」とした11市も、最後は折れざるを得ないとみられる。
 民主政権に対し「期待が大きかっただけに失望も大きい」(安城市)、「もう少し定見を持ってほしい。独断すぎる」(岐阜県美濃市)、「マニフェストの実現だけでなく、市町村をもっと大事にすべきだ」(同県可児市)などと指摘する自治体もあった。
(毎日新聞 2009年12月26日)

 

子ども手当財源確保…現行の児童手当活用
(2009年12月24日 読売新聞)

 菅副総理、原口総務相、藤井財務相、長妻厚生労働相の4閣僚は23日の協議で、子ども手当の財源の一部を地方自治体と事業主が負担することを決めた。厚生労働省や地方自治体などは全額国費負担を主張していたが、厳しい財政状況が続く中で、地方負担を求めていた財務省の言い分が通った格好だ。一方、子ども手当創設に伴う財政負担の軽減を期待していた地方自治体は反発を強めている。
 子ども手当の財源には、2010年度は現在の児童手当の仕組みを維持して活用する。地方負担は、児童手当(09年度予算で約5680億円)とほぼ同じ水準になる。
 ただ、現在の児童手当に月1万3000円の子ども手当が上乗せされるわけではない。例えば、児童手当を月5000円支給されている世帯には、形式的には児童手当5000円と子ども手当8000円が支給されることになる。
 民主党は予算の重点要望で、子ども手当の財源について「地方には新たな負担増を求めない」としていた。児童手当の仕組みを維持するのは、地方負担への理解を得やすくしたいという狙いがある。
(2009年12月24日 読売新聞)


おとといから、北陸に行ってきました。

その報告はまた改めて。

ではまた。

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コメント (2)

12月28日(月)のつぶやき

2009-12-29 00:38:51 | 花/美しいもの
09:38 from web
ブログのアクセスが1900もでびっくり。多いのは上野さんの朝日記事でした。●鳩山政権の通信簿:マニフェスト検証 発足100日(毎日新聞) http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/d3f638b428f66416ab46f6693c3132f0
by midorinet002 on Twitter
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社説ウオッチング:鳩山内閣100日

2009-12-29 00:14:14 | ほん/新聞/ニュース
今日は出先にいますので、予約投稿。
鳩山内閣100日の毎日新聞記事、昨日の続きです。

 社説ウオッチング:鳩山内閣100日 各紙の違い、より鮮明に
毎日新聞 2009年12月27日

 ◇毎日など「期待・注文型」
 ◇読売・産経「批判型」

 09年は政権交代の年だったと歴史に刻まれることになるだろう。それを念押しするように年末も税制改正大綱や来年度予算案の決定、そして鳩山由紀夫首相の元公設第1秘書の在宅起訴(政治資金規正法違反罪)と、それを受けた首相の釈明会見……と新政権に関連する大きなニュースが続いた。

 24日は内閣発足以来、ちょうど100日にあたる日だった。米国では大統領就任後100日までを「ハネムーン」と呼び、メディアは批判を控える習慣がある。私たち日本の新聞にそうした慣行があるわけではないが、日を追うごとに政権に対する論調が各社とも厳しくなっているのは確かだ。
 ただし、毎日、朝日、東京が依然、政権に期待をつなぎ、「注文型」の社説が目立つのに対し、読売、産経は発足当初から「政権批判型」、日経はその中間に位置している--という構図は基本的に変わっていない。いや、100日が経過し、一段と各紙の立ち位置の違いが鮮明になってきたといえるかもしれない。
 偶然ではあろうが、100日を節目ととらえ、総括する社説を載せたのは、批判型の読売、産経を除く4紙だった。
 毎日は24日、「変化」と「迷走」の両面を示したと100日を総括。行政刷新会議の事業仕分けや、外務省が対米密約の検証を進めている点などを挙げ、「内閣がさまざまな新機軸に挑んでいることは評価できる」と書いた。
 一方で、収拾の方向性を示さず、決着を先送りした米軍普天間飛行場の移設問題や、ガソリン税の暫定税率維持をはじめとするマニフェスト見直しなどについて「鳩山内閣の政策の軸足が定まっていない」と厳しく指摘した。
 そのうえで「内閣への権限集中に向け、態勢を再構築すべきである。政策の参謀となる国家戦略室に明確な権限を与え、内閣に副大臣、政務官など、より多くの国会議員スタッフを送りこめるよう、制度を改める必要がある」と注文をつけた。
 また、小沢一郎幹事長の発言力が強まり、「二重権力」構造になっている問題に対しては「小沢氏の意向を過剰に意識し、なかなか決断に踏み切れない党の体質にむしろ、問題がある」と分析。首相と小沢氏が努めて意思疎通をはかり、廃止した党政調を復活させて、内閣と党の政策決定を一体化させるなど具体的な案も提示した。

