みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

安保法施行1年/役割拡大懸念払拭できない/不戦のタガ緩んでないか/隠蔽の上に積んだ実績

2017-03-31 21:16:37 | ほん/新聞/ニュース
春には、黄色や紫色の草花が目につく。

3月にさきはじめ次々に開花して庭を埋め尽くす勢いの
ヒメリュウキンカの金ぴかの花。

親戚に一株だけもらって植えたのが、こんなに増えました。
  
ヒメリュウキンカの生命力は、まさに野の花ですね。


こぼれ種であちこちに生えているのか「ムラサキハナナ」。

好きな花なので抜かないようにしています。

花桃の下にはニオイスミレ。

雑草ほどの勢いはありませんが、着実にテリトリーを拡げています。

玄関横に2株だけ植えたビオラ。

この紫と黄色のいろあいが好きです。
  
ビオラのおとなりさんは紫のムスカリ。

こんなに植えてあるとは思わず、気配すらなかったところに、
とつじょとして、茎をのばして紫の可愛い花が姿をあらわしました。


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話しは変わりますが、
昨日03月29日は安全保障関連法の施行からちょうど一年。

この1年の動きをみていると、既定路線をなりふり構わず突きすすむ、
好戦的な安倍内閣は、戦争の道を開こうとしているとしか思えない。

   社説:不戦のタガ緩んでないか 安保法施行1年
2017年03月30日 中日新聞

 日本周辺の情勢が厳しさを増しているのは確かだが、戦後日本が歩んできた「平和国家」の看板を下ろすわけにはいかない。「不戦のタガ」が緩んでないか。

 憲法学者ら多くの専門家が違憲と指摘したにもかかわらず、安倍晋三首相率いる政権が成立を強行した安全保障関連法の施行からきのう二十九日で一年がたった。

 集団的自衛権の行使を容認する安保法は憲法九条に違反するとした訴訟が全国各地で提起されてはいるが、国会では、学校法人「森友学園」への格安での国有地売却問題や、「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案の議論に多くの時間が割かれている。

他国軍と深まる連携
 安保法の議論が脇に追いやられている間に、政権側は安保法に基づいた決定を積み重ねている。

 五月末の撤収を決定したが、現在、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣されている陸上自衛隊部隊には昨年十一月、安保法に基づいて「駆け付け警護」任務が付与された。

 昨年十二月には米軍の艦艇などを自衛隊が守る「武器等防護」の運用開始を決定し、北朝鮮による弾道ミサイル発射への警戒監視活動などで米軍などとの連携を着々と深めている。

 自衛隊と他国軍との間で食料、水といった物品や、輸送、修理などの役務を融通し合う物品役務相互提供協定(ACSA)を米国、オーストラリアとの間で改定、英国とは新たに結んだ。

 協定審議中の国会で承認されれば、日本が直接攻撃される「武力攻撃事態」などに制限してきた弾薬の提供や発進準備中の戦闘機への給油が、安保法で新設された「存立危機事態」や「重要影響事態」でも可能になる。

 国民の懸念が解消されないまま、既成事実化だけが進む。

敵基地攻撃まで議論
 そればかりではない。

 自民党はきのう敵基地攻撃能力の保有を直ちに検討するよう政府に求める提言をまとめた。

 敵基地攻撃能力とは、敵のミサイル攻撃などを防ぐ場合、その発射基地を破壊する能力を指す。

 政府見解では、ほかに攻撃を防ぐ手段がない場合には「法理的には自衛の範囲に含まれ、可能」だが、これまで自衛隊がそうした能力を保有することはなかった。

 自民党提言には弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮の脅威が念頭にあるとはいえ、平時から他国を攻撃するような兵器を持つことは「海外で武力の行使はしない」という憲法の趣旨には反する。

 巡航ミサイルなど敵基地攻撃能力を整備しようとすれば、膨大な経費がかかり、現実的ではない。

 憲法に抵触しかねない敵基地攻撃能力の保有まで具体的に議論されるようになったことは、安保法成立を強行した「安倍一強」の政治状況と無縁ではなかろう。

 防衛費の増額圧力も続く。

 減少が続いていた日本の防衛費は安倍首相の政権復帰後、増額に転じ、二〇一七年度予算は過去最高の五兆一千二百五十一億円。

 それでも国内総生産(GDP)比1%以内に収まるが、一九年度から五年間の次期中期防衛力整備計画には、安保法に基づく新たな装備品購入や訓練費用なども盛り込まれることが想定され、一層の増額は避けられない。

 首相自身も、防衛費を「GDPと機械的に結びつけることは適切ではない」として、GDP比1%以内に収める必要はないと明言している。

 日本と周辺地域の平和と安全を守るために防衛費の適正な水準は常に検討すべきだが、やみくもに増やせば、地域の軍拡競争を加速させ、逆に脅威が高まる「安全保障のジレンマ」に陥るだけだ。それでは本末転倒だろう。

