みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

「都市問題」公開講座ブックレット34『自治体議会は必要か?』(後藤・安田記念東京都市研究所)

2015-07-16 21:51:11 | 市民運動/市民自治/政治
2月に開催された「都市問題」公開講座、
『自治体議会は必要か?』のブックレットが10冊届きました。

わたしも「パネルディスカッション」のひとりとして登場。
発言記録を校正したので、いつ刊行されるのかな、
と楽しみにしていました。


『自治体議会は必要か?』(後藤・安田記念東京都市研究所)


  (34)自治体議会は必要か?

2015年7月1日 A5判,72頁,定価500円(税込)/本体463円

「都市問題」公開講座ブックレット34
第40回「都市問題」公開講座
自治体議会は必要か?

目 次
●基調講演...............................................................2
自治体議会がなかったなら何が起こるのか
金井利之 東京大学法学部・大学院法学政治学研究科教授
●パネルディスカッション..........................................20
パネリスト 
寺町みどり  「女性を議会に 無党派・市民派ネットワーク」事務局
中本美智子  大阪府吹田市議会議員
根本 良一  前福島県矢祭町長
東野 真和  朝日新聞編集委員(前大槌駐在)
山口 二郎  法政大学法学部教授(司会)


一冊500円です。
関心のある方は、よかったらお読みになってください。

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今日は可児市の花木センターまで、
これから蒔く種を買いに行ってきました。

帰ってきたら、北海道に旅に出ていたまどくんたちが、
お土産をもってきてくれました。

わたしが大好きな毛ガニが二杯と、
ともちゃんには、ホッケと紅かまです。

夜は、毛ガニをもくもくと食べました。

北海道限定のお菓子は、明日いただくことにしましょう。

北海道といえば、トウモロコシ。

これは寺町畑でとれた無農薬トウモロコシです。


そうそう、花木センター近くの湯の華温泉にもよってお風呂に入り、、
平打ち麺と、アイスパラダイスも食べました。

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政務活動費 チェック機能不十分 25自治体 詳細報告なし/道県議会の実態についての最近の報道

2014-08-13 22:26:58 | 市民運動/市民自治/政治
友人のジャーナリスト、相川俊英さんの
「地方自治“腰砕け”通信記」がおもしろくて、記事がアップされるとすぐに読むことにしています。

 相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記 

昨日の記事は、
 故郷の生き残りを懸け、しがらみを打ち砕けるか?
無風の弥彦村長選に36年ぶりの嵐を呼ぶ元新聞記者 (【第105回】 2014年8月12日 ダイヤモンド)


先週の5日の記事は、
号泣した兵庫県議で話題になった、政務調査費のこと。

この事件をきっかけに、全国の議会の政務活動費の使いみちがマスコミに注目されています。
 
都道県議会の実態についての最近の報道。
●13年度 都議会政務活動費 「会費」前年度比6割増/東京 8月7日
●11都議、後援会や党支部に支出 求められる厳格な運用 識者「地方議員も意識改革を」/産経 8.6
●北海道議会の政務活動費「使い切り」顕著 執行率95.4% 全額74人/北海道 8.1
●政務活動費 チェック機能不十分 25自治体 詳細報告なし/東京 7月27日
●政務活動費 29人使い切る 会派・県議、1億4970万円交付/中日 8月1日
●東京都議会も政務活動費デタラメ!1日に新年会10回、タクシー年に840回/j-cast 8/8
●また兵庫県議「政務活動費流用」疑惑!妻と九州旅行を計上―観光資源視察だって!?/j-cast 8/7
●政務費返還表明の愛知県議、「必要ない」と発言/読売 8月5日
●都議20人、政務活動費で新年会40回以上/読売 8月7日


政務活動費のずさんさは、今に始まったことではないのですが、
注目されるようになった、という事でしょうか。
新版でももちろん政務活動費のことは書いているので、
この地方議会の実態へのマスコミの関心が秋まで続いてもらえるとよいのですが・・・。

  政務活動費 チェック機能不十分 25自治体 詳細報告なし
2014年7月27日 東京新聞

 不適切な使い方が問題化している地方議会の政務活動費で、全国四十七都道府県と二十政令指定都市のうち二十五自治体が、使用目的などの詳細な報告書提出を義務付けていないことが二十六日、共同通信の調査で分かった。公認会計士ら第三者がチェックしているのは七自治体にとどまった。二〇一四年度の都道府県、政令市の政務活動費は計百七十四億円に上る。 

 政務活動費は、不自然な支出で辞職に追い込まれた野々村竜太郎(ののむらりゅうたろう)元兵庫県議の問題で注目を浴びた。各地で住民監査請求が相次ぐなど批判は根強く、透明性の確保が求められそうだ。

 政務活動費は、政策立案に必要な経費として議員報酬とは別に支払われる。予算額は都道府県が計百二十三億円、政令市が計五十一億円。

 「調査研究費」「資料購入費」など項目別に金額を記入した収支報告書は、大半の自治体がインターネットや議会などで公開。情報公開を請求された場合に限って開示しているのは、埼玉県、浜松市、広島市の三自治体だけだった。

 収支報告書の項目や領収書だけでは、個々の支出の目的は分かりにくい。六十七自治体のうち二十七都道府県と十五市は海外や県外の視察、事務所費などを対象に詳細な報告書を別途、提出するよう求めていた。

 【詳細な報告書提出が義務づけられていない25自治体】
▽県議会 青森、岩手、秋田、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、滋賀、兵庫、和歌山、島根、岡山、山口、香川、福岡、長崎、宮崎、沖縄
▽政令市議会 横浜、名古屋、大阪、広島、北九州 
 

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女性議員への、セクハラ・侮辱発言で問題になった
都議会の政務活動費の使いみちにも、目がむけられるようになったようです。

  13年度 都議会政務活動費 「会費」前年度比6割増
2014年8月7日 東京新聞

 都議が調査研究に充てる経費として、二〇一三年度に税金から交付された政務活動費の収支報告書が六日、公開された。交付総額の95%に当たる八億四千万円が使われ、残って返還されたのは四千二百万円余だった。住民らに配る広報紙発行費と秘書らの人件費が支出の大半を占め、各種団体や町会・自治会が開く新年会などの「会費」は前年度より六割増となった。

 都議の政務活動費は一人当たり月額六十万円で、全国最高額。都民に使い道を示すため、公開された領収書の写しなどは二万六千枚に及んだ。しかし領収書だけでは調査研究との関連性を検証できなかったり個人名が黒塗りにされたりして、不透明さはぬぐえない。

 支出の内訳は「広報紙発行費」三億千三百六十四万円、秘書給与などの「人件費」二億七千七百六十九万円の順に多く、この二項目だけで全体の七割を占めた。

 飲食付き会合への支出に批判のある「会費」は、前年度に比べ七百六十七万円増えて二千二十三万円に上った。このうち、自民が千四百七十一万円と突出し、公明が五百五万円で続いた。昨年六月の都議選で自民の所属議員数が大きく増えたことから、今年一月の新年会費などの支出も膨らんだとみられる。

 これに対し、共産、民主両党などは「飲食を伴う会合は税金を使う活動として理解を得にくい」として政務活動費を充てておらず、会派ごとに対応が分かれている。

 生活者ネットワークは、ネットの地方議員OBらが勤める調査会社に、学童保育や再生可能エネルギーなどの調査を委託し、九百六十五万円を支払っていた。

 自民が五百四十六万円を支出した「グループ活動費」も、問題視する声が出ている。会派内や超党派で結成された議員連盟の年会費などに充てられているが、そもそも議員連盟がどんな活動をしているか検証できないためだ。

 主要会派のうち、交付額を全額使ったのは民主、生活者ネットワーク。返還された剰余金が多かったのは公明、自民、共産、結いと維新、みんなの順だった。 



  都議20人、政務活動費で新年会40回以上  
2014年08月07日 読売新聞

 全国で最高額となる1人当たり月額60万円の東京都議の政務活動費(政活費)の収支報告書が6日公開された。

 報告書や領収書からは、領収書が添付されないずさんなケースや、政務活動との関連や透明性に疑問符がつく支出も散見された。

 ◆使い切りも
 2013年度の交付総額8億8260万円のうち、95・2%にあたる8億4029万円が使われた。自民、公明、共産などは剰余金を都に返還。返還額は前年度の2・6倍の4230万円になった。民主と生活者ネットワーク、無所属都議1人は全額を使い切った。

 民主の石毛茂幹事長は「むしろ赤字で、自腹で払ったところもある」と述べ、ネットの山内玲子政調会長も「所属議員が少数なのでコピー機リース代などの負担が大きい」と語った。

 年間800回以上タクシーに乗車していた公明都議は、「足の指を骨折し、(近距離でも)タクシーに頼ってしまった。申し訳ない」と釈明。昨夏、私費で電動アシスト自転車を購入したといい、「今年度のタクシー代は相当減らせるはず」と語った。

 ◆「会費」1.6倍
 1回1万円まで認められている新年会などの「会費」は2023万円で、前年度比で1・6倍に増えた。12年度は、昨年6月の都議選を控え、「選挙活動との線引きが難しい」(自民、公明)と、新年会への支出を控えたが、都議選を終えた今冬は、支出が増えた。新年会の会費を40回以上、計上していた議員が自民、公明で20人いた。

 また、今年2月に開かれた二輪車販売店の業界団体の新年会に自民と公明の2人の都議が出席したが、支払った金額がそれぞれ1万円と5000円で異なっていた。求められた会費以外を支出することは公職選挙法が禁止する寄付行為にあたる可能性があるが、都議会局は「いずれも必要な手続きは取っており、問題ない」と説明している。

 ◆領収書添付なし
 政活費を巡っては、元兵庫県議が領収書もなく、日帰り訪問の切符名目で不自然な支出を繰り返していたことが問題になっている。

 都議会では、領収書の保管を義務づけているが、みんなの都議は職員の通勤定期などを購入する際に領収書をもらい忘れ、添付していなかった。この都議は「新人で領収書への認識が足りなかった。今後はこのようなことがないようにする」と釈明した。

 また、みんなは、会派として購入した「地方自治ポケット六法」についても領収書の添付がなかった。


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来年の統一地方選で誰を選び、誰を選ぶべきでないか(相川俊英)/都議会、政務活動費の異常な使い途

2014-08-09 21:11:30 | 市民運動/市民自治/政治
『市民派議員になるための本』の新版の
再校の仕事を終日集中していました。

夕方には目がしょぼしょぼ、食欲もなくて、
疲れていました。

ということで、
今日のブログは、友人の相川俊英さんが書かれた
「権限拡大した議会で許されぬ“第二の号泣県議”の登場
来年の統一地方選で誰を選び、誰を選ぶべきでないか」の記事と、
政務活動費関連の新聞記事。

相川さんの記事には、さいごに、
「来年の統一地方選で誰を選べばいいのか?
選んではいけない地方議員の「5つのタイプ」があって、
ちょうど今書いている本の内容ともあっていて、とてもおもしろいです。

  会費なし新年会に政務活動費 自公都議が支出  
2014年8月6日 東京新聞

自民、公明両党の東京都議二人が業界団体の新年会に出席した際、会費がいらないのに政務活動費から「会費」を支出していたことが、六日に公開された二〇一三年度の政務活動費収支報告書と領収書の写しで分かった。こうした支出は寄付行為として公職選挙法に抵触する可能性がある。 

 支出していたのは、自民の桜井浩之都議(48)=墨田区選出=と、公明の遠藤守都議(47)=大田区選出。二人とも今年二月十九日夜、二輪車販売の業界団体が中野区の中野サンプラザで開いた立食形式の新春懇親会に出席し、それぞれ一万円と五千円を会費として支出した、と報告した。

 会費の金額が異なることに、主催団体の役員は取材に「懇親会経費は会員の組合費で賄うので、議員のみなさんから会費は徴収していない。いただける場合でも金額は議員任せで、お祝いとして受け取っている」と説明している。この団体によると、当日は別の都議二人も出席していたという。このうち政務活動費として領収書を提出したのは桜井、遠藤両氏だけだった。