 ◇有権者も変化の兆し
 朝日も22日の社説で事業仕分けなどを挙げ、「歴史を変えるとの首相の思いが、まったく実現していないわけではない」と書く一方、「首相、副総理、官房長官ら官邸勢を核に、財務相、外相らが緊密な『チーム鳩山』を形成するべきところ、連携があまりに足りない」と、やはり態勢の問題を指摘している。
 また今の国民意識にも触れ、「首相の実行力不足は歯がゆいが、民主党政権を取りかえなければとまでは考えない。そこには、『お任せ』の民主主義から、みずからかかわっていく民主主義への脱皮が兆している」と書いている。
 東京は23日、「マニフェストは4年間で実現する国民との契約だ。初年度から完璧(かんぺき)にこなすことは難しい」としながらも、「首相の決断力、指導力が疑問視され続けるなら、支持率下落に歯止めはかけられまい」と指摘した。
 日経は24日、「とても合格点はつけられない」と辛口の採点。特に普天間問題では「政府内の対応ぶりは危機的でさえある」「総合的な安全保障の戦略もないまま日米合意の撤回に動けば、長年培ってきた同盟関係を危険にさらすことになる」と書いている。
 読売はそもそも民主党のマニフェスト自体に否定的であり、総選挙直後から見直しを迫ってきた。23日には「政権公約へのこだわり捨てよ」と、子ども手当の支給額削減や所得制限の導入など見直しを重ねて求め、予算案決定を受けた26日の社説でも「予算編成を難航させた最大の原因は、政権公約(マニフェスト)に掲げた政策の実現に鳩山内閣がこだわったことである」と総括している。

 ◇政権公約の位置付け
 毎日は一貫して「マニフェストを守るのが原則」との立場だ。子ども手当も所得制限を設けないよう再三主張し、今回、制限なしとなった点を評価している。ここに読売との大きな違いがある。
 産経は連日のように政権批判を繰り広げている印象だ。24日は普天間問題を改めて取り上げて「鳩山首相の発言の軽さと迷走ぶりはかねて批判されてきた。しかし、普天間をめぐる不信がここまでくると、米側では迷走を超えて『虚言』や『ミスリード』と受け取られかねない。国家の安全や同盟の信頼を預かる指導者として重大な事態といわざるを得ない」と首相の「資質」にも言及している。
 このほか、首相の資金管理団体をめぐる偽装献金事件で首相の元公設第1秘書が政治資金規正法違反で在宅起訴された問題では、25日、毎日をはじめ全紙が首相に批判的な社説を掲げたが、明確に首相の辞任を求めた社説はなかった。ただ、ここでも産経が最も厳しく「政治的かつ道義的な責任をどう取るかを明確にすべきだ」と書いている。
 支持率低下が止まらない鳩山首相にとって、年明けの通常国会は正念場。政治の激動は続きそうだ。気の早い話だが来年夏には参院選が待っている。有権者の選択、判断に資するような前向きな視点を私たちは、これからも提示していきたいと考えている。【論説委員・与良正男】
(毎日新聞 2009年12月27日)
 


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鳩山内閣に対して、厳しい見方をする、こんな記事もあります。

もう鳩山首相をあきらめる?
「友愛」という名の優柔不断が日本を壊す

2009年12月28日(月)日経ビジネス オンライン

 テレビであるニュースを見ていた時のことだ。40年も昔、中学生の時に見たアメリカのSF映画「スタートレック」(1960年代にTV放映されたオリジナルシリーズ)の一場面が私の脳裏に浮かんだ。

「友愛」に満ちた優柔不断
 ある惑星で超常現象に遭遇し、カーク船長が2重人格になってしまう。精神的な2重人格だけでなく、物理的にも2人のカーク船長に分裂してしまった。片方のカークは優しさに満ちた善人である。他方のカークは闘争心に溢れた冷酷な人格だ。
 ところが、善人カーク船長は全く優柔不断で、指揮官としての決断力がない。一方、冷酷カークは戦略的な目的遂行のために部下の犠牲も厭わない決断をする。これを見た科学主任のスポックが例によって片方の眉をつり上げながら言う。「実に興味深い。人間の決断力は冷酷さという性格を連れ添っているようだね」。
 私にこんな昔のTVドラマを思い出させたニュースとは何か、もうお分かりだろう。普天間基地問題の先送りを弁明する鳩山首相の優柔不断だ。以下はある新聞が掲げた社説のタイトルと一節である。

 「普天間先送り──鳩山外交に募る不安:ただ『待ってくれ』『辺野古の可能性も残っている』などと優柔不断な態度を続けるのは日米同盟を傷つけ、ひいては日本の安全を損ないかねない危険すら感じさせる」
 この社説、読売新聞でも産経新聞でもなく、なんと朝日新聞の社説である(12月16日付)。

事業仕分けでは財政構造の大転換など不可能
 「無駄を徹底的に洗い出すと言って財政を組み替えても、社会保障、年金、医療などの義務的な歳出比率の高くなった今日の政府財政からは、民主党のマニフェストを実現するのに必要な年間10兆円規模の『無駄』など出てこない」
 仕分け人らの作業以前から、複数の財政学者がほぼ同様の指摘をしていたが、やはりそうだった。
 日本の財政事情の深刻さについては改めて語る必要もないだろうが、1つだけグラフを掲載しておこう。グラフは日本の家計のネット金融資産(金融資産から負債を差し引いた残高、青線で左目盛)と政府のネット負債(金融負債から資産を差し引いた残高、赤線で右目盛逆表示)である。

 1990年代までは右肩上がりで増加していた家計のネット金融資産は2000年代に入り伸びが頭打ちとなっている。高齢化で貯蓄の取り崩しをする家計が増えるのだから、当然の結果だ。一方、政府のネット負債は右肩上がりの増加基調だ。
 これまで日本経済は貯蓄超過なので、政府債務の規模が大きくても国内の貯蓄だけでファイナンスされてきた。しかし、現在のトレンドが続くと、2030年代初頭には政府債務残高が家計の金融資産を超える「Xデイ(運命の日)」が到来する。
 グラフに示したトレンド線(近似曲線)は無数に考えられるシナリオの1つに過ぎないので、Xデイはもっと早いかもしれないし、回避できるかもしれない。しかし、政治が無策でこのままのコースを辿ればXデイは遅かれ早かれ必ず到来する。地球温暖化問題などよりも早く、かつ確実にやってくる近未来日本の姿である。
・・・(以下略)・・・・・
 