 専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にならないことを誓った戦後日本の平和主義は、無謀な戦争に突入して国内外に多大の犠牲を強いた、先の大戦に対する痛切な反省に基づく。

 武力で他国を守ったり、他国同士の戦争に参加する集団的自衛権の行使は憲法九条に反するというのが、主として自民党が首相を務めてきた歴代内閣が継承してきた政府見解だった。

軍事より外交努力を
 その憲法解釈を一内閣の判断で変えたのが安倍政権であることを私たちは忘れてはなるまい。いくら運用を重ねて法律を既成事実化しようとしても、安保法の違憲性に変わりがないことも。

 中国の軍事的台頭や北朝鮮の核・ミサイル開発で、東アジアの安全保障環境は厳しさを増しているが、軍事的対応ではなく、緊張緩和に知恵を絞り、外交努力を重ねることこそが、平和国家を掲げる日本の役割ではないのか。安保法で緩んでしまった「不戦のタガ」を、いま一度締め直したい。 


 社説:安保法1年 隠蔽の上に積んだ実績 
2017年03月30日 朝日新聞

 安全保障関連法の施行から、1年が過ぎた。

 集団的自衛権の行使に道を開き、自衛隊の海外での活動をめぐる政府の裁量の幅を拡大し、米軍などへの兵站(へいたん)(後方支援)を世界中で可能にする。

 そんな安保法は「違憲だ」と問う訴訟が全国で続く。民進など野党は「違憲法制」の白紙撤回を求めている。1年がたったからと「違憲」が「合憲」へとひっくり返るはずがない。

 安全保障政策が機能するには国民の理解と納得が不可欠だ。だがこの1年、理解を広げようとする政府の努力はほとんど見えなかった。逆に見せつけられたのは、国民やその代表である国会に情報を隠したまま、安保法の「実績」をつくろうとした政府の不誠実である。

 安倍政権は昨年11月、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊に、安保法に基づき「駆けつけ警護」の新任務を付与した。

 昨年7月、部隊が活動する首都ジュバで起きた大規模な戦闘は、「衝突」であり、「戦闘」ではない――。稲田防衛相が国会で、事実をねじ曲げる答弁を重ねるなかでの付与だった。

 だが、当時の陸自部隊の日報には「戦闘」の言葉が記されていたことが後に分かった。防衛省が「廃棄した」としていたその日報を、陸自が保存していたのに、そのことを公表しないよう防衛省内で指示があったことも判明した。

 こうした事実が報じられなければ、国民にも国会にも隠蔽(いんぺい)され続けただろう。

 南スーダンが事実上の内戦状態にあるにもかかわらず、政府は「PKO参加5原則は維持されている」と主張し続けた。無理に無理を重ねて自衛隊派遣を継続し、そのなかで新任務を付与して安保法の「実績」を積もうとした。

 政府は安保法によって米国の戦争に巻き込まれることは「絶対にない」、隊員のリスクも「高まることはない」と言う。

 だが一連の経緯から見えてくるのは、安保法のために隊員を危険にさらしかねない政権の現実である。

 同時に、政権の思惑にこたえようと、文書管理や情報公開など国民や国会への責任をないがしろにする自衛隊の姿だ。しかも、その自衛隊に対する文民統制が機能しているとはとても言えない。