 政務活動費の使途基準では、会費の支出には領収書とともに、会費の金額や会場などが明示された文書の添付も議員に求めている。

 遠藤氏は公明会派幹部に「当初の案内状には会費が書かれていなかったので、会費を明記した文書を送ってほしいと団体の事務局に依頼した」と説明。その後「お一人様 五千円」との案内状が届いたという。

 桜井氏は取材に「領収書などを確認し、政務活動費になじまないなら返還する」と語った。

◆会費とみなされず
 政治資金オンブズマン共同代表の上脇博之・神戸学院大教授の話 議員によって金額が違えば会費とはみなされない。新年会や忘年会に議員が出席するのは自分の顔を売るためで、税金で賄われる政務活動費を会費に充てるのはおかしい。


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 都議73人、新年会に政務活動費 昨年度計1315万円 
2014年8月7日 朝日新聞

新年会に出席した回数が多かった都議
 東京都議会が6日公開した昨年度の政務活動費で、都議73人が新年会2183件に出席し、計1315万円を使っていた。「意見交換をした」とするが、滞在する時間が数分という事例もあった。飲食を伴う会合もあり、新年会への公金の支出に疑問を示す専門家もいる。

 収支報告書や領収書で1~2月に「新年会」「賀詞交歓会」と記された支出を集計した。1件あたり500円~1万円で、都議会が支出上限に定める1万円は586件あった。

 出席回数が最も多いのは76件(計41万5500円)で、別の2人の66件(33万9千円と32万8千円)と続いた。同じ日に複数の新年会に出たのは69人。最多は7件で、6件3人、5件8人だった。会派別では自民が52人で1597件(計976万円)、公明が20人で570件(328万円)、無所属1人が16件(10万円)だった。

 都議会の規定では、会費の支出は「意見交換を伴わない場合や、親睦や飲食が主目的の場合は支出できない」としている。

 だが、新年会66件に出席した自民議員は、地元商工団体の新年会であいさつして間もなく会場を後にした。団体幹部は「新年会は都議を呼べる貴重な機会。対話したかった」。都議は「新年会が重なり途中で出ることもあるが、あいさつだけで退席するケースは少ない」と述べた。

 別の自民都議は1月24日、観光関連団体の新年会に政務活動費から5千円を支出。団体によると、ホテルで料理やビールが振る舞われた。担当者は「議員は議会の活動内容をアピールしただけで、意見交換できなかった」と漏らす。

 自民の吉原修・前幹事長は「200~300件の新年会に出る議員もいるが、政活費をあてるのは一部。滞在20~30分の時もあるが要望は聞く」と話す。

 民主や共産は、新年会での政務活動費の支出を認めていない。民主は「新年会への支出は都民の理解を得られない」、共産は「飲み食いや顔合わせの場になっている」とする。

 市民団体「政治資金オンブズマン」共同代表で、神戸学院大法科大学院の上脇博之教授は「新年会は議員の公的活動ではなく、居酒屋で人から話を聞くようなもの。選挙の顔つなぎの要素が強く、公金である政務活動費を使うのは適さない。意見交換ならば飲食を伴わない都政報告会を開けば良い」と指摘する。(松崎敏朗、別宮潤一)


  権限拡大した議会で許されぬ“第二の号泣県議”の登場
来年の統一地方選で誰を選び、誰を選ぶべきでないか
 
相川俊英 [ジャーナリスト] 【第104回】
2014年8月5日 ダイヤモンド・オンライン

「号泣県議」の登場が号砲に?
負のスパイラルに落ち込む地方議会


 国会議員が衆参合わせて722人なのに対し、地方議員は全国に3万5000人あまりいる。総数がケタ違いに多いので、地方議会の中におかしな人物が紛れ込んでしまうことはあり得る。不祥事を起こす不心得議員が現れても、そう不思議な現象ではない。それはある程度の規模の組織・集団が抱える共通の課題とも言える。

 しかし、最近はそんな寛容なことを言っていられるような状況ではなくなっている。それにしてもひど過ぎるからだ。

 まるであの兵庫県の号泣県議の登場が号砲となったかのように、全国各地で地方議員の御乱行が表面化している。不祥事の種類と量、度合いはこれまで以上のもので、地方議員の劣化の進行がうかがえる。地方議会全体がいまや負のスパイラルに陥っているように思えてならない。

 地方議会は本来、住民にとって身近な存在だ。取り上げられる課題も、日常生活に密接に関連した具体的なものばかりである。地元で暮らす議員とはお互い顔の見える関係をつくりやすく、遠い存在の国会議員とは明らかに異なる。住民にとって、日常的に会話を交わせる近しい存在のはずである。

 そんな身近な議員を選ぶ地方選挙で、最近3つの特異な現象が顕著となっている。1つは立候補者の激減である。議員定数を上回るだけの立候補者が現れず、無投票となる異例の事態が続出している。つまり、議員が選挙なしで選ばれる特異な現象が広がっているのである。

 たとえば、2011年4月に行われた統一地方選挙だ。41道府県議選挙が実施されたが、無投票当選者は全体で410人に達した。そのときの総定数が2330人だったので、無投票当選率はなんと17.6%。県議のほぼ5人に1人が選挙なしで選ばれた計算になる。

 逆に言えば、県会議員を選ぶ機会を持てずにいた住民がたくさん生まれたということである。なかでも無投票当選率が最も高かったのは島根県で、県議の総定数37のうち7割を上回る26議席が無投票だった。また、自治体の中には議員選挙が四回連続して無投票に終わったというところさえある。

 2つ目の現象は、選挙が実施されても候補者が少なくて、落選者がごくごく一部に限られる事例が増えていることだ。定数を1人か2人上回る程度の候補者しか現れず、しかも、票を開ける前から選挙結果が読める「少数凡戦」の常態化である。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

来年の統一地方選で誰を選べばいいのか?
選んではいけない地方議員の「5つのタイプ」


 自治体の権限と責任が拡大している今の時代、地方議会と議員の存在は極めて重要なものとなっている。そうした議会・議員の果たすべき役割を理解していない人や、果たす力量のない人を選んでしまうと、そのデメリットは必ず住民生活に及ぶことになる。議員の質の劣化を加速させる負のスパイラルからいち早く脱しないと、地域の将来は間違いなく、大変なことになるだろう。

 それゆえに、来年の統一地方選は重要だ。もっとも、そうは言っても「誰を選んだらよいのかわからない」と選挙のたびに苦悩する人もいるはずだ。そこで、どんな人物を選ぶべきかではなく、選んではいけない5つのタイプを紹介したい。

 1つは、知事や市区町村長、国会議員などとの関係の深さをやたらアピールする候補者だ。2つめは、自分の手柄話ばかりをする人と反対に自分の意見を言わない人。3つめは、自分の地元や支持団体にしか目を向けない人。4つめは、選挙公約に具体性がなかったり、詳細に書いているものの政党やどこかのマニフェストのまる写しが疑われるもの。切り貼りやコピぺを行っている候補者だ。5つめが、自分のビジュアルやイメージを常に意識し、それらを全面に押し出すような候補者だ。それ以外に金目に走る人や素行や品性に問題がある人は、もちろん、論外である。


  東京23区 政務活動費 5議会 使途報告求めず  
2014年8月7日 東京新聞

 不適切な使い方が問題になっている地方議会の政務活動費で、東京二十三区のうち中央、品川、目黒、中野、江戸川の五区議会が、具体的な使途や目的を明らかにする報告書の提出を義務付けていないことが、本紙の取材で分かった。公認会計士や弁護士らの第三者機関で支出内容をチェックしているのは、四区にとどまることも分かった。 (小田克也)

 政策立案の必要経費として支払われる政務活動費は税金で賄われ、二〇一四年度の二十三区の総額は十七億七千万円。目的外支出などが全国で明らかになり、住民監査請求や住民訴訟が相次ぐ。使途のルールも議員側が決めていて「お手盛り」との批判が強い。

 二十三区で予算額が最も多いのは、世田谷区の一億三千二百四十八万円。議員一人当たりの月額も同区が二十四万円で最多。最少は荒川区の八万円。東京都議会は六十万円で、全国で最も高額だ。

 政務活動費の領収書は、すべての区議会が議会事務局への提出を義務付けている。しかし領収書だけでは目的や具体的な使途が分からないため、十八の区議会は領収書一枚ごとに「何の用事でどこへ行くためにタクシーに乗った」などの詳細な報告書を別途、提出するよう求めている。

 中野区は一件一万円以上の領収書だけを提出し、一万円未満は所属会派が保管すればよい、としている。これに対し区民が昨年八月、すべての領収書提出義務付けを求める陳情を出し、区議会が審議中だ。

 第三者機関による点検は千代田、大田、杉並、北の四区が導入。七月に設置した北区は、一二年の地方自治法改正で政務活動費の使途が広がったことを受け、透明性を高める必要があると判断したという。


 領収書の情報公開は全区議会が開示請求に応じて開示する。墨田、世田谷、中央の三区は、請求がなくても議会やインターネットなどで閲覧できる。

 東京市民オンブズマン事務局長の谷合周三弁護士は「支出目的は当然書くべきだ。報告内容は本来、誰が見ても明らかなものでなければいけない」と指摘。情報公開は「少し物足りない。区民が情報にアクセスしやすいようにしなければ」と話している。

◆使い道幅広く
<政務活動費>
 地方議会の活性化と議員の調査活動の基盤強化を図る目的で支給される資金。当初は2000年の地方自治法改正で「政務調査費」として導入された。12年の法改正で名称が変わり、国への陳情など「その他の活動」に広く使えるようになった。所属議員数に応じて会派に支給されることが多い。同法は、議長が使途の透明性確保に努めると規定。支給額や使途の範囲は各自治体が条例で定める。当初は領収書を公開する自治体はほとんどなく、各地で住民監査請求や訴訟が頻発、返還命令が相次いだ。 


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<そこが聞きたい>秘密保護法基準案の検討 清水勉氏/情報保全会議 「歯止め役」の責任は重い

2014-02-20 21:58:50 | 市民運動/市民自治/政治
昨日、いつものように毎日新聞に目を通していて、
なにげなく写真に目をうつしたら、知っている顔がありました。

弁護士の清水勉さんです。

清水さんには、福井の情報非公開取り消し訴訟や、
岐阜県を被告とする住民訴訟など訴訟で、ずいぶんお世話になりました。、


特定秘密保護法の運用基準を審議するために設置された「情報保全諮問会議」に、
明確に反対の立場からただ一人、選ばれました。

「反対派が1人では、多数派に取り込まれるだけではありませんか。」という質問に、
「そうはならないでしょう」と言い切ったのは、清水さんらしいと思いました。

わたしも、多数派には取り込まれないでしょう、と思います。

   

  <そこが聞きたい>秘密保護法基準案の検討 清水勉氏  
2014年02月19日 毎日新聞

 ◇経過の公開、非常に重要−−弁護士・情報保全諮問会議メンバー、清水勉氏
 今年中に施行される特定秘密保護法=1=に基づき設置された有識者会議が、秘密指定や解除の基準案を検討している。7人のメンバーのうち、1人だけ法律に反対の立場を明確にしている清水勉弁護士(60)に課題を聞いた。【聞き手・青島顕、写真・宮間俊樹】

−−この法律の解説書を書いているそうですが、改めて問題点は。
 官僚支配の露骨な法律です。条文を読んでも中身がスカスカ過ぎて分からないことが多すぎます。普通は国会で決める法律に木の幹の部分を書き、枝葉は役所の判断で作る政令で定めます。でもこの法律は幹の部分も政令で決まる。このままでは適正な運用はできません。
−−法律に反対されていますが、運用基準を審議するために設置された有識者らで作る諮問会議「情報保全諮問会議」=2=のメンバーに選ばれました。
 昨年夏に法案の概要ができたころ、日本弁護士連合会の対策本部事務局長として与党の国会議員を回りました。話を聞いてもらい部分的な法案修正につながったのですが、その時に話し合った自民党と公明党の議員から要請され、両党の推薦でメンバーになりました。