 鳩山首相四面楚歌状態 ネットも社説も「逆風」(J-CASTニュース - ‎2009年12月25日‎)


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鳩山政権の通信簿:マニフェスト検証 発足100日(毎日新聞)

2009-12-28 07:45:27 | ほん/新聞/ニュース
朝起きたらつれあいが「昨日のあなたのブログのアクセス、ものすごく多いよ」。
どれどれと見てみたら、閲覧数:4,488PV 訪問者数:1,974IP もでびっくり。
アクセス解析を見ると、上野さんの朝日be「悩みのるつぼ」に一日で1000以上も。
やっぱり上野さんは人気です(笑)。

鳩山政権が発足して100日。
毎日新聞の「鳩山政権の通信簿:マニフェスト検証」がおもしろいので紹介します。

力作で長い記事ですが、これだけで9500字。
gooの上限1万字なので、他のことを書くスペースがありません(笑)。

関心のある方はお読みください。

 鳩山政権の通信簿:マニフェスト検証 発足100日(その1)
毎日新聞 2009年12月24日

 政権発足100日を前に鳩山由紀夫首相が「国民との契約」としてきた衆院選マニフェスト(政権公約)の一角が崩れた。子ども手当や公立高校の実質無償化を推進し「マニフェスト・ラッシュ」の様相を見せたが、「暫定税率の廃止」で一敗地にまみれ、首相は公約違反を陳謝した。厳しい経済情勢の中、ここで踏みとどまるか、雪崩を打つか。次の100日は鳩山内閣の正念場となる。【及川正也、鈴木直】

 ◆揺れるハムレット首相
 ◇理想と現実、板ばさみ 初の「違反」、当初の自信薄らぎ

 ■政権前夜
 「マニフェストは国民の皆さんとの契約だ。契約を果たさなければ責任を取らないといけない」
 鳩山首相が「マニフェスト実行」を最初に宣言したのは「温室効果ガスの1990年比25%削減」の中期目標だった。首相就任前の9月7日にシンポジウムで表明。同22日ニューヨークでの国連気候変動サミットで「国際公約」として訴え、外交デビューを飾った。
 高い削減目標は国際競争力にも影響しかねないだけに産業界には警戒感が広がったが、首相は記者団に「日本は技術力で困難を乗り越え、世界の経済をリードしてきた。産業界にも将来的にはプラスになる」と自信たっぷりに答えた。
 各閣僚も、組閣当日から「八ッ場(やんば)ダムの建設中止」(前原誠司国土交通相)や「後期高齢者医療制度の廃止」(長妻昭厚生労働相)と相次いで打ち出し、政権が変わったことを国民に強く印象づけた。首相は就任翌日の17日、満足そうに記者団に語った。「イメージ通りだ。マニフェストを実行に移すと明言することは、国民の期待に応える道だ」

 ■22日目
 「マニフェストは簡単に変えるべきではない。それは、時間というファクター(要因)によって変化する可能性は否定しない」
 首相がマニフェストと現実の違いに初めて直面したのは米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題だった。「揺れる心」をのぞかせたのは10月7日。4日後の11日にキャンベル米国務次官補、20日にはゲーツ米国防長官が相次いで来日。翌11月中旬にはオバマ米大統領の初来日も控えており、米側に対し柔軟な姿勢を示しておく必要があった。
 ただ、この段階ではマニフェストへのこだわりはなお強い。10月28日の衆院本会議での代表質問では、自民党の谷垣禎一総裁の質問に答え、「マニフェストは4年間の国民との契約。もし4年たって国民から達成できなかったと思われたら政治家としての責任を取る」と明言。議場で与党議員の大きな拍手を浴びた。

 ■64日目
 「国民が、どの程度マニフェスト通りやれとおっしゃるのかどうか」
 18日に首相がそう語った前日の17日、3兆円の無駄削減が期待された「事業仕分け」の前半5日間が終了。だが、切り込めたのは約5000億円だった。同じころ、景気が急転し、今年度税収が大幅に落ち込む見通しとなり、政権発足当初から指摘された財源問題が現実のものとなってきた。
 来年度の予算編成が本格化し始めた12月2日。首相は、元衆院議員の会合で「(マニフェストの)契約相手の国民が望まないものを強引に押し付けるのもいかがなものか。国民が柔軟ならば私たちの頭の中もそれなりに柔軟であるべきではないか」と述べて、理想と現実の間の着地点を意識し始めた。

 ■97日目
 「マニフェストに沿えなかったことに関しては率直におわびを申し上げなければならない」
 100日まで3日と迫った21日、首相は神妙な表情で記者団に初の「マニフェスト違反」を認めた。違反したのはガソリン税など「暫定税率の廃止」。政権公約ではこれにより「2・5兆円の減税を実施する」とある。
 民主党の小沢一郎幹事長が首相に突き付けた10年度予算編成の重点要望に盛り込まれていた。首相は形式的に暫定税率を廃止したが、それに代わる同水準の新税を導入。「2・5兆円の減税」はほごにされた。
 来年度予算概算要求は過去最大規模の95兆円、税収は予想以下の37兆円程度となる中、国債発行額「約44兆円以下」の方針を決定。自縄自縛となり、減税公約を破って目玉政策を守るか、減税を実施してそこに切り込むかの選択肢しか残されていなかった。
 党幹部は「財務省はすごいな」と同省の攻勢があったことを示唆した。
==============