 こんな状態で存立危機事態などの有事に、歴史の検証にたえる判断が可能だとは思えない。この政権に自衛隊を海外で活動させる資格があるのか。


 社説:安保法施行1年/役割拡大懸念払拭できない
2017年03月31日 河北新報

 集団的自衛権の行使や自衛隊による海外任務拡大を認めた安全保障関連法の施行から、1年が過ぎた。
 安倍政権の「積極的平和主義」の名の下、自衛隊の役割は着実に拡大されてきている。リスクの増大はもちろん、戦争に巻き込まれる恐れも払拭(ふっしょく)できない。依然として「違憲」との批判も伴う。
 「海外での武力行使」を禁じた憲法9条が有名無実化されないよう、国会は問題点を洗い出し、歯止めを掛けなければならない。
 戦後の歴代政権は「専守防衛」の原則を守り抜き、集団的自衛権の行使を認めてこなかった。ところが、安保法の施行によって、そのハードルが大きく下げられた。
 政府が日本の存立が脅かされる明白な危険がある「存立危機事態」と認定すれば、米国など他国を守るために、自衛隊の武力行使が可能になった。自衛隊が後方支援できる範囲も一段と広がった。
 北朝鮮による核・ミサイル開発が「新たな脅威」になる中、日米同盟の強化にかじを切り、米軍との緊密な連携に踏み切った。基軸とされたのが安保法である。
 ただ、安全保障面での一体化が進むことに懸念が募る。
 トランプ米政権の北朝鮮政策は必ずしも明確ではないものの、オバマ前政権の「戦略的忍耐」とは異なる強硬姿勢が伝わってくる。
 「あらゆる選択肢を排除しない」という意味は、場合によっては軍事的行動も辞さないということだろう。
 万が一、交戦状態になれば、日本に軍事作戦面での貢献を求めてくることは想像に難くない。先取りするかのように、自民党が政府に対して「敵基地攻撃能力」保有の早急な検討を求めるなど、役割分担への積極的な動きに危惧を抱かざるを得ない。
 後方支援の強化策では、日米物品役務相互提供協定(ACSA)改定承認案が国会で審議中だ。戦闘が起きる恐れがある「戦闘地域」であっても、弾薬、燃料などの米軍への提供が可能となる。
 しかも日本周辺だけでなく、世界各地に展開する米軍が対象となる。後方支援は戦闘行為と不可分の関係にあり、攻撃を受ける危険性が一層高まるのは明らかだ。
 自衛隊の国際貢献の分野では、昨年11月に南スーダン国連平和維持活動(PKO)の陸上自衛隊の派遣部隊(5月末までに撤収)に新任務「駆け付け警護」などが付与され、武器使用の範囲が拡大した。
 政府は部隊撤収を検討していながら、新任務の付与を決定したのはふに落ちない。野党が「実績づくり」と批判するのもうなずける。現地の治安悪化を捉えて、紛争当事者の停戦合意などの「PKO参加5原則」が形骸化しているとの指摘も出ている。
 日本の安全保障の在り方を考えるためにも、この1年間の徹底検証は不可欠だ



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3月30日(木)のつぶやき

2017-03-31 01:04:35 | 花/美しいもの
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税金滞納、早めに行動を 督促放置、厳しい処分も(白井康彦)/椿。卜伴(ボクハン)3姉妹、そろい咲き

2017-03-30 21:10:51 | ほん/新聞/ニュース
きょうは月末の木曜日。
中日新聞生活面に白井さんの記事が載っているかな、
と思って新聞を開いたら、ありました!

だれにでもイザというとき役に立つ「税金滞納」のことです。

  税金滞納、早めに行動を 督促放置、厳しい処分も  
2017年3月30日 中日新聞

 税金の滞納を続けると、生活の立て直しは非常に難しくなる。しかも最近は、自治体による強引な差し押さえで、追い打ちをかけられるケースも。法律家や税理士らは「税金の滞納が膨らまないよう、法律家などに早めに相談して解決策を探るのが賢明」とアドバイスする一方、強引すぎる差し押さえから滞納者を守ろうと、四月八日に「滞納処分対策全国会議」を結成する。

 群馬県に住む五十代の女性は最近、同県伊勢崎市の司法書士、仲道宗弘さんと久しぶりに会った。「あのころは末の子どもが中学三年。『高校に行かせることもできなくなりそう』と悩みました。先生のおかげで本当に助かりました」

 女性は会社員の夫とともに三人の子どもを育てた。しかし、教育費などの負担が重く夫婦が借金を重ねて住民税などを滞納。十年ほど前には滞納額が約二百万円に膨れ上がった。

 女性は自治体の担当者と話し合ったが、厳しい対応に打ちのめされた。「以前は毎月四万円を払う分納を認めてもらっていたのに、担当者が代わったら『その金額では不足』と言うのです」。夫の給料の一部を差し押さえると予告され、パニックになった。

 女性は友人の紹介で仲道さんに相談。仲道さんは夫婦の借金の履歴を丹念に調べ、消費者金融会社に払いすぎた利息の返還請求ができることを発見。その手続きで約二百万円の過払い金の返還を受け、税金の滞納分を一括納付できた。
     ◇

 消費者金融会社などからの借金は自己破産をすれば返済義務がなくなるが、税金の滞納分は破産しても納める義務が消えることはない。自治体から納付を督促されたときは担当者と相談するのが賢明だ。「不誠実とみられると分納で払うことも認めてもらいにくくなる」と法律家らは話す。

 しかし最近では、自治体による強引な差し押さえも目立つ。差し押さえが禁止されている児童手当や生活保護費などが差し押さえられたケースだ。

 鳥取県の自営業男性は二〇〇八年、預金口座に振り込まれた児童手当十三万円を鳥取県に差し押さえられた。鳥取県は、口座にいったん入金されたことを理由に預金と主張。しかし、広島高裁松江支部は一三年、差し押さえたのは実質、児童手当だったとして、県の処分が違法であると認定。十三万円の返還を命じる判決を出した。

 給与や公的年金も全額を差し押さえることは法律で禁じられている。滞納者は、差し押さえをした自治体に審査請求をしたり、差し押さえの行政処分の取り消し請求訴訟を起こしたりできる。「差し押さえなど厳しい処分を受けても救済されるケースはある。あきらめる必要はない」と仲道さんは話す。