−−諮問会議は「会議として」首相に意見を述べることになっています。反対派が1人では、多数派に取り込まれるだけではあり
ませんか。
 そうはならないでしょう。秘密保護法18条には「首相は(秘密指定などの)基準を定めるときは、識見を有する者の意見を聴いたうえで案を作成する」とあります。「識見を有する者」という個人の立場で意見を言えるから参加しました。問題意識や専門性の高い人が、情報の適正管理という観点から公的な場で言った意見を踏まえ、法律が運用されていくのが正しい筋道だと思います。

−−メンバー構成をどうみますか。
 賛成、反対はともかく、官僚と対等に話せる専門家集団にすべきでした。例えば森本敏・前防衛相や元外交官の孫崎享(うける)さんのように、秘密を扱った経験があったり、秘密を扱っている人に問い合わせたりできる立場の人を入れてほしかった。情報保護、情報公開、公文書管理、報道、法律の分野の専門家で構成することになっていましたが、7人全員が必ずしも専門家ではありませんし、男性4人、女性3人という構成も、性別のバランスを考えただけという感じがします。

−−先月17日の初回はメンバーが所信を述べただけでした。会議は3回程度とされています。基準の素案作りは2回目からですか。
 この7人で何か具体的な議論をして決めるとは思いません。自分の分かっていること、見えていることに問題意識を持って発言することが一人一人に求められています。

−−会議の役割は。
 基準を作って秘密指定の対象を絞り込むことや、秘密を扱う人を選ぶための「適性評価」の項目作り、それから適性評価の個人情報の管理方法です。適性評価は秘密を扱う民間企業の従業員も対象になりますが、評価をするのは国なので、企業が知らない従業員の情報を国が知っているということも起こりうる。法施行後も毎年、首相から報告を受けてメンバー個人の意見を付けます。

−−内部告発者保護の仕組み作りも重要な役割ですね。
 情報管理を厳格にするなら、情報公開や内部通報制度を充実させなければなりません。要件を満たさない違法な秘密指定がされる可能性がありますが、情報公開請求をしても非開示になって明るみに出ない。内部告発しかないわけです。しかし、今の制度では告発者を守るには不十分です。本来、秘密保護法を作るより先に整えておくべきものでした。内部告発があったことが相手組織に分からないような仕組みが必要です。

−−メンバーは秘密そのものを見ることができません。秘密を握っている官僚主導で基準の素案が作られる懸念や限界は感じませんか。
 そうですね。当然、注意は必要です。しかし、官僚に資料や素案を出してもらう必要もあります。私たちは民主党政権時代の2011年に法制化を検討するために開かれた有識者会議を「官僚主導だ」と批判しました。今回は、その時のようになってはいけない。現在の法律では外部の者が秘密を見るのは無理ですが、できるだけ機微に触れる情報も見せてもらったり、説明してもらったりすることは必要です。

−−反対派である自身の役割は。
 賛成、反対ではなく、経過をなるべく公表公開する必要があると思っています。議事録には発言者の氏名を入れることになりました。意味のある発言を公的な場で記録することが重要です。後からでも意見が生きればよいと思います。基準案作りに向け、資料をなるべく多く見せてもらい、考え抜いて意見をまとめたいと思っています。

 ◇聞いて一言
 昨年12月の参議院委員会の強行採決前日、安倍晋三首相が唐突に口にした「諮問会議」。批判をかわすための付け焼き刃的存在だ。「識見を有する者」の会議なのに「自分は専門家ではない」とあいさつしたメンバーもいる。法施行時に「外部の意見を聞いた」というアリバイに使われはしないかという疑念がぬぐえない。清水弁護士の参加には日弁連内部にも異論があったと聞く。秘密指定の乱用を少しでも防ぐため、権力に利用されず、市民の代表としての役割を果たしてもらいたい。

………………………………………………………………………………………………………
 ■ことば
 ◇1 特定秘密保護法

 (1)防衛(2)外交(3)スパイ活動などの防止(4)テロ防止の4分野で、国の重要な情報を漏らした人に最高懲役10年の厳罰を科す内容。秘密の範囲を行政が都合よく決める余地がある▽指定期間が一部は60年まで延長可能▽秘密を扱う人は民間人も含めて身辺調査(適性評価)を受ける−−などの問題点が指摘されている。

 ◇2 情報保全諮問会議
 特定秘密の指定に歯止めを設けるための基準作りにあたる首相の私的諮問機関。夏までに素案を作って首相に答申する。メンバーは座長の渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長兼主筆▽永野秀雄・法政大教授▽宇賀克也・東京大大学院教授▽塩入みほも・駒沢大准教授▽住田裕子弁護士▽ディー・エヌ・エー創業者の南場智子氏▽清水勉弁護士。
………………………………………………………………………………………………………
 ■人物略歴
 ◇しみず・つとむ

 埼玉県生まれ。薬害エイズ訴訟で被害者側代理人。情報公開とプライバシー保護に取り組む。日本弁護士連合会の情報問題対策委員会委員。



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秘密保護法、情報保全諮問会議の関連の記事です。

 情報保全諮問会議(内閣官房ホームページ) 

  情報保全諮問会議の議事録開示 
2014.2.16 NHK

特定秘密保護法の施行に向けて先月初会合が開かれた有識者会議の議事録が開示され、今後、秘密保護法制を巡る国際的な原則なども参考にしながら議論が進められることが分かりました。

開示されたのは、特定秘密の指定や解除などの統一基準を有識者が検討する「情報保全諮問会議」の初会合の議事録、14ページです。
会議は先月17日に開かれ、7人のメンバーがそれぞれ意見を述べる形で進められました。
議事録によりますと、このうち特定秘密保護法の必要性を明確に認める意見を述べたのは、座長で、読売新聞グループ本社の会長兼主筆の渡辺恒雄氏ら4人でした。
ほかの3人は賛否を明確にしていません。
ただ、日本弁護士連合会の清水勉弁護士は「批判的な意見を出すことになると思う」と述べています。
また、今後の議論の進め方について、東京大学大学院の宇賀克也教授は「『政府の説明責任』と『安全保障に関する秘密の保護』をいかに調和させるかについてのわが国の議論の蓄積は十分でない」として、秘密保護法制を巡るほかの先進国の運用基準やツワネ原則と呼ばれる国際原則も参考に議論を進めるよう求めました。
一方で、渡辺座長は会議の事務局に対し、戦後の主な秘密漏えい事件の捜査や裁判の結果などを報告するよう求め、今後の議論は、こうした国内外の事例を参考に進められることが分かりました。 


<メディア時評・メディアと政治の関係>取り込まれる権力監視 政権と符合する沖縄報道
(2014年2月17日 琉球新報)


 情報保全会議 「歯止め役」の責任は重い
2014年01月27日 西日本新聞

 特定秘密保護法に基づく特定秘密の指定や解除の統一基準づくりなどを政府に助言する情報保全諮問会議が発足した。

 政府は答申を受けて今秋までに関連する政令や運用基準を決め、年内に同法を施行する構えだ。

 国民の「知る権利」を侵害する懸念が拭えない法律であり、政令や運用基準で問題が全面的に解消するとは思えない。

 この法律はいったん廃止して出直すのが筋だと私たちは考えるが、その一方
で施行された場合の弊害は少しでも抑えなければならない。諮問会議は秘密指定の運用状況をチェックできる唯一の政府外の機関である。懸念材料や問題点を直視した上で、厳格な基準づくりに役割を果たしてほしい。

 諮問会議は7人で構成し、座長には読売新聞グループ本社会長で主筆の渡辺恒雄氏が就いた。

 渡辺氏は「法律を不必要に拡大解釈して言論・報道の自由を抑制するようなことがあってはならない」と話した。一方で、「新聞記者として多少の条件を付けているが、(秘密保護法に)賛成だ」とも明言した。

 実務を担う主査は、国会で参考人として賛成意見を述べた法政大の永野秀雄教授が務める。秘密保護法に反対する清水勉弁護士が加わっているが、賛成派が多い。

 しかも、会議は非公開である。具体的なやりとりが分かる議事録も公開せず、要旨のみを公表するという。これは疑問だ。

 国民が懸念や不安を抱く法律だからこそ、諮問会議でどのような議論がなされ、どんな意見がとりまとめられたかを積極的に公開し、幅広い国民の理解と支持を得るべきではないか。

 同法の秘密指定対象には「その他」の表記が多用されている。指定期間は最長60年だが、例外規定があり、半永久的に秘密とすることも可能だ。

 無制限に「国家秘密」が乱造され、しかも無期限に秘密扱いのままとなる恐れは本当にないのか。諮問会議はその「歯止め役」としての責任を果たしてもらいたい。
=2014/01/27付 西日本新聞朝刊= 



  社説:【国会監視組織】制度設計のまずさ露呈
2014年02月19日 高知新聞

 特定秘密保護法をめぐり、行政による秘密指定を国会が監視するための組織の設置論議が進んでいない。
 与党の自民、公明両党が、組織の在り方や権限といった根本的な部分で対立しているためだ。
 国民には秘密が恣意(しい)的に拡大するのではないか、という懸念が大きい。それをチェックする重要組織について意思統一できていない実態は、法律の制度設計がいかに不十分であったかをあらためて示している。
 行政機関の長による秘密指定が適切かどうかをチェックする機関として、情報保全監察室や保全監視委員会などが設置される。しかし多くは政府内に置かれ、監視するのも身内の官僚であるため実効性への疑問が根強い。
 国会の監視機能が一層重要になってくるわけだが、自公の議論は入り口からかみ合っていない。
 監視組織について公明が常設委員会を主張しているのに対し、自民は問題が起きた時に開設すれば十分とする。公明は秘密指定の妥当性をチェックできる権限も求めているが、自民は逐一点検することには否定的だ。
 こうした対立から与党検討チームの設置時期さえ見通せていない。秘密保護法の施行期限は12月だが、それに向けて野党に理解を求める以前に、与党協議でつまずいている現状はお粗末と言わざるを得ない。
 他にも国会に提供された秘密の保護措置や、秘密を漏らした国会議員らへの罰則など論点は多い。議員が国会での演説の責任を国会外で問われない「免責特権」との関係も詰める必要がある。
 そもそも行政機関の長は、国の安全保障に著しい支障を及ぼす恐れがあると判断すれば国会に秘密を提供しなくてもよい。行政が秘密提供を拒んだ場合に国会はどう対抗するのか。この問題をクリアしない限り、監視組織が力を発揮することはできまい。
 監視制度に関する議論は本来、秘密保護法が成立する前に尽くしておくべきものだ。その意味でも欠陥が明らかな同法はやはり、一度廃止するのが筋である。その上で国家機密の保護が必要なら、秘密指定は極力少なくする一方で情報公開制度を拡充する取り組みが欠かせない。
 政府情報は国民共有の財産であるという大原則に基づいて、一から議論をやり直すべきだ。



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東京都知事選 脱原発は大事な争点だ/小泉氏、細川氏支援/古巣に容赦ない小泉節=自民震撼

2014-01-16 21:04:37 | 市民運動/市民自治/政治
脱原発を争点にした都知事選挙について、
「首長選挙に原発問題はなじまない」と批判する自民党を筆頭にする勢力に対して、
中日新聞と毎日新聞が、社説で「脱原発は大事な争点」「原発も大きな争点」 と論じています。

田中秀征さんの「知事選は原発の是非を問う選挙になった!」も
あわせて読むとおもしろいので紹介します。

  【社説】東京都知事選 脱原発は大事な争点だ  
2014年1月15日 中日新聞

 「脱原発」を唱える細川護熙元首相が東京都知事選への立候補を表明した。国の原子力政策は間違いなく主要な争点となる。首都のリーダー選びを日々の暮らしを足元から見つめ直す契機としたい。

