みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

富有柿のおいしい保存方法/政治資金 地方は透明化を急げ/政務活動費問題 不正は議会の自壊を招く

2016-11-30 11:37:06 | ほん/新聞/ニュース
昨日のNHK「あさイチ」は柿特集。
富有柿発祥の地、岐阜県も出てきました。

岐阜県農業技術センターの研究では
「柿に多く含まれる成分β(ベータ)クリプトキサンチンは
動脈硬化、脳機能障害、骨粗しょう症の予防などが期待できる」とのこと。

柿を部屋に常温で置いておくと、βクリプトキサンチンは
「9日間で2倍になる」ということなので、
今年の柿は、冷蔵ではなく部屋の中で保存することにしました。

常温では柿はどんどん柔らかく熟してくるので、
それを遅くするには、ヘタを濡らしたものでふさいで、
ラップで包むとよいです。

これは数年前からやっていた柿をおいしく食べる保存方法。

濡らしたコットンをヘタに置いて、
ヘタを下にしてラップできっちり包むだけです。
  

  
柿はヘタの隙間部分から乾燥していくことによって
熟していくので、蒸発を防ぐ効果があります。

堅めの柿を下にして、柔らかめの柿を上にして
早く食べるように置いていきました。
熟してしまった柿は、柿酢のビンに入れました。
これで柿を無駄にせず、お正月までおいしく食べられます。


種無し金柑ちびまるも黄色く熟してきたので、
庭に出たときに、色が濃いものを採って、食べています。
これで今年の冬は風邪しらず、だとよいのですが・・・。

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後半は、全国で不正が問題になっている、政務活動費のこと。
朝日新聞と徳島新聞の社説を紹介します。

 社説:政治資金 地方は透明化を急げ
2016年11月29日(火)付 朝日新聞

 政治資金の使い道など「政治とカネ」をめぐって、東京都の舛添要一前知事をあれだけ厳しく追及したのは誰だったのか。

 都議らの2015年分の政治資金収支報告書が公開された。明らかになったのは、驚くばかりの透明度の低さと、それを良しとしている感覚の鈍さだ。

 都選挙管理委員会が公表した報告書を見比べると、不思議なことに気づく。

 例えば自民党の平将明衆院議員が支部長の党東京都第4選挙区支部(大田区)では、「組織活動費」175万円の支出明細はこんなふうに書いてある。

 ▽会費15000 2/24イタリア料理店(名前と住所)▽飲食代22500 12/18日本料理店(名前と住所)……

 少なくとも、いつ、どこで、いくら使ったかはわかる。

 一方、同じ大田区が地盤の鈴木章浩都議が代表を務める党支部では、都議の中で抜きんでて多い1267万円を「組織活動費」として支出しながら、内訳はいっさい不明のままだ。全額が、明細を書かない「その他」の項に一括計上されている。

 こんなことが起きるのは、国会議員と地方の首長・議員とで公開基準に差があるからだ。

 07年に政治資金規正法が改められた時、国会議員とその候補者については、1件1万円超の支出は報告書に明細を記すことが義務づけられた。1万円以下でも、請求があれば領収書を開示しなければならない。

 一方、地方議員らの公開基準は1件5万円以上に据えおかれ、少額領収書の開示制度もない。「3年後をめどに両者の差を解消することを検討する」と法律に明記されたにもかかわらず、いまだ実現していない。

 社会のさまざまな声を聞き、支持を訴え、政策の実現をはかり、行政を点検する。有権者から託された仕事に、政治家が日々どんな形でのぞんでいるのかを、お金の出入りの面からあらわすのが収支報告書だ。

 特定の業界との癒着のおそれはないか。公私混同していないか。活動の公正さを担保するためには透明化が欠かせない。

 中央、地方を問わず、本来すべてガラス張りにしてしかるべきだ。「3年後見直し」に国会がとり組まぬのなら、都議会は自分らで公開条例をつくるなどしたらどうか。そうしてこそ、情報公開を旗印とする小池百合子現知事にも対抗できよう。