◆「悩まず相談して」
 滞納処分対策全国会議の事務局長に就任する予定の佐藤靖祥弁護士(仙台弁護士会)によると、活動の柱は▽集会などで自治体の強引な差し押さえが多い現状を世間に訴える▽税金滞納者の相談に応じやすい体制づくりに努める-など。運営には、法律家や税理士のほか各地の多重債務者支援団体なども協力する。

 全国会議に参加する「愛知かきつばたの会」事務局長で司法書士の水谷英二さんは「一人で悩むのではなく、早めに相談してほしい」と意気込んでいる。
 (白井康彦) 


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唐子咲きの卜伴(ボクハン)椿が好きなので、
庭に何本か植えてあります。

赤、白、桃の3種類がそろい咲きです。

「紅唐子」=日光

「白芯卜伴」=月光

桃芯の卜伴

やぶ椿。ユキツバキかな。



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3月29日(水)のつぶやき

2017-03-30 01:04:54 | 花/美しいもの
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「高浜」高裁決定 あと戻りしてないか/あまりに甘い安全判断/「高浜」再稼働を逆転容認 「万が一」に応えていない

2017-03-29 20:10:30 | ほん/新聞/ニュース
3月も残すところあと2日。
枝垂れ梅と河津桜もそろそろ咲き終わりです。

今年は気温が低めだったので、花持ちがよくて、長く楽しめました。







鹿児島紅梅

花びらが透き通るような河津桜の花。


  
夕日で赤く光る花。
 
グリーンの葉が目立ってきました。

矢口桃は咲きはじめ。


4月には、源平垂れ花桃やモクレンが咲きはじめます。


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ところで、
関西電力高浜原発3、4号機の地裁判決が覆る判断が大阪高裁で出た。

再稼働した高浜原発で事故が起きたら、大阪高裁は責任をとれるのだろうか。
関西電力と国におもねる判決、としか思えない。

 社説:「高浜」高裁決定 あと戻りしてないか
中日新聞 2017年3月29日 

「画期的な司法判断」は、またもすっかり覆された。関西電力高浜原発3、4号機を止めておく法の鎖は解き放たれた。3・11以前へのあと戻りを懸念する多くの住民の不安と不信を募らせて。

 「国民の命を守る司法からの重いメッセージ」

 昨年三月、稼働中の原発を初めて止めた大津地裁の決定を、私たちはそう評価した。

 基準地震動(耐震設計の目安となる最大の揺れ)の策定方法に問題があり、起こり得る地震の大きさの評価が過小、津波対策や避難計画についても疑問が残る。従って、住民の人格権が侵害される恐れが強い-。3・11後の新たな原発新規制基準の在り方に疑問を呈し、原発の再稼働に関して同意権を持たない立地県以外の住民感情にも、配慮のある判断だった。

 そんな住民の“ひと安心”は、一年で覆された。高裁の壁はいまだ高かった。

 大阪高裁は「規制により、炉心の損傷等を防止する確実性は高度なものとなっている」と、新規制基準を評価。「これら(既存の計算式など)の手法に基づいて策定した基準地震動が過小であるとはいえない」「避難計画等の具体的内容は適切なもの」とした。そして「新規制基準が福島第一原子力発電事故の原因究明や教訓を踏まえていない不合理なものとはいえない」と断じた。地裁判断はおおかた覆された。

 だが、現実はどうだろう。

 原子力規制委員会内部には現在、地震動の専門家がおらず、十分な評価ができる立場にない。

 新規制基準における揺れの強さの評価手法に関しては、昨年四月の熊本地震、つまり“最新の知見”を踏まえた上で、専門家から疑問の声が上がっている。

 三十キロ圏内の自治体は避難計画の策定を義務付けられたが、道路の渋滞や避難の“足”の確保が不安視されたままである。

 関電は大津地裁の決定を「科学的、専門的知見を踏まえた客観的な判断がなされていない」と批判した。大阪高裁の判断は、十分に科学的、専門的だと言えるのか。3・11の教訓や住民の不安に配慮したものと言えるのか。

 福島第一原発の事故処理は難航を極め、事故から六年を経て、原発再稼働に反対する人は増えているという世論調査の結果もある。

 今、時計を逆回りさせてもいいものか。電力会社と政府にも、よく考えてもらいたい。


 社説:高浜原発決定 あまりに甘い安全判断
2017年3月29日(水)付 朝日新聞

 原子力規制委員会の新規制基準や電力会社の安全対策に理解を示し、合理的だと結論づける。安全に対する意識が、福島第一原発の事故前に戻ったような司法判断だ。

 関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の運転を差し止めた大津地裁の仮処分決定について、大阪高裁は関電側の訴えを認め、決定を取り消した。