 細川氏は、同じく「脱原発」を主張する小泉純一郎元首相に協力を仰ぎ、全面支援の約束を取りつけた。「原発の問題は、国の存亡に関わる問題だという危機感を持っている」と決意を述べた。

 核廃棄物の最終処分場を欠いたまま、安倍晋三政権は相変わらずの原発政策を推進しようとしている。二人の元首相はそこに危うさを覚えている。

 「原発ゼロでも日本は発展できるというグループと、原発なくして日本は発展できないというグループの争いだ」。小泉氏の言葉は、都民を超えて国民全体に投げ掛けられた問いといえよう。

 日本は資源小国だ。安倍政権は原発を「重要なベース電源」と位置づけ、成長戦略の一環として再稼働のみならず海外輸出に前向きの姿勢を見せている。

 その半面、東京電力の福島原発事故の収束作業、さらに廃炉作業の先行きは見通せない。避難生活を強いられている被災者が救われる日もおぼつかない。

 東京は国内最大の電力消費地として原発の恩恵にあずかってきた。都は東電の大株主としてそれを間接的に支えてもきた。

 都民は原発政策にどんな態度を示すのか。グローバル経済の中で飽くなき成長を目指すのか、原発のない新しい国づくりを目指すのか。都知事選は自己の生き方や倫理観とも向き合う好機だ。

 本紙の都民世論調査では、「すぐに原発ゼロにする」と答えた人と「ある程度時間をかけて原発ゼロにする」と答えた人の割合を合わせると、65%近くに上った。

 すでに共産、社民両党が推す宇都宮健児前日本弁護士連合会会長も、同様に「脱原発」を公約に掲げる。十四日の出馬表明で「原発に頼らない社会」を打ち出した舛添要一元厚生労働相は、自民、公明両党が支援する見込みだ。

 都知事選は二十三日の告示、二月九日の投開票。都政には東京五輪・パラリンピックの準備や首都直下地震対策、高齢化対応などの課題も山積みだ。

 医療法人徳洲会グループから五千万円を受け取った猪瀬直樹前知事の辞職に伴う選挙である。細川氏は二十年前、自らの金銭問題で退陣した。首都の信頼を取り戻せるかどうかも争点だ。


  社説:東京都知事選 原発も大きな争点だ
毎日新聞 2014年01月15日 

 東京都知事選の構図が大きく動いた。脱原発を掲げる元首相、細川護熙氏(76)がエネルギー政策を争点に出馬を表明、「原発即時ゼロ」を主張する小泉純一郎元首相は全面支援を約束した。一方で元厚生労働相、舛添要一氏(65)も無所属での立候補を正式表明するなど激戦模様だ。

 首都の顔を決める都知事選だけに、国政の大きなテーマである原発問題も主要な争点として、むしろ徹底論議すべきだ。多様な候補の出馬で有権者の関心が強まり、論戦全般が活発化することを期待したい。

 都知事選は23日に告示、2月9日に投開票される。前日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏(67)、元航空幕僚長の田母神俊雄氏(65)らも無所属で出馬を表明している。

 政界を引退していた細川氏はかねてエネルギー問題に関心を示していた。「原発問題は国の存亡に関わる」と出馬理由を述べたが、強力な発信力を持つ小泉氏との元首相連合が与える影響は小さくあるまい。

 「首長選挙に原発問題はなじまない」。細川氏出馬をめぐり原発の争点化を批判する声が聞かれる。

 だが、そうだろうか。首都のトップ選びは単純に「地方の選挙」と割り切れない。立地地域でなくとも、最大の電力消費地である東京で原発政策を問う意味は大きい。

 福島第1原発事故の未曽有の被害にもかかわらず、国の針路に関わる原発政策が事故後の国政選挙で必ずしも十分に論じられなかった。自民、民主両党とも争点化に慎重だったためだ。原発稼働の是非を問う都民による投票も知事と議会の反対で実現しなかった。

 今知事選では宇都宮氏も「原発のない社会」を掲げる。都は事故の当事者である東京電力の大株主でもある。小泉氏が指摘するように、選挙結果は国政の動向にも影響する。一極集中の象徴、東京だからこそ逆に争点化にふさわしいのだ。

 細川氏に望むのはワンフレーズ的に脱原発を主張せず、電力供給や使用済み核燃料の最終処分問題などエネルギー政策の具体像を論じることだ。小泉氏が「東京が原発なしでやっていける姿を見せる」という主張の説得力が問われる。

 一方で超高齢化への対応や首都防災などの争点の重要さも強調したい。75歳以上の高齢者が2025年に都内で約200万人に達し、マグニチュード7級の首都直下地震で最大2・3万人の犠牲者が想定される現実は重い。首都行政の担い手を決める以上、他の重要課題をおろそかにしてはならない。

 揺れ動いた各党の対応もようやく固まってきた。首都像の議論を通じて日本が抱える課題を国民全体が考える機会としたい。


都知事選は原発の是非を問う選挙になった!
(【第216回】 2014年1月15日 田中秀征 政権ウォッチ|ダイヤモンド・オンライン)


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  小泉氏、細川氏支援 「原発ない東京が国変える」
2014年1月14日 東京新聞

 東京都知事選(二十三日告示、二月九日投開票)に無所属で立候補の意向を固めていた細川護熙(もりひろ)元首相(76)は十四日昼、小泉純一郎元首相と都内のホテルで会談した。「原発ゼロ」を訴えている細川氏は、同じ主張をしている小泉氏に協力を要請し、小泉氏は全面支援を約束した。細川氏は会談後、記者団に「都知事選に立候補する決断をした」と表明した。


 細川氏は記者団に「原発問題は知事としてやりがいのある仕事だ。全力でやりたい」と述べ、一両日中に出馬会見して公約などを発表する考えを示した。

 小泉氏は記者団に「細川さんの決意に心から敬意を表したい。喜んで、積極的に当選のため頑張る」と述べた。都知事選の位置付けに関し「原発ゼロでも日本は発展できるというグループと、原発なくして日本は発展できないというグループの争いだ」指摘。「東京が原発なくしてやっていける姿を見せると、必ず国を変えることができる」と強調した。

 細川氏は昨年十月、安倍晋三首相に「原発ゼロ」への政策転換を促す小泉氏と会談。細川氏はその中で「核廃棄物の最終処分場がないのにもかかわらず、原発の再稼働を進めることに反対なのは小泉さんと同じだ」と連携に意欲を見せていた。

 小泉氏は昨年来、講演で「原発即時ゼロ」を繰り返し主張。「首相の力は絶大だ。安倍首相が原発ゼロの方針を決めれば、反対できない」とも述べていた。

 昨年十二月に猪瀬直樹前知事が辞職した後は、自身に近い中川秀直・元自民党幹事長を通じ、細川氏に都知事選への出馬を促していた。

 細川氏は政党の推薦を受けない純粋な無所属で出馬する意向だが、民主党は正式な手続きを取らずに「勝手連」として実質支援する方針を決めている。

 都知事選には元厚生労働相の舛添要一氏(65)、前日本弁護士連合会長の宇都宮健児氏(67)、元航空幕僚長の田母神俊雄氏(65)らが出馬の意向を固めている。 


  古巣に容赦ない小泉節=自民震撼、都知事選に危機感  
2014/01/14 時事通信

 小泉純一郎元首相が14日、東京都知事選に出馬する細川護熙元首相(76)への全面支援を表明した。都知事選をめぐる小泉氏の動きは水面下にとどまっていたが、ふたを開けてみれば「古巣」自民党への配慮はまるでない戦闘モード。党東京都連が推薦する舛添要一元厚生労働相(65)との対決が決定的となったことに同党は衝撃を隠せない。
 「細川さんが立候補の決意を固めたという話を伺った。心から敬意を表したい。私も喜んで積極的に細川さん当選のために頑張る」。小泉氏は14日、都内のホテルで細川氏と連携を確認すると、記者団の前でこう宣言した。
 小泉氏としては、持論の「脱原発」を掲げて首都決戦を制し、安倍政権に政策転換を促す考えとみられる。小泉氏は昨年11月の日本記者クラブでの記者会見で「原発ゼロは首相が決断すればできる」と主張。最近も、自民党幹部との会合で「安倍晋三首相が反原発を言えば、首相として盤石になるのに」とじれったそうに語った。
 しかし、首相は小泉氏の助言をよそに、原発再稼働を進める姿勢を崩していない。「原発ゼロでも日本は発展できるというグループと、原発なくして日本は発展できないというグループの争いだ」。小泉氏は対決構図を単純化する得意の手法で、安倍政権を「敵」と位置付けた。
 これに対し、首相は外遊先のエチオピアで「東京が原発なしにやっていける姿を見せるという。さまざまなアイデアを出していくのは素晴らしいことだ」と批判めいた発言を手控えた。出馬を正式表明した舛添氏も、自身を原発推進派と決め付けるかのような小泉氏の発言に「私も脱原発を言い続けている。理解できない」と反論、脱原発の争点化を打ち消すのに躍起となった。
 
 ◇首相周辺「ショックだ」
 「けんか上手」の小泉氏との対決が現実となったことを受け、首相周辺の一人は「ショックだ。気を付けてやらないといけない」と不安を率直に口にした。
 自民党は小泉氏が細川氏支援に回っても「小泉氏本人が表に出なければ怖くない」とみていた。細川氏は元首相とはいえ16年前に政界を引退、その後は政界から遠ざかっており、候補者としての集票力は限定的とみていたためだ。
 だが、小泉氏は細川氏支援を公然と表明するなり、「演説会、あるいはさまざまな会合の場に出て細川支持を訴える」と明言。自民党のかすかな望みは完全に絶たれた。
 自民党の派閥で小泉氏や安倍氏の先輩に当たる森喜朗元首相は14日の講演で「自分の弟のように育ててきた安倍首相の政権に大きなダメージを与えかねないことをやるのか」と小泉氏に不満を示した。ある党幹部は、「自民党をぶっ壊す」と党内秩序を混乱させた小泉氏の再登場に苦々しい思いを禁じ得ない。「自分の派閥から出した首相の足を引っ張るのか。勝手にしてくれ」
(2014/01/14-20:55)時事通信


2014年東京都知事選候補者のホームページ比較 ~殿、お上手です!~
- 高畑 卓(勝つ!政治家.com 2014年01月16日 )


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「のりこえねっと-ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク」設立/賛同支援のおねがい

2013-09-27 20:33:59 | 市民運動/市民自治/政治
昨日の中日新聞の第二社会面に、「のりこえねっと」の記事が載っていました。
「のりこえねっと」の正式名は、
のりこえねっと―ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク」。
25日に東京で、設立の記者会見があったようです。

許すなヘイトスピーチ
作家や研究者ら団体設立 全国の実態把握や勉強会
    
      2013.9.26 中日新聞


朝日新聞や全国の地方紙にも記事が載っていました。

  ヘイトスピーチに反対を 「のりこえねっと」設立 (2013年9月25日 中国新聞) 

  反ヘイトスピーチ団体が発足 デモなどの差別運動へ警告
(2013年9月25日 朝日新聞)

 【北野隆一】在日韓国・朝鮮人らに対するヘイトスピーチ(差別的憎悪表現)に対抗し、乗り越えようと呼びかけるグループ「ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク」(のりこえねっと)が結成され、25日に東京・新大久保で発足記者会見を開いた。

 会見には共同代表として宇都宮健児・前日弁連会長や上野千鶴子・東京大名誉教授、鈴木邦男・新右翼一水会顧問らが出席。人材育成コンサルタントの在日コリアン辛淑玉(シンスゴ)さんは「全国に広がりつつあるヘイトクライムに対し、沈黙は許されません」とあいさつした。「朝鮮人をたたき出せ」などと連呼してレイシズム(人種差別)や暴力をあおるデモの実態を把握し、ヘイトスピーチ反対デモなどに取り組むグループと連携。差別禁止法立法を求める運動や学習会、差別的サイト管理者への警告などの活動を進めるという。  


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のりこえねっと-ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク-

