みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

「産む機械」から生まれた「おのこ」大集合/「ロマネスク」も食べました。

2007-02-07 09:07:52 | ジェンダー/上野千鶴子
暖冬なのでロマネスクが凍みずに年を越した。
緑の野菜が食べたいね、と言ったら、つれあいが畑から収穫してきてくれた。

  
ブロッコリーとカリフラワーを掛け合わせたから、
ブロッコフラワーとも呼ぶ『ロマネスコ(別名・珊瑚礁)』。
イタリアで育種され、主にヨーロッパで流通している。
  
フラクタル図形の芸術品のような姿形で食べるのが惜しいけれど、
味はカリフラワーとブロッコリーの中間。


寒さで甘みの増した人参といっしょに食べると、
目に美しく、美味しくて、健康にもよい、と3拍子。

金目鯛の煮付けは、温めるだけのレトルト。
これがケッコウよい味で、値引き品をときどき買ってくる。

  
デザートのりんごは「長瀬さんちのフジ」。
蜜がたっぷり入っていて、しゃきっとした肉質でさわやかな甘さ。

と、こんな野菜中心の毎日のなか、
魚中心の思いっきり、豪華な食卓の日もある。

「子どもは2人が健全」発言があった昨夜、
「産む機械」から生まれた「おのこ」4人が大集合。
全員20~30代のピカピカの若者である。

で、この若者たち(一人足りないけど)。
「『産む機械』の製品のオス4匹、とブログに書いといて」、
「子ども2人以上なんて余計なお世話」とおしゃべりしながら、
食べる、食べる・・・・もうお腹いっぱいといいながら、
全員が「やっぱ焼きそばはみどりさんじゃなくちゃね」とリクエスト。
調理師も一人いるので、今日の料理は子どもたちに任せたのに、
おだてられれば木に登る、という性格を見抜かれている。


肩が痛いのに焼きそばを作り始めたわたしの横に、
ほくちゃんが「中華なべ持っててあげよか」と心配そうに立ってて、
自称「焼きそば大好き人間」のもっくんがすばやく大皿に移す。

かれらは好物もまったくちがうし、生き方もひとそれぞれ。

とはいえ、「結婚したい、子どもを2人以上持ちたい」などとは
ゆめゆめ思わない「不健全」な若者ばかり。

子どもたちが引き上げたあと、2人になって、
「やさしくていい子たちだね」と同じ言葉を口にしたつれあいとわたし。

わが家は「ステップファミリー」である。

ふたりの子はつれあいが自宅で取り上げた。
男の子を「男らしく育てないぞ」と思いながら、
つれあいと仕事も子育ても半分こ、子どもたちも家事を分担した。

百姓をしながら、生きて育った子どもたちを見ながら、
わたしはいつも、この世で出会えなかった子を想う。

ひとは死んだ子の年を数える、というけれど、
おんなは、生まれてこなかった子の年を数える。

産むよろこびも、産めなかったかなしみも、
きっと、おとこには分からない。


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とはいえ、
子を産むのは女だけど、子どもを取り上げたつれあいみたいに、
なんとか産む女に寄り添おうとする男たちも少なからずいる。

昨日、TBしていただいたブログ「タコマンゾク(他己満足)」の
ツルギさんの記事を紹介します。

 厚生労働大臣には妊婦ジャケットの刑を
うちの嫁は妊娠中。とうとう臨月に入りました
助産師さんいわく、あと3日もすればいつ生まれても大丈夫ということです。
とうとう出てくるのかぁという緊張感
どきどきのワクワクなのですが、とにかくつらそうなヨメ
朝、起きると
お~い起こしてくれぇ~
という声から始まる1日
それでも、動くことが大切だといわれているので、
一緒に街中をウォーキングするのですが、
いたたたた・・・・いたたたた・・・・
って、一緒に歩く僕は気が気じゃない

男の無力さを感じる、今日この頃
ちょっと前の妊婦教室で妊婦ジャケットを装着させていただきました。
が、
ウソでしょ。。。と思わず疑いのまなざしを向けてしまった。
こんなんで、毎日過ごせるわけがない。。。
またまたー
ほんとのことを言ってよぉー
といっても、こりゃ正真正銘妊娠中の重さらしいのです。
ほんとにほんとに大変なこっちゃ!!
機械で子供が生まれるなら、楽だわなぁ~、おっさんよぉ~

というわけで、辞任しなくても良いです。
あの妊婦ジャケット10ヶ月装着して働いてくだされば。。。
妊婦ジャケット10ヶ月装着署名運動とか。。。始まったらどうするよ?
ほんと反省してください。
大臣でなくても、一般人が言っても引くわ、あんな発言、絶対どうかしてる。
 

「妊婦ジャケット装着」って、Goodアイデアだと思う。
大臣の席にしがみつくなら、ぜひとも実行してもらいたい。
そうすれば、柳澤氏自身が10ヵ月後に生まれ変わって、
もう口が裂けても「女は産む機械」「子どもは二人以上」なんて、
言わないだろう。