 焦点の一つは事故後にできた新規制基準への考え方だ。

 大津地裁は、福島事故の原因究明が「道半ば」で基準が作られたとし、安全の根拠とすることを疑問視。新基準を満たしただけでは不十分とした。

 きのうの高裁決定は福島事故の基本的な原因は各事故調査委員会の調べで明らかにされているとし、新基準についても「原因究明や教訓を踏まえたもの」と評価、「不合理とはいえない」と正反対の判断を示した。

 さらに耐震安全性のための補強工事についても、高裁は「規制委が規制基準に適合していると確認した」とし、「相当の根拠にもとづいている」と評価した。関電が耐震設計の基本とした基準地震動に疑問を呈した地裁の決定とは全く逆だ。

 あまりに電力会社の言い分に沿っていないか。規制基準は正しく、それに適合さえしていれば安全だと言わんばかりだ。

 技術面で素人である住民や一般の人が不安に感じるなら、納得が得られるよう安全性を追い求める。そうした姿勢の大切さが、事故の示した教訓だったはずだ。

 住民の避難計画についての判断もそうだ。今の計画について「様々な点でいまだ改善の余地がある」と指摘しながら、対策が検討されていることを理由に追認した。複合災害や渋滞などで避難できないのではないかという住民の不安を、正面から見据えたものとは到底いえない。

 行政手続きさえ整っていればよく、安全は専門家の判断にゆだねよというなら、司法の役割は何なのか。

 福島事故から6年。甚大な被害を国民が目の当たりにした今、裁判所として原発にどう向き合うか。大阪高裁はどこまで突き詰めて考えたのだろう。

 決定を受け、関電は高浜3、4号機の再稼働に向けた準備に入る。だが関電も国も「これで安全性にお墨付きが得られた」ととらえるべきではない。福井県に多くの原発が集まる集中立地のリスクや、使用済み燃料の処分など、議論は不十分だ。
 山積する問題を残したまま、再稼働に突き進むことは許されない。 


 社説:「高浜」再稼働を逆転容認 「万が一」に応えていない
毎日新聞 2017年3月29日

 過酷な事故が起きた際の避難計画が不十分なままで、なし崩し的に原発を再稼働させていいのか。こうした国民の不安に応えたのかに疑問の残る判断である。

 福井県の関西電力高浜原発3、4号機について大阪高裁は、運転差し止めを命じた昨年3月の大津地裁の仮処分決定を取り消し、関電の抗告を認める決定を出した。関電は再稼働に向けた準備に入る。

 焦点となったのは原子力規制委員会が策定した新規制基準の評価だ。

 大阪高裁は、新基準は東京電力福島第1原発事故の教訓を踏まえており、それに適合した関電の対策は安全を確保していると結論付けた。新基準に合格しただけでは安全性は保証されない、と指摘した大津地裁とは対照的な判断である。

 事故に備えた住民の避難計画についても、大阪高裁は訓練によって改善が検討され、計画の内容も適切と評価し、2基の再稼働を認めた。

 私たちは原発再稼働をすべて否定しているわけではない。

 だが、原発事故が起きれば被害は広範囲に及ぶ。住民は府県境を越えて広域避難する必要があるのに、避難計画は安全審査の対象ではない。県外避難訓練では天候不順でヘリや船が使えない課題も判明した。

 大津地裁は国主導での避難計画の策定を求め、大阪高裁も「改善の余地がある」とは認めている。国は自治体まかせにせず、計画の実効性を高める必要があるはずだ。

 福島の事故で原発の安全神話は崩れ、原因究明も十分とは言えない。高裁は「各調査委員会の調査結果で基本的事象は明らかにされた」と述べ、新基準について「最新の科学的、技術的知見に基づいており、不合理とはいえない」とした。

 行政の判断をほぼ受け入れる姿勢は「福島以前」に戻ったかのようだ。「万が一」の事故に備える意識が乏しいのではないか。

 原発再稼働をめぐり裁判所は九州電力川内原発1、2号機の再稼働を容認した。一方で関電大飯原発3、4号機を巡る訴訟は福井地裁が運転差し止めを命じている。

 福島の事故から6年が過ぎても、再稼働に慎重な声は国民に根強い。政府と電力会社は丁寧な説明を積み重ねる必要がある。



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3月28日(火)のつぶやき

2017-03-29 01:04:00 | 花/美しいもの
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<なくそう長時間労働> 残業100時間の暮らしとは…/春の畑と野の花たち。

2017-03-28 18:06:08 | ほん/新聞/ニュース
陽射しも強くなってきたのですが、風が強い一日でした。
ウォーキングのとき、堤防にツクシがたくさん生えていたので、
春の野の花を探しに散策。