  「賛同支援」のおねがい  

マイノリティにとっては、「生存権」を賭けた闘いとなりました。

ネット上での人権侵害は、2012年には報告されたものだけでも2万件(※)を超えました(以前は8千~9千件)。

人々が恐怖と憎悪を増幅させているいま、社会の崩壊に手をこまねいているわけにはいきません。

2013年9月ヘイトスピーチとレイシズムに抗う国際ネットワーク を立ち上げます。

憎悪と人種差別主義を乗り越えるために行動する会です。

この団体を支えて下さい。


私たちは「いじめは嫌だ」という人たちとつながっていきたい。

ヘイトスピーチは、無知と、孤立から生み出されます。

誰でも、加害者にも、被害者にもなり得ます。

だから、学ばなくてはなりません。

何もできなくても、叩かれている人のそばに寄り添う。

そんな思いをつなげていくために、このネットワークを立ち上げました。


2013年9月20日

(※)「反差別ネットワーク人権研究会」調べ

賛同者

ボランティア

賛同支援表をダウンロード頂きご記入の上、FAXにてお送りいただくか、メールにて詳細をご記載ください。
FAX:03-3818-9312
賛同支援表:賛同支援表PDFはこちらよりダウンロード


  写真速報 :「のりこえねっと」共生社会めざしてスタート~「反レイシズム」の番組制作も  
(2013年9月25日 レイバーネット日本)

「のりこえねっと―ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク」のキックオフ記者会見が、9月25日昼、新大久保のライブハウスで開かれた。辛淑玉さんら11人の共同代表がずらっと並んで思いを述べた。松本サリン事件の報道被害者・河野義行さんは、「あの時自分にはまったく瑕疵がないのに、世の中からバッシングされ排除された。“お前は死ね”“出て行け”と言われる体験をした。いまは鹿児島に住んでいるが、今回のヘイトスピーチのことを聞いて、こんなひどい事態になっているのかと驚いた。人権教育と言われている時代にこんなことを放っておいていいのか、誰も言う人はいないのか。自分も歯止めをかけたいと思い参加した」。同会はヘイトデモ対策を始め、共生社会をめざした活動を計画している。また、ニコ生で「反レイシズム」番組配信を予定しており「行動保守」の人たちとも論戦をしていくという。

なお、この日、発言した共同代表は、上野千鶴子・宇都宮健児・河野義行・北原みのり・佐高信・辛淑玉・鈴木邦男・田中宏・中沢けい・松岡徹・若森資朗の各氏だった。共同代表は、沖縄の知花昌一さんなど9.25現在で合計20人になっている。また賛同会員も広く呼びかけている。(M)
 

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★CPI接続問題の概要(中日新聞編集委員 白井康彦)/厚労省の指標「生活扶助相当CPI」はデタラメ!

2013-07-24 22:02:30 | 市民運動/市民自治/政治
生活保護の生活扶助基準の段階的切り下げがついに8月から実施。
主たる理由は、物価下落への連動です。

しかし、
生活扶助費で買う品目の物価の下落度を示すために
厚生労働省が開発した指標「生活扶助相当CPI」がデタラメだそうです。

「こんなデタラメ指標で命綱の生活扶助費を過剰カットしていいのか」
と力説されている中日新聞の白井康彦さんが
研究報告文などを寄せてくださいましたので、以下に紹介します。

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(転送・転載歓迎です)
 
★CPI接続問題の概要 ★   
     中日新聞名古屋本社生活部編集委員 白井康彦 


「架空に近いデタラメ指標」
 厚労省の生活扶助相当CPI(消費者物価指数)の算出方式の重大な問題点の2つ目が国会審議などで明らかになりました。
今まで私たちが問題提起してきたのは、「生活扶助受給世帯の消費実態が無視されている」というウエイト(支出割合)絡みの話でした。
6月以降に私が理解できたのは、基準年が違う平成20年と23年の生活扶助相当CPIを比較するための接続方式(換算方式)の問題です。こちらの方がより重要です。
生活扶助相当CPIは、生活扶助費で買う品目の消費者物価指数といった意味。CPIは、もともとは総務省統計局が調査して発表しています。通常のCPIをベースにして厚労省が開発したのが生活扶助相当CPIです。

 「2通りの物価ができていいの?」
 多くの品目の物価指数の加重平均である総合平均的な物価指数をどう算出するか。総務省統計局が通常のCPI(消費者物価指数)で行っている方法と厚労省の生活扶助相当CPIの方法とでは、重大なくい違いがあります。同じ年の同じ品目群を対象にした加重平均の物価指数が、計算方法の違いでまるで違う数字になるのです。
厚労省方式は、CPI算出の原理原則を破っているように思います。厚労省が算出した平成20年の生活扶助相当CPIは「架空に近いでたらめな数字」のように思えます。生活扶助費で買う品目群についての物価が2通りあっていいのでしょうか。いいわけありません。統計の信頼性が揺らぐ重大な事案です。

総務省統計局が調査するすべての品目を対象にした全国の総合CPIと、厚労省の特殊な方式で算出した生活扶助相当CPI、通常の方式で算出した生活扶助相当CPIの平成16、20、23年の数値を並べてみます。



総合CPIと通常方式の生活扶助相当CPIは概ね似た推移。厚労省の特異な方式で算出された生活扶助相当CPIだけが特異な動きを見せています。
厚労省は、20年と23年の生活扶助相当CPIを比較して4・78%下落としています。私が通常方式で生活扶助相当CPIを計算した結果、この3年間の下落率は2・36%でした。20年から23年にかけての総合CPIの下落率2・35%とほぼ同じです。

 「本当の下落率は1%台以下?」
 20年は物価がやや高い年なので、生活困窮者の支援団体側は平成16年を起点に、と主張しています。厚労省は、23年と16年の比較なら下落率は6・40%とさらに大きくなる、と説明しました。
ところが、私が通常方式で16年の生活扶助相当CPIを計算して23年と比較したところ、下落率は1・39%でした。検算の必要はありますが、こんなものだろうという感覚はあります。4・78%はあまりに過大。通常の考え方で通常の方法で計算するだけで、下落率がここまで縮小します。

 「基準年の扱いが問題」
 計算方式はどう違うか。まず、基準年とは何かを知る必要があります。
CPI(消費者物価指数)は総務省統計局が調べています。5年に1度、調査対象品目を入れ替えます。それに合わせ、各品目の指数や総合指数なども5年ごとに、その年の年平均を100とした新基準に変えます。基準年は、平成7、12、17、22、27年となっています。旧基準と新基準の間の年は、旧基準の指数やウエイトで全体の加重平均を計算します。18、19、20、21年の各品目の指数や総合指数(全体の加重平均)は、17年平均=100を前提にした17年基準の数値。平成23、24、25、26年の各品目の指数や総合指数は、平成22年平均=100の22年基準の数値です。
 17年基準の20年の指数と22年基準の23年の指数はどうやって比較するのでしょうか。分かりやすくするため、A品目の値段が17年の100円から毎年10円ずつ下がるというモデルを考えました。
 17年=100とした17年基準の指数で表すと次の通りです。  



 これを22年=100の22年基準の指数に変えます。22年基準の22年の指数は当然100。17年基準の22年の基準は50です。50を100にするためにどうするか。簡単。2倍します。それぞれの年の指数を他の年の指数と比べたときの変化率を変えないようにするため、17、18、19、20、21年の指数もそれぞれ2倍します。17年基準で計算された18、19、20、21、22年の指数を22年基準に置き換えるために掛ける接続係数は、



ということになります。
22年=100の22年基準のA品目の指数は、17年基準の各年の指数を2倍していけばいいわけなので、計算結果は次の通りになります。



 22年基準の23年のA品目の指数は80です。
 20年は、17年基準では70、22年基準では140となります。

 「正しい算出方法は」
 20年の全体の物価指数は、総務省統計局の通常方式では次のように計算します。



 新しい基準年になって調査対象品目とそれぞれの品目のウエイト(支出割合)が変わります。これは消費実態調査にもとづいた変更です。
新しい基準年になる前は、そのときの基準年の指数やウエイトしか分かりませんから、そのときの基準年の指数やウエイトで計算するのは当たり前です。各品目のウエイトを加味した加重平均によって、その年の全体の物価水準がつかめる、というのが当たり前の考え方なのです。
こうして出てきた全体の物価指数(全国総合年平均CPI)の17年基準(17年=100)の数字は次の通りです。



 22年基準で示される全国総合年平均CPIは次の通り。22年=100・0、23年=99・7、24年=99・7
17年基準の22年の99・6を22年基準の100にするための接続係数は



22年基準(22年=100)の各年の総合CPIは、17年基準の各年の指数に
1・004を掛けて計算します。計算結果は次の通りです。



 平成20年から23年にかけての下落率は、



基準年が違う年の年平均総合CPIの比較はこうやって行います。
ところが、厚労省はまったく違う方法で生活扶助相当CPIを計算しました。大胆不敵です。

 「革命的な算出手法」
 厚労省の生活扶助相当CPI計算方式では、本来は旧基準が適用される年の分についても、個別品目の段階で最新基準の指数、ウエイトで計算します。今であれば、22年基準です。
平成20年についても16年についても22年基準の個別品目の指数、ウエイトで計算するのです。これは実は革命的とも言うべき算出手法なのです。

 「現在・過去・未来」
 このことをよく理解するには、現在・過去・未来の関係を考えてみるといいでしょう。
物価統計は毎月、毎年、発表されます。その時点を「現在」だと考えてください。政府・日銀などは「現在の物価がどうであるから、どういう金融・経済政策を考えようか」といった具合に考えます。現在の物価水準を測るために、物価統計のための調査対象品目を設定して、個々の品目の価格を調べます。その個々の品目の指数は、どこかの基準時点と比べて設定するよりありません。このとき、「未来」の年の価格は分かりようがないので、「過去」の年を基準年にすることになります。
平成20年平均の各品目の指数で言えば、17年平均=100とした17年基準の指数になっています。ところが、厚労省の生活扶助相当CPIの算出方式では20年については、個々の品目の22年基準(22年平均=100)の指数にウエイトを掛けます。「未来」の年を基準年にしているのです。今年は25年です。20年から見れば未来です。22年がどうだったかが今は分かるので、22年基準の20年の指数にウエイトを掛けて…などと簡単に言えますが、20年の時点はこんなことは考えようもないのです。物価統計は「現在」の物価を「過去」の物価と比べるもの。「未来」の物価と比べた厚労省方式は、SF映画を思わせる手法なのです。

 「個別品目の指数の変身」 
 こういった手法を使ったことで、計算過程から、通常方式と厚労省方式とで数字が大違いになりました。指数の変化率が小さい品目は目立たないですが、変化率が大きな品目は驚くほどの差異が見られます。
デスクトップパソコンの事例で、その雰囲気を感じ取ってください。デスクトップパソコンの平成17年基準の指数を見てみます。



となっています。これを22年基準に換算します。22年基準は22年=100。



という数字が出てきます。 整理して書くと



17年基準から22年基準への華麗な変身です。例えば、20年の指数は52・9から237・2に劇的に変わっています。

 「電気製品がデフレ率かさあげ」
 電気製品は大半の品目で値崩れが続いています。全体の加重平均を計算するとき、個別品目の指数は100を超していると概ね全体の数字を引き上げます。20年の電気製品の大半の品目は、17年基準だと生活扶助相当CPIの引き下げ役になりますが、22年基準だと生活扶助相当CPIの引き上げ役になります。
別紙のエクセル計算表を見ていただければ明瞭です。
厚労省計算方式による16年、20年の高い生活扶助相当CPIは、個別品目の指数を22年基準にしたことの結果です。こうして、電気製品が生活扶助相当CPIの大きな下落率の主要因になったのです。「生活保護世帯が現実にはあまり電気製品を買わないのに電気製品のウエイトが大きくなっている」という問題は国会でも厳しく追及されました。この二つのポイントを合わせて考えてみてください。厚労省の「作為的な統計づくり」に怒りが湧いてきませんか。