 都議会ばかりではない。政務活動費の私的流用などで、地方議会には厳しい目が注がれている。自己改革に乗りだすことが、いま求められている。 


 社説:政務活動費問題 不正は議会の自壊を招く
2019.11.28 徳島新聞

 富山市議会などで政務活動費(政活費)の不正受給が相次いで発覚し、地方議員のモラルが厳しく問われている。

 議員一人一人が襟を正すのはもちろん、不正行為をチェックする仕組みを強化する必要がある。

 政務活動費は、報酬とは別に、「調査研究そのほかの活動」にかかる経費として、地方議員に支給されている。

 2000年に政務調査費として導入されたが、12年の地方自治法改正で名称が変わり、調査研究のほかにも使途が広がった。

 だが、従来から使い道の不透明さが問題視されており、「第2の議員報酬」とも言われている。もらった分を使い切ろうとして、不正を行うケースが後を絶たないのだ。

 富山市議会で起きた政活費の不正は、改めてこの問題の根深さを見せつけたといえる。わずか1カ月余りで12人の市議が辞職する異常事態となり、大規模な補欠選挙が行われるに至った。富山県議会でも政活費の不正に絡んで3人が辞職している。

 しかし、富山の問題は、氷山の一角と見るべきだろう。

 宮城県議会では、議長が政活費の不適切な支出が発覚して辞任した。約半年で二代続けて議長が政活費問題で辞任したのである。

 今や、住民は政活費の使途について、大いに疑問を抱いているといってよい。

 徳島県議会でも政務調査・活動費を巡って、14年に2人の県議が不正受給を指摘されて辞職した。ほかにも、政活費の不適切な受給や支出が明らかになった。

 県議会では、議員1人当たり毎月20万円の政活費が支給されている。

 県議が年度末に支出を確定させた後で、不適切だったとして政活費を県に返還する事例も珍しくない。

 そんな状況で、県民が政活費の使途に不信の目を向けるのは、無理もなかろう。県議会は自浄作用を発揮しなければならない。県民の信頼に応えるよう、その在り方について論議してもらいたい。

 県内の市町村では、阿波市と16町村を除く7市で政務活動費が支給されている。

 徳島新聞社の調べによると、7市の15年度の使用額は総額3154万円で、支給総額5800万円の54・4%だった。

 項目別では、先進地の視察などに充てる「調査研究費」「調査旅費」が最も多く、総支出額全体の48・8%を占めている。

 全く使わずに全額を返還した市議もいれば、市監査委員から「不適切」と指摘された後で、政活費の一部を市に返還した市議もいる。

 今後も不正が繰り返されれば、潔白な議員まで、色眼鏡で見られかねない。そうなれば住民との信頼関係が成り立たなくなり、地方議会の自壊につながる。

 使い切るための目的を探すのではなく、必要のない政活費は返還すべきだ。


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11月29日(火)のつぶやき

2016-11-30 01:11:08 | 花/美しいもの
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「国は人命に全責任を負うことはしない」アレクシエービッチさん、福島で思う/「原発事故は新しい形の戦争だ」東大で講演/

2016-11-29 19:08:38 | ほん/新聞/ニュース
昨年ノーベル文学賞を受賞したスベトラーナ・アレクシエービッチさんが来日されています。
ちょくせつお話を聴けるよいのですが、あいにく講演は東京。

東大と東京外国語大での講演が記事になっているので興味深く読み、
スベトラーナ・アレクシエービッチさんがのことばに、
共感すると同時に、深く感銘を受けました。

  「原発事故は新しい形の戦争だ」 ノーベル賞作家 アレクシエービッチさん 東大で講演
2016年11月26日 東京新聞

 原発事故に遭遇した人々の証言を集めた記録文学「チェルノブイリの祈り」などで知られるベラルーシのノーベル文学賞作家でジャーナリスト、スベトラーナ・アレクシエービッチさん(68)が来日し、東京大(東京都文京区)で25日、講演した。「原発事故は、新しい形の戦争だと思った。われわれが考え方を変えない限り、原発は続く。人間が自然と共生するための新しい哲学が必要とされている」と語った。