最初に見つけたタンポポ。
  
ホトケノザ
  
ナズナ


蜜蜂の巣箱からは、ミツバチたちがひっきりなしに出入りして、

トウ立ちした際の花や菜花を訪れて蜜集めのお仕事をしています。

もうすぐ分蜂するかと思うほどの数なので、巣箱の前に
分蜂用の待ち箱をぶら下げました。

畑にも足を延ばし、野菜たちを撮りました。
今は野菜が少ない時期なのですが、冬を越したが元気で春を迎えています。
  
ちょっと開いた芽キャベツ。
ハウスの野菜たち。
  


タマネギ畑

ニンニク畑


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ところで、
昨日の中日新聞生活面は、シリーズ<なくそう長時間労働>。
先日でた政府の「1カ月の残業100時間未満」を問う
タイムリーな記事です。

  <なくそう長時間労働> 残業100時間の暮らしとは…
2017年3月27日 中日新聞

 長時間労働の抑制を目的に政府が取りまとめた残業の上限規制では、1カ月の特例上限が「100時間未満」とされた。はたして1カ月で計100時間の残業というと、どんな暮らしになるのだろうか。労働法制に詳しい専門家と、シミュレーションをしてみた。

 一緒に考えてもらったのは、名古屋北法律事務所(名古屋市)の白川秀之弁護士。過労や残業代未払いなど、多くの労働裁判を手掛けている。

 「百時間残業」はどんな生活リズムとなるのか。例として、来月の二〇一七年四月でみてみよう。

 週休二日として、土日祝日を除くと、四月の労働日数は二十日だ。労働基準法で定める基本の労働時間は一日八時間、週四十時間。一カ月では百六十時間だ。一日のリズムでいえば、昼に一時間、休憩したとして、午前九時に出勤し、午後六時に退社すれば労働時間は八時間。いわゆる「定時」の働き方だ。

 仮に通勤時間を片道一時間とすれば、午後七時には自宅に帰ることができる。家族で夕食を共にすることも可能だろう。

 「では、これに『百時間残業』を当てはめてみましょう」と白川さん。百時間を労働日数の二十日で割れば、残業時間は一日五時間となる。午後六時以降にこれを加えると、午後十一時まで働くことになる。夕食時に休息を取れば、これも労働時間にはカウントされない。「忙しくて、夕食は職場でぱっぱと済ませる人も多いでしょうが、午後十一時を過ぎても働くという状態にもなり得ます」と解説する。

 通勤時間も労働時間には含まれない。同様に片道一時間とすれば、帰宅は午前零時を過ぎることにもなりかねない。家族のだんらんの余裕もなくなる。

 翌朝に出勤のため家を出る時間は午前八時。そうすると、着替えや入浴、食事、身支度、家事など生活に必要な時間は、帰宅から翌朝の出勤までの八時間で済ませなくてはならない。

 八時間は人間として理想的な睡眠時間とされる。だが、家に居る時間そのものが八時間しかない。「結局、睡眠時間を削って、必要最低限の家事をすることになります。よくて床に入って五、六時間というところでしょうか」と白川さん。

 余談ながら、記者は過労で倒れたことがある。その経験から考えると、仕事のストレスが高まれば、脳の興奮は続いて、横になってもすぐには寝付けない。そのまま白々と夜が明けていくのは、何ともやるせない気持ちになる。

 「週末は疲れ切って、ひたすら休むような状態。洗濯や掃除など、たまった家事も土日に済ませなくてはならない」と白川さん。土日は休みでも、自分の時間を楽しむにはほど遠い。

 政府の案では、残業について「二~六カ月の月平均八十時間以内」も認める方針だ。では、残業が月八十時間ならどうか。白川さんは「帰宅が一時間早くなる程度です。それが半年続くことになります」という。さらに、「繁忙期となれば実際は土日のうち、どちらかは出てきて働くという職場が多いのではないでしょうか。ますます身にはこたえるでしょう」。

 白川さんは「すでに心疾患で死亡した労働者について、発症前一カ月の時間外労働が八十五時間余でも過労を認めた判例がある。上限規制は、厚生労働相告示で定める月四十五時間に基づくべきだ」と話している。
 (三浦耕喜) 


  “保育士の労働環境改善を” 労組が厚労省に申し入れ
3月28日 NHK

深刻な人手不足が続く保育の現場で、長時間のサービス残業などが横行しているとして、保育士などでつくる労働組合が28日、厚生労働省に申し入れを行い、保育士1人当たりの負担を減らすため、国が定める保育士の配置基準を見直すよう要請しました。

申し入れを行ったのは、保育士などでつくる労働組合「介護・保育ユニオン」で、28日午後、組合の職員が労働相談を行った保育士3人とともに厚生労働省を訪れました。

組合は去年6月に結成され、これまでに全国の保育現場から長時間のサービス残業など145件の相談が寄せられ、このうちの8割以上で労働基準法に違反している疑いがあったということで、申し入れでは、厚生労働省に対し実態調査を行うよう求めています。
そのうえで、保育士1人当たりの負担を減らすため、国が定める保育士の配置基準を見直し、保育所により多くの保育士を配置するよう求めています。

