築地まぐろ屋3代目 豊洲市場場内からのマグロ新鮮情報

築地市場場内で40年以上のマグロ仲卸をしている、『松井水産』より、豊洲に移動しマグロの仕入れ情報、お得情報を毎日に配信

矛盾!?

2012-02-01 09:16:50 | Weblog
今日から2月…月初めとはいえ水曜日という事もあり、今日の市場の中、不景気の波をもろに受けています(T_T)大増税を模索している先生方に是非とも今日のこの状況をご覧になっていただきたいものです。。
しかし、競り場にいるとそんな不景気もぶっ飛ぶほど!?の生天然本マグロの相場!!相変わらずとんでもないことになっております。
昨日よりもさらに魚が減ってしまい、全体的にも魚はすくないのですが…

今の時期は輸入の天然物が無いことに加え、ここ数日魚が少ない事もありますが、それにしても高すぎます!!
先ほどカジキを買っていただいたとある都内高級寿司屋のお得意様が他のマグロ屋で『こーんな小さいマグロでウン万円取られたよー!』と怒っていらっしゃいました。



この天然物の高さを見て、どうしても『天然じゃなきゃダメ』という方がたくさんいらっしゃるのだなぁ~と感じました。そこで思ったのですが、本来であれば自然界には存在しない『養殖』というジャンルの魚。わざわざ生け簀を作り、エサをやり、はたまた人件費をかけて『人間の要求』のために作られた魚であるはずだと思うのですが、いざ養殖が出来たとなると『天然』に付加価値を見出だす…??テレビなどではまるで養殖がいけないもののような言い回しで、天然であることを絶賛する。。これはマグロだけに限った事ではないと思いますが、そういう世間の流れで品物を出すお店側も養殖を出している場合は『生本マグロ!』なんて表記をしているのをよくみかけます。これが天然であれば『生☆天然☆本マグロ~!!』となるのでしょうが、養殖だとあえて天然か養殖かには聞かれるまで触れない…みたいな!?感じをうけます。でもそれって結局消費者が嫌がるからなんですよね??でも脂が無いとイヤだとか色が無いとダメだとか…
私が思うに、同じ店で前回と同じお刺身を頼んでも前に食べた時の方が美味しかっただとか、時期によって、たま天候によって品物があったり、無かったり、はたまた味が違ったりだとかはまさに天然である証!!だと思います。人間と同じく、2本と同じ魚はいないんです。
前にも書きましたが、養殖は消費者の要求に答えて生まれたジャンルのはず…なのにいざ食すとなると『天然がいい!!』


人間ってなんて矛盾した生き物なのかと改めてかんじさせられます。。
そんな私ももちろん一人の『人間』思い起こせば、矛盾だらけだなぁ…(^^;;



あしたはチャンキ(引き縄)のマカジキが少しあるなんて聞いてます。
マグロはどうなのかなぁ~??