 ■識者に聞く
 ◇小さな前進、大きな後退--慶応大教授・竹中平蔵氏
 --鳩山内閣の政権運営をどう評価しますか。
 ◆民主党の政策は部分的には魅力的だ。例えばオープンスカイ(航空自由化)は自民党にはできなかった。族議員と官僚が一体になって我々の主張をはね返してきたが、政権が代わってパッとできるようになった。
 「パンとサーカスの政治」で国民の支持をある程度つなぎ留めている。パン(生活の糧)として「子ども手当」をちらつかせ、サーカス(娯楽)としての「事業仕分け」は2万人も詰めかける「大成功」を収めた。ワイドショー政治だ。
 しかし、全体としてはマクロ経済に対する考え方が見えない。日本経済は何%の成長力があるのかが分からない。政権に司令塔がいないからだ。

 --事業仕分けで予算編成の透明化を評価する声もありますが。
 ◆鳩山政権のやることは「小さな前進、大きな後退」だ。予算編成の透明化は小さな前進。しかし、国家戦略室のホームページを見ても政策決定の議論については何も載っていない。政権交代前の経済財政諮問会議は議事録を公開していた。肝心なところの情報公開はむしろ後退している。郵政の再国有化決定は大きな後退だ。

 --鳩山政権に必要なことは何ですか。
 ◆カギは国家戦略室。小泉内閣では経済財政諮問会議が司令塔の役割を担った。政権交代したのだから廃止するのは構わないが、それに代わるものができていない。国家戦略室は準備が遅れたうえ、担当大臣のイニシアチブが弱いためにうまく機能していない。「器」ではなく「人」だ。首相の指導力と担当大臣次第だ。

 --「脱官僚・政治主導」はどうですか。
 ◆「官僚主導の脱官僚」になっている。政策は霞が関(官庁)ではなく永田町(国会)で決めるべきだ。立法府なのだから。それが本当の政治主導だ。官庁に政務三役が入って決めるのではなく永田町で決める。つまり、法律はすべて議員立法でやればいい。議員立法禁止なんてとんでもない話だ。法律を官僚に書かせているようでは、政治家が政府に100人入ろうが、変わらない。現状は今までよりは良いかもしれないという程度だ。

 --今回の予算編成では官僚がシナリオを描いていないのでは。
 ◆現実は森内閣以前に戻っている。小泉内閣以降は骨太の方針で政策を決め、予算の全体像を作って概算要求に入った。今回はそのプロセスがないから、各省がどんどん要求している。厚生労働省なんか開き直って過大に要求している。このやり方は財布を握る財務省にはありがたいこと。最後は財務省がまとめる。新しく見えるかもしれないが、大きく後退している。【聞き手・鈴木直】

 ◇公約は妥当、国家像示せ--社会学者・宮台真司氏
 --100日間で評価する点は。
 ◆事業仕分けだ。「政治に参加する、とは予算をチェックすることだ」と国民が学ぶチャンスを提供した。今回は一部の事業だけだが、来年度以降、全面的に行えば予算額を3分の1以上減らすことも可能だろう。そうしなければ5年ぐらいで公債発行残高が国民の貯蓄総額を超え、長期金利が暴騰する可能性がある。

 --その他は。
 ◆国家全体をどの方向に向けるかビジョンが示されていない。政治家の主導性が発揮されていないためだ。自民党時代に比べると「何をなすべきか」を見分けられる人材はたくさんいるし、いい政策、妥当なマニフェストを掲げている。国家戦略局(室)の菅直人副総理がもっと実力を発揮すればいい。

 --政治主導が貫徹されていないと。
 ◆政務三役に数十人のスタッフをつけないと、官僚に全スケジュールと情報ルートをコントロールされる。よほど力量があり、睡眠時間を削れる人間でないと対抗できない。また、政務三役に政策実現のために政治をどう切り回すかのノウハウが必ずしもない。

 --民主党の小沢一郎幹事長の影響力が増していますが。
 ◆政府入りして活躍する議員と、党に残った議員の間に心理的な溝が生じる中、「寄らば大樹」の動きが起き、小沢氏に権力が集中した。しかし、その小沢氏が何をしたいのかが見えない。本来、政策を実現するために政治過程(選挙や党首選での政治の切り回し)があるが、小沢氏が政治過程にしか関心がない人物に見えるのが残念だ。

 --今後、政権はどうあるべきですか。
 ◆むしろ、国民の側の問題だ。従来の「政治家・官僚に任せる政治」から、「国民が引き受ける政治」への転換に耐える心構えや民度が必要になる。温暖化対策が象徴的だ。国民レベルの削減実績なくして外交交渉でモノが言えない時代になる。外圧ゆえの内政から、内政実績ゆえの外交への転換が必要。自分たちに必要なことを自分たちで決める内政が問われる。

 --国家像は。
 ◆グローバル化は世界全体としては善だが、個人が直撃されぬよう「小さな政府、大きな社会」を目指すしかない。しかし、それに必要な相互扶助のメカニズムが、日本では死に絶えている。従来は、経済的成功で社会の大穴を埋められたが、そのために問題に気付くのが圧倒的に遅れた。社会に余裕がなくなった国は経済的にもダメになる。就業時間が長くて家族や社会に参加できないのはおかしい、という感覚を取り戻さねばならない。【聞き手・田中成之】