 アレクシエービッチさんは2003年に北海道電力泊原発を訪れている。現地では「日本の原発はチェルノブイリと違う。地震にも耐える設計だ」と説明されたが、その後、福島第一原発の事故が起きた。「人間は自然を征服できないことが分かった。今後何十年も続く大惨事を、どう語っていくのか。もし可能だとすれば、それは被災した人々の証言によってだと思う」と述べた。

 社会主義国家ソ連の実態と崩壊を市民へのインタビューで描いた「セカンドハンドの時代」の邦訳が今年9月、岩波書店から刊行されたばかり。「大事なのは想像力を失わないこと。共産主義やファシズムも、人生が前に進むのを阻めない。だから絶望する必要はない。人々を勇気づける知識人の役割も重要だ」と会場に呼び掛けた。

 アレクシエービッチさんは昨年12月にノーベル文学賞を受賞した。今月末まで日本に滞在し、28日には東京外国語大で名誉博士号を受ける。 (出田阿生) 


 「国は人命に全責任を負うことはしない」 アレクシエービッチさん、福島で思う 
2016年11月29日 東京新聞

 原発事故に遭った人々の証言を集めた「チェルノブイリの祈り」などの著作で知られる、ベラルーシのノーベル文学賞作家でジャーナリストのスベトラーナ・アレクシエービッチさん(68)が二十八日、東京外国語大(東京都府中市)で名誉博士号を授与され、学生との対話に臨んだ。今回の来日で福島第一原発事故の被災地を訪ねた感想を語り、「明日すべての原発を止めることは不可能でも、何ができるかを考え始めることはできる」と述べた。

 アレクシエービッチさんは二十三日の来日後、福島県を訪れて原発事故の被災地を視察。事故で住居を追われた人々の話を聞いた。福島市出身の同大二年、茂木颯花(もぎさやか)さんに「福島で何を思ったか」と尋ねられ、「チェルノブイリ事故と同じで、国は人の命に全責任を負うことはしないと強く感じた」「全体主義の長い文化があった我が国と同じく、日本社会には抵抗という文化がないようにも感じた」と答えた。

 現在のロシアの覇権主義的な姿勢について聞かれると、「国民の意識の軍事化が行われている。恐ろしい時代になっている」と警鐘を鳴らした。若者へのメッセージとして「どんな状況であっても、人間らしさを失ってはならないと理解してほしい」と語りかけた。

 アレクシエービッチさんは対話に先立ち、「とあるユートピアの物語」と題して講演。市井の人々の言葉をすくい上げ、記録文学を執筆してきた半生を振り返り「一人の話は個人の運命だが、百人の話は歴史になる」「私の仕事は命についての対話と呼びたい」などと語った。

 対話を終えた茂木さんは本紙の取材に「原発が再稼働されるなど、現状に絶望的な気持ちだったが、励まされたような思い。『小さい人』一人一人の証言をまとめた彼女の作品を、すべての人が読むべきだと思う」と話した。(樋口薫)

◆アレクシエービッチさん 学生との対話詳報
 東京外語大で行われたノーベル文学賞作家アレクシエービッチさんの講演と学生との対話の詳報は以下の通り。

 学生「福島で何を思われましたか」

 アレクシエービッチさん「昨日福島県から戻ってきたばかりです。『チェルノブイリの祈り』という本に書いたことのすべてを見たというのが、私の印象です。荒廃しきったいくつもの村、人々に捨てられたいくつもの家を見ました。

 国というものは、人の命に全責任を負うことはしないのです。また、福島で目にしたのは、日本社会に人々が団結する形での『抵抗』という文化がないことです。祖母を亡くし、国を提訴した女性はその例外です。同じ訴えが何千件もあれば、人々に対する国の態度も変わったかもしれません。全体主義の長い文化があったわが国(旧ソ連)でも、人々が社会に対する抵抗の文化を持っていません。日本ではなぜなのでしょうか」

 学生「私は原発をなくさなくてはならないと思うが、それは可能か」

 ア「人類はいずれ原発に代わる別のエネルギー源を探し求めざるを得なくなると思います。チェルノブイリや福島のようなカタストロフィーが複数起きることが予測されます。自然が一枚の絵であるなら、人間は登場人物の一人に収まるという形でのみ存在が可能です。自然に対して、暴力の言葉を操って対峙(たいじ)しようとするのは間違いです。それは人類の自殺へ至る道です。

