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偽装食品の見分け方10

2007-10-05 22:15:21 | Weblog
写真は昆明市西方の環状西路と環状南路の交差点に近い農貿市場にて。品質のよい品物が数多く並ぶ。昼過ぎの客がたえた頃、売り子たちは腕枕で昼寝をしたり、将棋をしたり、我が子に授乳したりと思い思いの時間を過ごす。南方の午後はゆったりと流れる。(残念ながら現在、この市場は取り壊され、マンションを建設中)
【安心肉チェーン店】
 中国が豊かになると、肉を食べる機会が増える。とくに現代の中国では、アゴが外れるほどに固い牛肉や、脂身の少ない淡泊な鶏肉より、はるかに食べやすく味わいやすい豚肉は需要も多く、利益率も高い。そんななか2004年、雲南省昆明市では「水滸伝って本当だったの?」と思わせるような、豚肉をめぐる騒動が次々と起こっていた。
 ことの発端は「昆明食品集団」が「安心肉」を標榜するチェーン店を庶民の市場に展開したことにあった。

 2002年5月27日に国家経済貿易委員会は全国108カ所の養豚場を「国家備蓄肉活体備蓄基地場」に指定した。唯一、雲南省で指定を受けたのは国営企業出身の昆明食品集団だ。国の指示を受けてか、2003年5月より飼料中に「痩肉精」をはじめとした人体に有害な物質や薬品を禁止し、養豚の管理や消毒を徹底した養豚場を雲南省各所(禄勧、晋寧、富民、石林、宜良など)に10カ所設け、安心安全な肉を年10万頭以上の出荷することを計画した。

 同社は中国で改革開放政策が本格化するまでは昆明の豚肉市場の50%以上を一手に供給していたのだが、2000年になると30%にまで低下、以後、徐々にその割合を下げていた。それを規模を大きくすることで、一気に挽回しようと試みたのである。(『都市時報』2007年5月30日)

 また配送ルートも統一し、まずは昆明市内の農貿市場に直営のチェーン店‘滇中楽放心肉店’ (「放心」は中国語で「安心」を意味する)を設け、統一料金で販売することとなった。

 農貿市場は、昔ながらの市民の便利なスーパーマーケットだ。米国系の「ウオルマート」やフランス系の「カルフール」など外資の巨大で清潔なスーパーマーケットも人気はあるが、一般に生鮮食料品は値段が高めだし、鮮度もやや低い。より生活圏に近いところとなると、庶民の毎日の買い物には農貿市場の方がまだまだ便利なのだ。

 市場の中は肉区、野菜区などに大まかに分けられ、その中を幅1メートルほどのブース割で市場の管理所が販売者に一定金額で貸し出している。たいてい市場の売り手に品物が渡るまでに何回か仲介業者を経ることになるので、多少、割高になったり、「偽装」の余地ができてしまったりすることもある。直営チェーン店化は、それを防ごう、という意気込みのようだった。
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