==============
 ◆子どもの貧困
 貧困の実態調査を行い、対策を講じる--民主党マニフェスト

 ◇放り出される10代
 東京都内の清掃会社で働く少年(17)は、急に仕事に行くのがつらくなった。「仕事が終わったら、ご飯を作らなきゃ。買い物も……」。そう思うと、現実から逃げるように部屋に閉じこもってしまった。
 父親との折り合いが悪く、半年ほど前に家を出た。同じ境遇の少年と共同生活をしながら就職先を見付けた。仕事は順調だったが、「逃避」に走ったのは12月上旬、アパートで1人暮らしを始めてからだった。少年が身を寄せていた自立援助ホーム「憩いの家」(東京都世田谷区)の武田陽一さんは「彼には我々がいるが、何の支えもなく路上生活に放り出される子どもたちがいるはずだ」と語る。
 政府は民主党マニフェストに基づき10月、貧困層を割合で示す「相対的貧困率」(06年時点)を発表。国民全体では15・7%で、17歳以下の子どもも14・2%に達する。少年もこの層に属する。一方、今月11日に公表された厚生労働省調査では生活保護を受ける母子家庭で仕事を持つ母親は4割、正規雇用は1%だった。格差拡大を招いたとされる00年代前半の小泉改革では母子家庭の児童扶養手当削減や生活保護の母子加算廃止など「自立」政策を推進したが、「自立」路線が生んだ貧困は子ども世代に引き継がれつつある。
 「安心して眠れる」「おいしいご飯が食べられる」。10代後半の子どもたちの支援に取り組むNPO法人「子どもセンター てんぽ」(横浜市)にやってきた子どもの多くが、こんな言葉を口にするという。
 「てんぽ」が10代後半を支援しているのは最も福祉の手薄な部分だからだ。児童養護施設は「共同生活が難しい」(福祉関係者)ため高校に進学しなければ退所することが多い。事務局長の高橋温弁護士は「精神的バランスを崩す子が多く、生活の立て直しは難しい。生活保護に頼らざるを得ないケースも多い」と実情を語る。
 10代後半の子どもの場合、主に民間の自立援助ホームが支えている。制度の不備を民間が補う形で始まったが、現在は国にも法的に認められ、全国56カ所で「生きる力」を養う試みが続く。
 長妻昭厚労相は「子ども手当など貧困率を改善する政策を打ち出したい」と語るが、総合的な貧困対策は具体化していない。行政刷新会議の事業仕分けでニートなどの若者支援事業「若者自立塾」が「効果が乏しい」などの理由で「廃止」と判定されたことに、武田さんは「生きる力を育てるのは機械のように操作できるものではない」と疑問を抱く。
 政権交代前の7月、「年越し派遣村」問題にかかわった大村秀章副厚労相(当時)は貧困実態調査を指示したが、それが明らかになれば生活保護拡充を迫られる可能性があるため事務方は消極的だった。新政権が相対的貧困率を公表したことは前進だが、大村氏は「数値だけで政策は作れない。具体的な生活状況や人数などを早く明らかにする必要がある」と指摘する。【鈴木直】
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 ■人物略歴
 ◇たけなか・へいぞう
 58歳。小泉内閣で経済財政担当相、総務相・郵政民営化担当相など歴任。参院議員を経て現職。経済学博士。
 ■人物略歴
 ◇みやだい・しんじ
 50歳。首都大学東京教授。政治、社会問題の論客。福山哲郎副外相との対談本「民主主義が一度もなかった国・日本」など。
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鳩山政権の通信簿:マニフェスト検証 発足100日(その2止)

 <本紙政治部デスク、マニフェスト寸評>
 米国流にいえば「ハネムーン(蜜月)」期間にあたる政権発足100日を待つことなく、鳩山政権は早くもマニフェスト(政権公約)との整合性を問われ、世論の批判にさらされた。鳩山政権の「看板」でありながら、揺らぎ続けた無駄遣い、社会保障、外交の3分野の重要政策を政治部デスクが寸評。総じて辛口の評価となった。

 ◆無駄遣い
 ◇政策処理、調整力の弱さ露呈
 <現在の政策・支出をすべて見直す>
 「『ひみつのアッコちゃん』は次々と明らかになる」
 故赤塚不二夫氏の40年前の人気テレビアニメを引き合いに、国民の目に届かない「ひみつ」の行政の無駄遣いを暴露してやる、と意気込んだ仙谷由人行政刷新担当相。「テクマクマヤコン」と唱えれば何にでも変身できる魔法のコンパクトはなかったようだ。
 11月11日、華々しく火ぶたを切った行政刷新会議の事業仕分け。予算査定作業を国民に公開し、政治家が官僚を追い詰めるパフォーマンスを世論も支持した。政治プロセスの透明化や政治主導の点では評価できる。だが、来年度予算の概算要求から削減した額(6900億円)は、目標額3兆円に遠く及ばなかった。
 「自民党長期政権の下で温存された族議員、霞が関の既得権益を一掃する」と政権公約で豪語した。予算編成まで3カ月余という時間的制約があったとはいえ、結果は、当初の目標の自民予算の「全面組み替え」には至らず、財源確保のためガソリン税など「暫定税率の水準維持」という公約違反に追い込まれた。
 「政治主導による無駄遣い根絶」は、民主党中心の政権の錦の御旗(みはた)だったが、その根幹政策が揺らいだことは、鳩山内閣に痛撃となった。政権が目指す「脱官僚支配」にしても、あぶりだされたのは、大量の政策判断をこなしきれない閣僚以下政務三役の不十分な政策処理体制と調整能力の脆弱(ぜいじゃく)さだった。【及川正也】