 明日すべての原発をストップさせることは不可能です。では、何を始められるのか。それは何ができるか、何を作ればいいのかを考え始めることです。ロシアのようにミサイルにお金を使うのでなく。現在の一番主要な問題はエコロジーだと私は思います」

 学生「ロシアで『アフガニスタン侵攻は正しかった』との再評価が進んでいると聞き、危惧しています」

 ア「新たな愛国主義、命を惜しまず偉大な国を守ろうという言説が広がっています。現代は旧ソ連の時代よりも恐ろしい時代になっています。アフガン侵攻の取材時は、戦死した兵士の家を訪ねると、母親が『真実を書いてください』と叫んでいた。でも、今は遺族に拒まれることが非常に多くなった。『真実を語ると遺族報償金が入らなくなる』と説明されます」

 学生「私はウクライナ人ですが、ロシアとの関係を良くするために何ができるでしょう。また、あなたの本は両国にどんな影響を与えていると思いますか」

 ア「あなたは芸術にグローバルな役割を求めていますが、私は宗教や芸術はより繊細なレベルで機能するものだと思います。一人一人の人間の心を和らげるとか、人生を評価するとか。私はアフガニスタンで死体を見ました。ひどい光景、非人間的な光景でした。あなたのような若い人に言えることは一つ。どんな状況であっても人間であり続けること、人間らしさを失わないことだと思います」

 学生「チェルノブイリやソ連崩壊などで絶望に陥った人々はどうやって自分を救済したのでしょう」

 ア「人は意外に多くのものに救われています。例えば愛。自然や音楽、毎朝コーヒーを飲むというルーティンの行動にも、偶然にも。さまざまなつらいことがありますが、人生は興味深く、生きるのは面白いと私は思います」

◇講演要旨
 私の本には普通の人が登場し、「ちっぽけな人間」が自分の話をします。ささいなこと、人間くさいこと。いつも日常の言葉から文学を作ろうとしてきました。どの本も五年から七年かけ、五百人から七百人の人生を書き込みます。私は見過ごされた歴史を追う、魂の歴史家です。

 最初の作品では、女が目にした戦争を描きました。戦争では人間だけでなく、命あるものがみな苦しむ。自然は声なく苦しむので、さらに恐ろしい。チェルノブイリの原発事故は想像を絶しました。至る所に死が潜んでいました。目に見えない、耳にも入らない「新しい顔の死」です。これは未来の戦争、前代未聞の新しい戦争だと思いました。

 多くの放射性物質は百年、二百年、一千年は放射線を出し続けます。放射能に国境は存在しません。チェルノブイリは時間の感覚や空間を変え、「自他」の概念も消滅させました。

 アフガニスタン侵攻と原発事故は、ソ連という帝国を崩壊させました。社会主義から資本主義に急転換して社会が混乱する中、プーチンはスターリン体制を素早く復元しました。人々はおびえ、何が社会で起きているのか理解できません。自由への道のりは長い。どうして苦しみは自由に変換できないのでしょうか。私は時代を追います。人間を追い続けます。


   「チェルノブイリと同じ」=福島の印象、ノーベル賞作家語る-東京外大
2016.11.28 時事通信

 ベラルーシのノーベル文学賞作家、スベトラーナ・アレクシエービッチ氏(68)が28日、東京都府中市の東京外国語大で名誉博士号の授与を受け、学生との対話に臨んだ。

 証言集「チェルノブイリの祈り」で知られる同氏は、前日まで訪問した福島県の印象について「複数の都市と村を訪れ、遠くから原発も見た。チェルノブイリで見聞きしたのと全く同じ」と語った。
 国の避難計画や補償について疑義を呈した同氏は「ロシアと同様、日本の社会には“抵抗”がない」と指摘。祖父を亡くし、国を提訴した女性らへの現地取材を踏まえ、それがさらに積み重なっていれば「国の態度も変わったかもしれない」とした上で、別室も含め詰め掛けた700人余りの聴衆に「自分の中に燃えるろうそくを消さないように」と訴えた。(2016/11/28-19:58)