待機児童の解消に向けた保育士不足への対策では、短期間で辞めてしまう保育士が多い現状を、いかに改善するかが課題の1つとなっていて、介護・保育ユニオンの森進生代表は「労働基準法違反が改善されていけば、保育士として仕事を続けていける、戻ってきたいという人が増える。待機児童解消のためにも、労働環境の改善が必要だ」と話していました。

厳しい労働環境 職場を変えても
申し入れに参加した29歳の保育士の女性は、保育所の厳しい労働環境に悩み、この9年間で3回職場を変えました。
女性によりますと、いずれの保育所でも人手が不足し、サービス残業が当たり前になっていたということです。

女性は、保育所のサービス残業の実態について「書類や手作りしなければならないものを残業したり、家に持ち帰ったりして作ることが特に多い。保育士は全体的に持ち帰ってやっている人が多いと思う。給料は特に手当としてもらったことはほとんどない」と話していました。

こうした状況に、毎年保育士を辞める人が後を絶たず、女性が今勤めている保育所では、今月いっぱいで12人の職員のうち5人が退職する予定だということです。

女性は「友人や同僚は、仕事内容がきついという理由で保育所をやめ、『もう保育士には戻りたくない』と言っているので、環境を変えないと、保育士は戻ってこないと思う」として、保育士の配置基準を見直すなどして1人当たりの負担を減らさないかぎり、保育士を確保しても、短期間で辞めていく現状は変わらないとしています。
そのうえで、女性は「毎日子どもたちの笑顔を見ていると、やっぱりあすもこの子たちのために頑張りたいと思って、ここまで続けてきた。子どもたちも働いている保育士たちも安定して過ごせる環境を作ってほしい」と話していました。

東京都の調査では
東京都が保育士の確保に向けた課題を探ろうと、4年前に保育士を対象に行った実態調査では、およそ2割の人が、給料が安いことや仕事量が多いことを理由に「保育士を辞めたい」と答えました。

具体的には、当時保育士の仕事についていた人のうち、18%の人が「保育士を辞めたい」と答え、年代別では20代が25%と最も高くなりました。
そして、退職を考えている理由は複数回答で、「給料が安い」が65%、「仕事量が多い」が52%、「労働時間が長い」が37%でした。

一方、保育士の資格を持っていながら勤務していない、いわゆる「潜在保育士」が、保育士として働くための条件としては、「給与などよりも勤務条件が優先される」と指摘しています。

配置基準をめぐる問題
認可保育所では、預かる子どもの年齢と数に合わせて、配置しなければならない保育士の最低人数が、国の基準によって定められています。

例えば、0歳児を預かる場合、おおむね3人につき保育士を1人以上、1歳児と2歳児はおおむね6人につき保育士を1人以上、3歳児はおおむね20人につき保育士を1人以上、それぞれ配置する必要があります。

認可保育所を管轄するそれぞれの市区町村では、この国の基準に基づいて、具体的な配置基準を定めています。中には、「保育の質を確保したい」などとして、国よりも厳しい基準を設けて、受け入れる子どもの数を減らしている自治体もありますが、国は、待機児童の解消を目指し、基準を緩和して、多くの子どもを受け入れられるようにするよう求めています。
また、深刻な保育士不足が続く中、自治体の中には、国の配置基準の緩和を求めるところもあります。

これに対し、保育の現場からは、「現在の配置基準ですら人手が足りず、子どもを安全に預かることは難しい」として、保育士をより手厚く配置できるよう求める声も出ています。

保育士の配置基準をめぐる問題は、保育の質と量のバランスをいかに図るかという難しい課題に直結するだけに、待機児童の解消に向け、今後、さらに議論が活発になることも予想されます。


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3月27日(月)のつぶやき

2017-03-28 01:03:53 | 花/美しいもの
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森友学園問題 説得力ない首相の説明/夫人付の職員 不自然なファクス送信

2017-03-27 21:41:15 | ほん/新聞/ニュース
東京から持ち帰ったおみやげ、こんなにいろいろ。



豆大福と熊本の塩トマトは、昨日の夕ご飯に、
 
東京駅あんぱんは、今朝の朝ごはんに食べました。
 
出かける前に植えていった花の苗は、
  
昨日までの雨で、元気に根付いたようです。
    







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東京でもいつもニュースで流れていた「森友学園」問題。
なかなか進展しなくてじれったいですね。
25日の朝日新聞と毎日新聞の社説を紹介します。