 ◆社会保障
 ◇年金空回り、母子加算は復活
 <「消えた年金」「消された年金」問題への対応を「国家プロジェクト」と位置づけ、2年間、集中的に取り組む>
 「国民と新政府の契約書、国民からの命令書と考えていい」
 9月17日、初登庁した長妻昭厚生労働相は、マニフェストについてこう訓示した。
 しかし、現時点で果たした「契約」は、子ども手当の支給や、生活保護の母子加算復活など一部にとどまる。「廃止」を掲げた後期高齢者医療制度は、見直しに向けて有識者検討会こそ設けたものの、今後改革の方向をめぐって議論が紛糾するのは確実だ。
 年金記録問題も、前途は険しい。民主党は「社会保険庁の責任がうやむやになる」と、自公政権が進めた日本年金機構設立に反対してきたが、土壇場で容認に転じた。自分の年金記録を随時確認できる「年金通帳」の交付も、財源難から来年度スタートは断念した。
 また、「消えた年金」の被害者を、保険料を払った証拠がなくとも救う民主党肝いりの法案は公平性の担保が難しく、暗礁に乗り上げつつある。8億5000万枚に達する旧式の手書き年金記録とコンピューター上の記録の「全件照合」も、いつ終えるのかめどが立っていない。

 「ミスター年金」の称号をひっさげて厚労省入りした長妻氏だが、不慣れな医療問題などへの対応には戸惑いもみられる。官僚との協調を嫌うあまり、得意の年金分野も「独り相撲」で空回りしている印象が否めない。【吉田啓志】

 ◆外交
 ◇停滞招いた普天間問題迷走
 <緊密で対等な日米関係を築く>
 <東アジア共同体の構築をめざし、アジア外交を強化する>
 「今までややもすると米国に依存しすぎていた。日米同盟は重要だが、アジアをもっと重視する政策を作り上げていきたい。その先に東アジア共同体を構想していきたい」
 北京で10月10日に開かれた日中韓首脳会談の冒頭、鳩山由紀夫首相が語った言葉は、政権発足100日間の鳩山外交を象徴するものといえる。
 日米関係と東アジア共同体は鳩山外交の2枚看板。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で、首相が結論を来年に先送りし、移設先の再検討を決めたのも、直接には連立政権を組む社民党への配慮からだが、「対等な日米関係」と「東アジア共同体」への思いが強く影響していると見られる。背景には首相が96年に旧民主党代表として掲げ、今月16日に記者団とのやり取りで「封印」を宣言してみせた「常時駐留なき安全保障」構想があるとの見方は消えない。
 だが首相のそうした思いをどう現実政治に落とし込んでいくか。具体像が明らかになる前に普天間問題の迷走で日米関係が悪化。「日米関係がこれだけ悪くなると、東アジア共同体どころではない。東南アジア諸国は鳩山首相が言うことに怖くてうかうかと乗れないだろう」(日米外交筋)というように、普天間問題は一基地問題にとどまらず日米関係、ひいては鳩山外交全体に停滞をもたらす展開になりつつある。【佐藤千矢子】
==============
 ◇マニフェスト実行度一覧表の読み方
 <実行中>
 初期=具体的な検討や議論に着手、予算の要求、当面の期限を区切った実施表明など達成の初期段階にある政策
 中期=法案の策定や提出、予算措置など達成過程の中間段階にある政策
 後期=法案などの審議が継続され達成に向け大詰めを迎えている政策
 達成=法案などが成立したり、実施した政策

 <未着手>
 具体的な検討や論議に入っていない政策。省庁や政党での内部的検討にとどまり、公表や表面化していないなど実行度を評価できない政策も原則として「未着手」に含めた
 <難易度>
 調整=マニフェストに限らず公約を修正した政策。喫緊の課題や時期的な明示をしながら当面判断を見送った政策も含む
 後退=修正にとどまらず、公約内容や目標時期を大幅に後退させるなどした政策
 困難=修正などを経てなお政府内や与野党間で行き詰まっている政策など
 違反=長期間にわたって具体的な検討を見送ったり、実施を断念するなどして公約に明確に違反した政策
 なお、複数年度にわたる政策や、複数年度で達成する政策は、初年度に限って評価した。
 1項目の中に複数の達成目標が含まれる場合は、一部の政策が達成されても全体のプロセスの中でどの段階にあるかで評価した。
 評価の材料となる情報は政治家や官僚、政党などへの取材、記者会見、報道発表、各種報道、インターネットなどを使った。
==============
 ※民主党のマニフェストはhttp://www.dpj.or.jpへ。
 実行度一覧表は及川正也、佐々木雅裕が担当しました。
毎日新聞 2009年12月24日


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コメント

12月27日(日)のつぶやき

2009-12-28 00:37:53 | 花/美しいもの
21:27 from web
●緊急!「千葉県の人権・男女平等教育に関する要望書」への賛同の呼びかけ! http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/5b4d6138ccfab987bb353fdf3b27a538
by midorinet002 on Twitter
コメント

緊急!「千葉県の人権・男女平等教育に関する要望書」への賛同の呼びかけ!