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ところで、
11月29日は「いい肉の日(いいにくのひ)」。

飛騨牛5等級の牛すじ肉のかたまりがあったので、
ビーフシチューを作りました。


  
昨夜から仕込んで、

ことこと煮て、これは朝ごはん。


お昼には、ルーを足してハヤシライスにしました。

ひさしぶりの飛騨牛、
腕がよいの、素材がよいのか、おいしかったです。

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11月28日(月)のつぶやき

2016-11-29 01:08:40 | 花/美しいもの
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ほっこり温かいとうがん(冬瓜)のあんかけ/がんで余命宣告受けた医師 患者になって「ずれ」感じた

2016-11-28 17:15:06 | ほん/新聞/ニュース
とうがん(冬瓜)が通路にたくさん保管してあるので、
今年初のトウガン料理を作ることにしましょう。

一度で食べられるように小さめのトウガンを選んで、
4センチくらいに切って皮をむき、
水から5分ほど茹でておきます。

その間に入れる材料を準備。

昆布とシイタケと冷凍ズワイガニと干しホタルイカ。
冬瓜自体は淡泊なので、味がよく出るものばかりです。

冬瓜と合わせて15分ほどとろ火で煮ます。
そのまま夕食の直前まで置いておきます。
こうすると味がよくしみるのです。

食べる前に熱くして本葛でとろみをつけます。

新生姜のはり生姜を散らしてできあがり。
生姜は、やさしい味の冬瓜によく合います。

柚子も収穫してきましたから、
昨日作ったアジのマリネにかけることにしましょう。

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後半は、11月22日の中日新聞生活面の記事を紹介します。
医師もがん患者になって、当事者目線で感じたことを記したよい記事。

  がんで余命宣告受けた医師 患者になって「ずれ」感じた
2016年11月22日 中日新聞

 大腸がんの外科医で金沢赤十字病院副院長の西村元一さん(58)は昨春、胃がんで余命半年と宣告された。患者の立場になって、医療者との考えの「ずれ」に気付いたという。宣告された期間を過ぎたが、治療を続けながら講演会のほか、不安を抱える患者や家族、医療者らが気軽に接する拠点づくりなどの活動を精力的に続けている。 (河野紀子)

 「がん治療医の自分は大丈夫だと思って、検診をおろそかにしていた」。10月上旬、名古屋市天白区の名城大のホール。市民や学生ら290人を前に、西村さんがゆっくりと話した。

 体の異変を感じたのは、昨年3月。外来の診察中に気分が悪くなり、トイレに駆け込むと下血した。検査で進行胃がんと診断された。大腸がんの検査は受けていたが、胃がんの検診は6年間受けていなかった。

 何もしなければ、余命半年。抗がん剤治療と手術、放射線治療、さらに免疫療法による闘病が始まった。1年3カ月の間に2度の転移も経験している。

 がんになる前、医師として多くの患者を執刀し、接してきたが、「分かったつもりになっていた」。がんの告知は、覚悟していてもやはりショックだった。周りがモノトーンになって、ゆっくり動くように感じたという。

 最初に受けた抗がん剤治療では予想よりも効果がでなかった。それは医療者としてみれば想定内のこと。しかし、自分の身に起きてみると、とても重くのしかかった。抗がん剤治療の副作用の味覚障害もつらかった。障害は個人差があるというが、西村さんの場合は物を食べていないときでも常に甘さと苦さを感じるようになった。

 その後、味覚全体が低下。もともと好物だったカレーライスも「味がせず、気持ち悪くさえなった」と振り返る。医師としては、口の中で溶けて飲みやすいだろうと思っていた錠剤も苦痛だった。

 手術後の痛みも、執刀医として思っていたのとは大きく違った。「開腹手術の傷が痛くて苦しんだ。傷が大きい弊害はものすごくある」と、傷を最小限にする腹腔鏡(ふくくうきょう)手術のメリットを痛感した。