ところで、
朝日新聞夕刊の記事、朝刊にも載っていました。
同じ記事が載るなんてめずらしいけど、
多くの人に読んでもらえて、うれしい。

 
(2007.2.7朝日新聞)

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「結婚・子2人は健全」 厚労相発言、与党内からも批判

「野党揃って反発」 厚労相発言、与党内からも批判

 柳沢厚労相が6日、今後の少子化対策への取り組みについて「若い人たちは、結婚したい、子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいる」と発言し、再び波紋を広げた。野党側は、子どもがいない場合や1人の場合は「不健全」とも受け止められると一斉に反発し、与党内からも批判の声が上がったが、安倍首相はあくまでもかばう姿勢を通した。
 柳沢氏は6日夜、記者団に「若い人たちの意識を説明した。文脈をよくみていただければ、誤解されることはない」と述べ、発言を撤回しなかった。結婚しない、または子どもを欲しがらない人たちが「不健全」と解釈される可能性については「子どもを産む産まない、結婚するしない、こういうものは個々人の自由意思で決まるという前提のもとで社会が成り立っている」と述べ、女性に出産を強要する考えはないことを強調した。
 だが、民主党の小沢代表は6日、山形市での記者会見で「(産む機械の)発言以来、一生懸命『不適切だった、ごめんなさい』と言っているが、彼自身の意識、考え方、体質が変わっていない」と批判した。
 共産党の穀田恵二国対委員長は「1人だったら不健全、ゼロだったら不健全だと言いたいわけだ。全く反省していない」、社民党の福島党首は「子どもを持ちたくても持てなかった人や、持とうと思わない人に配慮がない」と批判。小沢、福島両氏と国民新党の綿貫代表の3野党党首は6日夜の会談で、改めて辞任を求めることで一致。首相官邸で塩崎官房長官に申し入れた。
 与党内でも公明党の浜四津敏子代表代行が「日本の少子化問題の本質を正しく理解していただかないと、厚生労働大臣の仕事はやっていただけないと思う」と批判した。
 しかし、安倍首相は6日夜、首相官邸で柳沢厚労相の発言について「特定の価値観について述べたものではないと思う」と述べ、問題視しない考えを示した。
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(右の記事・再掲)
◆ 柳沢厚生労働相に辞任を求める申入書を送った市民グループの一人、岐阜県山県市の寺町みどりさんは「いつ、何人の子どもを産む、あるいは産まないかを選ぶのは、国際会議で宣言された女性の権利だ」と反発。「子どもを産まない女性は価値がないという認識の現れであり、『産む機械』発言への謝罪も心からの謝罪でないことがはっきりした」と話す。
 フェミニズム史を研究する水田珠枝・名古屋経済大名誉教授も「やぱり全然わかっていない。子どもが一人か、いない人でも健全な人はたくさんいる。大臣の勝手な決めつけだ。人間を頭数としかみていないのではないか」と話した。

〈柳沢発言要旨〉
 家庭を営み、子どもを育てるということには、人生の喜びがあるんだという意識の面で、自己実現といった広い範囲で、若い人たちがとらえることが必要だと思う。他方、ご当人の若い人たちは、結婚をしたい、子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいるわけです。そういう若者の健全な希望に、我々がフィットした政策を出していくということが大事だと思っている。
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(2007.2.7 岐阜新聞)
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不見識の上塗りだ
柳沢厚労相、また”不健全”な発言
識者 怒り越えあきれ返る

 「産む機械」に続く柳沢伯夫厚労相の発言に6日、再び反発が広がった。結婚し子どもを二人持ちたいと希望する若者を「健全」と表現。多様な生き方への配慮を欠いた発言に、識者や女性団体からは批判が続出し、少子化対策を担当する大臣としての資質を問う声も強まっている。
 「男だって子育て」の著書がある広岡守穂中央大教授は「一度しかない人生をそれぞれ大事に暮らそうとしている個々人の人生を、どうして『健全』『不健全』と決め付けられるのか。感覚が著しくずれているとしか言いようがない」とあきれ返る。「少子化対策」を進めるべき責任者の発言とは思えず、不見識も甚だしい」と不信感をあらわにした。
 心理学者の小倉千加子さんは「少子化対策を国家戦略と考える自民党の大臣としての本音だろう。自分の理解できない生き方を『不健全』とする考え方が表れている」と分析。「日常的に20~30代のコミュニケーションをとる機会がなく、若い人のおかれている環境と遠いところにいるからこういった発言が出る」と指摘した。
 産むか産まないかを、自分で選べる社会を目指している女性たちのグループ「SOSHIREN女(わたし)のからだから」の大橋由香子さんは「前回の発言で女性たちがなぜ不快感を持ったのか、全く分かっていない」と指摘。「周囲を見渡せば、一人暮らしや子どものいない夫婦、婚姻届を出さない事実婚など、多様な家族がある。いろんな生き方が認められる風通しのよさが必要なのに、現実派はその逆」とした上で「日本の家族政策の息苦しさの根本に、大臣のような価値観がある。それを取り除かない限り、少子化対策は無理です」と批判した。
(2007.2.7 岐阜新聞)
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コメント (5)
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