2009-12-27 16:48:02 | ジェンダー/上野千鶴子
千葉県の人権・男女平等教育に対して、緊急の呼びかけが届きました。

わたしも「森田健作氏を告発する会」の告発人に加わっていますから、
千葉のことは他人事と思えません。

是非、お知り合いにも要望書への賛同の輪を広げてください。

新たにこの問題を独立でわかりやすくまとめたブログも、
市民の方が別個に立ち上げられたそうなので、参考にしてください。

 男女共同参画をすすめる会 ~byodo.exblog.jp
「男女平等」をすすめる「男女共同参画社会」の実現をめざす活動


 緊急のお願い★12月28日までに県の「意見募集」に答えよう!(12/26)
1、 現在、県の総合計画原案に対する意見募集が行われています。こちらに
意見を提出してください。締め切りは、12月28日です。以下のHPをご覧ください。
千葉県総合計画原案に対する意見の募集について

  <「男女混合名簿に関する意見」の送り先>
知事室 FAX 043-227-1061
教育庁 教育振興部 指導課 教育長宛 FAX 043-221-6580
メールの場合、教育についてのご意見募集のページから送れます。


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(以下、転送・転載可)

森田知事になって千葉県の教育や男女共同参画、環境や県民参加などのあり方が、
(予測されたことではありますが)大きく変わろうとしています。

総合計画の策定はその手法が全く何十年も前に逆戻り、県民参加は
どこへやら、という感じなのですが、内容も総花的大くくりで
具体性のないものです。こういうものに対してアリバイ的に
パブコメを取っていますが、何を書いたらいいのか分からないというのが
大かたの感想ではないでしょうか。

しかし、議会の動きなどから3番瀬の埋め立てに意欲ありとか、
警察の増強、鬼泪山の山砂採取、残土・産廃の運び込みを可能にする、
といった方向性が見えています。

中でも今回の12月議会で堂本知事時代に導入する学校が増えた男女混合名簿を
目の敵にしている自民党県議の質問に答えて、混合名簿の見直しは
総合計画の中で、と教育長答弁。(森田氏が任命)

議会の様子は市民ネットワークの千葉県のHPから
大野ひろみ県議 
川本幸立県議のブログ へ

県内の女性団体や人権にかかわる活動をしている人たちが
急きょ集まり、緊急な要望書を出すことにしました。

ご自分で要望書、要請書、意見書などを県庁あてに出していただくのもよいのです
が、お時間のない方、以下に貼り付ける要望書への賛同者として
お名前を出してくださるようお願いします。

以下要望書です。 
-----------------------------------------------------------------
★千葉県の人権・男女平等教育に関する要望書
<この要望書の賛同個人・団体を募ります。しめきり 2010年1月10日
賛同のしかたは、一番下に記載あり。 >

県知事 森田健作様
教育長 鬼沢佳弘様

千葉県の人権・男女平等教育に関する要望書

私たちは行政主催の講座などをきっかけに、日本社会の中で重要な課題
となっている男女平等・男女共同参画を実現していくための地道な活動を
してきた団体・個人です。
 男女共同参画社会基本法が制定されても、まだまだ働く場での男女平等
が達成されているとはいえません。就職時や賃金や法律(結婚年齢、離婚
から再婚までの期間)にも男女差別があります。また、政策・方針決定の場
に女性が非常に少なく、国連のジェンダー開発指数は低いままとなっていま
す。
中でも人々の男女の固定的役割分担に関する意識は根強く、男女平等の実
現を阻害しています。
 日本の学校の名簿は、男女別・男が先・女が後という時代が長く、それが当
然のこととして受け止められてきましたが、世界女性会議などを通して世界の
学校の現状では、男女別名簿は非常に少数であること、義務教育と高校生活
9年間の中で、知らず知らずに男女に分ける考える方や、「男子が女子より先」
の意識を植え付けられてきた側面があることが指摘されるようになりました。
男女別名簿を支持する方々は「差別ではない、単に区別だ」と主張しています
が、子どもたちの身近なところから男女差別をなくしていくという混合名簿の真
の意義は社会でも広く支持されているところです。
 しかるに、12月県議会の一般質問で「男女混合名簿の使用をやめるように」
という質問が出され、教育長は、総合計画の中で検討すると答弁されました。し
かし、教育長自身がその答弁の中でおっしゃっているように、学校の名簿は男
女共同参画に意識が向くための一つのきっかけとして導入され、ようやく定着し
てきたところです。
 民間団体の調査に答え、先生方からも、「教育のあらゆる場面で、教師も子ど
もたちも保護者も、常に男女を分ける意識と習慣がすりこまれ、男子は~、女子
は…と注意したり、男女別に作業分担をしたり、男女に分けて考えがちな意識に
気づかされた」との声が寄せられています。
 社会の要請により、導入され、定着しはじめたばかりの男女混合名簿を、廃止
することがないように強く要望いたします。
                               男女共同参画をすすめる会

  賛同者・団体
  * 賛同のしかた
    「要望書への賛同」と書いて、「コメント欄comments」に お願いします。
    「非公開」にチェックを入れれば、ソトからは見れません。
    以下の必要事項も書いてください。         
          賛同個人の場合 お名前 あれば、所属
          賛同団体の場合 団体名 代表名 



オマケ
  
『VOGUE』(ヴォーグ)2月号 2010年 感情教育講座①
10年後のあなたのために 今、学んでおくべきこと(上野千鶴子)