 生活の上でも、さまざまな悩みを抱えた。抗がん剤治療に伴う脱毛では、朝起きると枕元などに抜け落ちた髪の毛を掃除するのが日課となった。

 がんが分かる前に自分が患者に説明してきたことは「通りいっぺん」のことばかり。「今まで自分は何をしていたのだろう」とがくぜんとなった。

 生活は、がんの告知を受けた日から一変した。「がんというと、医療者にとっては病名の一つだけれど、患者にとっては命に関わるもの」。今は気付いたことをできる限り伝えていこうと、講演活動などに力を入れる。

 ただ、悪いことばかりではないとも思う。人生には終わりがあると意識し、一日一日を大切にし、残りの人生をかけて達成したい目標が明確になった。「がんになったから出会えた人がいて、気付いたことがあって、講演会などの機会をもらった」。がんからの贈り物だと思っている。

 にしむら・げんいち 1958年9月、金沢市生まれ。金沢大を卒業し、同大病院に勤務。大腸がんの研究と治療を中心に、在宅医療や地域連携の推進にも取り組む。2009年から金沢赤十字病院副院長。

患者、家族、医療者交流の場を
西村さんが今、目指しているのが、がん患者や家族、医療者が集う病院外の拠点づくりだ。医療者とがん患者、家族とのコミュニケーションの難しさを感じ、生活の中に交流の場がある必要性を強く感じた。

 がんの治療法は発達した。患者の負担が少ないよう、今では外来が治療の中心だ。しかし、病院との関わりが薄くなり、患者が日常生活で感じる不安や困り事を気軽に相談できなくなっているとも感じた。「がんになり、家に閉じこもってしまう人もいる。気軽に気持ちを話せる場所が必要だと実感した」

 英国には、病院外の落ち着いた雰囲気の建物で、患者と家族、白衣を脱いだ医療者が出入りし、いろいろな話を自由にできる「マギーズセンター」という場が各地にある。金沢でも広めようと仲間と活動を始めたのが、がんを発症する前の2010年。「そんな場所があったらいい」と憧れていたが、がんを経験して一気に計画が加速した。

 希望すれば、不安を和らげるカウンセリングや栄養指導などが無料で受けられる。乳がんを患う英国人造園家のマギー・ジェンクスさんが「がん患者のための施設を」と呼び掛け、現在、英国では20カ所が運営されているという。運営は寄付金とボランティアが支える。国内では、10月に東京・豊洲に「マギーズ東京」がオープンした。

 金沢にマギーズセンターのコンセプトを参考とした施設を造るため、ことし2月に西村さんの名前を取った「元ちゃん基金」を創設、全国から約2千万円が寄せられた。6月には自身が代表を務める「がんとむきあう会」をNPO法人化した。NPOには、がん患者や管理栄養士、建築士らさまざまな21人が参加。このメンバーを中心に、12月に金沢市内に常設の施設「元ちゃんハウス」の運営をスタートさせる予定だ。

 活動に賛同した市内の企業が、使わなくなったビルを無償提供してくれた。居心地の良い空間にするために木目調の内装、車いす対応のトイレに改修。机を数カ所に配置しておしゃべりをしたり、個別相談を受けたりするスペースも設ける。

 日本人の2人に一人ががんになる時代。「こういう場所は必要だと思う。金沢でうまくいけば、自分の地域にもつくろうという動きが出てくる可能性がある。誰かが後に続いてくれないと、自分たちの活動の意義も薄れる」。日本で、マギーズセンターのような施設を定着させたい。それが願いだ。

 がんとむきあう会は、元ちゃん基金への協力と、会員を募っている。詳しくは、同会のホームページへ。


  


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11月27日(日)のつぶやき

2016-11-28 01:09:21 | 花/美しいもの
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いただきものの無農薬富有柿。熟柿の柿酢もあるよ/石地みかんと花ユズも黄色く色づいてます

2016-11-27 21:53:45 | 梅仕事/手作りしょくひん
大野町の姉から富有柿を収穫したと連絡がありました。
今年はたくさん採れたということなのでもらいに行ってきました。