 「どの段階で換算しても同じでは?」
 基準年の異なる平成20年と23年の生活扶助相当CPIをどうやって比べるのか。20年の指数の扱いが通常方式と厚労省方式とでは大きく違います。
通常方式は、対象品目すべての加重平均である生活扶助相当CPIを17年基準で出しておいて、これを22年基準に換算します。
一方、厚労省方式では、個別品目の22年基準の指数に個別品目のウエイトを掛けます。個別品目の22年基準の指数は、17年基準を22年基準に換算したものです。二つの方式は、17年基準を22年基準に換算するタイミングが違うのです。
 
 そこで、こういった質問を受けることがあります。「どの段階で換算しても最終の計算結果は同じになるのではないの」。
何となくこう思いがちですが、間違いです。個別品目の20年の指数について考えてみましょう。22年基準の20年の指数は17年基準の指数に接続係数を掛けて算出したものです。
先ほどのデスクトップパソコンの例で言えば、接続係数は22・3分の100でした。それぞれの品目について、17年基準の指数に接続係数を掛けて22年基準の指数にする計算が行われているのです。接続係数はまったくさまざま。 0・5ぐらいの数字だったり、0・8ぐらいだったり、4ぐらいだったりします。
通常方式の方はどうか。17年基準の生活扶助相当CPIに接続係数を掛けて22年基準にする、というだけ。接続係数を掛けるのは1回限りです。両方式で最終の計算結果が一致するはずがない、ことは分かっていただけると思います。
個別品目の指数に掛けるウエイトも、通常方式では17年基準のウエイト、厚労省方式では22年基準のウエイト、と違うのだから、なおさらです。

 「下落率が大きくなる方式」 
 「通常のCPIを厚労省方式で計算してみることもできるはずですね。計算結果はどうなりますか」。こう質問されたこともあります。鋭い問いかけです。
実際に私が、全国総合CPIの平成18、19、20、21年の数値を試算してみました。通常方式では、この4年の間、対象品目になっていた品目のすべてが計算に組み入れられます。厚労省方式はそうではありません。17年基準では対象だった品目が22年基準で対象でなくなると、その品目は計算から除外するよりないのです。この点に注意は必要ですが、これによる影響はそんなに大きくありません。
ともかく、両方式による計算結果を表にまとめてみました。通常方式の数値は、17年基準で算出したものを22年基準で換算した22年基準の数字です。御覧のように、厚労省方式では4年とも、かなり高めの数値が出てきます。 



このあたりの年の総合CPIについては、生活扶助相当CPIと同様に、厚労省方式で計算すると高めの結果が出るのです。このあたりの年から23年にかけての下落率を計算すると、厚労省方式では総合CPIでも下落率が大きくなるわけです。生活扶助相当CPIの下落率が、20年と23年の比較で4・78%と大きいのは、下落率が大きくなるような計算方式が採用されたせいだと言えるでしょう。なぜ、通常方式で普通に計算しないのか。生活保護の受給世帯や支援者らの不満が高まることは必至です。

 「生活扶助相当は異色のCPI」
 生活扶助相当CPIは、厚労省が勝手に作ったのですが、総務省統計局が調査している品目群の中の一部を除く総合的指数とは言えます。こういった一部の品目を除く総合的指数には、いわゆるコア指数、コアコア指数があります。これらもCPIの通常の方式で算出されます。特殊な方式で算出される生活扶助相当CPIは異色の存在です。
 


 「生活扶助相当CPIの徹底検証を!!」
 生活扶助費の削減は今年8月から段階的に削減されます。来年4月以降の削減案も既に示されていますが、それがすんなり実現していいものではありません。
予定通り来年4月から消費税の3%増税が実施されると、物価の1%台半ばぐらいの上昇が起きるでしょう。生活扶助費の削減と消費税増税がともに来年4月から実施されると、生活保護世帯の生活は非常に厳しくなってしまいます。
その上、生活扶助相当CPIがデタラメな指標です。物価と生活扶助費の関係について、政府の審議会や国会などで真剣に議論されなければならないと思います。
デタラメな生活扶助相当CPIがさほど世間で問題にされず、生活扶助費の削減が予定通りどんどん進む。そういった悪夢のような事態が進むのを傍観していていいのでしょうか。
生活保護の受給者やその支援者らも、物価と生活扶助費の関係をもっともっと研究するべきです。
生活扶助相当CPIがデタラメであることを徹底検証する特別チームを編成することが急務だと思います。



両方式計算対照表


指数の接続モデル図
平成17年から22年にかけて半値になる事例。上は17年基準(17年=100)。下は22年基準(22年=100)。
20年の指数は、上の17年基準だと70。下の22年基準だと140。
変化率は変わらず、左側の目盛りが変わっただけ。17年のところを100にしたのが上。22年のところを100にしたのが下。
17年基準を22年基準にするには、上の図の22年=50を、22年=100にする。それぞれの年の間の変化率が変わらないようにす
るため、上の図の他の年の指数にも50分の100を掛けて、下の図のようにする。



 

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不妊治療に職場支援を 両立できる仕組み必要(稲熊美樹)

2013-06-22 21:04:50 | 市民運動/市民自治/政治
雨が止んだので、そろそろ咲き終わりのビオラを抜いて、

   
ずいぶん前に買ってあったポーチュラカとマツバボタンを玄関横のスペースに植えました。
   

  

ビワもいろんだ頃だと思って見に行ったら、
なんと、熟した黄色い実がきれいになくなっていました。
木の下を見ると、食べた皮が一面に散らかっているし、
高い処の枝も折られているので、きっと留守中にサルに食べられたのでしょう。
まさかビワまで食べられるとは・・・・うーんがっかりです。。
次はイチジクがねらわれると思うので、はやくネットをかけなければ・・・。

畑の作物はだいじょうぶでしょうか。

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ところで、
昨日の中日新聞の生活面は、稲熊さんの記事でした。
不妊治療関連の記事といっしょに紹介させていただきます。

  不妊治療に職場支援を 両立できる仕組み必要  
2013年6月21日 中日新聞

 不妊治療と仕事の両立に悩む女性が増えている。生理周期に合わせて治療するため、日程を決めるのが難しく、急に休まなければならないことが多いからだ。経済的負担も大きく、働き続けるための支援が求められている。

 約四年前から不妊治療を続ける大阪市の看護師柏本佐智子さん(37)は、何カ月も先まで印が付いたカレンダーを「休みが尽きるか、お金が尽きるか、どちらが先か」と見つめる。治療費は全額自己負担で、これまで三百万円を使った。

 昨年治療のために受診したのは四十九回。時間単位で取れる休暇もあるが、不妊治療に通う大学病院は混み、一日がかりになることも。体外受精のための卵子採取後は体調を崩すことが多く、一週間ほど病気休暇を取ったこともあった。

 「糖尿病看護認定看護師」の資格を持ち、患者との面談に加え、院内外で講演する。だが、予定が立てられずに講演を断ることもある。当初は仕事で治療を休むことがあったが、職場の理解もあり、今は治療最優先。「この日は休みそう」と同僚に伝えるが、その通りにならないこともある。
     ◇
 「突然『明後日の午前、また受診して』と言われるので、仕事の予定を入れられずに困った」

 IT企業に勤めていた神奈川県の女性(40)は振り返る。受診は多いと月七~八回。治療を上司に話すと「専念した方がいい」と強く勧められ、一年前に退職に追い込まれた。

 医師に「仕事がストレスになっているかも」と言われたが、退職後は社会とのつながりがなくなり、より強いストレスを感じた。最近、派遣社員として別の職場で働き始めたが、治療のことは言えずにいる。「助成金も必要だが、働き続けられる仕組みづくりをしてほしい」と願う。
     ◇
 空港で接客の仕事をしていた神奈川県の女性(35)は「治療していることを理解してほしいとも考えたが、言い出せる雰囲気ではなかった」と打ち明ける。隠したため、仕事の都合で治療のタイミングを逃すことも。勤務は未明からの早番と、午後から未明までの遅番の二交代。平日の日中に受診しやすかったが、朝治療してから出勤し、未明まで続く仕事は体力的にもきつく、一年半前に退職した。
 「赤ちゃんを授かったときに貯金ゼロでは困る」との焦りもある。今後は、治療を隠さないつもりでいる。

◆有給や短時間勤務など望む声
 国立社会保障・人口問題研究所の二〇一〇年の調査では、不妊を心配したことのある夫婦の割合は31・1%と、五年前の調査より5ポイント増。実際に不妊の検査や治療を受けた夫婦の割合は16・4%で、子どものいない夫婦では28・6%に上る。

 不妊の人たちを支援するNPO法人・Fine(ファイン、東京)が、治療中の約二千人に実施したアンケートによると、86・6%が「仕事などに支障をきたしたことがある」と回答。「職場で治療へのサポートがない」人も63・8%と、仕事の調整に苦心する様子がうかがえる。

 理事長の松本亜樹子さんによると、治療と仕事を両立できず、悩んだ末に退職した人も多いという。「特効薬はない。まずは職場で理解を深めてもらうため、企業で研修を取り入れてほしい」と話す。注射や検査などは半日あればできるため、フレックス勤務や短時間勤務、時間単位で取得できる有給休暇などを要望する声が多い。

 国内では百貨店や大手メーカーなど、不妊治療のための有給休暇や、短時間勤務制度などを導入した企業もある。
(稲熊美樹)



  【三重】不妊治療助成、国の年齢制限検討に困惑
2013年6月19日 中日新聞

 妊娠を望んでいる県内の夫婦で、昨年度に体外受精の不妊治療で助成制度を利用した件数は、制度が始まった八年前に比べて八倍の二千三百二十五件に上った。国と県が折半する助成額は十一倍の三億二千万円に膨らんでいる。不妊治療のニーズが年々高まる中、国は財源不足に備えて対象を三十九歳までに制限することなどを検討しており、子を望む夫婦に困惑が広がっている。

 顕微授精などの体外受精は保険が適用されないため、一回につき平均三十万~五十万円の治療費がかかる。助成制度は、治療一回につき上限十五万円、年二回まで利用できる。昨年度は県内で少なくとも一千組以上の夫婦が利用したことになる。上限額を超えた場合の上乗せ補助も県と十六市町が独自に実施。東員町、志摩市などは検査や薬物療法の費用にも対象を拡大し、利用者は制度の周知とともに増え続けている。

 毎週火曜、県立看護大(津市)に開設される県不妊専門相談センターによると、年三~四回の治療を自己負担で受ける夫婦も少なくなく、依然として大きな負担に関する相談は多い。

 昨年度センターに寄せられた電話相談二百七十三件のうち、三十歳代後半~四十歳代の女性が約三分の二を占めた。国が検討している年齢制限に関して、相談員を務める助産師は「妊娠を望む四十歳以上の女性に対し、国が生き方を制限することになる」と反発。別の看護師は「治療による心身への負担を考えるとやむを得ない部分もある。年齢ではなく、その人の体力や環境に応じて一番いい選択を考えたい」と話す。

 助成件数は毎年二割増のペースで、県は本年度も三千件弱を見込む。毎年事業予算を増額計上しているが、年齢とともに妊娠しにくくなる傾向があるのも現実で、県の担当者は「年齢制限も含め、効果的な助成のあり方を見直す必要はある。国の議論を見守りたい」と話している。
(安藤孝憲) 


 特定不妊治療の助成 県や市町村が上乗せ/山形 

 体外受精などの不妊治療を行っている夫婦の経済的負担を軽減し、少子化対策につなげようと、県内の自治体で特定不妊治療の助成が広がりをみせている。県は今年度、国の制度に加えて、独自に助成回数を年1回、5年間で通算5回分を拡充。市町村では、県の助成にさらに上乗せする制度も登場している。

 特定不妊治療は「体外受精」と「顕微授精」の2種類。いずれも保険外診療で高額な医療費がかかるため、2004年度から国などが治療費の助成を行っている。母胎から採卵して体外受精などを行い、再び母胎に戻すまでを1回の治療として助成する。