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12月26日(土)のつぶやき

2009-12-27 00:37:37 | 花/美しいもの
20:20 from web
今日のブログ記事。〔悩みのるつぼ〕セックスレスで枯れそう/トキメキや性欲は人生の醍醐味(上野千鶴子)http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/e14571b93853aaa263ebc599a527aec1
by midorinet002 on Twitter
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〔悩みのるつぼ〕セックスレスで枯れそうです/トキメキや性欲は人生の醍醐味ですが(上野千鶴子)

2009-12-26 19:35:55 | ジェンダー/上野千鶴子
今年最後の朝日新聞beの「悩みのるつぼ」の回答者は、
予想通り、上野千鶴子さん。

「セックスレスで枯れそうです」という「35歳・主婦」に、
上野さんの回答は、「トキメキや性欲は人生の醍醐味ですが」。
とってもおもしろいです。

この「悩みのるつぼ」は読者に好評なのですが、朝日の本紙でもないし、
webにもアップされないので紹介しますね。

〔悩みのるつぼ〕セックスレスで枯れそうです
(相談者 主婦 35歳)

 結婚11年、小3の娘と幼稚園年少組の息子がいる35歳の母です。45歳の夫に、「なじるわけでも非難するわけでもないけれど、これからもセックスしないの?」と聞いたところ、「現状維持、父母でいよう」と言われました。
 そもそも20代で娘を産んだ後からセックスレスでした。夫は子供は1人でいいといいました。何も知らない義母には「きょうだいがほしい」と言われ、私に何か原因があるように思われて悩みました。でも何とか夫を説得して息子を産みました。
 以前、ある作家が貴紙に、男女関係で大切なものとして、「トキメキ」「性欲」「親睦(しんぼく)」のうち二つあれば良好である、と書かれていました。わたしには皆無です。相手との襲来も展望も考えられない日々です。
 また、離婚してもよいと、夫には言われましたが、生活面が比較的安定し、子どもたちや家も大事だし、趣味の庭もあるので、環境は大事にしたいと思っています。
 心では「私は母」と思っていても、友人や姉弟の結婚生活を見ていると心が乱れるのです。・・・・(以下略)・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ----------------------------------------------------------
(回答者) 社会学者 上野千鶴子 
~トキメキや性欲は人生の醍醐味ですが


 35歳ですか。これから半世紀以上、セックス抜きで生きるおつもりですか。
 30代はエロス的な年齢です。
 「枯れる」には早すぎます。作家の故森瑶子さんが『情事』でデビューしたのが37歳。「夏が終わろうとしていた」という印象的な出だしから始まるこの作品には、「セックスを反吐(へど)がでるまでやりぬいてみたい」という一節があります。
 生活が安定し、家と家族があり、趣味のガーデニングもあるから離婚したくない・・・というあなたにとって、「結婚」は生活保障財なんですね。それに愛情と性的満足がついてくると考えるのは過剰な要求かもしれません。子どもの父と母であることは結婚生活を維持する十分な理由ですが、その「契約」のなかに、セックスの排他性が含まれるのは困ったものですね。
 「トキメキ」「性欲」「親睦」の三つは結婚前にはあって、今はなくなったのでしょうか。それとも最初からなかったのでしょうか。夫がいつでも「離婚してよい」と思っているのは、夫にも「親睦」の気持ちがないってことですよね。昔のような関係(それがもしあったとして)を取り戻したいと思っても、いったん変わってしまった関係を元に戻すことは著しく困難です。もとからなかったのなら、はなから無理。
 それなら結婚の契約からセックスをはずしてもらうよう交渉しましょう。「ルール違反」と言われないように。夫婦生活にはセックスに応じる義務が含まれていますから、相手がすでに「ルール違反」をしていることになりますので交渉しやすいでしょう。それでお互いが割り切れるなら、こういう「フランス風結婚」もあり、で。
 でも、普通こういう相談は「トキメキ」の相手があらわれてから初めて現実的になるもの。あなたはたぶん「トキメキ」の経験や「性欲」にのめり込んだ経験がないのでしょうね。「他人が持っているもの」を羨んでいるだけではないでしょうか。ほんとうに彼らが夫婦生活に愛情や性的満足を得ているかどうかは、聞いてみないと分かりませんよ。
 「トキメキ」や「性欲」はたしかに人生の醍醐味のひとつです。ただし、そのコストは高くつきます。その覚悟があるなら、今から人生を味わいつくそうと思ってもけっして遅くありません。
(題字・イラスト・きたむらさとし)
(2009.12.26 朝日新聞)


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今年は、『男おひとりさま道』を書かれた上野さん。

週刊誌や月刊誌に引っ張りだこのようです。

最新刊の『女性セブン』と『VOGUE』にも記事が出ているので、
さっそく買ってきました。チラッとお見せします。

 

週刊誌は自分ではほとんど買わないし、
『VOGUE』を買うのは初めて。

母も上野さんファンなので、読み終わったら、病院に届けてあげましょう。

オマケは、今日掘ったヤマノイモ。
イチョウ芋かつくね芋系だと思うんだけど、2.6キロもありました。
  
たぶん、今年の新記録だ。


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12月25日(金)のつぶやき

2009-12-26 00:39:59 | 花/美しいもの
23:26 from web
●タジン鍋で焼きリンゴ /『やっぱり危ない タミフル』 『よくわかる心不全』 http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/db0788e40c5b90631bc8b1da0f754522
by midorinet002 on Twitter
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