完全無農薬の貴重な富有柿です。
コンテナに6箱くらいもらってきて、さっそく、
堅い目の柿と、柔らかめ柿と、ヘタや皮に傷のある柿を分けました、
  
熟した柿は柿酢につけたいので、
昨年の柿酢のビンに残っていた柿酢を採りました。
  
漉したらまだけっこうな量です、


今年の熟柿でつけた柿酢。

ざっと洗って乾かしただけのビンを使ったので、
酢酸菌が残っていて、柿を入れて一日でぶくぶく泡が出ています。

去年の柿酢の発酵菌がよい仕事をしていますね。

このまま放置して静置発酵させるだけで、
来年には、おいしい柿酢ができています。

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寒くなってきたので、防寒のために
石地みかんにパオパオをかけてやりました。
猿と鳥の被害を防ぐため、も兼ねています。

石地(いしじ)みかんは、
「極早生より早く春に花が咲き、遅くまで木に成らして収穫します。
木の上で果実が成っている期間が、みかんの中で一番長い品種です。」

ということで、
樹上完熟にて収穫します。みかん本来の甘さとコクがあります。
一見、身の色がうすくて皮が堅そうに見えるのですが、
じゅうのう(薄皮)がうすく、おいしい蜜柑です。

花柚子も今年はたくさん実っています。

この一週間ほどで、黄色く色づいてきました。
  
そろそろ採りごろです。

柚子は、柚子酢(ジュース)を絞ってから、皮はゆずジャムにするので、
捨てるところがありません。
梅や柑橘など、庭になる果実は貴重なので、大切に加工します。

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11月26日(土)のつぶやき

2016-11-27 01:07:46 | 花/美しいもの
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市民派議員増やそう 「なるための本」著者講演・高知県香南市/政務活動費 不正広げた国会の責任

2016-11-26 18:32:08 | 『最新版 市民派議員になるための本』
11月19日の高知県での講座の記事が、20日の高知新聞に掲載されました。

午前が終わったところで、取材を受けて話したのですが、
よくまとまった記事になっています。

記者の森田さんに「記事が載ったらおくって」と頼んでおいたので、
京都から帰ったら、届いていました。
新聞記事をスキャンして、内容を紹介します。


  市民派議員増やそう  「なるための本」著者講演・香南市
2016.11.20 高知新聞 

 議員を目指す人らを対象に、議員の仕事などを学ぶ講座が11月19日、高知県香南市赤岡町の赤岡市民館で開かれた。「市民派議員になるための本」などの著者の寺町みどりさん(64)=岐阜県山県市=が講師に立ち、約40人が熱心に耳を傾けた。

 寺町さんは環境問題などの市民活動に関わり、市民団体「女性を議会に 無党派・市民派ネットワーク」事務局も務める。議員らを対象に勉強会なども開いており、任意団体「こうち男女共同参画ポレール」が招いた。
  寺町さんは「自治体の主役は市民」と強調。「議員には誰でもなれる。組織やしがらみにとらわれず、自分の意思で発言できる市民派議員が増えてほしい」と訴えた。
 また、「議員の仕事は発言すること」とし、「1人で『異議あり』というのは勇気が要るが、首長の言う通りにするだけだったり、裏で根回しして議場で発言なしに議決するなら議会はいらない」と断じた。
 日本で女性議員が少ない点にも言及し、「女性の立候補者は少ない。当落に関係なく、政策を語れば街は変わる。発言が市民の政策に届くのは議員の醍醐味(だいごみ)。一歩踏み出せば何かは変わる」と激励した。
 模擬選挙も行われ、立候補した4人が「おなかのすいた子が人もいない街に」「子育て背世代と女性の声を届けたい」などとまちづくりの夢を訴えた。(森田千尋) 


事前に予告記事も載ったようです。
  女性の政治参画進めよう 11/19香南市で議会や選挙学ぶ講座 
2016.11.08 高知新聞

 女性の政治参画を進めようという視点から議会や選挙などの仕組みを学ぶ講座「~女性の政治参画を進めるために~ あなたもなれる!『市民派議員」」が11月19日、高知県香南市赤岡町の赤岡市民館で開かれる。任意団体「こうち男女共同参画ポレール」(松崎淳子代表)の主催で、参加者を募集している。

 議員になりたい人やその支援をしたい人らを対象に、「あなたもなれる! 『市民派議員』」と題し、市民団体「女性を議会に 無党派・市民派ネットワーク(む・しネット)」事務局の寺町みどりさん=元岐阜県高富町(現山県市)議員=が、市民派議員、女性議員の必要性などを伝える。