 国の制度は、初年度は年3回、2~5年度目は年2回対象で、5年間で通算10回まで助成が受けられる。1回当たり15万円だが、以前に凍結した胚を移植したり、状態の良い卵が得られず中止したりした場合は、1回7万5000円となる。夫婦の合計所得が730万円未満の世帯が対象。

 県子ども家庭課によると、04年度に123件だった県内の助成利用実績は、制度の充実とともに伸び続け、12年度は774件。県は今回、不妊で悩んでいる夫婦が依然多いとして、2~5年度目も3回目の治療を受けられるように、助成回数の上乗せを決めた。助成額は国の制度と同じ。

 こうした制度を利用しても、1回当たり15万円程度は利用者の自己負担となる。このため、村山市と長井市では、自己負担分も全額助成する制度を設けるなど、県内の33市町村が助成額についても上乗せ支援を行っている。

 県はこのほかにも、治療について気軽に相談してもらおうと、山形大付属病院に不妊専門相談センター(023・628・5571)を設置している。月、水、金曜日の午前中に電話で予約し、指定された日に医師から治療や助成制度に関する説明が受けられる。
(2013年6月21日 読売新聞) 


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「1票の格差」で戦後初の選挙無効判決 筏津裁判長の染まらぬ正義/カラ渡船裁判◇船着き場も現場検証

2013-04-06 15:46:57 | 市民運動/市民自治/政治
昨日の毎日新聞夕刊の「特集ワイド」は、紙面1ページほどの
「続報真相 「1票の格差」で戦後初の選挙無効判決 筏津裁判長の染まらぬ正義」という記事。

この記事の冒頭に、岐阜でのカラ渡船の住民訴訟のことが写真付きで50行以上載りました。
というのも、この訴訟の判決を書いたのが、筏津(いかだづ)裁判長だったからです。

先週、毎日新聞東京本社の記者さんからつれあいに
 「筏津裁判長を批判する議員や関係者がいる。筏津裁判長はどういう人かをとりあげたい。」という趣旨の電話があり、
翌日、岐阜でお会いすることにして、私もついていきました。
岐阜駅の喫茶で裁判のことやいろいろ話して、現地を見たいという事だだったので、長良川を下って日原渡船を見に行きました。
そのときの写真が紙面にも載っていました。


記者さんから金曜日に載ると聞いていたので、
昨日に夕刊を受け取って、さっそく開いてみたら、とっても大きな記事でした。


2013.4.5 毎日新聞夕刊

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夕刊が届くより先に、全文がwebにアップされていたので紹介します。

  特集ワイド:続報真相 「1票の格差」で戦後初の選挙無効判決 筏津裁判長の染まらぬ正義  
毎日新聞 2013年04月05日 東京夕刊

 ◇船着き場も現場検証
 「保守的な司法界でこれだけ勇気のある判決が聞けるとは」と原告側弁護士は言った。「可能性はあると思っていたが、まさか本当に出してくるとは」。政府関係者はそうため息をついた。選挙を無効とする−−。2012年衆院選の1票の格差をめぐる全国の裁判で、最高裁の警告を無視し続けた国会に司法の一撃が下された。3月25日、戦後初の選挙無効判決を言い渡したのは広島高裁の筏津(いかだづ)順子裁判長(62)だ。黒の法衣に包まれた人物像を探った。

 ◇キーワードは公平・熱意・誠実
 判決は小選挙区の区割りを違憲と判断し、広島1区と2区の選挙を無効とした。ただ、混乱回避のために猶予期間がある「将来効判決」を採用し、新たな区割り作業開始から1年となる今年11月26日を過ぎて、無効の効果が発生するとした。
 「法廷では素人の主張を一つ一つ丁寧に聞いてくれました。よく調べ、勝っても負けても納得のいく公平できめ細かな判決を書いてくれました」
 こう話すのは岐阜県山県(やまがた)市議の寺町知正さん(59)。1990年代から50件近くの行政訴訟を弁護士に頼まずに本人訴訟で争ってきた。筏津さんとは、岐阜地裁の裁判官と原告として04年から3年間にわたって毎月のようにラウンドテーブル(円卓法廷)で向かい合った。
 「裁判官もいろいろです。提出した書類の誤字脱字を叱責口調で指摘する人や、行政を訴える市民に偏見を持つ人もいました。要するに上から目線の人が多い。でも筏津さんは違った」

  ■
 運営実態のない渡し船に県から委託料が支払われている−−。長良川河口堰(ぜき)建設に反対していた寺町さんに匿名の告発があり、情報公開条例を使って調べた。県道の代替として渡し船を運営する同県海津市と渡船組合に委託費が毎年支払われていた。でも船着き場は荒れ放題、渡し船はボロボロ、船頭は何年も客を乗せたことがないという。
 寺町さんら住民10人は、海津市などに約2200万円を県に返還するよう求め、「船着き場を見れば、運営実態は一目瞭然」と現場検証を求めた。だが裁判官はなかなか首を縦に振らない。提訴から5年目、3人目の裁判官として筏津さんが着任した。
 「『それでは現場を見てみましょうか』と当然のように認めてくれました。数多くの訴訟を起こしてきましたが、現場検証が認められたのはこの一度だけです」
 結果は勝訴。その後、高裁、最高裁を経て10年6月に勝訴が確定した。地裁で筏津裁判長が認定した基本的な事実関係が上級審で覆されることはなかった。
 「選挙無効判決のニュースをみてすぐ、ああ、あの人だと思いました」。中華航空機墜落事故(94年)の民事訴訟で、遺族側代理人を務めた海渡雄一弁護士(57)はそう話す。筏津さんは03年、名古屋地裁の裁判長として、中華航空に総額50億円余りの損害賠償を命じる判決を出した。
 「遺族感情に配慮し、非常に熱心に和解を勧めてくれたのが印象に残っています。結局、判決を出すことになったのですが、あの一件は筏津さんの判決と努力で解決したようなものです」。解決を目指す筏津さんの「熱意」が印象に残った。
 筏津さんは3年前に那覇家庭裁判所長に就任した際、仕事観を問われて答えている。「裁判所が扱う事件は、必ず当事者がいて見解の対立がある。裁判所は双方の言い分をよく聞いて公正な立場で判断する立場にいる。まずは聞くところから誠実に対応しなければならない」(10年1月14日付・琉球新報)
 「公平」「熱意」「誠実」。筏津さんの仕事ぶりを表現する言葉だ。

 ◇女性差別がひどかった30期
 筏津さんは名古屋大学法学部を卒業し、大学院修士課程2年目の75年に司法試験に合格した。第1次石油ショック(73年)で高度成長が終わって「狂乱物価」や公害問題に日本社会が直面した時代。司法修習(30期)をスタートした76年4月には、最高裁大法廷で1票の格差をめぐる戦後初の違憲判決が出ている。それから37年。裁判所が選挙無効判決に踏み込むまでにかかった歳月は筏津さんの社会人生活とぴったり重なる。
 75年の司法試験合格者は男性436人に対し女性は36人で、全体の7・6%。2年間の司法修習を終えて78年に裁判官に任官した女性は筏津さんを含めわずか6人だ。当時の最高裁には、はっきり言って問題があった。
 「裁判官になろう、弁護士になろうなどと思わず、世間によく評価される奥さんになることが女性の一番の幸せだ。日本民族の血を受け継ぐということは重要なことだとは思いませんか」。発言の主は30期を担当した最高裁司法研修所の教官だ。見学旅行の車中で、女性3人をひとりずつ呼び、30分前後をかけて説得したという。
 別の教官はソフトボール大会後の懇親会で「女子修習生は研修が終わったら、家庭に入って2年間の研修で得た能力をくさらせるのが女として最も幸福だ。2年間が終わったら、結婚して家庭に入ってしまいなさい」と発言したといわれる。当時、これらの発言について日本女性法律家協会が抗議声明を出している。
 同期で東京経済大学教授の村千鶴子弁護士が証言する。「30期は女性差別が一番ひどかったんです。私は実務修習が名古屋で筏津さんと一緒でしたが、彼女の評価は高かった。あの時代にあって、彼女は男女の性別を超えて評価されるほど優秀だったのです」。やはりただものではなかったようだ。
 修習中は外泊も許可が必要。そんな窮屈な環境でも筏津さんはのびのびしていた。休日には大学院の同窓で将来の夫となる安恕(やすひろ)さんと一緒にスキーに。その後、安恕さんは母校の教授になり、筏津さんは裁判官として全国を転々。05年に安恕さんが55歳で亡くなるまで年1度のヨーロッパ旅行を趣味にする仲の良い夫婦だった。
 研修所で同じクラスだった鴨田哲郎弁護士は「彼女は真面目でおとなしい人でした。話をしたことはなかったと思います。もっとも私は青法協で活動し、周囲にちょっと警戒されていましたが」と苦笑いする。青法協(青年法律家協会)とは、54年に護憲と平和・民主、人権を掲げて設立された若手法律家たちの組織。司法研修所の官僚体質に極めて批判的だった。
 「彼女は裁判官になってから骨のある判決を結構出してね。こんな芯のある人だったんだ、と後から印象を持ちました」と鴨田さんはいう。若いころの彼女を知る男性の多くが同じような感想を語る。長尾龍一東大名誉教授(法哲学)は「新婚のころ、ご主人と一緒に名古屋で食事をしました。おとなしい感じの方だった気がします。あんな豪胆な判決を出す方だとは」と驚く。

  ■
 昨年の衆院選をめぐる選挙無効の全国訴訟は14高裁・高裁支部で計16件の判断が出そろった。「違憲状態」が2件、「違憲・有効」が12件で、広島高裁と同高裁岡山支部の2件が「違憲・無効」だった。一般市民からはむしろ当然にも思える「無効」の判断だが、冒頭に紹介した原告側弁護士の「勇気ある判決」発言に見られるように、横並びの裁判所の体質を知る専門家からは驚きをもって受け止められている。「変わった裁判官だ」「女性のスタンドプレーでは」。そんな批判も報じられた。一方、「将来効判決」を絶妙のバランス感覚と評価する声は多い。
 同期の村弁護士は言う。「慎重な筏津さんですら、選挙無効の判断をせざるをえないほど問題が深刻になっていた、と重く受け止めるべきだと思います。それに判決は3人の裁判官の合議。女性だからとか、スタンドプレーとか、そういうふうに受け止めたら時代を見誤ってしまいます」
 そして、こう続けた。「違憲判決が少ないと言われる日本の裁判所にあって、裁判官として、現状に対して法的な正義を慎重に検討した上の誠実な結論だったのではないでしょうか」
 裁判官が着る黒い法衣は独立して職権を行う裁判官の象徴だ。黒は何色にも染まらないから。染まらずに生きる、裁判官の正義が勇気ある判決につながった。【浦松丈二、小国綾子】

 ◇筏津順子さんの略歴
愛知県豊田市出身。
76年 司法修習生(30期)
78年 京都地裁判事補
88年 津地・家裁判事
92年 名古屋地・簡裁判事
97年 東京高裁判事
99年 名古屋地裁部総括判事
04年 岐阜地・家裁部総括判事
10年 那覇家裁所長
11年 広島高裁部総括判事

==============
◇「特集ワイド」へご意見、ご感想を
t.yukan@mainichi.co.jp
ファクス03・3212・0279


  1票の格差:今夏参院選翌日に選挙無効一斉提訴 全47選挙区で
毎日新聞 2013年04月02日

 衆参両院の「1票の格差」を巡って全国で選挙無効訴訟を起こしている弁護士グループの升永英俊弁護士は1日、今夏の参院選の投開票翌日に、全47選挙区の有権者を原告として全国8高裁・6高裁支部に選挙無効の訴訟を一斉に起こす考えを明らかにした。
 参院選では最高裁が昨年10月、10年選挙の最大格差5・00倍を「違憲状態」と判断し、「都道府県を選挙区単位とする方式を改める必要がある」と促した。国会は昨年11月の公職選挙法改正で選挙区定数を「4増4減」したが、それでも最大格差は4・75倍。東京都内で記者会見した升永弁護士は「(混乱を避けるため無効請求を退ける)事情判決を阻止したい。一つの例外もなく無効判決が出ると思う」と語った。
 昨年12月の衆院選を巡っては、別の弁護士グループと合わせて全14高裁・支部で計16件の訴訟が提起され、広島高裁と広島高裁岡山支部が先月、戦後初の無効判決を出した。このほか違憲判決が12件、違憲状態判決が2件と判断が分かれ、最高裁が年内にも統一判断を示すとみられる。
 
