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ドイツ編13 ベルリンにて4 コワモテだけどやさしい

2019-05-18 10:29:55 | Weblog

中央の白い柵の辺りの平べったい乗り物を熱心に応援する人たち。ベルリン国際マラソンの早朝、目の前を高速スピードの人の乗る乗り物が走り去っていった。車いすかと思ったら、ハンドサイクルという、車いすを改造した形の乗り物で、足を使わず、手だけで漕ぐ。空気抵抗を減らすために寝そべった形に進化したものだ。ともかく速くて、一生懸命でかっこいい。

 スピードの出るスポーツなので一般的な成人男女のマラソンの前にスタートする。このように一般のマラソンの他にローラースケートを履いて走るインラインスケート、車いす、このハンドバイク、そして子どものマラソンと部門別レースが充実していた。

【不思議な朝食風景・・】
前回のつづきです。

ここであらたにおしゃべりをしながら楽しげにおばさん二人が朝食会場に入ってきました。トレーの上に楽しげにお料理を載せて、おしゃべりをしながらテーブルに向かい合って座って、一口。
とたんに無言、無表情。

 ここまでくると、あまりの見事な表情の変化に笑いのツボにはまってしまいました。もちろん、失礼なアジア人と思われないように私としては最大限、努力しているので、食べるどころではなくなってきました。

 次に新たに小学生の女の子と、スレンダーで都会的雰囲気の母親が入ってきましたが、やはり想像通りの展開に。笑いを声に出さないように腹筋でとどめているのが苦しかったこと。

追い打ちをかけるのが、ここの従業員のスキンヘッドで入れ墨の入った若いお兄さん。とにかくめまぐるしく働いています。ブレーメン以来の慌ただしさです。

 へそから下を覆うエプロンをきっちり巻いて、目的のテーブルに早歩きで突進し、有無も言わさず空いたお皿を取り上げて、ずんずんと厨房に戻っていきます。動きはあくまで直線的で、テーブルの上を拭くにしても、すばやく、直線的で力強く、しかし、汚れを残すことなく、確実に仕留めていくのです。なんだかこわいぐらいでした。

 ところが、2日目、私がジュースを入れようとしていると

「これはアップルジュース、オレンジジュースはこちらだよ」

と、この若いお兄さんが声をかけてきたのです。

私が昨日、オレンジジュースをなみなみと注いでいたのを覚えていたのでしょうか?そこで

「わかっています」

と私はそのままアップルジュースを入れようとすると、彼は丁寧にボタンを押して、コップに注いでくれ、そして丁寧に渡してくれたのでした。

「ダンケシェーン」と私は丁寧におじぎをかえしました。

 さてこのアップルジュース、席について飲むと、アップルというより、たんなる炭酸で、固くて甘いだけの味がしました。

【ベルリン国際マラソンの朝食】
 このホテルにも、たくさんのベルリンマラソンの参加者が泊まっていました。マラソン当日の朝、彼らのカロリーを思ってか、朝食会場にバナナが房ごと置かれました。

慶事です。

ロシアのナショナルチームの文字入りTシャツの若者の集団や家族でおそろいのデザインのマラソンシューズを履いている人も、続々と朝食会場に降りてきました。

ナショナルチームの若者は今日のためにと山盛りの炒り卵、サラダ、そしてパンを皿に盛っています。大丈夫かと心配になってみていると、どの人も予想通り、一口入れると瞬時に目もほっぺの筋肉も一斉に落ちて無表情になるのですが、文句もいわずに黙って苦行に耐えていました。そして、見事に食べきっていました。

私の笑い袋はその日はとうとう耐えきれず、爆発してしまったのでした。
(つづく)
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