  社説:森友学園問題 説得力ない首相の説明
2017年3月25日 朝日新聞

 疑問はいっこうに晴れない。

 安倍首相はきのうの参院予算委員会で、「森友学園」への国有地払い下げや学校認可に、自身や妻昭恵氏が「まったく関与していない」と強調した。

 審議で焦点となったのは、首相夫人付の政府職員から籠池(かごいけ)泰典氏に届いたファクスだ。

 証人喚問での籠池氏の証言によると、国有地の買い上げ条件の緩和についての相談を、昭恵氏の留守番電話にメッセージとして残した。

 その後、首相夫人付職員は次のファクスを籠池氏に送った。

 「財務省本省に問い合わせ、国有財産審理室長から回答を得ました」「なお、本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております」

 「工事費の立て替え払いの予算化について(略)平成28年度での予算措置を行う方向で調整中」と、政府予算に言及した部分もある。

 首相は、ファクスは籠池氏側から首相夫人付への問い合わせに対する回答で、昭恵氏は報告を受けただけだと主張する。しかし、国家公務員である首相夫人付の職員が、昭恵氏の了解もなく一学校法人の要望を官庁に取り次ぐものだろうか。

 首相は、首相夫人付の行為について「事務的な問い合わせで、依頼や働きかけ、不当な圧力はまったくない」という。だが首相夫人付からの問い合わせは、官庁に政治的な影響力を持ちうる。

 自らが持つ権力の重さや周囲の受け止めを、首相と昭恵氏はどう考えているのか。

 稲田防衛相も発言の信用性がいっそう疑われる事態だ。

 稲田氏はこれまで、弁護士である夫が「本件土地売却にはまったく関与していない」と述べていた。だが籠池氏の証言を受け、夫が16年1月の籠池夫妻と国側との話し合いに同席した事実を認め、「(国有地)売却の話ではなく、借地の土壌汚染対応の立て替え費用の返還の話」だったと語った。

 籠池氏の喚問での証言に対し、昭恵氏は自身のフェイスブックで「籠池さんから何度か短いメッセージをいただいた記憶はありますが、土地の契約に関して、まったくお聞きしていません」などと反論した。

 だが、自分の主張を一方的に述べるフェイスブックでの説明だけで、首相夫人という公的存在としての説明責任を果たしたとは到底、言えない。

 籠池氏は、虚偽を述べれば偽証罪に問われる証人喚問で証言した。昭恵氏も自ら国会で説明すべきである。 


 社説:夫人付の職員 不自然なファクス送信
毎日新聞2017年3月25日

 首相夫人の安倍昭恵氏と学校法人「森友学園」の関係をめぐり新たな疑問が浮かんでいる。

 それは、夫人付の政府職員が籠池泰典・学園理事長あてに送っていたファクスの存在だ。籠池氏の要請を受けて財務省に問い合わせをし、返事をしていた。

 ファクスについては証人喚問で籠池氏が明らかにした。この動きを受けて菅義偉官房長官が公表した。

 森友学園は2015年当時、小学校用地の国有地を定期で借りていた。籠池氏は借り受け期間の延長ができないかと思い、昭恵氏側に連絡を取ったという。

 昭恵氏本人は回答しなかったが、同年11月に夫人付の政府職員、谷査恵子氏がファクスで返事をした。財務省の国有財産審理室長に照会した結果、籠池氏の要望には沿えないとしつつも「当方としても見守りたい」と伝える内容だった。その直前に昭恵氏は、籠池氏が建設予定だった小学校の名誉校長に就いている。

 この件について安倍晋三首相は国会で「職員が制度上、法律上の事務的な問い合わせをした。働きかけや不当な圧力ではない」「妻は土地契約に関し具体的内容は全く聞いていない」と説明した。また、土生栄二内閣審議官は財務省への「個人的な照会」だったと答弁した。

 だが、説明には疑問がある。

 昭恵氏には、首相の公務を補佐する際のサポート役として5人の政府職員が指定されている。谷氏もその一人だった。今回のような対応は本来の業務とはいえない。ファクスには内容を昭恵氏に報告したと記されている。事前に昭恵氏と相談していた可能性は否定できない。

 谷氏から籠池氏への返信には工費立て替え払いを予算計上する方針など踏み込んだ内容が記されている。財務省幹部が個別の案件で谷氏に対応したのも、首相夫人付であることに配慮したためではないか。

 首相はこれまで「私や妻が認可や払い下げに関わっていたら、首相も国会議員も辞める」と答弁している。菅氏がファクスを公表したのは「要請を拒否したのだから関与はない」と言いたかったためだろう。

 だが、菅氏の狙いとは逆に、ファクスの内容は、昭恵氏による関与への疑問をふくらませた。

 政府は森友学園との交渉記録をことごとく廃棄したと主張している。今回の対応をみるかぎり、他にも文書があるのではないか。

 昭恵氏は籠池氏の証言を受けて、100万円の寄付を否定するなどのコメントをフェイスブックに載せた。だが、内容は疑問にこたえるものではなかった。国会や記者会見での説明を改めて求めたい。 


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3月26日(日)のつぶやき

2017-03-27 01:05:51 | 花/美しいもの
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