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ハーグ条約:加盟へ 国会で5月にも承認/国際結婚破綻、子の扱い 「ハーグ」加盟、首相急ぐ

2013-02-15 21:25:39 | 市民運動/市民自治/政治
最近食べた美味しいお店。

カルコスの近くのパスタとピザのお店「マシェリ」。
ちょっとわかりにくいところにありますが満員でした。
   

  

関市の「白神」のえびそばとつけめん。
  

ところで、
自民党政権になって、ネット選挙解禁の公選法改正などが今国会で成立しようとしています。
「ハーグ条約」の加盟の承認もその一つ。
昨年からブログでもこの問題については取り上げてきましたが、
懸案となっているいくつかの問題をたなあげしたまま、成立の見込みとのこと。
安倍首相が成立を急いでいるようですが、
「子どもの利益」を第一に、かんがえたものであってほしいと思います。

  ハーグ条約:加盟へ 国会で5月にも承認 
毎日新聞 2013年02月14日

 国際結婚が破綻した夫婦間の子供の扱いを定めた「ハーグ条約」の加盟が今国会で承認される見通しとなった。自民党は同条約承認案と関連法案を来週にも了承する方針で、一部に異論が出ていた公明党も同意する方向。政府は近く条約承認案と関連法案を国会に提出し、13年度当初予算案成立後の5月にも承認されるとみられる。
 自民党外交・法務合同部会は13日、ハーグ条約承認案と関連法案の対応を協議した。党内では、配偶者暴力(DV)に遭った日本人の母が子供を連れて帰国した場合の対応などを巡り慎重論も浮上。しかし、会合では大きな反対論は出ず、来週の次回会合で国会提出を了承することを確認した。
 一方、公明党の山口那津男代表は12日の記者会見で「基本的には政府・与党で条約承認と国内法を成立させる立場で臨むべきだ」と加盟を容認する考えを示した。党内には女性議員を中心に条約加盟への慎重論があったものの、19日の政調全体会議で条約承認案などを了承する方向だ。
 国際結婚と離婚の増加に伴い、一方の親が国境を越えて子を不法に連れ去る問題が多発している。日本に対し、子の連れ去り事案を最も多く提起しているのは米国で、12年9月現在で81件に上る。このため、米国は日本政府にハーグ条約への加盟を強く求めてきた。
 民主党の野田前政権は昨年の通常国会に条約承認案と関連法案を提出したが、11月の衆院解散で廃案になっていた。安倍政権は民主党政権の案を踏襲する方針で、民主党も賛成に回るとみられる。
 首相は13日の衆院予算委員会で「ハーグ条約は我が国にも重要だ。(日本へ)子供をつれて帰ってくる人がいるが、逆の場合もあり、ルール作りはプラスになる」と強調した。来週に開かれる日米首脳会談で早期加盟の意向をオバマ大統領に直接伝える方針だ。【横田愛】

 【ことば】ハーグ条約
 国際結婚が破綻した夫婦の一方が無断で子供(16歳未満)を国外に連れ去り、もう一方が返還を求めた場合、原則として子を元の国に返し、どちらが養育するかを決めると定めた条約。親権の確定は元々住んでいた国で行われることが望ましいとの考え方に基づく。欧米など89カ国が加盟(1月現在)し、日本はG8で唯一の未加盟国。ただ日本国内では、配偶者暴力(DV)被害や虐待を受け、帰国した日本人配偶者・子が安易に元の国に戻されることなどを懸念する意見もある。 



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 クローズアップ2013:国際結婚破綻、子の扱い 「ハーグ」加盟、首相急ぐ 
毎日新聞 2013年02月07日 

 ◇訪米の「成果」狙い
 安倍政権は、国際結婚が破綻した夫婦間の子どもの扱いを定めた「ハーグ条約」への早期加盟へ向け、与党内の調整を本格化させる。自民党は13日の外交・法務合同部門会議で党内手続きの協議を始め、条約承認案と関連法案の今国会成立を目指す。米政府は日本に加盟を強く求めており、2月下旬の日米首脳会談で、早期加盟を目指す政府方針を安倍晋三首相からオバマ大統領に伝えたい考えだ。
 ハーグ条約をめぐっては、民主党の野田政権が昨年3月、条約承認案と国内手続きを定めた関連法案を閣議決定し、国会提出した。関連法案は、日本に連れ帰られた子を条約に基づいて元の国に返還するかどうかを決める手続きを東京・大阪の2家裁で行うと規定。裁判所が返還を拒否できる事情として、児童虐待や配偶者暴力(DV)の恐れがある場合を挙げていた。
 しかし、与野党の対立激化で審議は進まず、11月の衆院解散に伴って廃案となった。安倍首相は1月31日の衆院本会議で「国際結婚が増加した現在、条約の締結は重要だ。早期締結を目指す」と表明。法案の再提出に向けた準備を外務、法務両省に指示した。
 米側ではハーグ条約への関心はきわめて高く、政権再交代後の安倍政権にも加盟を強く求めている。国際結婚に伴う離婚の増加もあり、一方の親が国境を越えて子供を連れ出して誘拐罪に問われるなどのトラブルが多発。国際問題化しているためだ。1月18日の日米外相会談でクリントン米国務長官(当時)は岸田文雄外相に早期加盟を改めて要請した。
 一方で、日米首脳会談での「成果」演出に向けた日米の事前調整が難航。日本の環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉への参加や、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で大きな進展が見込めない中、米外交筋は「ハーグ条約ぐらい何とかならないのか」と日本側に圧力をかけている。
 ただ、与党に復帰したばかりの自民党内には条約加盟への慎重論も根強い。DVに遭った日本人の母親がやむなく子供を連れて帰国した場合などへの配慮が不十分との指摘が出ているほか、保守派の間では「家族の問題に国が介入すべきでない」との声もある。
 また、公明党もDV被害者を重視する立場から女性議員を中心に条約加盟への懸念が出ている。6日に党のプロジェクトチームが非公式会合を開いたが、党幹部は「安倍さんが訪米の『お土産』で結論を出すということは絶対ない」と慎重な検討を求めている。
 このため日米首脳会談の前に与党側の手続きは終わらず、首脳会談では安倍首相が加盟に積極姿勢を示すにとどまる見通し。自民党幹部は「議論の開始で加盟に向けた姿勢は強調できる」とするが、今夏の参院選を控えて国会会期を延長しづらい事情もあり、今国会中に加盟が実現するかは予断を許さない状況だ。【横田愛】

 ◇民主の法案踏襲へ 東京・大阪家裁で審理、遠隔地の人に負担も
 安倍首相が1月の衆院本会議で「早期締結を目指す」と表明したことを受け、谷垣禎一法相は今月5日の閣議後記者会見で「条約の重要性も考え、早期に成立させたいということで提出の準備をしている」と法案再提出に意欲を見せた。また、野田政権が提出した法案と「そんなに基本が変わることはないと思う」とも発言。法案はほぼ維持された形で再提出され、施行前の事案については適用されない見通しだ。
 ただし、法案の内容については、条約加盟に賛成する立場と、反対する立場の双方からいくつかの点で問題点が指摘されている。
 その一つは、外国人の配偶者との結婚が破綻した日本人が、相手方に無断で子供を母国に連れ帰った場合、条約の原則通りに子供を離婚前に暮らしていた国にいったん戻すかどうかを、東京家裁か大阪家裁で判断するとしている点だ。
 これについて、法案を支持する関係者は「実際に国内で扱う事案は年間30件程度と想定され、特定の裁判所で手続きの仕方を蓄積し、確実な運用をしたほうが良い」との立場。これに対し、「例えば国際結婚の多い沖縄の人が当事者になった場合、大阪まで出向くのは負担。より多くの裁判所で実施できるようにすべきだ」と指摘する専門家もいる。
 また、法案では、裁判所が子供の返還拒否を考慮できる事情として「日本人親子が外国人の親の元に戻った場合、外国人の親が子供を虐待したり、日本人配偶者に暴力をふるうおそれがある」ケースなどを明記している。
 この点については「『おそれ』をどう判断するのか。DV被害者らが本当に守られるのか」と懸念する意見がある。一方で、「返還拒否が幅広く認められた場合、『離婚前に暮らしていた国に子供をいったん戻す』ことを原則とする条約の趣旨に背くことになる」との指摘もある。
 法案が再提出された場合、こういった当事者や関係者の意見にどう応えるかが議論の焦点となりそうだ。【伊藤一郎】

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 ■ことば ◇ハーグ条約

 国際結婚が破綻した夫婦の子(16歳未満)の扱いを定めた条約。どちらか一方の親が子を無断で国外(A国)に連れ去り、もう一方が返還を求めた場合、A国政府は原則、元の国に子を戻す協力をすると定めている。子の親権の確定は元々住んでいた国で行うのが望ましいという考えに基づくもので、欧米を中心に89カ国(1月現在)が加盟している。日本政府に対し、子の連れ去り事案を最も多く提起しているのは米政府で、11年12月現在84件に上っている。


ハーグ条約加盟に向け要綱案/ハーグ条約 「子どもの利益」を第一に(2012-01-29)

質問なるほドリ:ハーグ条約って?=回答・反橋希美
毎日新聞 2012年01月24日

 <NEWS NAVIGATOR>
 ◇国際離婚、子の扱い規定 日本人女性の連れ帰り問題に

 なるほドリ 最近耳にする「ハーグ条約」ってどんな条約?
 記者 正式な名前を「国際的な子の奪取の民事面に関する条約」といいます。離婚や別居した夫婦の一方が、国境を越えて子供を奪うのを防ぐためのルールを定めています。83年に発効しましたが、主要8カ国(G8)のうち加盟していないのは日本だけで、米国などから加盟を強く迫られ、国際的な問題になっています。

 Q なぜ問題になってるの?
 A 米国やカナダ、フランスなどに住んでいた日本人女性が結婚生活が破綻した後、父親に無断で子供を日本へ連れて帰るケースが問題視されるようになったからです。厚生労働省によると、10年に国際結婚した日本人は、条約発効当時の3倍の約3万人。一方で国際離婚も10年で約1万9000人と高い水準にあり、加盟しない場合、今後も同様のトラブルが増えるのではとみられているのです。

 Q 子供を引き取って育てている親が自分の国に帰るのもいけないの?
 A 欧米を中心とする加盟国は、離婚後も「両方の親が養育にかかわることが子の利益にかなう」という考えから「共同親権制」が主流で、転居や国外への旅行なども双方の親の同意が必要な場合が多いのです。そうした国では、一方の親に無断で国外に移住すると犯罪とみなされ誘拐罪に問われます。単独親権制で、離婚後に親子の交流が途絶えてしまうこともある日本とは感覚が違うかもしれませんね。

 Q 子供にとっては両方の親に会える方がいいもんね。早く加盟すればよかったのに。
 A 日本が慎重だったのも理由があります。外国から子供を連れ帰ってきた母親の中には、元夫から配偶者への暴力(DV)を受け、他の手段を見つけられずに、やむを得ず子供とともに帰国した人たちもいます。条約では「子供が耐え難い状態に置かれる重大な危険がある場合」は例外的に返還を拒否できますが、条件が厳しすぎるという批判があります。条約がつくられた当時は、普段養育している親から別居している親が子供を奪う場合が想定されていましたが、実際は逆に、普段養育している親が自国に帰る事例が多く、「条約を根本から見直すべきだ」との声もあります。各国でも議論されてきていますが、もし日本が加盟した場合は、条約の改善についても積極的に発言したいですね。(大阪学芸部)
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