 寺町さんはジェンダーや人権などの市民運動に関わり、「市民派議員になるための本」などの著者。「む・しネット」では議員活動などに関する勉強会を開いている。

 講座は午前10時半から午後3時半。定員50人で、参加費500円。希望者は15日までに、ポレールの岡崎さん(090・8697・7137)か古谷さん(090・9556・4671)へ申し込む。 


会場にはテレビ局も来ていたらしく、そちらの方は、
いつどんな形で放映されたのかも不明。

会場にビデオが入ると話す内容を公開を前提にしてのものに
変える必要があるので、資料を作る際に事前確認した時、
主催者からは「ビデオ撮影はなし」とお返事をいただいていました。

TVや新聞が取材に来るとは当日も聞いていなくて、
会場にはいって話し始めたら、後ろのほうでビデオを構えてる人がいて、
ちょっとびっくり。
とはいえ、
お昼休みにはインタビューを受けたし、
わたしの講座を取材にみえたのですから、
新聞記事のように、DVDか何かの形にして送ってほしいですね。

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後半は、
昨日の毎日新聞の社説「政務活動費 不正広げた国会の責任」。

「政務調査費」として自治法に規定された当初から、
この制度は国会議員が地方議員のためにつくった、と言われていて、
それをさらに、「政務活動費」として使途を広げて、
あいまいにしたのが、法改正(改悪)です。

  社説:政務活動費 不正広げた国会の責任
毎日新聞2016年11月25日

 地方議員の政務活動費(政活費)をめぐる不祥事に歯止めがかからない。市議12人が不正受給で辞任し、補欠選挙を行った富山市議会だけではない。宮城県議会で議長が同じ年に2代続けて辞任に追い込まれるなど、異常な事態が続いている。


 政活費は地方議員の活動費用を公金で補助する制度だ。宮城県議会の場合、議長が白紙領収書を用いて過大請求したり、私用のマッサージチェアの領収書を添付したりしていたことがわかり、辞任を表明した。

 同議会は、前議長も不正受給で6月に辞任したばかりというのだからあきれる。他の地方議会でも不適切な支出は際限なく発覚し続けている。極めて深刻な状況である。

 こうした事態を招いた最大の原因は地方議員のモラルの欠如にある。政活費を前渡しする方式の見直しや、領収書の例外無き添付・公開を義務づけるなどの対策はもはや待ったなしだ。

 ただ、国会にも実は責任がある。法改正で補助の対象を広げ、使い道をゆるめたことが不正を助長してしまったためだ。

 地方議員の経費補助は2000年に「政務調査費」として制度化された。使い道があいまいだとの批判はこの制度にもあった。それでも議員の調査研究活動に限られていた。

 ところが、地方議会側の要望を踏まえ12年に議員提案による修正という形で地方自治法の改正が行われた。支出目的に「その他の活動」が加えられ「政務活動費」に改称された。陳情、要請に使う経費などへの補助対象拡大が目的とされる。

 政党側は当時、政活費の使い道やルールは自治体が条例などで明確化すると説明していた。だが「その他の活動」の定義は非常にあいまいで、飲食への支出やカラ出張など議員の規律を低下させたことは否定できない。こうした懸念が十分、吟味されなかったのではないか。

 国会議員に関して無視できないのは、公的文書の発送や通信などにあてるとして、議員1人月額100万円の「文書通信交通滞在費」(文書通信費)が支給されていることだ。

 文書通信費は実際に何に使ったかを公開する義務はないため「政活費以上に不透明」だと批判されている。地方議員の費用補助の適正化をめぐり国会の対応が手ぬるいのは、文書通信費とのバランスを配慮したためではないか、との指摘すらある。

 公金を使う経費の補助について、国会、地方議会の双方が不明朗な制度でもたれあっているようでは問題だ。与野党は政活費の欠陥是正に向けた議論を進めるとともに、文書通信費の透明度も高めるよう、自らの襟を正すべきだ。  


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11月25日(金)のつぶやき

2016-11-26 01:09:58 | 花/美しいもの
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